【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1226話 スキルポイント20

 俺たちはクラーケンを討伐した。
 ドラちゃんがクラーケンを食べていたところ、巨大な魔石が見つかった。
 そして俺は、視界の隅で何かが光っていることに気が付いた。

「これは……」

 システム上に新着情報があることの通知だ。
 俺はそれを確認してみる。

ミッション(達成済み)
クラーケンを討伐し魔石を入手せよ。
報酬:スキルポイント20

「あー……。みんな、ちょっといいか?」

 俺はみんなに声をかける。
 このミッションの件は、早めに共有しておくべきだろう。

「はい、タカシさん。どうしたんですの?」

「なにか重大な問題でもありましたか?」

 リーゼロッテとサリエがそう問いかけてくる。

「いや、悪いニュースではないんだけどさ。このクラーケンの魔石は、いつの間にかミッションの対象になってたらしいんだよ」

 俺はそう告げる。
 今までなら、ミッションが追加された時にも視界の端が光って新着情報の存在を通知してくれていたのだが……。
 今回はなかったように思う。

 バグか?
 いや、俺が戦闘に集中していて気付かなかっただけか?
 あるいは、『権限者』が戦闘中の俺に気を使ったとか……。
 ま、細かいことはいいか。

「スキルポイントが20も入った。これの使い道だが――」

「タカシ様っ! それは!!」

「え? あ……」

 ミティが声を上げた。
 少し遅れて、俺は気付く。

「タカシさん~。スキル……ポイント? ってなに~?」

「その様子じゃ、秘匿事項だったみたいね……。私たちに聞かれちゃマズイことなのかしら?」

 花と月がそう言う。
 俺の『加護付与』や『ステータス操作』のチートスキルの存在は、秘匿性の高い事項である。

 その中で『加護付与』については、やや秘匿性が低い。
 加護(小)や加護(微)が存在するため、最も早い段階から他者から気付かれやすいしな。
 雪月花三姉妹に対して言葉で説明はしていないが、薄っすらと勘づいていてもおかしくはないぐらいだ。

 一方の『ステータス操作』については、ひと回り秘匿性が高い。
 スキルポイントを消費すれば、ほぼ自由自在にスキルを取得・強化していくことができる……。
 この事実はミリオンズにしか伝えていなかったはずだ。
 スキルポイントという単語を聞かれること自体を避けたほうがいい。

「あー、うん。すまんな……」

 俺は素直に謝った。
 雪月花を信頼してないとかではない。
 むしろ、彼女たちは信頼できる仲間だと思っている。
 だが、通常の加護を取得していない段階で情報だけ伝えても仕方ない。
 慣例通り、通常の加護を取得するまで説明は控えておいた方が無難だろう。

「……別に構わない。ボクたちが男爵さんからの信頼を勝ち取れていない、それだけの話……」

 雪がそう言う。
 彼女は謙虚だな……。
 尻を使って絆を深めた仲とは思えないぐらいだ。
 逆に、少しだけ寂しい気もする。

「ああ、そう言えば……。このクラーケンの魔石についてなんだが……」

 俺は話題を変えることにした。
 今回のミッションで思いがけず入手したスキルポイント20の使い道は、また改めて相談することにしよう。
 雪月花に操舵を任せ、その間にまたミリオンズ会議を開くのがいい。
 あるいは、隙間時間に1人ずつ確認してみるのでもいいな。
 スキルポイント20の使い道と言えば、前回のミリオンズ会議でも議題に出た項目だ。

ミッション
ヤマト連邦を訪れよう。
報酬:スキルポイント20

 前回のミリオンズ会議の時点で、このミッションが近いうちに達成される見通しだった。
 それぞれ、使い道は考えてくれているだろう。
 あの会議以降に各人との雑談で話題に出たこともあったし、あとは最後の確認をするだけだ。

「魔石については、様々な用途があります。タカシさんの空間魔法で保管されるのがよろしいでしょう」

「ヤマト連邦に到着したら、売ってしまうのもアリね。まぁ、目立ってしまうけど……」

 サリエと月がそれぞれ言う。
 魔法を使う際に魔石を併用すれば、より強力な魔法を行使することができる。
 魔道具に組み込むのもいい。
 単純に売却して、資金にするのも手だ。

「そうだな。では、とりあえず俺の『アイテムルーム』に収納しておこう。――むっ!?」

 グラッ!
 グラグラッ!
 突然、船が大きく揺れた。

「うおっ……!? なんだ!?」

 俺は船べりに掴まる。
 近くにいたサリエや月が、俺に抱きついた。
 俺は異変に気付く。

「暗いな……。いつの間にか夜になっていたのか?」

 辺りがすっかり暗くなっていた。
 真っ暗というほどではないが、何か灯りが欲しい。

「いや、これは……夜になったわけではござらぬ!」

「タカシ様! あれを!!」

 蓮華が叫び、ミティが上空を指さす。
 そこには――

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