【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1170話 いい天気
「あー、今日もいい天気だなー」
「そうですね。青空が綺麗だと思います」
甲板から外を眺めながら、俺はサリエとのんびりとした会話をしていた。
航海中の今、特にやることがない。
強いて言えば、腕が衰えないようにするための筋トレや魔力操作ぐらいはしているが……。
地味な内容のものばかりだ。
ヤマト連邦はまだ遠いとはいえ、ド派手な新魔法を試したりしたら気づかれる可能性がなくもない。
それに、海にどんな魔物がいるかも分からないので、海上での模擬戦や海水浴なんかも避けるべきである。
そういった事情から地味めの筋トレや魔力操作までに留めているわけだ。
しかし、それでは1日を潰すことはできない。
「平和で良いなぁ」
「はい。そうですねぇ……」
甲板の前の方でのんびりと過ごす俺とサリエ。
この隠密小型船には揺れの軽減機能が付いており、さほど酔うことはない。
そもそも俺たちミリオンズの能力は加護により強化されているので、多少の揺れでは酔ったりしない。
ヤマト連邦までまだまだ遠い今は、ただの優雅な船旅休暇のような感じとなっている。
「ふふん。これなら、他にも連れてきたら良かったんじゃないの? クリスティとか、実力も向上心も強くて適任だったと思うけど」
「マリアもそう思うかもっ! リンちゃんたちと一緒に遊びたかったなぁ」
ユナとマリアがそう言う。
この隠密小型船の乗組員はミリオンズの11人となっている。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華、レインだ。
「そうだな……。2人が言うことにも一理あるが……」
総合的な戦力を考えると他のメンバー……例えばクリスティやキリヤを連れて来ても良かった。
あるいは、通常の加護を付与済みのリン、ロロ、トリスタも、今後の成長を考えると連れてきても良かったかもしれない。
実子のミカ、アイリーン、モコナを連れて来るのもなくはなかっただろう。
「あまり詰め込みすぎたら狭くなるからな。海上を進んでいる今は甲板が使えるし、スペースにゆとりがある。だが、潜水したら狭くなるんだ」
この隠密小型船には潜水機能が付いている。
潜水時には一気にスペースがなくなってしまうので、やはり人数は絞っておいた方がいい。
今の11人なら、潜水時にもストレスなく過ごせるだろう。
追加で3人ぐらいまでなら、何とかなるか。
しかしそれ以上になると、スペースがかなり厳しくなってしまう。
「潜水ね……。確かに、そんな機能があったわね。今はまだ潜らなくていいのかしら?」
「今はまだ、ヤマト連邦は遥か遠くだ。特に問題ないだろう。狭い場所でずっと過ごすのも気が滅入るからな」
ヤマト連邦から距離がある今、潜水するほどの隠密性は不要である。
だが、ヤマト連邦に近づいてきたら潜水することもあるだろう。
あるいは、その他の不足の事態に見舞われることもあるかもしれない。
いずれは潜水機能を使うときが来るはずだ。
俺たちがそんなことを話していると――
「皆さま、手伝ってくださいまし!」
「お館様、一大事のようです!」
サリエ、ユナ、マリアとのんびりとした時間を過ごしていた俺は、リーゼロッテとレインに呼ばれた。
視線を後方に向けると、2人が少し険しい表情をしていた。
「どうした?」
「どうやら、雷雲がこちらに接近してきているようです」
俺の問いに、リーゼロッテが答える。
雷雲か……。
それが事実なら、確かに一大事である。
「本当か? 今は快晴だが……」
「わたくしを信じてください。これでもわたくしは、ラスターレイン伯爵家の長女として教育と特訓を受けて参りました。天候に関して人並み以上の観察眼は持っていると自負しておりますわ」
リーゼロッテが自信たっぷりにそう告げる。
彼女はのんびり屋さんの食いしん坊だ。
貴族なのに中央大陸やヤマト連邦の位置関係をよく把握していなかったなど、抜けているところも多い。
しかし、特定分野ではしっかりしていたりもする。
水魔法の腕前や、天候に関する知識がその典型だ。
スキル『測量術』を持っているのも、ミリオンズでは彼女だけだったな。
大陸レベルの位置関係は知識として知らなかったようだが、今この場で隠密小型船を取り巻く気象状態を把握する能力はあってもおかしくない。
リーゼロッテがそう言うなら、雷雲は確かに存在するのだろう。
「ふむ……。分かった。それでは、嵐に備えて潜水機能を使うことにしよう」
俺はそう宣言する。
嵐というのは、海の上を襲うものだ。
海中への影響が皆無というわけではないが、数メートルも潜れば雨や波の影響はほぼ受けなくなる。
天候が嵐なら、隠密小型船を海中に潜らせておけばいい。
「承知しました! 甲板に出ている荷物をささっと片付けますよ! むんっ!!」
「急ぐよー」
「拙者も手伝うでござる!」
ミティ、アイリス、蓮華を始めとした乗組員たちが、嵐に備えてテキパキと片付けを始める。
こうして、俺たちは嵐に備えていくのだった。
「そうですね。青空が綺麗だと思います」
甲板から外を眺めながら、俺はサリエとのんびりとした会話をしていた。
航海中の今、特にやることがない。
強いて言えば、腕が衰えないようにするための筋トレや魔力操作ぐらいはしているが……。
地味な内容のものばかりだ。
ヤマト連邦はまだ遠いとはいえ、ド派手な新魔法を試したりしたら気づかれる可能性がなくもない。
それに、海にどんな魔物がいるかも分からないので、海上での模擬戦や海水浴なんかも避けるべきである。
そういった事情から地味めの筋トレや魔力操作までに留めているわけだ。
しかし、それでは1日を潰すことはできない。
「平和で良いなぁ」
「はい。そうですねぇ……」
甲板の前の方でのんびりと過ごす俺とサリエ。
この隠密小型船には揺れの軽減機能が付いており、さほど酔うことはない。
そもそも俺たちミリオンズの能力は加護により強化されているので、多少の揺れでは酔ったりしない。
ヤマト連邦までまだまだ遠い今は、ただの優雅な船旅休暇のような感じとなっている。
「ふふん。これなら、他にも連れてきたら良かったんじゃないの? クリスティとか、実力も向上心も強くて適任だったと思うけど」
「マリアもそう思うかもっ! リンちゃんたちと一緒に遊びたかったなぁ」
ユナとマリアがそう言う。
この隠密小型船の乗組員はミリオンズの11人となっている。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華、レインだ。
「そうだな……。2人が言うことにも一理あるが……」
総合的な戦力を考えると他のメンバー……例えばクリスティやキリヤを連れて来ても良かった。
あるいは、通常の加護を付与済みのリン、ロロ、トリスタも、今後の成長を考えると連れてきても良かったかもしれない。
実子のミカ、アイリーン、モコナを連れて来るのもなくはなかっただろう。
「あまり詰め込みすぎたら狭くなるからな。海上を進んでいる今は甲板が使えるし、スペースにゆとりがある。だが、潜水したら狭くなるんだ」
この隠密小型船には潜水機能が付いている。
潜水時には一気にスペースがなくなってしまうので、やはり人数は絞っておいた方がいい。
今の11人なら、潜水時にもストレスなく過ごせるだろう。
追加で3人ぐらいまでなら、何とかなるか。
しかしそれ以上になると、スペースがかなり厳しくなってしまう。
「潜水ね……。確かに、そんな機能があったわね。今はまだ潜らなくていいのかしら?」
「今はまだ、ヤマト連邦は遥か遠くだ。特に問題ないだろう。狭い場所でずっと過ごすのも気が滅入るからな」
ヤマト連邦から距離がある今、潜水するほどの隠密性は不要である。
だが、ヤマト連邦に近づいてきたら潜水することもあるだろう。
あるいは、その他の不足の事態に見舞われることもあるかもしれない。
いずれは潜水機能を使うときが来るはずだ。
俺たちがそんなことを話していると――
「皆さま、手伝ってくださいまし!」
「お館様、一大事のようです!」
サリエ、ユナ、マリアとのんびりとした時間を過ごしていた俺は、リーゼロッテとレインに呼ばれた。
視線を後方に向けると、2人が少し険しい表情をしていた。
「どうした?」
「どうやら、雷雲がこちらに接近してきているようです」
俺の問いに、リーゼロッテが答える。
雷雲か……。
それが事実なら、確かに一大事である。
「本当か? 今は快晴だが……」
「わたくしを信じてください。これでもわたくしは、ラスターレイン伯爵家の長女として教育と特訓を受けて参りました。天候に関して人並み以上の観察眼は持っていると自負しておりますわ」
リーゼロッテが自信たっぷりにそう告げる。
彼女はのんびり屋さんの食いしん坊だ。
貴族なのに中央大陸やヤマト連邦の位置関係をよく把握していなかったなど、抜けているところも多い。
しかし、特定分野ではしっかりしていたりもする。
水魔法の腕前や、天候に関する知識がその典型だ。
スキル『測量術』を持っているのも、ミリオンズでは彼女だけだったな。
大陸レベルの位置関係は知識として知らなかったようだが、今この場で隠密小型船を取り巻く気象状態を把握する能力はあってもおかしくない。
リーゼロッテがそう言うなら、雷雲は確かに存在するのだろう。
「ふむ……。分かった。それでは、嵐に備えて潜水機能を使うことにしよう」
俺はそう宣言する。
嵐というのは、海の上を襲うものだ。
海中への影響が皆無というわけではないが、数メートルも潜れば雨や波の影響はほぼ受けなくなる。
天候が嵐なら、隠密小型船を海中に潜らせておけばいい。
「承知しました! 甲板に出ている荷物をささっと片付けますよ! むんっ!!」
「急ぐよー」
「拙者も手伝うでござる!」
ミティ、アイリス、蓮華を始めとした乗組員たちが、嵐に備えてテキパキと片付けを始める。
こうして、俺たちは嵐に備えていくのだった。
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