【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1252話 負傷の理由
俺はメルティーネに連れられ、治療岩にやってきた。
治療岩とは、要するに治療院のようなものだ。
人魚の住居は岩でできている。
巨大な岩をくり抜いたようなものもあれば、小さめの岩を組み合わせたものもあった。
この治療岩は、その中でも特別大きい岩をくり抜いたものらしい。
大きさは、30メートル四方くらいはあるだろうか。
入り口は非常に大きく、中には多数の人魚族の気配がある。
「それで? いったい何が原因で、負傷者がたくさん出たんだ?」
「ナイ様はご存知かと思いましたが……」
「うーん……」
俺は首を傾げる。
メルティーネの口ぶりから察するに、俺に関係あることのようだが……。
「……ああ! もしかして、ジャイアントクラーケンとの戦いか?」
「そうですの!」
メルティーネが、我が意を得たりとうなずく。
彼女は詳細を教えてくれた。
「ジャイアントクラーケンには、ナイ様が大ダメージを与えてくださいました。そして人魚族の戦士たちで戦いを引き継ぎ、討伐に成功いたしましたの。ですが……」
「何か問題が?」
「瀕死状態だったジャイアントクラーケンでも、まだ私たちには荷が重かったようですの。討伐中に負傷者が多数出て……。治療岩が満床となってしまいましたの」
「そういうことか……」
俺は納得する。
ジャイアントクラーケンは凄まじい巨体を持つ。
チートの恩恵を受けているミリオンズでも討伐をひと目で諦め、逃亡に方針転換をしたほどだ。
そんな中、俺は単身で時間稼ぎに挑んだ。
聖女リッカや龍神ベテルギウスの武技を借りたことで、想定以上に善戦できたが……。
それでも、相手を追い込めたタイミングでこちらが先にダウンしてしまった。
人魚族の戦士が戦いを引き継いでくれたため事なきを得たわけだが、彼らは彼らでかなり苦戦したらしい。
そのため、負傷者が多数出てしまったのだ。
「では、勇敢なる人魚族戦士のケガを治していくことにしよう」
俺はメルティーネと共に治療岩の中へと入る。
左手と両足は拘束されたままだが、俺にとっては問題ない。
怪しまれない程度に、ゆっくりと移動していく。
「ほう……」
内部は広く、あちこちにケガをした人魚族たちが寝かされていた。
そのケガの様子は、かなり深刻であるようだ。
「ナイ様……。こちらですの」
メルティーネが小声で俺を誘導する。
彼女はケガ人たちの間を縫うようにして、ある場所へ向かった。
そこには複数の人魚族の女性たちが詰めており、中には一人の子どもも含まれていた。
「あれは?」
「治療岩で働く女性たちですの。彼女たちは、ケガをしている戦士の治療をしていますの。治療魔法を扱える者もいますの」
「なるほどな……」
俺は納得した。
治療魔法は珍しい魔法だが、激レアというほどではない。
人魚の里に何百人の人魚族がいるのかはわからないが、治療魔法を扱える者は当然存在する。
彼女たちはその魔法を用いて、重傷者の治療にあたっているのだろう。
「……メルティーネ姫様? どうしてこちらに……?」
メルティーネの存在に気づいた人魚族の女性の一人が、困惑した顔で言う。
王族が治療施設を訪れることは、あまりないのだろうか。
「治療魔法を使える者を連れてきましたの。手伝わせてもらいたいですの」
「えっと……。そのような話は聞いておりませんが……」
「それは当然ですの。私の判断で連れてきましたの」
「姫様のご厚意をありがたく思います。王宮務めの治療魔法使いの方でしょうか? それなら、心強いですが……」
人魚族の女性は戸惑う。
治療魔法を扱える者は貴重だ。
この治療岩だけでなく、王宮やその他の施設で働いている者もいるだろう。
しかし、メルティーネが連れてきたのは王宮務めの魔法使いなどではない。
俺だ。
「いや、王宮勤めの魔法使いではないよ」
俺はそう前置きする。
そして、ひと泳ぎ前に出た。
「俺の名前は『ナイトメア・ナイト』だ。ジャイアントクラーケンの討伐に、少しだけ貢献させてもらった者さ」
「ナイトメア……!?」
「あの噂の……!?」
「人族……!」
俺が名乗ると、メルティーネ以外の全員が硬直したのだった。
治療岩とは、要するに治療院のようなものだ。
人魚の住居は岩でできている。
巨大な岩をくり抜いたようなものもあれば、小さめの岩を組み合わせたものもあった。
この治療岩は、その中でも特別大きい岩をくり抜いたものらしい。
大きさは、30メートル四方くらいはあるだろうか。
入り口は非常に大きく、中には多数の人魚族の気配がある。
「それで? いったい何が原因で、負傷者がたくさん出たんだ?」
「ナイ様はご存知かと思いましたが……」
「うーん……」
俺は首を傾げる。
メルティーネの口ぶりから察するに、俺に関係あることのようだが……。
「……ああ! もしかして、ジャイアントクラーケンとの戦いか?」
「そうですの!」
メルティーネが、我が意を得たりとうなずく。
彼女は詳細を教えてくれた。
「ジャイアントクラーケンには、ナイ様が大ダメージを与えてくださいました。そして人魚族の戦士たちで戦いを引き継ぎ、討伐に成功いたしましたの。ですが……」
「何か問題が?」
「瀕死状態だったジャイアントクラーケンでも、まだ私たちには荷が重かったようですの。討伐中に負傷者が多数出て……。治療岩が満床となってしまいましたの」
「そういうことか……」
俺は納得する。
ジャイアントクラーケンは凄まじい巨体を持つ。
チートの恩恵を受けているミリオンズでも討伐をひと目で諦め、逃亡に方針転換をしたほどだ。
そんな中、俺は単身で時間稼ぎに挑んだ。
聖女リッカや龍神ベテルギウスの武技を借りたことで、想定以上に善戦できたが……。
それでも、相手を追い込めたタイミングでこちらが先にダウンしてしまった。
人魚族の戦士が戦いを引き継いでくれたため事なきを得たわけだが、彼らは彼らでかなり苦戦したらしい。
そのため、負傷者が多数出てしまったのだ。
「では、勇敢なる人魚族戦士のケガを治していくことにしよう」
俺はメルティーネと共に治療岩の中へと入る。
左手と両足は拘束されたままだが、俺にとっては問題ない。
怪しまれない程度に、ゆっくりと移動していく。
「ほう……」
内部は広く、あちこちにケガをした人魚族たちが寝かされていた。
そのケガの様子は、かなり深刻であるようだ。
「ナイ様……。こちらですの」
メルティーネが小声で俺を誘導する。
彼女はケガ人たちの間を縫うようにして、ある場所へ向かった。
そこには複数の人魚族の女性たちが詰めており、中には一人の子どもも含まれていた。
「あれは?」
「治療岩で働く女性たちですの。彼女たちは、ケガをしている戦士の治療をしていますの。治療魔法を扱える者もいますの」
「なるほどな……」
俺は納得した。
治療魔法は珍しい魔法だが、激レアというほどではない。
人魚の里に何百人の人魚族がいるのかはわからないが、治療魔法を扱える者は当然存在する。
彼女たちはその魔法を用いて、重傷者の治療にあたっているのだろう。
「……メルティーネ姫様? どうしてこちらに……?」
メルティーネの存在に気づいた人魚族の女性の一人が、困惑した顔で言う。
王族が治療施設を訪れることは、あまりないのだろうか。
「治療魔法を使える者を連れてきましたの。手伝わせてもらいたいですの」
「えっと……。そのような話は聞いておりませんが……」
「それは当然ですの。私の判断で連れてきましたの」
「姫様のご厚意をありがたく思います。王宮務めの治療魔法使いの方でしょうか? それなら、心強いですが……」
人魚族の女性は戸惑う。
治療魔法を扱える者は貴重だ。
この治療岩だけでなく、王宮やその他の施設で働いている者もいるだろう。
しかし、メルティーネが連れてきたのは王宮務めの魔法使いなどではない。
俺だ。
「いや、王宮勤めの魔法使いではないよ」
俺はそう前置きする。
そして、ひと泳ぎ前に出た。
「俺の名前は『ナイトメア・ナイト』だ。ジャイアントクラーケンの討伐に、少しだけ貢献させてもらった者さ」
「ナイトメア……!?」
「あの噂の……!?」
「人族……!」
俺が名乗ると、メルティーネ以外の全員が硬直したのだった。
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