【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1183話 スキルの自力強化

 ミリオンズ会議を開いている。
 今の話題は、俺のスキルがどのように変化していっているかだ。

「まず、俺は影魔法を自力でスキルレベル1から2に上げた」

「へぇ……。さすがはタカシさんですわね。でも、どうして影魔法なのです? 他にも有益なスキルはありますが……」

 リーゼロッテが不思議そうな表情をする。
 多種多様なスキルがある中、あえて影魔法を選ぶ理由が分からなかったのだろう。

「スキルレベル1から2に上げるのが手頃で、狙い目だと思ったからだよ」

「なるほど。それはそうですね」

 ステータス操作でスキルを取得・強化するのに必要なポイントを再整理してみよう。
 新規取得が10ポイント。
 スキルレベル1から2への強化が、5ポイント。
 スキルレベル2から3への強化が、10ポイント。
 スキルレベル3から4への強化が、15ポイント。
 スキルレベル4から5への強化が、30ポイント。
 以上のようになっている。

 見ての通り、新規取得よりもスキルレベル1から2へ強化する方が少ないポイント消費で済む。
 そしてそれは、自力で取得・強化する際の労力ともある程度の相関があるように感じる。
 新たなスキルを自力で取得するよりも、レベル1のスキルを2に上げる方が少し楽だ。
 自力でそういった鍛錬を進める場合、道程がより短い方が取り組みやすい。

「それに、ちょうど良い教師役もいたしな」

 少し前の時点で、俺が取得済みだったレベル1のスキルは9種類だった。
 具体的には、『視力強化』『聴覚強化』『光魔法』『影魔法』『幻惑魔法』『時魔法』『精力強化』『夜戦術』『マッサージ術』である。
 ただ、五感強化系のスキルである『視力強化』『聴覚強化』については鍛え方がよく分からない。
 やや珍しい『光魔法』『幻惑魔法』『時魔法』についても同様。
 残る『精力強化』『夜戦術』『マッサージ術』は、さほど優先度が高くない。
 そんな中、『影魔法』については良い教師のあてがあった。

「ああ。月さんのことですね」

「そういうことだ」

 Cランクパーティ『雪月花』三姉妹の次女、神宮寺月。
 彼女には加護(小)を付与済みであり、影魔法レベル4に達している。
 人に教えるに十分な力量を持っていると言えるだろう。

 それに、彼女を教師役に据えるメリットは他にもある。
 忠義度稼ぎだ。
 人に何かを教える行為というものは、意外にも教える側からの好意を高めるきっかけになったりもする。
 俺が彼女を教師役に選んだ理由の一つだ。

「しかし、見たところ影魔法はレベル1から2への上昇にとどまらず、レベル3に達しているようですが……」

「ああ。鍛錬をしていく中で、影魔法も便利そうだと思ってな。レベル2から3には、ステータス操作で上げたよ」

 スキルレベルは、1から5まである。
 これまでの体感によると、内部評価で『1に近い0』とか『3に近い2』とかがあるかもしれないが……。
 ステータス画面に表示されるのは、あくまで5段階である。

 俺の感覚では、近接戦闘系スキルや魔法系スキルのレベル5はメインウェポンクラスだ。
 俺の場合、『剣術』『火魔法』『水魔法』あたりだな。
 ただ、基礎ステータス強化系スキルの『魔力強化』がレベル5に達していることもあり、レベル3~4ぐらいの魔法でも十分に実戦で使える。

 魔法系のスキルレベル3は、中級だ。
 自分で完全なオリジナル魔法を創造することはできない。
 しかし、人から教えてもらったり書物を読んだりすれば、努力や基礎ステータス次第でオリジナル魔法の再現も可能だ。
 ダダダ団との戦いでも、月や書物から学んだ影魔法がいろいろと役に立った。

 これがスキルレベル1~2だと、同格相手の実戦投入は厳しい。
 龍神ベテルギウスとの戦闘でも、主に活用したのはレベル3以上のスキルばかりだ。
 まぁ、格下を穏便に鎮圧する場合には『光魔法レベル1のライト』とか『幻惑魔法レベル1のミラージュ』あたりも役立つので、決して無意味なことではないが。

「なるほど……。それで、他のスキルについては……」

「あと自力で上げたのは、『気配隠匿』ぐらいだな。これは意図的に上げたのではなく、気付いたら上がっていた感じだが……」

 意識的な鍛錬の他、日々の生活や実戦で活用することでもスキルレベルは上がっていく。
 気配を隠す行為は、普段からそれなりに行っている。
 自主的に鍛錬したというよりは、自然とスキルレベルが上がっていったという感覚だ。

 さて。
 いろいろと話したが、まだ未共有の情報はある。
 引き続き、ミリオンズ会議で情報を共有していくことにしよう。

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