【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1165話 西へ【三日月の舞side】
タカシたちがオルフェスでヤマト連邦への準備を進めている頃――
「我が敵を滅せよ! ファイアトルネード!」
「我が敵を撃て! ライトニングブラスト!」
「我が敵を砕け! ストーンレイン!」
「「「ギャアアアァッ!!!」」」
火、雷、土の3属性魔法がゴブリンの群れを蹂躙する。
3人はまるでダンスでも踊っているかのような軽やかな動きで、次々とゴブリンたちを仕留めていった。
「やっぱり、私たちの『三位一体』は最強ね」
「ふふふー。格下の群れは、わたしたち『三日月の舞』が得意な相手だよねー」
「その通りっす! 本来のオレっちたちは、低級の魔物を掃討することが得意分野っす!!」
戦いを終えた3人は、朗らかに笑い合う。
エレナ、ルリイ、テナ。
それぞれが素晴らしい魔法の実力を持つ、一流の冒険者パーティだと言っていいだろう。
対人戦は少しばかり苦手としており、オルフェスでは醜態も晒してしまった。
しかし、今となってはそれもいい経験だった。
対魔法使いに特化した『魔法封じの芳香』を使うチンピラ集団と戦ったことで、エレナたちは一皮むけたとも言える。
「でもー。少し気になることがあるかなー」
「実はオレっちもっす。エレナっちの魔法なんすけど……」
「私の魔法? なにか変かしら?」
エレナが不思議そうに首を傾げる。
すると、ルリイとテナも困ったように顔を見合わせる。
「うーん……。変と言うか、なんと言うかー……」
「ぶっちゃけると、威力が高くなり過ぎっす。オレっちたちの『三位一体』のバランスが崩れかけてるっすよ?」
「え? そ、そうかしら……?」
エレナが目を丸くする。
彼女には自覚がなかったようだ。
エレナの魔法の威力は以前よりも一回り上がっている。
タカシの加護(小)の恩恵だ。
全ステータスが2割向上すると同時に、火魔法のスキルレベルが4から5に上がっている。
これは、チートを持たない普通の人にとって、大きな変化であると言えた。
「……分かったわ。『三位一体』の攻撃をするときの出力には気をつけることにする」
「ごめんねー? わたしたちに合わせてもらっちゃって」
「ま、今だけの辛抱っす! オレっちたちも、そう遠くない内に成長してみせるっすよ!」
「ええ。頼りにしているわよ」
3人は大きく頷き合う。
エレナだけが一時的に突出した形になるが、この程度で揺らぐほど彼女たちの絆は脆くはない。
その後も順調に、オルフェスからリンドウに至る旅を続けていく。
そして、とある日の夜――
「うぅ……! はぁ、はぁ……!!」
エレナが苦しそうに呻いていた。
彼女は顔を紅潮させ、地面に横たわっている。
しかしこれは、風邪や病気といった症状ではない。
「エレナちゃんー? ガサゴソうるさいよー」
「眠れないっす! 憧れのハイブリッジ男爵さんがいるところに近づいて、興奮してるんすか? 野営中の今は、ほどほどにしておいた方がいいと思うっすけど……」
ルリイとテナがエレナに苦言を呈す。
ルリイは眠そうな目で、テナはジト目だ。
「わ、分かってるわよ! でも、もう少し待って!! ……あっ!!!」
エレナは一際大きな声を上げた。
それと同時に、彼女はビクンと大きくのけ反る。
そして、恍惚とした表情で体を脱力させた。
そんなエレナの様子を見て、ルリイとテナは呆れたような表情を浮かべる。
しかしそれ以上何かを言うことはなく、再び眠りについた。
彼女たちはパーティを組んで長い。
エレナがタカシ=ハイブリッジ男爵のことになるとおかしくなるのは、慣れっこなのだ。
「はぁ……はぁ……」
エレナが息を整える。
そして、何かを握りしめた拳に力を込めた。
彼女の右手にはタカシ製の『紅杖・レーヴァテイン』が握られていた。
(やっぱりあの男が……タカシ様なの……? いえ、あいつは変態のタケシのはず……。ああ、でも……)
エレナが己の思考の渦に飲まれる。
彼女は『紅杖・レーヴァテイン』を見つめながら、ギュッと唇を引き結んだ。
(あれからずっと、体の調子がいい……。魔法の威力も上がっているわ。タカシ様が御力を与えてくださったの? でも、あの時に会ったのはタケシだった……。ああ、私は……私はどうすれば……)
エレナが悩み続ける。
しかしその手はずっと『紅杖・レーヴァテイン』を握りしめており、彼女は杖の先端にいつまでも自分の股間を押しつけていたのだった。
「我が敵を滅せよ! ファイアトルネード!」
「我が敵を撃て! ライトニングブラスト!」
「我が敵を砕け! ストーンレイン!」
「「「ギャアアアァッ!!!」」」
火、雷、土の3属性魔法がゴブリンの群れを蹂躙する。
3人はまるでダンスでも踊っているかのような軽やかな動きで、次々とゴブリンたちを仕留めていった。
「やっぱり、私たちの『三位一体』は最強ね」
「ふふふー。格下の群れは、わたしたち『三日月の舞』が得意な相手だよねー」
「その通りっす! 本来のオレっちたちは、低級の魔物を掃討することが得意分野っす!!」
戦いを終えた3人は、朗らかに笑い合う。
エレナ、ルリイ、テナ。
それぞれが素晴らしい魔法の実力を持つ、一流の冒険者パーティだと言っていいだろう。
対人戦は少しばかり苦手としており、オルフェスでは醜態も晒してしまった。
しかし、今となってはそれもいい経験だった。
対魔法使いに特化した『魔法封じの芳香』を使うチンピラ集団と戦ったことで、エレナたちは一皮むけたとも言える。
「でもー。少し気になることがあるかなー」
「実はオレっちもっす。エレナっちの魔法なんすけど……」
「私の魔法? なにか変かしら?」
エレナが不思議そうに首を傾げる。
すると、ルリイとテナも困ったように顔を見合わせる。
「うーん……。変と言うか、なんと言うかー……」
「ぶっちゃけると、威力が高くなり過ぎっす。オレっちたちの『三位一体』のバランスが崩れかけてるっすよ?」
「え? そ、そうかしら……?」
エレナが目を丸くする。
彼女には自覚がなかったようだ。
エレナの魔法の威力は以前よりも一回り上がっている。
タカシの加護(小)の恩恵だ。
全ステータスが2割向上すると同時に、火魔法のスキルレベルが4から5に上がっている。
これは、チートを持たない普通の人にとって、大きな変化であると言えた。
「……分かったわ。『三位一体』の攻撃をするときの出力には気をつけることにする」
「ごめんねー? わたしたちに合わせてもらっちゃって」
「ま、今だけの辛抱っす! オレっちたちも、そう遠くない内に成長してみせるっすよ!」
「ええ。頼りにしているわよ」
3人は大きく頷き合う。
エレナだけが一時的に突出した形になるが、この程度で揺らぐほど彼女たちの絆は脆くはない。
その後も順調に、オルフェスからリンドウに至る旅を続けていく。
そして、とある日の夜――
「うぅ……! はぁ、はぁ……!!」
エレナが苦しそうに呻いていた。
彼女は顔を紅潮させ、地面に横たわっている。
しかしこれは、風邪や病気といった症状ではない。
「エレナちゃんー? ガサゴソうるさいよー」
「眠れないっす! 憧れのハイブリッジ男爵さんがいるところに近づいて、興奮してるんすか? 野営中の今は、ほどほどにしておいた方がいいと思うっすけど……」
ルリイとテナがエレナに苦言を呈す。
ルリイは眠そうな目で、テナはジト目だ。
「わ、分かってるわよ! でも、もう少し待って!! ……あっ!!!」
エレナは一際大きな声を上げた。
それと同時に、彼女はビクンと大きくのけ反る。
そして、恍惚とした表情で体を脱力させた。
そんなエレナの様子を見て、ルリイとテナは呆れたような表情を浮かべる。
しかしそれ以上何かを言うことはなく、再び眠りについた。
彼女たちはパーティを組んで長い。
エレナがタカシ=ハイブリッジ男爵のことになるとおかしくなるのは、慣れっこなのだ。
「はぁ……はぁ……」
エレナが息を整える。
そして、何かを握りしめた拳に力を込めた。
彼女の右手にはタカシ製の『紅杖・レーヴァテイン』が握られていた。
(やっぱりあの男が……タカシ様なの……? いえ、あいつは変態のタケシのはず……。ああ、でも……)
エレナが己の思考の渦に飲まれる。
彼女は『紅杖・レーヴァテイン』を見つめながら、ギュッと唇を引き結んだ。
(あれからずっと、体の調子がいい……。魔法の威力も上がっているわ。タカシ様が御力を与えてくださったの? でも、あの時に会ったのはタケシだった……。ああ、私は……私はどうすれば……)
エレナが悩み続ける。
しかしその手はずっと『紅杖・レーヴァテイン』を握りしめており、彼女は杖の先端にいつまでも自分の股間を押しつけていたのだった。
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