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【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

226話 戦後

「くっくっく。ナタール連邦も、存外にあっけないものだな」

 俺は口元を歪めて笑う。
 ナタール連邦は滅亡した。
 いや、正確に言えば俺たちによって征服された。

「な、なぁ……お兄ちゃん」

「どうした? ガルド」

 俺の隣で、ガルドが青い顔で尋ねてくる。
 彼――いや彼女は、媚びへつらうような態度で、俺の機嫌をうかがう。

「俺、ちゃんと頑張ったよな? だからさ、いつものアレはもう中止でいいよな?」

「あぁ。アレか……」

 ガルドが言っているのは、定期的に与えているお仕置きのことだ。
 俺からこいつへの恨みは、少しばかりボコったぐらいで解消されるようなものではない。
 本当は、24時間365日ぶっ通しで拷問責めをしたいぐらいだが……。
 A級スキル【剣聖】持ちの彼女とはいえ、耐久性には限界がある。
 そのため、ちょっとした拷問を定期的に与えるようにしていた。

「そうだなぁ……。前は鞭打ちして、その前は剣山の上で正座させて、その前は爪の間に針を刺したっけか? 水責めにしてやったこともあったな」

「あ、あぁ。アレはもういいだろ? なっ? 俺はお兄ちゃんに忠誠を誓っているんだ。ナタール連邦を潰すときも、ちゃんと王たちを服従させてみせたじゃないか」

 ガルドが、媚びた笑みを浮かべて言う。
 まあ、確かにそうだ。
 俺たちはナタール連邦を潰したが、国家としての基盤を全てぶっ壊したかったわけじゃない。
 特殊素材『紅血の水晶石』を作りがてら、連中の戦意を挫くために大量虐殺しただけだ。
 決して皆殺しにはしていない。
 戦後の統治を円滑にするために、王たちもある程度は生かしておくつもりだった。
 ガルドがその任務を無事に達成したことは事実である。

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