【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1119話 変態の証明テスト

 俺はエレナから疑惑をかけられている。
 それは『水着がズレたエレナたちを盗み見していたのではないか?』というものだった。
 その疑いを晴らすために、俺は舌戦を繰り広げた。
 だが少しばかり煽りすぎたようで、エレナは俺に対して怒り狂っている。
 今にも襲いかからんばかりの勢いだ。

(このままだと、エレナに殺されるかもしれん……。なんとかしないと……)

 俺は必死に頭を働かせる。
 だが良い案は思い浮かばない。
 とりあえず思いついた言葉を言ってみよう。

「エレナさん、暴力はいけませんよ。まずは話し合いで解決しましょう。お互いの妥協点を探るんです。決して、武力に訴えてはいけない」

「うるさい! 黙れ、変態のカス!!」

 エレナが怒鳴る。
 もう完全に頭に血が上っていた。
 俺の言葉など、まともに聞いてくれそうにもない。

「エレナちゃんー! 落ち着いてー!!」

「暴力はダメっすよ! タケシっちさんは、動けないんすから!!」

 ルリイとテナがエレナを止めようとしてくれた。
 俺は砂浜で大の字に埋められており、身動きが取れなくなっている。
 股間の怒張も、砂の重みによって押さえつけられている。
 動けない今の状態でエレナに攻撃されたら、俺はひとたまりもないだろう。

「ふふふっ。安心なさい。タケシを殺すつもりはないわ。ただ、ちょっとテストをするだけよ。それで証明できるはずだもの!!」

 エレナがニヤリと笑う。
 何か考えがあるようだ。

「……何をする気ですか?」

「こうするのよ!!」

 エレナが手を振りかざす。
 次の瞬間、俺の顔にタオルがかけられた。

「むっ!?」

 突然の出来事に驚く俺。
 顔を覆う布のせいで何も見えない。

「エレナさん、いきなり何を……」

「あー……。今日は暑いわねぇ。水着を脱ぎたくなってきちゃったわぁ」

「!?」

 エレナの発言を聞き、心臓が大きく跳ね上がる。
 まさかとは思うが、この女……!
 俺の見えないところで、ストリップショーを始める気か!?

「ちょ、エレナさん!! さすがにそれは酷いですよ!!!」

「はぁ? あんたには何の関係もないことでしょう? あんたはそこで大人しくしていればいいの!」

「くっ……!」

 エレナが鼻息を荒くしている。
 彼女は本気だ!
 本気で脱ごうとしている!!

(俺に彼女を止める権利はない……! ないが……!!)

 砂浜に生き埋めされ身動きが取れない上、顔にタオルをかけられていることが悔しい。
 それに、周囲の状況も分からないのが不安だ。

 いや、俺の身の安全は確保されている。
 俺には常時纏っている闘気や魔力、それに治療魔法などもあるからな。
 聖女リッカや龍神ベテルギウス級の実力者から奇襲されたら話は別だが、そこらの魔物や賊からの奇襲程度であれば問題ない。

 俺が気にしているのは、周囲からの視線だ。
 少し前の時点では、こちらに注目している他の海水浴客はいなかった。
 しかし、今はどうか分からない。
 胸を露出したエレナに注目が集まる可能性がある。

(エレナは俺の女ではない。だが、それでも他人に見せたくない!! 俺だけのものにしたい!!!)

 俺の中に独占欲が生じる。
 同時に、エレナに対する愛しさが湧いてきた。

「エレナさん! お願いします! それだけはやめてください!!」

「はぁ? だから、あんたには関係ないでしょ? 私に命令しないでくれる?」

 俺は声を張り上げる。
 だが、エレナは全く聞く耳を持たない。

「エレナさん! せめて、俺の見える位置でやってください!!」

「ふんっ! 本性が出始めたわね。やっぱり、あんたは変態のカスじゃない!」

「ち、違います! これはエレナさんを心配しているだけで……」

「へぇ? じゃあ、私が私の意思で脱ぐことに文句はないわよね?」

「そ、それは……」

 エレナが挑発的な口調で言う。
 俺は言葉に詰まってしまった。
 他の奴らにエレナの裸体を見られるのは嫌だが……。
 良い反論が思いつかない。

「ふふっ。決まりね」

「くっ……!!」

 エレナが動く気配を感じる。
 本当に服を脱ぎ始めたようだ。
 俺は何もできないまま、エレナのバスト露出を待つしかない。

「ふふ……! これは気持ちいいわね……。開放的な気分だわ。風が吹くたびに揺れて……。ふぅ……」

 エレナが艶っぽい吐息を漏らす。
 俺の位置からは見えないが、おそらく胸が露出されているのだろう。

「うぅ……! エレナさん……!!」

 俺は焦燥感に駆られる。
 エレナのおっぱいが衆目に晒されてしまう……!
 そんなことになったら、俺は……。
 だが、そんな焦る俺の気持ちとは裏腹に、砂の中では熱いモノが込み上げてきていたのだった。

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