【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1171話 深度30メートル
「ふぅ……。何とか間に合ったな」
俺は額の汗を拭う。
リーゼロッテから雷雲接近の報を受けて、俺たちミリオンズは急いで隠密小型船を潜水させた。
海中に潜ることで、雨や波の影響を最小限にするためだ。
「今ごろ、海上では嵐になっているのでしょうか……」
「それが分からないのが不便だよねぇ」
「わ、わたしの嗅覚も海中では役に立ちません……」
ミティ、アイリス、ニムがそう言う。
彼女の言う通り、潜っている以上は海上の様子を知ることはできない。
それが普通だ。
「しっ……! ええっと……うん。まだ遠いけど、雷の音が聞こえてきたよ」
「それに、雨の気配も感じますわ。嵐が近づいてきているのは間違いありません」
モニカとリーゼロッテがそう報告する。
モニカは兎獣人であり、しかも『聴覚強化』のスキルレベルが3に達している。
彼女の聴覚なら、海上の音でも多少は聞き取ることが可能だ。
リーゼロッテは水魔法の名門ラスターレイン伯爵家の生まれであり、『測量術』のスキルレベルが3に達している。
一般的に測量とは、道具や計算などにより地点同士の位置関係を求める技術のことを指す。
だが、スキル『測量術』はそういった作業能力だけを向上させるものではない。
謎の感覚により、自分を中心とした周囲の状況を大まかに把握することができるのだ。
彼女の『測量術』のスキルレベルが高めということもあるが、その効果範囲は広い。
リーゼロッテは、そのスキルを駆使して嵐を事前に察知することができたようだ。
見方によれば、俺やアイリスが持っている『気配察知』と似ていると言える。
スキル『気配察知』は、自分を中心とした周囲の生物の気配を大まかに把握することが可能だからな。
まぁ、『測量術』の方が圧倒的に広い効果範囲を持つ一方で、『測量術』では生物の気配を把握できないという違いもあるけどな。
一長一短だ。
戦闘や不意の襲撃に備えるのならば『気配察知』の方が優れているが、未知の海や大森林などを旅するのであれば『測量術』の方が優れていると言っていい。
「ふふん。この船には魔導機構も搭載されているわけだしね。外の様子を知る手段はちゃんとあるじゃない」
「そうだったな。魔力波によって周囲の地形や巨大生物の有無、海流なども感知できる」
ユナの言葉に、俺はうなずく。
オルフェスの魔導技師ムウが開発した機構は、一定範囲内に魔力の波動を飛ばすことができる。
これにより、周囲の地形や巨大生物の有無をある程度把握することが可能だ。
もちろん、100パーセント正確というわけではないが……。
何も見えない海中において、この機能は重要である。
「マリアはお空を飛ぶのが好きだけど……。海の中に潜るっていうのも、新鮮でドキドキするかもっ!」
「まりあ殿は元気でござるな……。何も見えないので、拙者としてはあまり潜っているという感覚がないでござるが……」
マリアと蓮華がそう言う。
2人が言っていることには、それぞれ一理あるように思う。
俺は……どちらかと言えばマリア派かな。
確かに周囲が見えないので潜っている感覚はあまりないのだが、隠密小型船の故障とかでなければ実際にちゃんと潜っているはずだ。
潜っているはずという事実だけでも、何となくドキドキしてくる。
これは不安から来るドキドキではなく、冒険心を刺激されてのドキドキだろう。
「皆さま、こちらのメーターの針をご覧くださいませ。現在の船の深度を示しております」
「へぇ……。今の深度は30メートルですか。便利な機能を付けてくれたものですねぇ」
レインが指し示したメーターの針を見て、サリエが言う。
このメーターは、この隠密小型船に備え付けられた機能の内の1つだ。
あまりにも多機能だと、肝心の隠密機能が蔑ろになってしまう可能性があったが……。
深度表示や魔力波機能ぐらいは、さすがに搭載しておかないとな。
「あれ? おかしくないか?」
俺はメーターを見て、違和感に気付く。
これはマズイかもしれない。
「何がですの?」
「潜水直前に設定した潜水深度は20メートルだったはずだ。10メートルもズレている」
リーゼロッテの問いに、俺はそう答える。
俺は、乗組員を代表して潜水深度を20メートルに設定していた。
その差が10メートルも開いているとなると……。
「ちょっと確認してみます」
「拙者にも、できることがあるならば」
レインと蓮華がそう言って、魔導機構の操作部をポチポチと操作する。
誤差の原因が無事に判明すればいいのだが……。
少しばかり不安だ。
魔導技師ムウの腕は確かだったし、早々の故障ってことはないと思うが……。
俺は額の汗を拭う。
リーゼロッテから雷雲接近の報を受けて、俺たちミリオンズは急いで隠密小型船を潜水させた。
海中に潜ることで、雨や波の影響を最小限にするためだ。
「今ごろ、海上では嵐になっているのでしょうか……」
「それが分からないのが不便だよねぇ」
「わ、わたしの嗅覚も海中では役に立ちません……」
ミティ、アイリス、ニムがそう言う。
彼女の言う通り、潜っている以上は海上の様子を知ることはできない。
それが普通だ。
「しっ……! ええっと……うん。まだ遠いけど、雷の音が聞こえてきたよ」
「それに、雨の気配も感じますわ。嵐が近づいてきているのは間違いありません」
モニカとリーゼロッテがそう報告する。
モニカは兎獣人であり、しかも『聴覚強化』のスキルレベルが3に達している。
彼女の聴覚なら、海上の音でも多少は聞き取ることが可能だ。
リーゼロッテは水魔法の名門ラスターレイン伯爵家の生まれであり、『測量術』のスキルレベルが3に達している。
一般的に測量とは、道具や計算などにより地点同士の位置関係を求める技術のことを指す。
だが、スキル『測量術』はそういった作業能力だけを向上させるものではない。
謎の感覚により、自分を中心とした周囲の状況を大まかに把握することができるのだ。
彼女の『測量術』のスキルレベルが高めということもあるが、その効果範囲は広い。
リーゼロッテは、そのスキルを駆使して嵐を事前に察知することができたようだ。
見方によれば、俺やアイリスが持っている『気配察知』と似ていると言える。
スキル『気配察知』は、自分を中心とした周囲の生物の気配を大まかに把握することが可能だからな。
まぁ、『測量術』の方が圧倒的に広い効果範囲を持つ一方で、『測量術』では生物の気配を把握できないという違いもあるけどな。
一長一短だ。
戦闘や不意の襲撃に備えるのならば『気配察知』の方が優れているが、未知の海や大森林などを旅するのであれば『測量術』の方が優れていると言っていい。
「ふふん。この船には魔導機構も搭載されているわけだしね。外の様子を知る手段はちゃんとあるじゃない」
「そうだったな。魔力波によって周囲の地形や巨大生物の有無、海流なども感知できる」
ユナの言葉に、俺はうなずく。
オルフェスの魔導技師ムウが開発した機構は、一定範囲内に魔力の波動を飛ばすことができる。
これにより、周囲の地形や巨大生物の有無をある程度把握することが可能だ。
もちろん、100パーセント正確というわけではないが……。
何も見えない海中において、この機能は重要である。
「マリアはお空を飛ぶのが好きだけど……。海の中に潜るっていうのも、新鮮でドキドキするかもっ!」
「まりあ殿は元気でござるな……。何も見えないので、拙者としてはあまり潜っているという感覚がないでござるが……」
マリアと蓮華がそう言う。
2人が言っていることには、それぞれ一理あるように思う。
俺は……どちらかと言えばマリア派かな。
確かに周囲が見えないので潜っている感覚はあまりないのだが、隠密小型船の故障とかでなければ実際にちゃんと潜っているはずだ。
潜っているはずという事実だけでも、何となくドキドキしてくる。
これは不安から来るドキドキではなく、冒険心を刺激されてのドキドキだろう。
「皆さま、こちらのメーターの針をご覧くださいませ。現在の船の深度を示しております」
「へぇ……。今の深度は30メートルですか。便利な機能を付けてくれたものですねぇ」
レインが指し示したメーターの針を見て、サリエが言う。
このメーターは、この隠密小型船に備え付けられた機能の内の1つだ。
あまりにも多機能だと、肝心の隠密機能が蔑ろになってしまう可能性があったが……。
深度表示や魔力波機能ぐらいは、さすがに搭載しておかないとな。
「あれ? おかしくないか?」
俺はメーターを見て、違和感に気付く。
これはマズイかもしれない。
「何がですの?」
「潜水直前に設定した潜水深度は20メートルだったはずだ。10メートルもズレている」
リーゼロッテの問いに、俺はそう答える。
俺は、乗組員を代表して潜水深度を20メートルに設定していた。
その差が10メートルも開いているとなると……。
「ちょっと確認してみます」
「拙者にも、できることがあるならば」
レインと蓮華がそう言って、魔導機構の操作部をポチポチと操作する。
誤差の原因が無事に判明すればいいのだが……。
少しばかり不安だ。
魔導技師ムウの腕は確かだったし、早々の故障ってことはないと思うが……。
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