【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1255話 なんだかんだと聞かれたら
「俺たちを治療したい気持ちは分かったけどよ……」
「お前いったい、何者なんだ?」
人魚族の戦士たちは俺に尋ねる。
俺は、しっかりと名乗ることにした。
「なんだかんだと聞かれたら……答えてあげるが世の情け」
俺は前口上を口にする。
この発言に、戦士たちはポカンとした。
「え? 急に何なんだ?」
「いったい何が始まるんだ……?」
困惑する人魚族の戦士たち。
俺は構わず、そのまま続ける。
「世界の滅亡を防ぐため……世界の平和を守るため……愛と真実の悪を貫くラブリーチャーミーな敵役!」
俺はそこでいったん言葉を切り、ポーズを取る。
「ナイトメア・ナイト!! 見参!!!」
そして、人魚族の戦士たちに堂々と名乗った。
完全に決まった。
一度は言ってみたい台詞ランキング上位に位置する名ゼリフだ。
少しばかり端折らせてもらったけどな。
「「…………」」
人魚族の戦士たちは反応に困っていた。
あれ、反応薄いな。
「あの……。ナイ様?」
「どうした? メルティーネ」
俺は人魚族の戦士たちから視線を外してメルティーネの方を見る。
彼女は何とも言えない表情をしていた。
「ナイ様は……人魚族の敵ですの?」
「いや、違うが」
俺は即答する。
何を言い出すんだ、この子は……。
そんなわけないだろうに。
「え? でも今、ナイ様はそう仰られて……」
「言ってみただけさ。敵役と言ったら、なんとなく格好いいだろう?」
「そ、そうでしょうか……?」
メルティーネが首を傾げる。
今の名乗りにどんな意味があったのか、いまいちピンとこないようだ。
まぁ、悪役という存在にカッコ良さを感じるのは男児限定かもなぁ。
「ゴホン! ……まぁそういうわけで、俺は『ナイトメア・ナイト』という者なんだ。先日のジャイアントクラーケン戦では、恐れ多くも一番槍を務めさせていただいた」
俺は咳ばらいをしつつ、名乗り直す。
今度は戦士たちも食いついてくれたようで、警戒しつつも俺の話を聞いてくれるようになった。
「ジャイアントクラーケンと言えば、あの……」
「あれに大ダメージを与えた人族がいたってのは聞いてる。でもよ……」
「俺たちは直接見たわけじゃないんだ。筋骨隆々で、とんでもないオーラを放ってたって聞いたぜ」
「こんなマヌケそうな奴が例の人族なのか? 噂と違うな」
人魚族の戦士たちは、やはり『ジャイアントクラーケンと戦っていた人族』という存在自体は認知していたようだ。
しかし、目の前にいる俺とその人物のイメージが重ならないらしい。
「む……。マヌケとは失礼な! この魔力を見てみろ!!」
俺はそう言って右手を掲げる。
人魚族の戦士たちは、俺の右手から立ち上る魔力に注目する。
「「おぉぉ……」」
声を漏らす戦士もいた。
俺はニヤリと笑ってから言葉を続ける。
「我が魔力の凄さを理解したかね? これだけの魔力があれば、お前たちの傷を癒やす程度は造作もない」
「そ、そうかもしれないけどよ……」
人魚族の戦士たちは顔を見合わせる。
やはり、簡単には俺を信用できないようだ。
「ちなみにだが、俺には『魔封じの枷』がはめられている。右手だけは解放されているが、左手と両足の魔力門は封印されたままだ」
「『魔封じの枷』……だと……。右手、右足、左足に……?」
「そうだ。つまり俺は、あと3回の変身を残していると言ってもいい。この意味が分かるな?」
「……っ!!」
「俺が全力を出せば、重傷者の治療だって可能ということだ。お前たちが信じるかどうかはさておき、俺なら大抵の傷病を癒やすことができる」
「「…………」」
人魚族の戦士たちは無言だった。
俺の言っていることが正しいのかどうか判断がつかないのだろう。
「しかしあいにく、枷を外す許可が下りなくて困っているんだ。これでは、軽傷者の治療ぐらいしかできなくてな……」
俺はそう説明する。
魔力を解放すれば、無理やり枷を弾き飛ばすことも可能だろうが……。
それは最後の手段だ。
「お前たち軽傷者の治療を、まずは任せてほしい。お前たちがその効果を喧伝してくれたら、重傷者の治療も任せてもらえるようになるかもしれない」
「そういうことか……。だが……」
「重傷者は、里を命がけで守った英雄なのだろう? お前たちの大切な仲間でもあるはずだ。せっかく生き残った誇り高く勇敢な戦士たちが、こんなところで苦しんでいていいのか? 予後が悪ければ、死に至る可能性もゼロではないぞ。戦闘で負った傷を舐めてはいけない」
俺はあえて煽るような言葉を口にする。
こういうタイプの戦士たちは、仲間や友人を大切にするタイプが多いからな。
「……分かった。そこまで言うなら、お前に任せる」
「俺たちを治療してみてくれ」
人魚族の戦士たちは戸惑いながらも頷いてくれた。
彼らにも彼らなりの信念や想いがあるのだろう。
それに応えられるよう、集中して治療魔法を発動しないとな。
「お前いったい、何者なんだ?」
人魚族の戦士たちは俺に尋ねる。
俺は、しっかりと名乗ることにした。
「なんだかんだと聞かれたら……答えてあげるが世の情け」
俺は前口上を口にする。
この発言に、戦士たちはポカンとした。
「え? 急に何なんだ?」
「いったい何が始まるんだ……?」
困惑する人魚族の戦士たち。
俺は構わず、そのまま続ける。
「世界の滅亡を防ぐため……世界の平和を守るため……愛と真実の悪を貫くラブリーチャーミーな敵役!」
俺はそこでいったん言葉を切り、ポーズを取る。
「ナイトメア・ナイト!! 見参!!!」
そして、人魚族の戦士たちに堂々と名乗った。
完全に決まった。
一度は言ってみたい台詞ランキング上位に位置する名ゼリフだ。
少しばかり端折らせてもらったけどな。
「「…………」」
人魚族の戦士たちは反応に困っていた。
あれ、反応薄いな。
「あの……。ナイ様?」
「どうした? メルティーネ」
俺は人魚族の戦士たちから視線を外してメルティーネの方を見る。
彼女は何とも言えない表情をしていた。
「ナイ様は……人魚族の敵ですの?」
「いや、違うが」
俺は即答する。
何を言い出すんだ、この子は……。
そんなわけないだろうに。
「え? でも今、ナイ様はそう仰られて……」
「言ってみただけさ。敵役と言ったら、なんとなく格好いいだろう?」
「そ、そうでしょうか……?」
メルティーネが首を傾げる。
今の名乗りにどんな意味があったのか、いまいちピンとこないようだ。
まぁ、悪役という存在にカッコ良さを感じるのは男児限定かもなぁ。
「ゴホン! ……まぁそういうわけで、俺は『ナイトメア・ナイト』という者なんだ。先日のジャイアントクラーケン戦では、恐れ多くも一番槍を務めさせていただいた」
俺は咳ばらいをしつつ、名乗り直す。
今度は戦士たちも食いついてくれたようで、警戒しつつも俺の話を聞いてくれるようになった。
「ジャイアントクラーケンと言えば、あの……」
「あれに大ダメージを与えた人族がいたってのは聞いてる。でもよ……」
「俺たちは直接見たわけじゃないんだ。筋骨隆々で、とんでもないオーラを放ってたって聞いたぜ」
「こんなマヌケそうな奴が例の人族なのか? 噂と違うな」
人魚族の戦士たちは、やはり『ジャイアントクラーケンと戦っていた人族』という存在自体は認知していたようだ。
しかし、目の前にいる俺とその人物のイメージが重ならないらしい。
「む……。マヌケとは失礼な! この魔力を見てみろ!!」
俺はそう言って右手を掲げる。
人魚族の戦士たちは、俺の右手から立ち上る魔力に注目する。
「「おぉぉ……」」
声を漏らす戦士もいた。
俺はニヤリと笑ってから言葉を続ける。
「我が魔力の凄さを理解したかね? これだけの魔力があれば、お前たちの傷を癒やす程度は造作もない」
「そ、そうかもしれないけどよ……」
人魚族の戦士たちは顔を見合わせる。
やはり、簡単には俺を信用できないようだ。
「ちなみにだが、俺には『魔封じの枷』がはめられている。右手だけは解放されているが、左手と両足の魔力門は封印されたままだ」
「『魔封じの枷』……だと……。右手、右足、左足に……?」
「そうだ。つまり俺は、あと3回の変身を残していると言ってもいい。この意味が分かるな?」
「……っ!!」
「俺が全力を出せば、重傷者の治療だって可能ということだ。お前たちが信じるかどうかはさておき、俺なら大抵の傷病を癒やすことができる」
「「…………」」
人魚族の戦士たちは無言だった。
俺の言っていることが正しいのかどうか判断がつかないのだろう。
「しかしあいにく、枷を外す許可が下りなくて困っているんだ。これでは、軽傷者の治療ぐらいしかできなくてな……」
俺はそう説明する。
魔力を解放すれば、無理やり枷を弾き飛ばすことも可能だろうが……。
それは最後の手段だ。
「お前たち軽傷者の治療を、まずは任せてほしい。お前たちがその効果を喧伝してくれたら、重傷者の治療も任せてもらえるようになるかもしれない」
「そういうことか……。だが……」
「重傷者は、里を命がけで守った英雄なのだろう? お前たちの大切な仲間でもあるはずだ。せっかく生き残った誇り高く勇敢な戦士たちが、こんなところで苦しんでいていいのか? 予後が悪ければ、死に至る可能性もゼロではないぞ。戦闘で負った傷を舐めてはいけない」
俺はあえて煽るような言葉を口にする。
こういうタイプの戦士たちは、仲間や友人を大切にするタイプが多いからな。
「……分かった。そこまで言うなら、お前に任せる」
「俺たちを治療してみてくれ」
人魚族の戦士たちは戸惑いながらも頷いてくれた。
彼らにも彼らなりの信念や想いがあるのだろう。
それに応えられるよう、集中して治療魔法を発動しないとな。
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