【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1225話 クラーケンの魔石

「ふう……。なんとかなったか……」

 俺は安堵の息を吐く。
 クラーケンはもう動かないようだ。

「お疲れー、タカシ」

「大変な相手だったね」

 アイリスとモニカが声をかけてくる。
 彼女たちもしっかりと戦ってくれていた。

「おう。みんなもお疲れ様。特に……ミティ、最後の一撃は凄かったぞ」

 俺はそう言ってミティの頭をなでる。
 彼女は嬉しそうに微笑んだ。

「えへへ……。頑張った甲斐がありました!」

 クラーケンとの死闘は終わった。
 船上には勝利ムードが漂っている……。
 だが、俺はここで油断しない。

「みんな、ケガはないか? 体調に異変のあるやつはいないか? もしいれば、すぐに教えてくれ」

 俺はそう声をかける。
 クラーケンは強大な相手だった。
 戦闘中はハイになっており気付けなかった傷や疲れが、戦いが終わってから一気に噴出する場合もあるのだろう。

「だ、大丈夫です」

「ふふん。問題ないわよ」

「マリアも元気いっぱいだよっ!」

「私もケガひとつないよー」

 ニム、ユナ、マリア、ゆーちゃんが返事をする。
 その他の面々も、特に問題ないようだ。
 これで、ひと安心……いや、まだだな。

「船は無事か……?」

 俺はそうつぶやく。
 クラーケンは倒した。
 だが、途中から隠密小型船へのダメージに配慮する余裕がなかった。
 それが原因で、船が壊れてしまっていたら……。

「見たところ、問題ないようですね」

「ええ。大丈夫そうですわ」

 サリエとリーゼロッテが船の損傷を調べてくれている。
 彼女たちの言葉なら信頼できるだろう。
 船に大きなダメージはないようだ。

「船に損傷がなくて良かった。……しかし、このクラーケンの死体はどうする?」

「ふむ。これだけの烏賊であれば、さぞや食いでがあるでござろう」

「そうですね。これだけあれば、お腹いっぱい食べられますよ」

 蓮華とレインがそう言う。
 ちょっと斜め上の内容だったが……まあ、それはいい。

「確かに、一部は食料として俺の『アイテムルーム』に保管しておくのもいいか。誰かさんが密航してきたせいで、食料の減りが早いかからな」

「うぐっ。そ、それは悪かったと思っているわよ……」

「ごめんね~? タカシさん~」

 月と花がバツの悪そうな顔をする。
 まあ、食料については反省しているようだし……これ以上は責めないでおこう。
 俺は気を取り直して、料理人モニカや海生物に詳しいリーゼロッテと相談しつつ、クラーケンの一部を解体して『アイテムルーム』に収納した。

「うーん……。分かっていたことだが、全てを収納することは不可能だな」

 クラーケンは、全長50メートルほどの巨体だ。
 いくら俺が『ステータス操作』のチートで各種の能力を伸ばしていると言っても、限度がある。
 これほどの巨体を収納することはできない。

「……放っておいたら、魔物とかが寄ってくるかも……」

「ああ。だが、焼却処分するのもMPを大量に消費する。ここは、放置してさっさと進むべきか」

 俺としては、クラーケンの死体はこの場に放置して先を急ぐのがベターな選択に思える。
 死体を放置するのはマズイような気もするが、よく考えると別に構わないだろう。
 魔物や魚が死体を食べ、やがて自然の一部になるのならそれが一番だ。
 問題は、その寄ってくる魔物たちが俺たちを襲ってくるかもしれないということだけ。
 ならば、さっさと先へ進んでしまえばいい。

「がぶっ! がぶがぶっ!!」

 ほら、そうこう言っている内に、クラーケンの死体に齧りついている魔物が……。

「……って、ドラちゃんじゃねぇか!」

「タカシー! このイカ、おいしいよー!! がぶがぶ……」

 ドラちゃんがクラーケンをかじって、嬉しそうにしている。
 もちろん、生のままだ。

「おいおい……。お腹を壊さないでくれよな……?」

 俺はそう言う。
 生でイカを食べて大丈夫なのか?
 日本では、刺し身で普通に食べていたが……。

 この世界におけるイカの安全度は不明だ。
 スキル『異世界言語』による自動翻訳で『イカ』と訳されているだけで、実際には微妙に違う生物だし……。
 仮にこの世界のイカの安全度が高かったとしても、クラーケンの安全度はまた別にも思える。
 まぁ、ドラちゃんはファイアードラゴンだし、人間よりも胃袋は頑丈なのかもしれないが……。

「がぶがぶ……! う、うぐ……!?」

 ドラちゃんが、急に動きを止めた。

「どうした? 腹でも壊したか?」

「……た、タカシ……。クラーケンの体に、こんなのが混じっていたよ……」

 ドラちゃんの口に、大きな石がくわえられている。
 クラーケンを夢中で食べていたら、石が混じっていたのか……。
 それはご愁傷様だ。
 俺はその石を受け取って確認する。

「むっ!? こ、これは……!」

「ピピッ。それはクラーケンの魔石です」

 ティーナが告げる。
 やはり魔石か……。
 魔物の体内には、魔石が含まれることがある。
 より大型でより強い魔物ほど、魔石が大きくなる傾向にあると聞いている。
 クラーケンは、その例にもれないらしい。

「そうか……。これは回収しておいた方がよさそうだ」

 俺は魔石を『アイテムルーム』に収納した。
 その時、視界の隅で何か光っているのを捉える。

「ん……?」

 目を凝らす。
 クラーケンの死体が光って……?
 いや、違う。
 これは――

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