【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1155話 社会奉仕活動

 俺はエレナのスカートの中で、ひたすらペロペロし続けた。

「へっへっへ……! ペロペロペロペロ……!!」

「やめてぇ! ダメだったらぁ!! エッチなワンちゃんなんだからっ!!」

 エレナが涙声で何かを言っている。
 もっと、ということだろうか?
 水魔法と俺の舌で、前の男を忘れさせてやるぜ!
 ペロペロ……。
 ペロペロペロペロ……。

「んっ! んんんっ!!」

 エレナがビクッビクッと身体を痙攣させている。
 どうやら、満足してくれたらしい。
 唾液は全て水魔法で流したし、その上から俺がたっぷりと舐めてあげた。
 これで前の男は忘れてくれたことだろう。
 俺がそんなことを思ったときだった。

「――ワンッ! ワンッ! ワオーンッ!!」

「がうっ! ぐるるるる……!!」

 俺の背後から、犬たちの鳴き声がした。
 俺はエレナのスカートから顔を外に出し、振り返ってみる。
 すると、可愛らしい犬たちが俺に敵意を向けていた。
 それに、その飼主であるワワワワンの男共も俺を睨んでいる。

「どうかしたかね?」

「どうかしたかね――じゃねぇだろ!? お前、頭がイかれてんのか!?」

「このクソ野郎が……。俺たちの依頼主に、なんてことをしやがる!!」

 俺はワワワワンの連中に怒鳴りつけられた。
 狙っていた女を横取りされた恨みかと思ったが、そういうわけでもないようだ。

「依頼主? 依頼主とはエレナのことか?」

「ああ、そうだぜ! 俺たちは、エレナさんから頼まれたんだ!」

 男はそう言うと、懐から紙を取り出した。
 あれは、冒険者ギルドの依頼状で使われる形式の紙だな。
 彼はその紙を俺に向かって広げてみせる。

「なになに……?」

 俺はその紙に書かれた内容を読む。
 そこにはこう書かれてあった。

『ワワワワンに対する指名依頼。依頼主:エレナ』

『私はテイムに少し興味があるの。あんたたちの犬を使って、私に練習させなさい。これはあんたたちの社会奉仕活動の一環なんだから、もちろん依頼料は格安でね』

 依頼状の末尾には、エレナのサインがあった。
 冒険者ギルドの押印もある。
 なるほど……。
 どうやら、これは正式な依頼状らしいな。
 エレナからワワワワンに対して、犬でテイムの練習をさせろとの依頼が出されている。

「……そんな事情があったとは知らなかった」

 社会奉仕活動か。
 確か海水浴をしていた際にも、そんなことを小耳に挟んだ気がする。
 旧ダダダ団――現ワワワワンは、安めの依頼料で世のため人のために活動しているようだ。

「知らなかったで済ませる気か!? 俺たちの社会奉仕活動を邪魔しやがって!」

「お前……! 俺たちの仲間を蹴り飛ばしやがって! 覚悟はできているんだろうな?」

 俺はワワワワンの男どもに迫られる。
 これは困った。
 いや、待て待て。
 まだ正義は俺にあるはずだ。

「蹴り飛ばしたのは仕方ないだろ? エレナのスカートの中に顔を突っ込んで、襲っていたじゃないか! あれは明らかな犯罪だ!!」

 俺は反論する。
 ワワワワンの男は、エレナのスカートの中に顔を突っ込んでいたのだ。
 俺の行為はエレナを救うための正当防衛だろう。

「はぁ!? 俺たちがエレナさんを襲っていただと!?」

「犬がエレナさんに懐いて、少しばかりスキンシップをとっていただけだ!」

 男たちが顔を真っ赤にして言う。
 どうにも、会話のキャッチボールができていない気がする。

「犬だって? ――あ」

 俺はそこで、ようやく気付いた。
 エレナのスカートの中に入り込んでペロペロしていた野獣のような男。
 俺が蹴り飛ばした彼は、よく見れば男ではなかった。
 人でもなかった。
 ただの可愛らしい大型犬だったのである。
 獣みたいな奴だと思っていたが、本当に獣だったとはな。

「あー……。すまんすまん。勘違いだったぜ」

 俺が出るまでもなく、ワワワワン(旧ダダダ団)は真面目に社会奉仕活動をしていたらしい。
 俺はそこで思い出す。
 ニムが言っていたのは『ダダダ団が暴れ回っている』ではなく、『ダダダ団が走り回っている』だったことを。

 つまりニムは、こう伝えたかったのだ。
 ダダダ団が街を走り回って活動している、しっかりと心を入れ替えているようだ――と。
 俺は言葉の途中で早とちりし、暴走してしまった。

「な、何かが変だと思ったら……! またあんたなのね、タケシ!!」

 呆けていたエレナが復活し、俺に食ってかかる。
 マズイな……。
 これは非常にマズイ。
 エレナにボコボコにされる未来しか見えない。

「おうおう! 活動を邪魔された俺たちも激おこだぜ!」

「ワンッ! ワンッ! ワオーン!!」

 ワワワワンの男や犬も怒っている。
 特に、俺に蹴り飛ばされた犬は怒り心頭といった様子だ。
 今回ばかりは俺が悪い。
 どうにか切り抜けないと……。

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