閉じる

【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1191話 男1人、美少女10人、密室、2日間

 ミリオンズ会議は終了した。
 だが、海上を襲っている嵐が去るまでもう少しの時間が必要そうである。
 というわけで、隠密小型船の潜水状態は継続したままだ。
 もう丸2日が経過する頃だろうか。

 隠密小型船は元よりさほど大きな船ではない。
 そして、潜水時にはさらに窮屈な状態になる。
 船倉を除けば、一部屋分ぐらいのスペースしかない。

 男1人、美少女10人、密室、2日間。
 何も起きないはずがなく……。

「ひぃ……。あへぇ……」

「ひあぁ……」

「……ニムちゃん、マリアちゃん。2人とも、大丈夫なの?」

 ニムとマリアがよだれを垂らして、うわごとを呟いている。
 傍から見れば、まるで熱に浮かされているように見えるかもしれない。
 ユナが心配そうに声をかけている。

「心配無用さ。気持ち良く寝ているだけだろう。……それにしても、ユナは元気だな。まだ責め足りなかったかな?」

「わ、私もギリギリよ! というか、見なさいよ! この惨状を!!」

 ユナが指をさす。
 その先には、力なく横たわるミリオンズメンバーの姿があった。

「うーん……。やりすぎたか……」

 俺としたことが、愛する妻や女たちとの密室空間でハッスルしてしまった。
 潜水中につき時間が分かりにくいこともあり、ずいぶん長く励んだ。
 ぶっちゃけ俺も疲労感を覚えている。

「ふふ……。さすがのタカシさんもお疲れですね」

「サリエもな」

 俺とサリエは、互いに見つめ合い苦笑する。
 彼女は治療魔法のエキスパートなので、まだ余力があるらしい。
 同じく治療魔法使いであっても、アイリス、マリア、リーゼロッテあたりは疲労困憊な様子だが……。

「ピピッ! マスター、何か飲み物はいかがでしょうか?」

「ああ、頼む。ちょっと喉が渇いたな」

 俺はそう答える。
 ティーナが飲み物を出してくれる。
 彼女は古代アンドロイドだ。
 言うまでもないことだが、今回のプレイには加わっていない。
 人口知能が搭載されているとはいえ、さすがにアンドロイドとヤルのはな……。

「うむ。美味い」

 俺はティーナが出してくれた飲み物を一飲みする。
 そして、みんなの様子を改めて観察した。

「そう言えばさ……」

「ふふん。どうかしたの?」

「考えなしにアレしてしまったなぁ……と思って」

「アレって……アレのことね」

 ユナが呆れたようにため息をつく。
 あまり大っぴらに言うことでもないのでボカしたが、それで伝わったらしい。

「子どもができたらどうしよう? いや、本来は喜ばしいことなんだけどさ。これからヤマト連邦に潜入するのに……」

 俺は頭を抱える。
 男女の生物的な違いにより、こういう場面における男の負担は少ない。
 だから、考えなしに行動してしまった。

 ヤマト連邦の潜入作戦は、ぶっちゃけ行き当たりばったりなところがある。
 どんな風に事が運んでいくか分からない。
 潜入作戦中の異国の地で腹が大きくなっていくのは、あまりよろしくない気がする。
 まぁ、今回ので妊娠したとしても、さすがに出産までには任務を終えているだろうが……。

「今さら? 本当に、タカシっていい加減よねぇ……」

「全くもってその通りでございます。反省しております」

 ユナの言葉に、俺はうなだれる。
 俺は女好きだが、ここまで暴走してしまうとは。
 スキル『精力強化』や『夜戦術』あたりの副作用もあるかもしれない。
 もっと自分を律しなければ……。

「でも、別にいいじゃない。妊娠しても」

「えっ!?」

 予想外の言葉に、俺は驚く。
 ユナはあっけらかんと言い放った。

「私たちは強いからね。妊娠初期ぐらいなら、普通に動けると思うわよ。それに、いざというときには治療魔法の使い手もたくさんいるしね。だから、そんなに心配する必要はないわ」

「そういうものか?」

「ええ、そうよ。子どもが出来たら出来たで、いいじゃない! 家族が増えるのよ? ヤマト連邦のことは大事だけど、帰った後の賑やかさを想像して、前向きに考えましょう」

 ユナがにっこりと笑う。
 俺の心にかかっていたモヤが少し晴れていく気がした。

「そうだな……」

 俺はうなずく。
 確かに、今そんなことを心配していても仕方がない。
 後で考えることにしよう。

「ふふ……。ちなみに、ユナも妊娠しても構わないのか?」

「当然でしょ? むしろ望むところよ!」

 俺の問いに、ユナは元気にうなずいた。
 俺との子どもは望むところらしい。
 男冥利に尽きる言葉だ。
 マグナムが再び臨戦態勢になっていく。

「なら、2回戦目といこうか!」

「は? い、いや、それは無理! 2回戦どころか、もう5回戦ぐらいしてるじゃない!」

 ユナが慌てふためく。
 そう言えば、それぐらいしていたか?
 潜入中につき、回数の感覚も狂い気味だ。

「ユナ、それにニムとマリアは特に可愛がったのだったな……」

 ミティ、アイリス、モニカも可愛い。
 サリエ、リーゼロッテ、蓮華、レインも魅力的だ。
 しかし……、男の本能だろうか?
 まだ俺の子を生んでいない女性の中で、昔から俺と行動を共にしている者に、今回は強い魅力を感じてしまったのだ。

「ならば仕方ない。他に健在の者は……」

 俺は周囲を見回す。
 ニムとマリアはダウン中。
 ユナにはさっき断られた。
 ミティ、アイリス、モニカ、リーゼロッテ、蓮華、レインも疲れて眠っている。
 サリエは……いつの間にか俺に背を向けて横になっていた。
 どうやら彼女も疲れていたようだ。

「うーん……。この有り余る情熱をどうしたものか……」

 俺は頭をひねる。
 そして、俺の目に留まったのは――

「【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く