【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1146話 トリスタへの加護付与とリンのスキル強化

 俺は建造中のリンドウ図書館を訪れ、蓮華やトリスタと話し込んだ。
 魔道具によって作られた光景を実際のものと間違えたり、トリスタに財源の不正使用疑惑をかけたり、色々とやらかした。
 しかしそれも全て、結果的には良い方向へと転がったと思う。
 最後に提案した『超時短勤務』がトリスタの心を掴み、彼が通常の加護の条件を満たしたのだ。
 俺はトリスタと蓮華と別れ、1人で情報を整理する。


レベル4、トリスタ=ユスティ
種族:ヒューマン
身分:平民
役割:筆頭文官
職業:魔道具使い
ランク:E

武器:ーー
防具:ーー

HP:38(29+9)
MP:22(17+5)
腕力:14(11+3)
脚力:17(13+4)
体力:17(13+4)
器用:25(19+6)
魔力:22(17+5)

残りスキルポイント:20
スキル:
魔道具操作術レベル1
策謀術レベル4
集中術レベル2
言語理解術レベル2

称号:
タカシの加護を受けし者


(トリスタに通常の加護を与えられたのは、何気にかなり大きな出来事だな……)

 俺が通常の加護を付与することに成功したのは、これまでに12人いた。
 ミティ、アイリス、モニカ、ニム、ユナ。
 マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華、レイン。
 そして、リンとロロだ。

 ミティからレインまでは俺と体の関係があり、深い仲になっている。
 忠義度とは言っても、実際には男女の情で大いに補正を受けているような状態だろう。

 リンとロロはどうか?
 この2人は幼女だ。
 もちろん深い仲にはなっていない。
 しかし、リンの方はおませさんなので、向こうからのそういう気持ちがあるかもしれない。
 また、ロロは孤児であり、父親代わりのような目で俺を見ている可能性もある。
 この2人も、男女の情や親子の情で大いに忠義度補正を受けているような状態と言っていい。

 では、今回のトリスタはどうか?
 彼は男だ。
 13人目にして、初めての男である。
 しかも、若干ナヨナヨしているとはいえ、立派な成人でありヒナという妻もいる。

 彼のような者であっても、付き合いの長さとか普段のやり取り次第では通常の加護を付与できる。
 それが分かったのは、本当に大きな収穫である。
 ……というか、それほど『超時短勤務』が魅力的だったのか?
 普段の仕事で、かなりの負担を掛けていてしまったのかもしれないな。

(トリスタのステータスは……。え? 何か低くね?)

 これまでに通常の加護を付与してきた者たちと比べても、物足りない気がする。
 いや、待てよ……。
 落ち着け。
 自分の記憶力を過信するのは良くない。
 ついさっき、それを学んだところじゃないか。
 幸い、各人に加護を付与した直後の初期ステータスはメモして、アイテムボックスに収納している。
 自分の記憶力ではなく、そのメモを信じるんだ。

(ええっと、少し前に加護を付与したのはリンとロロだったな。例えばリンの当時の基礎ステータスは……)


レベル8、リン=シャオ
HP:60(46+14)
MP:36(28+8)
腕力:30(23+7)
脚力:33(25+8)
体力:33(25+8)
器用:33(25+8)
魔力:33(25+8)


(……うん。やはりトリスタは弱いな……)

 俺の記憶力が珍しく正しかったようだ。
 基礎ステータスの面で、トリスタは幼女リンに大きく劣る。
 まぁ、リンは加護を付与される前から、剣術鍛錬とか筋トレとかも少ししていたしな。
 初期レベルに差があるし、基礎ステータスが劣るのは仕方ない。

(特に問題もない。トリスタの優位性は、その頭脳だからな)

 それはスキル面にも表れている。
 彼は『魔道具操作術』『策謀術』『集中術』『言語理解術』というスキルを持っている。
 戦闘では幼女リンに負けてしまうような存在であっても、文官として仕事ができればいいのだ。

(おっと。せっかくだし、トリスタのスキルを強化しておくか。強化するのは……『魔道具操作術』でいいだろう。さっきもやり取りした通り、魔道具で本の世界を再現するのに力を入れているようだし)

 俺はステータス画面を操作し、トリスタの『魔道具操作術』のレベルを上げる。
 さらに――

(そうだ。さっきの治療院では、リンのスキルも上げたのだったな……)

 ミリオンズ以外には挨拶しないまま、オルフェスに戻る予定だった。
 しかし、オリビアとの件でゴタゴタして、結局はリンとも少しばかり会話をすることになったのだ。

 彼女は冒険者見習いとして活動を続けているらしい。
 年齢制限からまだ本登録はできないということだが、戦闘能力だけならそこらのDランク冒険者よりも強いかもしれない。
 彼女の冒険者としての方向性は、定まりつつある。
 剣術と造形魔法を使った戦法を練っているそうだ。

 今回のスキルレベル向上で、さらに強くなっただろう。
 俺たちミリオンズが不在の中、トミーやアランあたりにサポートされつつ腕を上げるだろう。
 戻ってきたらどんな風に成長しているか、楽しみなところだ。

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