【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1186話 共鳴水晶
ミリオンズ会議も終わりに近づいてきた。
最後に、俺は新たな魔導具を人数分取り出した。
「それは……何でしょうか? どこかで見覚えのある気がするのですが……」
リーゼロッテが尋ねてくる。
俺は彼女の質問に答える。
「こいつは『共鳴水晶』という魔導具だ」
「共鳴水晶……ですか? 色とりどりで綺麗ですわね」
「見た目はそうですね。何やら親しみのある魔力を感じますが……」
リーゼロッテとサリエが首をかしげる。
彼女たちの言う通り、『共鳴水晶』は美しい見た目をしている。
そして、そこから常時放たれている魔力も心地よく感じる。
大きさには多少のバラツキがあるものの、概ねビー玉ぐらいのサイズ感だ。
それぞれ、髪飾り、イヤリング、ネックレス、指輪、ブレスレット、アンクレットなどに加工されている。
「魔導技師のネフィに作ってもらった魔導具だよ。ほら、みんなにも協力してもらっただろ?」
俺はみんなに水晶を配りつつ、そう説明する。
困った時のジェイネフェリアだ。
彼はとても優秀な魔導技師であり、様々な魔導具を制作することができる。
そこにハイブリッジ男爵家の資金が加わり、ミリオンズ陣のハイレベルな魔力まであれば鬼に金棒だ。
「ふふん。そう言えば、そんなこともあったわね。たくさん魔力を使うはめになったわ」
ユナが思い出してくれたようだ。
この魔導具製作にはなかなか苦労した。
お互いの魔力を『リンク』させるため、複雑な作業があったのだ。
まぁそのほとんどはジェイネフェリアの腕で何とかしてもらったのだが、俺たちの魔力量でゴリ押した部分もある。
「わたくしが魔力を注いだ水晶は、こうして青色に変化したのでしたわ。見事な仕上がりですわね」
リーゼロッテは自慢げに自分の水晶を見せた。
彼女の言う通り、その水晶は美しいブルーをしている。
「私のは緑ですね!」
「ボクのは……銀色?」
「私は黄色っぽいかな」
ミティ、アイリス、モニカが、それぞれの水晶を見せた。
色とりどりに輝く水晶が彼女たちの手の中にある。
「タカシさん。これはどうやって使うのでしょうか?」
「使い方は簡単さ。ニム、その美しい土色の水晶に魔力を流してみてくれ」
「わ、分かりました。こうですか?」
ニムが水晶に魔力を流す。
すると――
「わっ! 光りました!!」
水晶が輝きだした。
ニムが驚く。
だが、驚くのはまだ早い。
「マリアのも光りだしたよっ! ニムお姉ちゃんの色と同じ土色だよっ!!」
「私も同様です。しかし、私の水晶はピンクだったはずですが……」
ニムに続いて、マリアとレインが水晶の色の変化について報告する。
マリアの水晶は赤色、レインの水晶は桃色だったのだが、今は土色に光っている。
「俺のも含め、全員が同じ色に光っているな。しかも、光り方に少し偏りがあるだろ?」
俺はみんなに、水晶の光り方に注目させる。
俺の水晶は、前方にいるニムの方向を照らすように光っている。
蓮華の水晶は、彼女の左隣にいるニムの方向を照らすように光っている。
「ふむ……。理解したでござる」
蓮華がうなずく。
なかなかに察しがいいな。
「ニム、魔力を止めて水晶から手を離してくれ」
「え? は、はい」
ニムが魔力を抑えると、水晶から手を離した。
すると、みんなの水晶の輝きが収まった。
「このように、誰かが水晶に魔力を注ぐと残りの水晶も輝く仕組みとなっている。色は魔力を注いだ者の色で、しかもその方向を照らすように光る。つまり――」
「仮にはぐれたとしても、この『共鳴水晶』を使えば合流しやすい……ということでしょうか?」
サリエが補足してくれる。
まさにその通り。
「そうだ。まぁ、あくまで補助的なものだけどな。あまりにも遠く離れていると、強めに魔力を注がないと遠方の水晶は光りにくい。それに、発光の時間差だって大きくなってくる」
「なるほど。しかし、それでも心強いです」
サリエがうなずく。
他の面々も納得してうなずいてくれる。
「使いにくいところはまだあるんだ。あくまで、能動的に魔力を注いだ者の位置しか分からないという点だな」
「……? それで十分では?」
「例えば、ミリオンズの1人だけがはぐれてしまったと仮定してみてくれ。その者が元気いっぱいなら、水晶に魔力をたくさん注げばいい。残りの面々が水晶を頼りに捜索することができる。しかし一方で、そのはぐれた者が傷つき倒れていたら……」
俺はサリエの質問に答える形で、水晶の使いにくい点を説明する。
あまり想像したくないことだが、こうして事前にリスクを把握しておくことは大切だ。
「なるほど……。その場合は、捜索が困難になりますね。残りのメンバーが自分の水晶に魔力を注いでも、はぐれてしまった者の位置を把握できるわけではありませんし」
「そういうわけだ。以上のようにあくまで補助的なものだが、万が一に備えて常に持ち歩いておいてほしい」
俺は説明を締めくくる。
「分かりました!」
「了解!」
ミティやアイリスを始め、みんなが返事をしてくれる。
だが――
「ねぇねぇっ! マリアはちょっと気になることがあるよっ!!」
「ふむ……。拙者からも一点だけ。この共鳴水晶でござるが、もう少し工夫すればさらに便利にできるかもしれぬ」
マリアと蓮華がそう口にした。
気になること、そして少しの工夫で便利に……か。
それぞれ、詳しく聞いてみることにしよう。
最後に、俺は新たな魔導具を人数分取り出した。
「それは……何でしょうか? どこかで見覚えのある気がするのですが……」
リーゼロッテが尋ねてくる。
俺は彼女の質問に答える。
「こいつは『共鳴水晶』という魔導具だ」
「共鳴水晶……ですか? 色とりどりで綺麗ですわね」
「見た目はそうですね。何やら親しみのある魔力を感じますが……」
リーゼロッテとサリエが首をかしげる。
彼女たちの言う通り、『共鳴水晶』は美しい見た目をしている。
そして、そこから常時放たれている魔力も心地よく感じる。
大きさには多少のバラツキがあるものの、概ねビー玉ぐらいのサイズ感だ。
それぞれ、髪飾り、イヤリング、ネックレス、指輪、ブレスレット、アンクレットなどに加工されている。
「魔導技師のネフィに作ってもらった魔導具だよ。ほら、みんなにも協力してもらっただろ?」
俺はみんなに水晶を配りつつ、そう説明する。
困った時のジェイネフェリアだ。
彼はとても優秀な魔導技師であり、様々な魔導具を制作することができる。
そこにハイブリッジ男爵家の資金が加わり、ミリオンズ陣のハイレベルな魔力まであれば鬼に金棒だ。
「ふふん。そう言えば、そんなこともあったわね。たくさん魔力を使うはめになったわ」
ユナが思い出してくれたようだ。
この魔導具製作にはなかなか苦労した。
お互いの魔力を『リンク』させるため、複雑な作業があったのだ。
まぁそのほとんどはジェイネフェリアの腕で何とかしてもらったのだが、俺たちの魔力量でゴリ押した部分もある。
「わたくしが魔力を注いだ水晶は、こうして青色に変化したのでしたわ。見事な仕上がりですわね」
リーゼロッテは自慢げに自分の水晶を見せた。
彼女の言う通り、その水晶は美しいブルーをしている。
「私のは緑ですね!」
「ボクのは……銀色?」
「私は黄色っぽいかな」
ミティ、アイリス、モニカが、それぞれの水晶を見せた。
色とりどりに輝く水晶が彼女たちの手の中にある。
「タカシさん。これはどうやって使うのでしょうか?」
「使い方は簡単さ。ニム、その美しい土色の水晶に魔力を流してみてくれ」
「わ、分かりました。こうですか?」
ニムが水晶に魔力を流す。
すると――
「わっ! 光りました!!」
水晶が輝きだした。
ニムが驚く。
だが、驚くのはまだ早い。
「マリアのも光りだしたよっ! ニムお姉ちゃんの色と同じ土色だよっ!!」
「私も同様です。しかし、私の水晶はピンクだったはずですが……」
ニムに続いて、マリアとレインが水晶の色の変化について報告する。
マリアの水晶は赤色、レインの水晶は桃色だったのだが、今は土色に光っている。
「俺のも含め、全員が同じ色に光っているな。しかも、光り方に少し偏りがあるだろ?」
俺はみんなに、水晶の光り方に注目させる。
俺の水晶は、前方にいるニムの方向を照らすように光っている。
蓮華の水晶は、彼女の左隣にいるニムの方向を照らすように光っている。
「ふむ……。理解したでござる」
蓮華がうなずく。
なかなかに察しがいいな。
「ニム、魔力を止めて水晶から手を離してくれ」
「え? は、はい」
ニムが魔力を抑えると、水晶から手を離した。
すると、みんなの水晶の輝きが収まった。
「このように、誰かが水晶に魔力を注ぐと残りの水晶も輝く仕組みとなっている。色は魔力を注いだ者の色で、しかもその方向を照らすように光る。つまり――」
「仮にはぐれたとしても、この『共鳴水晶』を使えば合流しやすい……ということでしょうか?」
サリエが補足してくれる。
まさにその通り。
「そうだ。まぁ、あくまで補助的なものだけどな。あまりにも遠く離れていると、強めに魔力を注がないと遠方の水晶は光りにくい。それに、発光の時間差だって大きくなってくる」
「なるほど。しかし、それでも心強いです」
サリエがうなずく。
他の面々も納得してうなずいてくれる。
「使いにくいところはまだあるんだ。あくまで、能動的に魔力を注いだ者の位置しか分からないという点だな」
「……? それで十分では?」
「例えば、ミリオンズの1人だけがはぐれてしまったと仮定してみてくれ。その者が元気いっぱいなら、水晶に魔力をたくさん注げばいい。残りの面々が水晶を頼りに捜索することができる。しかし一方で、そのはぐれた者が傷つき倒れていたら……」
俺はサリエの質問に答える形で、水晶の使いにくい点を説明する。
あまり想像したくないことだが、こうして事前にリスクを把握しておくことは大切だ。
「なるほど……。その場合は、捜索が困難になりますね。残りのメンバーが自分の水晶に魔力を注いでも、はぐれてしまった者の位置を把握できるわけではありませんし」
「そういうわけだ。以上のようにあくまで補助的なものだが、万が一に備えて常に持ち歩いておいてほしい」
俺は説明を締めくくる。
「分かりました!」
「了解!」
ミティやアイリスを始め、みんなが返事をしてくれる。
だが――
「ねぇねぇっ! マリアはちょっと気になることがあるよっ!!」
「ふむ……。拙者からも一点だけ。この共鳴水晶でござるが、もう少し工夫すればさらに便利にできるかもしれぬ」
マリアと蓮華がそう口にした。
気になること、そして少しの工夫で便利に……か。
それぞれ、詳しく聞いてみることにしよう。
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