【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1240話 相互理解

「お、おい……? 何をするつもりだ?」

 俺は思わずうろたえた。
 リマが股間に顔を近づけてきたからだ。

(こ……これは……)

 彼女の吐息が、俺の大事なところに直接かかる。
 緊張から、俺は思わず身を強張らせた。

(お……おおぅ……)

 心臓が早鐘を打つ。
 そこでリマがこちらを見上げたので、俺と彼女の目が合った。

「どうしました? ナイト様」

「いや……何でもない……」

 俺はそう答えたが、心臓がバクバクと鳴っている。

(こ、これは想像以上に……)

 10歳の美少女に股間を凝視されるという特殊な状況。
 しかも、自分は四肢を拘束され動けない。
 俺の心拍数が上がるのも致し方あるまい……。

「ふむふむ……。人族の股間はこうなっておるのですね……」

 リマはそんなことをつぶやきながら、俺の大事なところをまじまじと見ている。
 俺は不思議な気持ちになっていた。

(何というか……むず痒い気分だな……)

 今までに感じたことのない感情だ。
 妙な気持ちになってくる……。
 新たな扉を開いてしまいそうだ。

「なぁ、リマ。お前ばかりズルくないか?」

「えっ? ズルい?」

 俺はたまらずリマに声をかけた。
 すると、彼女はきょとんとした顔をする。

「ああ……。君ばかり俺の大事なところをガン見しているじゃないか」

 俺は少し冗談っぽく言った。
 だが、本音である。
 俺だって、人魚族の股間部がどうなっているのか知りたい。

 さすがに初対面の10歳の少女に言うわけにはいかないと思い、我慢していたのに……。
 相手方のリマは、好き放題に見ている。
 これでは、フェアとは言えない。

「あら? ガン見してましたでしょうか? そんなつもりはなかったのですが……」

 リマは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
 その仕草が可愛らしい。

「しかし……わたしの身体に興味をお持ちなのですか?」

「ああ、そうだな。俺は君の身体に興味を持っている」

 隠す必要はないだろう。
 リマの態度を見ていれば分かるが、彼女は俺に対して好意的だ。
 忠義度も、初対面にしては決して低くない。

 人魚族は人族に偏見を持っているという話だが、人魚族の中でも個人差はあるらしい。
 彼女のような子がいてもおかしくはあるまい。
 というか、そういう人物をメルティーネが世話役に選んでくれたというべきか。

「あの……。ナイト様は姫様の恋人なのでしょう? わたしのような侍女の裸に興味を持つ必要はないと思うのですが……」

 リマは、どこかもじもじした様子で言った。

「それは違うな」

 俺は即座に否定する。

「えっ!? 違うのですか?」

「ああ。実は、俺は人魚族に詳しくなくてね……。人魚族の体がどのようになっているか、気になるんだよ。君の身体を観察すれば、理解が進むだろう?」

 俺は正直に答えた。
 ここで嘘をついても仕方がないからな。

「な、なるほど……。あくまで知識として見ておきたいと……」

「当然だ。俺は成熟前の少女の裸に興味を持つような変態ではない」

 俺は決め顔を作って言った。
 妙な疑惑は、早めに払拭しておきたい。

「そ……そうですよね! 失礼しました!! わたしったら、自意識過剰で……。恥ずかしいです……」

 リマは顔を真っ赤に染めて謝罪する。
 どうやら、納得してくれたようだ。

「よし、それでは頼む」

「……え? あ……でも……」

 俺はリマに改めて頼んだ。
 すると彼女は、少し困ったような顔をする。

「何か問題でも?」

「事情はわかりましたけど、それはそれとして恥ずかしいというか……。ちょっとはしたないかなと……」

 リマが恥ずかしそうに言った。
 その仕草も可愛らしい。
 だが、彼女の言うことも分かる。
 いくら知識欲のためとはいえ、初対面の異性に対して股間を見せるのは恥ずかしいだろう。
 俺だってそうだ。
 しかし、そこはうまくフォローせねばなるまい。

「そこを何とか頼むよ……リマ。俺だって見せたじゃないか……」

 俺は甘えるような表情で言った。
 こうすれば、ミリオンズの面々はお願いを聞いてくれることが多い。

「そ……そうですね……。いや、でも……」

 リマも俺の様子を見て、少し心が動いたようだ。
 よし、もう一押しだ!

「なぁ、頼むよリマ。これは種族間の相互理解に必要な行為なんだ。決して、君に対してやましい気持ちがあるわけじゃない。君の行為によって、これからの歴史が変わっていくかもしれないんだ」

 俺は誠実さをアピールする。
 相互理解が進めば、人族と人魚族の間に友好関係を結べるかもしれない。
 繰り返すが、決して変な意味はない。

「そ……そうですね……。わかりました!」

 ついにリマが折れた。
 彼女は意を決し、腰布に手をかける。
 ――こうして俺は、人魚族の股間部に関する理解を深めたのだった。

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