【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1237話 海神の大洞窟
「――ん? ここは……?」
俺は意識を取り戻した。
ここは……どこだ?
俺は確か、ジャイアントクラーケンと戦っていて……。
「お目覚めになりましたの? ナイ様」
「……メルティーネ?」
人魚のメルティーネが声をかけてきた。
ここは……洞窟の中か?
いや、違うな。
周りは明るくて、どこか神秘的な雰囲気を感じる。
少なくとも、ただの洞窟ではなさそうだ。
「ああ、そうか……。俺は確か、メルティーネに助けてもらったのだったか……」
「はいですの。ナイ様がお疲れのようでしたので、私がここまで運びましたの」
「それはすまない。面倒をかけたな……」
「いえいえ、当然のことをしたまでですの! むしろ、助けられたのはこっちですの!!」
メルティーネが元気よく言う。
彼女は優しい笑顔で俺を見つめていた。
「それで、ここはどこなんだ?」
「ここは『海神の大洞窟』と呼ばれる場所ですの。人魚の里の外れに位置してますの」
「海神の大洞窟?」
メルティーネが教えてくれた名称を繰り返す。
聞いたことがないな……。
「はいですの。人魚族に伝わる聖域のようなものですの。ここは大地から空気が漏れ出ていて、地上のような環境になっていますの。海神ポセイドンの息吹が漏れているとの伝承がありますの」
メルティーネが説明してくれる。
今さらだが、俺は普通に呼吸できているな。
メルティーネの加護により水中でも最低限の呼吸ができる俺だが、今は最低限ではなくて普通に呼吸ができている感じだ。
「そうなのか……。そんな場所に連れてきてしまってすまないな……」
俺がそう言うと、メルティーネが手をワタワタさせた。
「む、むしろ謝るのはこっちですの!」
「ん? どういうことだ?」
「だって、ほら……。そのように拘束してしまっていますの……」
メルティーネが指さす先には、俺の両手足を縛っている枷があった。
なかなかに頑強そうな枷だ。
鉄製か?
人魚の里に、製鉄技術があったとは……。
深海では火を使えないと思うが……。
いや、そうでもないのか?
この『海神の大洞窟』と似たような場所があれば、火を使うこともできるだろう。
あるいは、地上と交易したり、地上からの漂流物を拾ったり、海底に眠る古代文明の遺物を掘り起こしたり……。
または、鉄の強度には及ばずともそこらの岩石を砕いて加工すれば、手枷や足枷として使うことも可能だ。
海底になる人魚の里に頑強な枷があっても、別におかしいことではない。
「……ふんっ!」
俺は軽く力を込めてみた。
だが、枷はビクともしない。
「ごめんなさいですの……。それは特殊な素材から加工した『魔封じの枷』ですの。それに、『闘気封印の縄』も……」
「そうなのか?」
魔道具『魔封じの枷』は聞いたことがある。
というか、実際にそれで拘束されたことがあった。
王都での『オパンツ戦隊』の件だな。
あのときは、いろいろと大変だった。
まぁ、結果的には『誓約の五騎士』イリーナや中隊長レティシアと仲を深められたので、良かったのだが……。
そして、『闘気封印の縄』。
これは初めて聞いた名前だ。
「はあぁっ……!!」
俺は闘気を軽く開放してみる。
だが、無駄だった。
なぜか上手くいかない。
闘気の出力口に栓がされている感じだ。
これが『闘気封印の縄』の効果か。
「ふむ……。確かに上手く力を出せないな……」
「ジャイアントクラーケンの討伐に貢献した恩人に、このような仕打ち……。申し訳ないですの……」
メルティーネがペコリと頭を下げた。
彼女の小さなつむじが見える。
「いや、謝らなくてもいいさ。枷は外せないのか?」
俺はメルティーネに尋ねる。
すると彼女は、首を振った。
「重ね重ね申し訳ないのですが、今はナイ様の処分を検討中ですの。しばらくここに監禁しておくことになりますの……」
「俺の処分?」
「はいですの……。人魚族には人族に偏見を持つ者も多くて……。それに、ナイ様のあのとんでもない戦闘能力を見て怯えている者も多数存在していますの……」
メルティーネが申し訳なさそうに言った。
人魚族と人族の歴史について、俺は詳しく知らない。
だが、少しぐらいは聞いたことがある。
人魚の血には特別な効能があるとされ、それに目をつけた人族が人魚の乱獲を試みたとか何とか……。
それは昔の出来事のはずだが、今でも人魚族にとって人間族は忌避すべき対象であるらしい。
実際、小規模とはいえ『ダダダ団』の首領リオンがメルティーネで実験していたしな。
なかなか厄介な状況だ。
しかし、俺はどこか余裕を感じてもいた。
とりあえず、メルティーネとの話を続けて情報を収集させてもらおう。
俺は意識を取り戻した。
ここは……どこだ?
俺は確か、ジャイアントクラーケンと戦っていて……。
「お目覚めになりましたの? ナイ様」
「……メルティーネ?」
人魚のメルティーネが声をかけてきた。
ここは……洞窟の中か?
いや、違うな。
周りは明るくて、どこか神秘的な雰囲気を感じる。
少なくとも、ただの洞窟ではなさそうだ。
「ああ、そうか……。俺は確か、メルティーネに助けてもらったのだったか……」
「はいですの。ナイ様がお疲れのようでしたので、私がここまで運びましたの」
「それはすまない。面倒をかけたな……」
「いえいえ、当然のことをしたまでですの! むしろ、助けられたのはこっちですの!!」
メルティーネが元気よく言う。
彼女は優しい笑顔で俺を見つめていた。
「それで、ここはどこなんだ?」
「ここは『海神の大洞窟』と呼ばれる場所ですの。人魚の里の外れに位置してますの」
「海神の大洞窟?」
メルティーネが教えてくれた名称を繰り返す。
聞いたことがないな……。
「はいですの。人魚族に伝わる聖域のようなものですの。ここは大地から空気が漏れ出ていて、地上のような環境になっていますの。海神ポセイドンの息吹が漏れているとの伝承がありますの」
メルティーネが説明してくれる。
今さらだが、俺は普通に呼吸できているな。
メルティーネの加護により水中でも最低限の呼吸ができる俺だが、今は最低限ではなくて普通に呼吸ができている感じだ。
「そうなのか……。そんな場所に連れてきてしまってすまないな……」
俺がそう言うと、メルティーネが手をワタワタさせた。
「む、むしろ謝るのはこっちですの!」
「ん? どういうことだ?」
「だって、ほら……。そのように拘束してしまっていますの……」
メルティーネが指さす先には、俺の両手足を縛っている枷があった。
なかなかに頑強そうな枷だ。
鉄製か?
人魚の里に、製鉄技術があったとは……。
深海では火を使えないと思うが……。
いや、そうでもないのか?
この『海神の大洞窟』と似たような場所があれば、火を使うこともできるだろう。
あるいは、地上と交易したり、地上からの漂流物を拾ったり、海底に眠る古代文明の遺物を掘り起こしたり……。
または、鉄の強度には及ばずともそこらの岩石を砕いて加工すれば、手枷や足枷として使うことも可能だ。
海底になる人魚の里に頑強な枷があっても、別におかしいことではない。
「……ふんっ!」
俺は軽く力を込めてみた。
だが、枷はビクともしない。
「ごめんなさいですの……。それは特殊な素材から加工した『魔封じの枷』ですの。それに、『闘気封印の縄』も……」
「そうなのか?」
魔道具『魔封じの枷』は聞いたことがある。
というか、実際にそれで拘束されたことがあった。
王都での『オパンツ戦隊』の件だな。
あのときは、いろいろと大変だった。
まぁ、結果的には『誓約の五騎士』イリーナや中隊長レティシアと仲を深められたので、良かったのだが……。
そして、『闘気封印の縄』。
これは初めて聞いた名前だ。
「はあぁっ……!!」
俺は闘気を軽く開放してみる。
だが、無駄だった。
なぜか上手くいかない。
闘気の出力口に栓がされている感じだ。
これが『闘気封印の縄』の効果か。
「ふむ……。確かに上手く力を出せないな……」
「ジャイアントクラーケンの討伐に貢献した恩人に、このような仕打ち……。申し訳ないですの……」
メルティーネがペコリと頭を下げた。
彼女の小さなつむじが見える。
「いや、謝らなくてもいいさ。枷は外せないのか?」
俺はメルティーネに尋ねる。
すると彼女は、首を振った。
「重ね重ね申し訳ないのですが、今はナイ様の処分を検討中ですの。しばらくここに監禁しておくことになりますの……」
「俺の処分?」
「はいですの……。人魚族には人族に偏見を持つ者も多くて……。それに、ナイ様のあのとんでもない戦闘能力を見て怯えている者も多数存在していますの……」
メルティーネが申し訳なさそうに言った。
人魚族と人族の歴史について、俺は詳しく知らない。
だが、少しぐらいは聞いたことがある。
人魚の血には特別な効能があるとされ、それに目をつけた人族が人魚の乱獲を試みたとか何とか……。
それは昔の出来事のはずだが、今でも人魚族にとって人間族は忌避すべき対象であるらしい。
実際、小規模とはいえ『ダダダ団』の首領リオンがメルティーネで実験していたしな。
なかなか厄介な状況だ。
しかし、俺はどこか余裕を感じてもいた。
とりあえず、メルティーネとの話を続けて情報を収集させてもらおう。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
140
-
-
111
-
-
93
-
-
52
-
-
57
-
-
3
-
-
2288
-
-
107
-
-
29
コメント