【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1246話 スキル強化の検討

「あー……。暇だなぁ……」

 俺は暇を持て余していた。
 現在、人魚の里に滞在し始めて3日目になる。
 王女メルティーネは、初日以降に顔を出してくれていない。

 見捨てられた?
 いや、違う。
 侍女リマの話では、俺の処分に対して国王・元老院・戦士団幹部などを説得してくれているらしい。
 そのため、メルティーネは忙しい日々を送ることになってしまったのだ。

 ここを訪れるのは、リマぐらいだな。
 しかしその彼女も、24時間ずっといるわけではない。
 食事の提供の他、定期的に様子を見に来てくれる程度だ。

「ガチで暇だな……」

 俺はのんびりと洞窟の壁を眺める。
 だが、いつまでもこうしていても仕方がない。
 何か他にできることは……。

「そう言えば、新たにスキルポイントを得たのだったか……」

 ふと、そんなことを思い出した。
 ドタバタしていて忘れていたが、クラーケン戦を通してミッションを達成していたのだった。

ミッション(達成済み)
クラーケンを討伐し魔石を入手せよ。
報酬:スキルポイント20

 別れの土壇場で、ミリオンズのみんなのスキルは強化済みだ。
 クラーケンを倒した直後にジャイアントクラーケンが出現したため、別行動が長期化する可能性が増したためである。
 しかし、自分自身のスキルについてはすっかり忘れていた。

「ええっと……。以前より保留していた15ポイント、ミッション報酬の20ポイント、そしてレベルアップによる20ポイントもあるのか……。合計で55ポイントだな」

 かなりの強化ができる。
 これなら、ジャイアントクラーケン戦前に強化していればもっと楽に戦えたかもしれないな。
 ……いや、あのタイミングではレベルアップしていなかっただろうし、35ポイント分の強化しかできなかった。
 以前から相談していたミリオンズの面々のスキル強化はともかく、自分自身の強化はいつでもできるので方針があやふやなままだった。
 戦闘中に熟考するのは危険だし、あの時はあのまま戦うしかなかったように思う。

「まぁいいか……。せっかく暇なんだし、どのスキルがいいか考えてみるか」

 俺はステータス画面を表示させる。
 そして、自分の中でどのスキルを強化するべきか考え始めた。

「ヤマト連邦で役立つスキルは……何だろう? うーむ……」

 スキルポイントが潤沢にあることで、本当に色々な選択肢があった。
 どんな風に強化すれば良いのか迷ってしまう。

 潜入作戦であることを考えると、『気配隠匿』や『気配察知』が便利か。
 五感強化系の『視力強化』や『聴覚強化』も捨てがたい。
 基礎ステータス強化系の『MP強化』『腕力強化』『脚力強化』『体力強化』などがあれば、確実な底上げとなる。
 特殊武技の『闘気術』を伸ばせば、『英霊纏装・ベテルギウス』が完成に近づく。
 同じく『聖闘気術』や『聖魔法』を伸ばせば、『神霊纏装・アーティルドラ』がより十全に使えるようになる。
 各属性の魔法系スキルを強化するのもアリだ。

 それに、『精力強化』や『夜戦術』も悪くない。
 ヤマト連邦の美少女とムフフな関係になれば、そこから機密情報を得ることも可能だろう。
 どれも魅力的だ。

「しかし……ほとんど未知の国だからなぁ……。行ってみないと分からないというか……」

 俺は頭を悩ませる。
 サリエにもらった各種の書物、それに蓮華や雪月花の話により、ざっくりとしたヤマト連邦のイメージはある。
 しかし、やはり行ってみないことには分からない。

「珍しい戦闘スタイルの者たちもいるそうだし……」

 蓮華のようなサムライの他、忍者や力士もいるらしい。
 ひょっとすると、『忍術』や『相撲術』といったスキルが存在するかもしれない。
 一部のスキルは、自分自身の鍛錬によって取得しないとステータス画面に表示されないものもあるのだ。
 普通に考えて『相撲術』は『格闘術』に内包されているようにも思うが、確実ではない。
 他にも、『妖術』や『呪術』といった特殊なスキルもあるかもしれない。

「いやしかし……今はヤマト連邦よりも目の前のことを考えるべきか……。人魚の里から穏便に脱出するために必要なことは……」

 俺は悩む。
 こうして俺は、待機時間を使ってスキルポイントの使い道を考えていくのだった。

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