【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1172話 何か知っている3人
俺たちは嵐に備え、隠密小型船の潜水機能を使用した。
大きな問題はなく、無事に海中に潜ることができた。
だが、潜水深度がおかしいことに気づく。
設定深度は20メートルなのに、実際の潜水深度は30メートルと表示されているのだ。
レインと蓮華が率先して魔導機構の操作部を調べてくれている。
「んー。これは故障ではないようですね……」
「ふむ……。拙者にもそう見えるでござる」
レインと蓮華がそう言う。
故障ではないのであれば、大きな問題はないが……。
それならそれで、新たな疑問が湧いてくる。
「どうして10メートルも誤差があるんだ? メーターの針の調整ミスか?」
「いえ、そうではありません。メーターは正確なようです」
「……つまり、どういうことだってばよ?」
レインの言い回しに、俺は思わず聞き返す。
故障ではない。
しかし、ごく単純な調整ミスでもない。
計器類が正常に動作しているのに、10メートルも誤差が出ている。
「推測ですが……。単純に、積載量を超えてしまっているのではないかと」
「積載量を超えてしまっている?」
「ええ。この船には、多種多様な物資を積んでいます。それらを計算しきれておらず、数値が狂ってしまったのではないかと思われます」
「ふむ……」
レインの言葉に、俺はうなずく。
彼女の推測は正しいかもしれない。
この隠密小型船に積んである物資はかなりの量がある。
ヤマト連邦までの道程に必要な物資を積んでいるのだ。
俺とレインのアイテムルームや、ミティのアイテムバッグにも入れているので、船倉だけに全てを入れているわけではないが……。
それでも、その3人に万が一のことがあったときに備え、念のために可能な限りの物資を船倉に入れている。
少し詰め込みすぎたのかもしれない。
「しかし、実際に荷物を詰め込んだ状態でムウやゴードンが最終調整していたはずだろう?」
隠密小型船の潜水機能は、魔導機構の要素を含んでおり、地球のそれと全く同じではない。
だが、根底にある原理は概ね共通している。
船にかかる浮力を調整することで、浮き沈みしているのだ。
船の内部重量が浮き沈みに影響を与えることはある。
特に、この隠密小型船の船自体の重量は控えめだ。
積載量や乗組員による重量差が浮き沈みに影響を及ぼしてしまう可能性は、高い。
そのため、ミリオンズ全員がオルフェスに到着した後、荷物を詰め込んだ上で最終調整をしてもらっていたのだ。
俺たち11人の体重に、物資の重量。
それらを計算して、潜水設定値が20メートルの場合、実際の潜水深度も20メートルとなるように設定してもらっていた。
何やら魔導機構的な要素も含んでいるらしく、海水温度や海流による誤差は自動で微調整してくれる機能さえ付いている。
プラスマイナス1割ぐらいのズレ――今回の場合は18~22メートルぐらいなら、些細な誤差の範囲とっていいだろう。
それぐらいは許容範囲だ。
しかし実際には、深度30メートルと示されてしまっている。
「確かに、最終調整をされていましたね……」
「摩訶不思議なこともあるものでござるな……」
レインと蓮華が首を傾げる。
ミティ、モニカ、ニム、マリア、サリエも同じく難しそうな顔をしている。
そんな中、気まずそうに顔を歪ませていた者が3人いた。
アイリス、ユナ、リーゼロッテの3人だ。
特に、ユナとリーゼロッテの顔には冷や汗が流れている。
「何か知っているのか?」
俺は3人に話を振る。
間違いなく、何かの事情を把握していそうだ。
この反応差を見た感じ、それぞれ別件かもしれない。
「え、えぇっと……。その……あのね?」
アイリスが焦ったように、話し始める。
清廉潔白な彼女にしては珍しく、目が泳いでいる。
「怒らないから、正直に言ってくれ。これぐらいは問題ないから」
当初の予定より、積載量が超過していた――。
隠密小型船というデリケートな船に乗り込んでヤマト連邦に密入国するにあたり、無視はできない問題だ。
しかし、即座に沈没したりするほど重大な問題でもない。
潜水深度を示すメーターを微調整すればいいだけである。
あるいは、物資の一部を改めて俺やレインのアイテムルームに収納してもいい。
アイテムルームに収納された分の重量はほぼ無視できるからな。
リスクの分散度は低下してしまうが、即座に致命的な問題が発生したりはしない。
「怒らないから」
俺はもう一度言う。
すると――
「……ごめんなさいっ! 実は、ボクは1人……1人って数え方で言っていいのかな?」
「うん?」
「とにかく、11人以外の存在を連れてきちゃったの! 無視できるぐらいの重量だと思っていたんだけど……」
「……?」
アイリスの言葉に、俺は首を傾げる。
何を言っているのか理解できない。
ミリオンズ以外の誰か――クリスティやキリヤあたりをこっそりと連れてきていたのだろうか?
いや、それにしては言い方が妙な気もするが……。
アイリスから、しっかりと話を聞く必要がある。
そして、アイリスの後は、彼女以上に冷や汗を流しているユナとリーゼロッテにも聞いていかないとな。
大きな問題はなく、無事に海中に潜ることができた。
だが、潜水深度がおかしいことに気づく。
設定深度は20メートルなのに、実際の潜水深度は30メートルと表示されているのだ。
レインと蓮華が率先して魔導機構の操作部を調べてくれている。
「んー。これは故障ではないようですね……」
「ふむ……。拙者にもそう見えるでござる」
レインと蓮華がそう言う。
故障ではないのであれば、大きな問題はないが……。
それならそれで、新たな疑問が湧いてくる。
「どうして10メートルも誤差があるんだ? メーターの針の調整ミスか?」
「いえ、そうではありません。メーターは正確なようです」
「……つまり、どういうことだってばよ?」
レインの言い回しに、俺は思わず聞き返す。
故障ではない。
しかし、ごく単純な調整ミスでもない。
計器類が正常に動作しているのに、10メートルも誤差が出ている。
「推測ですが……。単純に、積載量を超えてしまっているのではないかと」
「積載量を超えてしまっている?」
「ええ。この船には、多種多様な物資を積んでいます。それらを計算しきれておらず、数値が狂ってしまったのではないかと思われます」
「ふむ……」
レインの言葉に、俺はうなずく。
彼女の推測は正しいかもしれない。
この隠密小型船に積んである物資はかなりの量がある。
ヤマト連邦までの道程に必要な物資を積んでいるのだ。
俺とレインのアイテムルームや、ミティのアイテムバッグにも入れているので、船倉だけに全てを入れているわけではないが……。
それでも、その3人に万が一のことがあったときに備え、念のために可能な限りの物資を船倉に入れている。
少し詰め込みすぎたのかもしれない。
「しかし、実際に荷物を詰め込んだ状態でムウやゴードンが最終調整していたはずだろう?」
隠密小型船の潜水機能は、魔導機構の要素を含んでおり、地球のそれと全く同じではない。
だが、根底にある原理は概ね共通している。
船にかかる浮力を調整することで、浮き沈みしているのだ。
船の内部重量が浮き沈みに影響を与えることはある。
特に、この隠密小型船の船自体の重量は控えめだ。
積載量や乗組員による重量差が浮き沈みに影響を及ぼしてしまう可能性は、高い。
そのため、ミリオンズ全員がオルフェスに到着した後、荷物を詰め込んだ上で最終調整をしてもらっていたのだ。
俺たち11人の体重に、物資の重量。
それらを計算して、潜水設定値が20メートルの場合、実際の潜水深度も20メートルとなるように設定してもらっていた。
何やら魔導機構的な要素も含んでいるらしく、海水温度や海流による誤差は自動で微調整してくれる機能さえ付いている。
プラスマイナス1割ぐらいのズレ――今回の場合は18~22メートルぐらいなら、些細な誤差の範囲とっていいだろう。
それぐらいは許容範囲だ。
しかし実際には、深度30メートルと示されてしまっている。
「確かに、最終調整をされていましたね……」
「摩訶不思議なこともあるものでござるな……」
レインと蓮華が首を傾げる。
ミティ、モニカ、ニム、マリア、サリエも同じく難しそうな顔をしている。
そんな中、気まずそうに顔を歪ませていた者が3人いた。
アイリス、ユナ、リーゼロッテの3人だ。
特に、ユナとリーゼロッテの顔には冷や汗が流れている。
「何か知っているのか?」
俺は3人に話を振る。
間違いなく、何かの事情を把握していそうだ。
この反応差を見た感じ、それぞれ別件かもしれない。
「え、えぇっと……。その……あのね?」
アイリスが焦ったように、話し始める。
清廉潔白な彼女にしては珍しく、目が泳いでいる。
「怒らないから、正直に言ってくれ。これぐらいは問題ないから」
当初の予定より、積載量が超過していた――。
隠密小型船というデリケートな船に乗り込んでヤマト連邦に密入国するにあたり、無視はできない問題だ。
しかし、即座に沈没したりするほど重大な問題でもない。
潜水深度を示すメーターを微調整すればいいだけである。
あるいは、物資の一部を改めて俺やレインのアイテムルームに収納してもいい。
アイテムルームに収納された分の重量はほぼ無視できるからな。
リスクの分散度は低下してしまうが、即座に致命的な問題が発生したりはしない。
「怒らないから」
俺はもう一度言う。
すると――
「……ごめんなさいっ! 実は、ボクは1人……1人って数え方で言っていいのかな?」
「うん?」
「とにかく、11人以外の存在を連れてきちゃったの! 無視できるぐらいの重量だと思っていたんだけど……」
「……?」
アイリスの言葉に、俺は首を傾げる。
何を言っているのか理解できない。
ミリオンズ以外の誰か――クリスティやキリヤあたりをこっそりと連れてきていたのだろうか?
いや、それにしては言い方が妙な気もするが……。
アイリスから、しっかりと話を聞く必要がある。
そして、アイリスの後は、彼女以上に冷や汗を流しているユナとリーゼロッテにも聞いていかないとな。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
3
-
-
267
-
-
57
-
-
0
-
-
35
-
-
127
-
-
4
-
-
2813
-
-
147
コメント