【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1188話 イメージカラー

 ミリオンズ会議が進んでいる。
 今の議題は、新たな魔導具『共鳴水晶』についてだ。
 ただ、一部の発光色が似ているので事前に見分ける基準を整理しておいた方が良い。

「とりあえず、これで7人の色ははっきりしたと思う」

 ミティは緑。
 ニムは土のような茶色。
 リーゼロッテは青。
 それぞれ、風魔法、土魔法、水魔法のスキルを伸ばしていることに関係があるだろう。
 それに、各自の髪色とも同系統なので覚えやすい。

 レインは桃色だ。
 彼女の髪は普通の色……いや、よく見れば少しピンク味を帯びているようにも見える。
 他に桃色要素はあまりない。
 強いて言えば、俺たちが王都で『オパンツ戦隊』として活躍した際、彼女は『ピンク仮面』と名乗っていたぐらいか。
 あとは、清掃術やマッサージ術あたりが作用している可能性もある。

 赤系統の水晶を持つ者は3人。
 俺の赤色自体は標準的だが、タイミングよって黄色、緑、青などに見えることがある。
 さしずめ、赤寄りの虹色といったところだ。
 ユナは真紅。
 マリアは優しく明るい赤色。
 このあたりも、それぞれのスキルや性格などが反映されているようにも思える。

「アイリスとサリエは、2人とも白系統だな。みんな、これらを識別できるようになっておこう。……まぁ、これはまだ簡単な部類かな?」

 俺はそう問う。
 おそらくみんな判別できていると思うが、念のための確認だ。

「ふむ……。私の目には、アイリスさんの色は薄い灰色……いえ、銀色に見えます」

「そう言うサリエさんは純白って感じだね。とっても綺麗だと思うよ」

 サリエとアイリスが、お互いの色をそう評する。
 俺にもそう見えているし、他の面々も特に異論はないようだ。

「アイリスは銀髪だしな。それに、聖闘気とか聖魔法あたりの影響があるのかもしれない」

「そうだね。ボクとしても、シルバーは好きだからちょうど良いよ」

 俺の言葉に、アイリスがうなずく。
 武闘家として彼女が身につけている武器は、かつてミティに作ってもらった『シルヴァリオン・ガントレット』だ。
 銀系統の合金か何かを使用しているらしく、その色はシルバー系である。

「サリエは、やはり治療魔法を集中して伸ばしていることが理由かな? あと、例の件の影響が……」

「例の件……? ああ、私が難病で床に臥せっていたところを、タカシさんに治療してもらった件ですか……」

「そうだ。そのためかサリエは日焼けとかもしていないし、純白っぽいイメージなんだよな」

「ふふ……。今だって、ちゃんと日焼けのケアをしているのですよ? タカシさんに気に入ってもらえるように」

 サリエは、少し照れたような顔をして微笑んだ。
 彼女の肌色は、厳密には純白ではない。
 ただ、どこか透き通るような感じがある。
 深窓の令嬢といった雰囲気だ。
 他の面々の普通の肌色や日焼けした肌色も好きだが、サリエはサリエで似合っており魅力的である。

「最後は、モニカと蓮華だな。2人とも黄色系統に見える」

「そうだね。蓮華さんのは、普通の黄色かな? あ、でも、緑味を帯びているような……」

「もにか殿は、やや濃い黄色というところでござるな」

 俺の言葉を受け、モニカと蓮華がお互いの色をそう評する。
 この2人の色の判別が、ミリオンズ内では最も難しいかもしれない。
 だが、2人が言った通り多少の差異はある。

「蓮華は金髪碧眼だからな。やはり生まれ持った性質というものは、魔力に与える影響も大きいのだろう。あと、風魔法を伸ばしていることも関係あるかもしれない」

 蓮華の金髪は地毛である。
 彼女はエルフ族の生まれであり、その身体的特徴は色濃く受け継いでいた。
 そして、風魔法を得意としている。

 え?
 風は空気なんだから、無色透明なんじゃないかって?
 ……一理ある。
 しかし、ゲームとかでは緑色のアイコンが割り当てられていたりするじゃないか。
 風魔法から緑を連想しても、あながちおかしくはないと思う。

「モニカも同じようなものか。碧眼ではないが、金髪だし……。伸ばしているのが風魔法ではなく雷魔法だから、黄色の要素が強まっているのかもしれない」

「そうなるの? 別に、雷魔法って黄色じゃなくない? ただの白い光というか……」

 モニカが首をひねる。
 うーむ……。
 言われてみれば、確かにそうだ。
 雷に明確な色はない。

 俺の『雷=黄色』という認識は、どこから来たものなのか……。
 ええっと、そうだ。
 感電とか落雷とかを知らせる類の雷アイコンが黄色だからだな。
 あとは、某有名ゲームのピカッと光ってチューチュー鳴くアレだ。

「まぁ、色の由来はただの推測さ。俺たちにとって大切なことは、それぞれの色合いを覚えておくことだ。いざというとき、水晶の起動者をすぐに判別できたら的確な行動が可能になる」

 俺はそうまとめる。
 共鳴水晶の色については、これぐらいでいいだろう。
 実用面で整理しただけだが、結果的には各自のイメージカラーを再整理したような形になった。

 次は……蓮華が言及した『使い方の工夫』についてか。
 少しの工夫で便利になるなら、それに越したことはない。
 詳しく聞いてみることにしよう。

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