【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1168話 功労者
俺たちミリオンズは、無事にオルフェスに集結した。
隠密小型船も完成済みだ。
後は物資を積んでいき、ミリオンズを乗せた状態で最終調整を行えば、いつでも出発できる。
だが、その前にやるべきことがある。
それは……。
「ご苦労だったな、ゴードン。お前のおかげで、無事に出航できそうだ」
俺は改めてゴードンに礼を言う。
彼は秘密造船所の責任者だ。
ネルエラ陛下直属の特務隊でも上の方の人間だし、行動も早くて正確だ。
二つ名である『鉄血』の通り、隠密小型船の完成や秘密造船所の守秘に対して大いに貢献してくれた。
彼の協力がなければ、ここまでスムーズにことは運ばなかっただろう。
「いえいえ……。これが私たちの役目ですから。ハイブリッジ卿こそ、隠密小型船の建造支援やオルフェスの治安維持など多くの働きをしてくださり、ありがとうございます」
「ま、何もせず待っているだけってのも退屈だからな。それに、俺は大した働きはしていない。ゴードンを含め、ここにいる特務隊の面々が頑張った結果だろう。ムウ、メルル、モニカ、ニムの存在も大きかったな。俺1人の影響力など、たかが知れている」
「さすがです……。ハイブリッジ卿はそうおっしゃられると思っていましたよ」
俺の言葉にゴードンは苦笑する。
こうして謙遜してみせれば、彼の忠義度も少しずつ高まってくるだろう。
(だが……今回の件では、忠義度30超えがせいぜいだったか……)
忠義度30を超えると、加護(微)を付与することができる。
正確に言えば、自動で付与された状態となるのだ。
ゴードンの忠義度は30を少し超えた程度である。
彼の礼儀正しい態度を考えると、思いのほか低いように思うが……。
これはこれで、想定内ではある。
彼は俺よりも年上の男性であり、既に特務隊の中でも重要なポジションにいる。
彼の忠義は俺ではなく、ネルエラ陛下に向いているのだろう。
それに、直接的に聞いてはいないが、おそらくは結婚もしているはずだ。
妻や子どもを守る気持ちも強いはずである。
ゴードンの忠義が向かう先……広い意味で守るべき者として、ネルエラ陛下、妻子、特務隊の部下が存在するわけだ。
これでは、俺に対する忠義度が上がりづらいのも仕方ない。
「ムウ、メルル。お前たちもご苦労だったな。助かったぞ」
俺はムウとメルルにも声をかける。
魔導技師ムウ。
そのお手伝いメルル。
この2人も、今回の隠密小型船の建造において必要不可欠な人材だった。
特にムウについては、彼女がダダダ団に拉致されたことで隠密小型船の建造が難航したほどに重要な技術者だった。
復帰後には、休息もほとんど取らないまま建造作業に励んでくれていた。
「は、はいっ! お役に立ててなによりです!!」
「ハイブリッジ様にそう言っていただけて、とっても嬉しいです!」
俺が労いの言葉をかけると、2人とも嬉しそうに返事をする。
社交辞令ではなく、本当に嬉しそうだ。
彼女たちは秘密造船所に缶詰め状態でずっと作業をしていた。
コマメに差し入れしたり治療魔法で疲労を取り除いたりして、仲を深めていった甲斐があった。
(これで、忠義度35超えだな……)
加護(小)の付与という点では、ゴードンよりもムウやメルルの方が期待できそうだ。
彼女たちは俺よりも年下の女性であり、社会的な身分も高くないからな。
ムウは魔導技師として頭角を現しつつある存在だったみたいだが、具体的に誰かから長期的に雇われたり、メルル以外の弟子やお手伝いがいたわけでもない。
彼女たちの忠義が向かう先……広い意味で彼女たちが守るべき者は、現状ではほとんど存在しないことになる。
そんな中で俺と友好を深めれば、それなりの速度で忠義度が上がっていくというわけだ。
「ふぁああ……。でも……少し眠いですね……」
「はい……。ムウさんと私は、睡眠時間を削って作業をしていましたから……」
俺の目の前で、ムウとメルルがあくびをかみ殺す。
彼女たちは隠密小型船の完成を少しでも早めるため、寝食を削って隠密小型船建造に励んでくれていた。
俺の介入によってその削り具合はマシになったのだが、それでもまだ疲れが残っているようだ。
「本当にご苦労だったな。ゆっくり休むといい。俺たちが任務を終えて帰ってきたら、また改めていろんな話をしようぜ。2人の技術力には期待しているんだ」
「あ、ありがとうございます……」
「とっても嬉しいです……。ふぁああ……」
俺の言葉に、2人は嬉しそうに笑う。
しかしそれはそれとして、とても眠そうだ。
(この様子じゃ、出発までの時間でさらなる忠義度稼ぎは無理そうだな……)
寝不足の状態で何をしようとも、忠義度は稼げないだろう。
むしろ、下手に睡眠を妨害したら忠義度が下がりそうだ。
2人と仲良くなるのは、後のお楽しみだな。
俺はそんなことを考えつつ、隠密小型船建造の功労者たちを労ったのだった。
隠密小型船も完成済みだ。
後は物資を積んでいき、ミリオンズを乗せた状態で最終調整を行えば、いつでも出発できる。
だが、その前にやるべきことがある。
それは……。
「ご苦労だったな、ゴードン。お前のおかげで、無事に出航できそうだ」
俺は改めてゴードンに礼を言う。
彼は秘密造船所の責任者だ。
ネルエラ陛下直属の特務隊でも上の方の人間だし、行動も早くて正確だ。
二つ名である『鉄血』の通り、隠密小型船の完成や秘密造船所の守秘に対して大いに貢献してくれた。
彼の協力がなければ、ここまでスムーズにことは運ばなかっただろう。
「いえいえ……。これが私たちの役目ですから。ハイブリッジ卿こそ、隠密小型船の建造支援やオルフェスの治安維持など多くの働きをしてくださり、ありがとうございます」
「ま、何もせず待っているだけってのも退屈だからな。それに、俺は大した働きはしていない。ゴードンを含め、ここにいる特務隊の面々が頑張った結果だろう。ムウ、メルル、モニカ、ニムの存在も大きかったな。俺1人の影響力など、たかが知れている」
「さすがです……。ハイブリッジ卿はそうおっしゃられると思っていましたよ」
俺の言葉にゴードンは苦笑する。
こうして謙遜してみせれば、彼の忠義度も少しずつ高まってくるだろう。
(だが……今回の件では、忠義度30超えがせいぜいだったか……)
忠義度30を超えると、加護(微)を付与することができる。
正確に言えば、自動で付与された状態となるのだ。
ゴードンの忠義度は30を少し超えた程度である。
彼の礼儀正しい態度を考えると、思いのほか低いように思うが……。
これはこれで、想定内ではある。
彼は俺よりも年上の男性であり、既に特務隊の中でも重要なポジションにいる。
彼の忠義は俺ではなく、ネルエラ陛下に向いているのだろう。
それに、直接的に聞いてはいないが、おそらくは結婚もしているはずだ。
妻や子どもを守る気持ちも強いはずである。
ゴードンの忠義が向かう先……広い意味で守るべき者として、ネルエラ陛下、妻子、特務隊の部下が存在するわけだ。
これでは、俺に対する忠義度が上がりづらいのも仕方ない。
「ムウ、メルル。お前たちもご苦労だったな。助かったぞ」
俺はムウとメルルにも声をかける。
魔導技師ムウ。
そのお手伝いメルル。
この2人も、今回の隠密小型船の建造において必要不可欠な人材だった。
特にムウについては、彼女がダダダ団に拉致されたことで隠密小型船の建造が難航したほどに重要な技術者だった。
復帰後には、休息もほとんど取らないまま建造作業に励んでくれていた。
「は、はいっ! お役に立ててなによりです!!」
「ハイブリッジ様にそう言っていただけて、とっても嬉しいです!」
俺が労いの言葉をかけると、2人とも嬉しそうに返事をする。
社交辞令ではなく、本当に嬉しそうだ。
彼女たちは秘密造船所に缶詰め状態でずっと作業をしていた。
コマメに差し入れしたり治療魔法で疲労を取り除いたりして、仲を深めていった甲斐があった。
(これで、忠義度35超えだな……)
加護(小)の付与という点では、ゴードンよりもムウやメルルの方が期待できそうだ。
彼女たちは俺よりも年下の女性であり、社会的な身分も高くないからな。
ムウは魔導技師として頭角を現しつつある存在だったみたいだが、具体的に誰かから長期的に雇われたり、メルル以外の弟子やお手伝いがいたわけでもない。
彼女たちの忠義が向かう先……広い意味で彼女たちが守るべき者は、現状ではほとんど存在しないことになる。
そんな中で俺と友好を深めれば、それなりの速度で忠義度が上がっていくというわけだ。
「ふぁああ……。でも……少し眠いですね……」
「はい……。ムウさんと私は、睡眠時間を削って作業をしていましたから……」
俺の目の前で、ムウとメルルがあくびをかみ殺す。
彼女たちは隠密小型船の完成を少しでも早めるため、寝食を削って隠密小型船建造に励んでくれていた。
俺の介入によってその削り具合はマシになったのだが、それでもまだ疲れが残っているようだ。
「本当にご苦労だったな。ゆっくり休むといい。俺たちが任務を終えて帰ってきたら、また改めていろんな話をしようぜ。2人の技術力には期待しているんだ」
「あ、ありがとうございます……」
「とっても嬉しいです……。ふぁああ……」
俺の言葉に、2人は嬉しそうに笑う。
しかしそれはそれとして、とても眠そうだ。
(この様子じゃ、出発までの時間でさらなる忠義度稼ぎは無理そうだな……)
寝不足の状態で何をしようとも、忠義度は稼げないだろう。
むしろ、下手に睡眠を妨害したら忠義度が下がりそうだ。
2人と仲良くなるのは、後のお楽しみだな。
俺はそんなことを考えつつ、隠密小型船建造の功労者たちを労ったのだった。
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