【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1176話 ピピッ!

 アイリスが連れてきた幽霊のゆーちゃんに続き、ユナが連れてきた巨大トカゲ(真の姿はドラゴン)のドラちゃんの存在が発覚した。
 積載量が当初の予定よりオーバーしているが、大きな問題はない。

「ふぅ……。しかし、いくら潜水中だからと言ってハッスルしすぎたな……」

「そうですよ。ご自重してください」

「とか言って、サリエも結構ノリノリだったぞ」

「そ、それは……! タカさんが強引に……!」

 サリエが顔を真っ赤にする。
 そんな反応も可愛らしい。
 俺はサリエの髪を撫でる。
 彼女はハルク男爵家の生まれであり、ミリオンズの中で最もしっかりしている。
 普段はキリッとしているが、今みたいに時折隙を見せるところがまた可愛らしいのだ。

「ところで、リーゼ。雷雲は去ったのだろうか?」

 潜水してから、そこそこの時間が経過した。
 俺たちがハッスルしている間に、海上の嵐が収まっているかもしれない。
 もしそうであれば、潜水状態を解除して浮上するのがいいだろう。
 船倉を除けば、潜水中に使えるスペースは1部屋しかないからな。
 みんなでハッスルするには好都合とはいえ、長時間となると手狭だ。

「ええと……。まだ少しの時間がかかるようですわ」

 リーゼロッテが『測量術』スキルの恩恵を活かして確認してくれた。
 雷雲は去っていないらしい。

「仕方ないな。では、続きを……」

「お、お待ちくださいな。タカシさんは良くても、わたくしたちは既に疲労困憊ですわよ!?」

 リーゼロッテが慌ててストップをかける。
 他のみんなもウンウンと頷いていた。

「ふむ……。それもそうか」

 俺には『精力強化』『体力強化』『夜戦術』といったスキルがある。
 そもそも、スキル云々を除いても、俺は生粋の女好きだ。
 ミリオンズのみんなもハッスルは嫌いではないと思うが、さすがに今日は限界らしい。

「では、続きはまた今度だな」

 俺はそう言って、いったんみんなとの営みを切り上げることにした。
 そして、本格的に休憩モードに入る。

「喉が渇いたな。……むっ!? リーゼ、美味そうな飲み物を飲んでいるじゃないか!」

「え? ああ、これですか?」

 リーゼロッテが飲んでいたのは果実水のようだった。
 彼女が持っているグラスの中に桃色の液体が入っている。

「潜水中の今、どこからそれを? 俺も欲しいな」

「……ええっと、それは……」

 リーゼロッテが言いよどむ。
 何か、やましいことでもあるのだろうか?

「ピピッ! ではマスター、こちらをどうぞ」

「おっ、ありがとう」

 俺の死角から、誰かが飲み物の入ったグラスを渡してくれた。
 気が利くなぁ。
 少し薄暗くて分かりにくいが、たぶんメイドのレインか?
 もしくは、ミティかもしれないな。

 渡されたグラスには、リーゼロッテのものと同じ桃色の液体が入っている。
 美味しそうだ。
 俺はストローに口をつけて飲み始めた。

「しかし……。ゆーちゃんとドラちゃんが乗り込んでいることには驚いたよ」

 俺はそう言いながら、2人に視線を向ける。
 ゆーちゃんはアイリスの背中におぶさっており、ドラちゃんはユナの側でくつろいでいる。

「俺たちは仲間にして家族だろ? 秘密にしているなんて、水臭いじゃないか」

「ごめんね。軽いから大丈夫だと思ったんだ」

「ふふん。私の場合は、出航間際でバタバタしていたからね。ま、細かいことはいいじゃない」

 俺の言葉に、アイリスとユナがそれぞれ答える。
 彼女たちは、別に俺に隠し事をしたくてしたわけではないらしい。

「確かに、細かいことはいいか。実は俺も、精霊を連れてきているしな」

 俺が連れてきている精霊とは、炎精サラマンダーのサラのことだ。
 彼女は常に俺の体内で眠っているが、いつでも出てくることはできる。
 幽霊のゆーちゃんと同じく、重量としては誤差の範囲内だろう。

「これで潜水誤差の理由も明確になったことだし、問題ない」

「ピピッ! 潜水誤差の理由は、本当に明確になったのでしょうか?」

「ん? 当然だろ? 当初予定の11人に加えて、ゆーちゃんとドラちゃんが追加搭乗していたのが問題だったんだ」

 薄暗いため発言者が誰か分からないが、俺はそう答える。
 当初からの搭乗予定者は11人。
 俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
 ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華だ。

 そこに、ゆーちゃんとドラちゃんが予告なしで追加された。
 その追加搭乗者が潜水誤差の原因で間違いないだろう。

「ピピッ! その両名が要因の一部であることは正しいですが、それだけではありません」

「……どういうことだ?」

 俺の発言に、追加の指摘が入る。
 まさか、他にも追加搭乗者がいるのか?
 それとも、誰かが重い武具なりお菓子なりをこっそりと持ち込んだか……?
 俺は首を傾げるのだった。

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