【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1159話 追跡【三日月の舞side】
「見張りの衛兵さんたちは何をしていたっすか! 困るっす!!」
「ふふふー。でも汚名返上のチャンスでもあるよー。ダダダ団の掃討作戦で、わたしたちは活躍できなかったからねー」
Cランクパーティ『三日月の舞』のエレナ、テナ、ルリイが騒いでいた。
彼女たちは冒険者ギルド経由の依頼で、牢屋から脱走した元首領リオンと元幹部ヨゼフを追跡しているところである。
既にオルフェスを出て、人里のない草原や森の方面に向かっていた。
「闇の瘴気の残滓を追って……見えてきたわっ! あそこにいる2人よ!!」
エレナが指し示す先に、リオンとヨゼフの姿がある。
通常ならここまで正確な追跡はできないところだ。
今回は2人が闇の瘴気に侵されたままであり、その気配をバラまいている。
そのため追跡は容易だった。
まぁそもそも、闇の瘴気に侵されていなければ脱獄自体をしなかったかもしれないが……。
「こらっ! あんたたち、待ちなさい!!」
「げぇっ!? お前たちは!?」
エレナの声にヨゼフが気付いた。
彼は驚くが、立ち止まることはない。
「待ちなさいって言ってるでしょ!? 女相手に逃げるつもり!? 一度は私たちに勝った癖に、みっともないわね!! このドブネズミ!!!」
「うるせぇ! 『魔法封じの芳香』もねぇのに、Cランクの魔法使いなんかと戦ってられるかよ!!」
ヨゼフはチンピラで脳筋気味だが、決して底なしのバカではない。
かつて自分が『三日月の舞』相手に勝利を収められたのは、魔導具のおかげだと正しく認識していた。
実際、彼が彼女たちと正面から戦えば勝ち目はない。
「ふふふー。『魔法封じの芳香』は没収されたんだね。当然だけど、やっぱり取り返せてもいないんだねー」
「いいことを聞いたっす! それなら、オレっちたちが負けるはずないっす!!」
ルリイとテナが不敵に笑う。
本来、Cランク冒険者の彼女たちがチンピラごときに負けるはずがないのだ。
古代魔導具『魔法封じの芳香』さえなければ、自分たちの実力でヨゼフやリオンに勝てると自信を持って言える。
「ちぃっ……! 私の『アーティファクト・チャンピオン』も没収されている……。『人魚の血』の効能は少しばかり残っているが……! Cランク魔法使い3人は、さすがに厳しいか……!!」
リオンが走りながら舌打ちをする。
彼は、タカシ扮する『ナイトメア・ナイト』とそれなりに良い勝負をした。
しかしそれは、各種の魔導具や『人魚の血』の力を借りてのことだ。
当初の戦場がリオンの研究室であり、『ストーンショット』や『マジック・ドレイン』の魔法陣をあらかじめ用意できていたことも大きいだろう。
今は、魔導具が没収された上に『人魚の血』の効能が大幅に薄れた状態だ。
しかも、ホームグラウンドではない土地で戦うとなると……。
はっきり言って、勝ち目はない。
「待てって言ってんでしょうが! あんたたちはこのまま街に連れ戻して、もう一度牢屋に入ってもらうのよ! 一生をそこで暮らすがいいわ!!」
「そんなことをされてたまるか! 私は『不老不死』を実現し、『ラウンド・ワン』の座を手に入れるのだ!! ――こうなったら、貴様が時間を稼げ! ヨゼフ!!」
「はぁ!? ふざけんな! 誰がお前なんかのために――ぐあっ!?」
リオンが隣を走るヨゼフを突き飛ばす。
その衝撃で彼は転倒し、『三日月の舞』たちとの距離を縮められてしまった。
「ルリイ、テナ! まずは1匹を確実に無力化しておくわよ!! 『三位一体』準備!!」
「りょうかいー」
「オーケーっす!」
エレナの指示を受け、2人が魔力を開放する。
最初の狙いはヨゼフだ。
「我が敵を滅せよ! ファイアトルネード!」
「我が敵を撃て! ライトニングブラスト!」
「我が敵を砕け! ストーンレイン!」
エレナ、ルリイ、テナの3人が順番に魔法を唱える。
炎の渦がヨゼフを飲み込み、雷鳴が轟き、石の礫が彼の身体に撃ち込まれた。
「ぐああああぁっ!? ぎょええええぇっ!!!」
ヨゼフは叫び声を上げて倒れた。
これで無力化完了だ。
取り急ぎヨゼフの捕縛を済ませ、彼女たちはリオンを追跡するべく動き出そうとするが――
「え……? なにこれ!?」
「この人から、何か黒いモヤモヤが出てくるよー?」
「闇の瘴気ってやつっすか? ――あっ! 逃亡している人の方に向かったっす!!」
ヨゼフの体から、黒い靄のようなモノが漂い始めたのだ。
それはリオンに向かっていくと、彼の身体に吸い込まれるように消える。
「ぐおおおぉっ!? がああああっ!!!」
リオンは絶叫を上げた。
しかし、その足が止まることはない。
むしろより速く駆けていく。
「な、何よ!? 一体何が起こっているの!?」
「分からないっす! でも、これはマズイっすよ!!」
「速度が増しちゃったー……。魔力で強化しても、わたしたちじゃ追いつけないよー……」
エレナ、テナ、ルリイが困惑する。
彼女たちの身体能力はさほどでもない。
魔力で強化すれば一般人よりも速く走れるが、人間離れした身体能力を持っているわけでもないのだ。
「で、でも! 簡単に諦めるわけにはいかないわ! とりあえず、私はダメ元でも追いかける! ルリイとテナは、ここでそいつを見張っていなさい!!」
エレナが宣言する。
彼女はこのままリオンを見逃すつもりはなかった。
Cランクパーティ『三日月の舞』として、ダダダ団にやられっぱなしで終われるはずがない。
彼女は1人、リオンを追跡していく。
だが、その距離は少しずつ開いていくのだった。
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