【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1085話 一人で励んでいたテナ
俺は『三日月の舞』が泊まっている部屋にやって来た。
オレっ娘の土魔法使いテナが、ここで心身の傷を癒やしているはず……。
そう思っていたのだが、部屋の中の彼女は両手両足を縛られた上に、床で正座をさせられていた。
しかも、全裸で。
明らかに異常な状況であり、誰かに乱暴を受けたことは明らかだった。
すぐにでも助けないとまずいと思ったのだが……。
「テナさん! 止めないでください! 衛兵を呼びに行きますよ!!」
「違うっすぅう! 誤解っすよぉおお!! オレっちは何もされていないっす!!」
「な、何もされてない……?」
テナの言葉を聞いた瞬間、俺は困惑する。
どういうことだ?
それならば、どうしてあんな状態になっていたんだ?
……ああ、そういうことか。
わかったぞ。
「テナさん……」
「な、なんすか!?」
「安心してください。俺があなたを助けてあげます!」
「ふぇ!?」
俺は、彼女の手を握る。
彼女は全裸だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
俺はそのまま、彼女に優しく語り掛けた。
「大丈夫です。俺は全て分かっています」
「そ、そうっすか……? それはそれで恥ずかしいっすが……」
テナは顔を赤くして俯く。
もじもじと体を揺らしている。
「恥ずかしがる必要はありません。テナさんは被害者ですから……」
「えっ?」
「悪いのは全てダダダ団の残党です。衛兵にちゃんと報告して、報いを受けさせてやりましょう」
「あ、その……」
「大丈夫です。俺が付いていますから。衛兵がテナさんに変な視線を向けてきたら、俺がぶっ飛ばしてやりますよ!」
明らかに被害を受けているのに、テナが衛兵を呼びたがらない理由。
それは、大事にしたくないからだろう。
犯罪の被害者というのは、そういう考え方をする者も多い。
とりわけ、今回のように性的被害に遭った場合はそうだ。
衛兵に事情を説明するのが恥ずかしいとか、余計な詮索をされるのが嫌だとか、あるいは自分が悪く思われるのが怖いから……。
そういった理由で、自分で解決しようとする人もいるのだ。
しかし、ここは俺に任せてほしい。
ダダダ団は少なくともすでに半壊状態だ。
頭領リオンと幹部ヨゼフ、それに構成員数十人を昨晩で倒したからな。
残党など大したことはないだろう。
「ふふふー。タケシさん、やっぱりいい人だねー……」
「見直してあげないこともないわね。……それにしても、テナ。1人にして悪かったわね。まさか残党が宿の最上階を襲撃するとは思わなかったから……」
ルリイとエレナが会話に加わる。
2人とも、俺への評価を上方修正してくれたようだ。
が、それはそれとして、現在の被害を思うと素直に喜べない。
「さぁ、テナさん。怖いのはわかりますが、ここは勇気を出して……」
「だから、違うんすよぉおお!!!」
テナが絶叫した。
「テナさん……。落ち着いて……」
「これが落ち着けるかっすぅうう! 誤解なんっすよぉお!!!」
テナは叫ぶ。
だが、その姿はあまりにも痛々しい。
全裸のまま、手足に鎖を巻きつけられ、首には金属製の首輪が嵌められている。
(だが、なぜだろう……。どこか不自然な気がする……。ああ、そうか)
違和感の正体。
最初から気づいていたのだが、会話の流れで言い出すタイミングを逃していた。
俺はテナに尋ねる。
「ところでテナさん……。その……、どうして自由に動けるのですか?」
「え……?」
「無理やり正座をさせられていたのでは……?」
これがずっと引っかかっていたのだ。
ダダダ団の残党により、全裸に剥かれた上で手足を縛られ、床に正座させられていた。
その後、テナが自力で外すことは不可能だろう。
なのに今、彼女は自由に動いている。
「確かに……妙ね?」
「あー……。テナちゃん、まさかー……」
エレナが首を傾げ、ルリイが何かを察したような表情を浮かべる。
テナが涙目で叫んだ。
「そ、その通りっす! オレっちは……一人で励んでたんっす!!」
「「……は?」」
「あー……」
俺とエレナから疑問の声が漏れ、ルリイは納得したような声を漏らす。
テナが続ける。
「朝起きてから……その……、体の火照りが収まらなくて……。それで、仕方なく自分を慰めてただけっすよ! 急に帰ってこられたから……困ったっす!!」
「な、なんだってーー!?」
俺は驚愕した。
だが同時に、彼女が衛兵を呼びたがらなかった理由を理解する。
つまり、テナは襲われたのではなく一人でアレをしていただけなのだ。
「てっきり、ダダダ団の残党のせいかと思いましたが……、違ったんですね」
「そんなわけがないっす。ダダダ団は昨晩で壊滅したっす。それに、もし残党がいたとしても、宿の最上階まで簡単には侵入できないっす」
テナの説明を聞いて、俺はホッとする。
これなら、落ち着いて当初の目的を達成できる。
俺は懐のナスに手を伸ばしたのだった。
オレっ娘の土魔法使いテナが、ここで心身の傷を癒やしているはず……。
そう思っていたのだが、部屋の中の彼女は両手両足を縛られた上に、床で正座をさせられていた。
しかも、全裸で。
明らかに異常な状況であり、誰かに乱暴を受けたことは明らかだった。
すぐにでも助けないとまずいと思ったのだが……。
「テナさん! 止めないでください! 衛兵を呼びに行きますよ!!」
「違うっすぅう! 誤解っすよぉおお!! オレっちは何もされていないっす!!」
「な、何もされてない……?」
テナの言葉を聞いた瞬間、俺は困惑する。
どういうことだ?
それならば、どうしてあんな状態になっていたんだ?
……ああ、そういうことか。
わかったぞ。
「テナさん……」
「な、なんすか!?」
「安心してください。俺があなたを助けてあげます!」
「ふぇ!?」
俺は、彼女の手を握る。
彼女は全裸だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
俺はそのまま、彼女に優しく語り掛けた。
「大丈夫です。俺は全て分かっています」
「そ、そうっすか……? それはそれで恥ずかしいっすが……」
テナは顔を赤くして俯く。
もじもじと体を揺らしている。
「恥ずかしがる必要はありません。テナさんは被害者ですから……」
「えっ?」
「悪いのは全てダダダ団の残党です。衛兵にちゃんと報告して、報いを受けさせてやりましょう」
「あ、その……」
「大丈夫です。俺が付いていますから。衛兵がテナさんに変な視線を向けてきたら、俺がぶっ飛ばしてやりますよ!」
明らかに被害を受けているのに、テナが衛兵を呼びたがらない理由。
それは、大事にしたくないからだろう。
犯罪の被害者というのは、そういう考え方をする者も多い。
とりわけ、今回のように性的被害に遭った場合はそうだ。
衛兵に事情を説明するのが恥ずかしいとか、余計な詮索をされるのが嫌だとか、あるいは自分が悪く思われるのが怖いから……。
そういった理由で、自分で解決しようとする人もいるのだ。
しかし、ここは俺に任せてほしい。
ダダダ団は少なくともすでに半壊状態だ。
頭領リオンと幹部ヨゼフ、それに構成員数十人を昨晩で倒したからな。
残党など大したことはないだろう。
「ふふふー。タケシさん、やっぱりいい人だねー……」
「見直してあげないこともないわね。……それにしても、テナ。1人にして悪かったわね。まさか残党が宿の最上階を襲撃するとは思わなかったから……」
ルリイとエレナが会話に加わる。
2人とも、俺への評価を上方修正してくれたようだ。
が、それはそれとして、現在の被害を思うと素直に喜べない。
「さぁ、テナさん。怖いのはわかりますが、ここは勇気を出して……」
「だから、違うんすよぉおお!!!」
テナが絶叫した。
「テナさん……。落ち着いて……」
「これが落ち着けるかっすぅうう! 誤解なんっすよぉお!!!」
テナは叫ぶ。
だが、その姿はあまりにも痛々しい。
全裸のまま、手足に鎖を巻きつけられ、首には金属製の首輪が嵌められている。
(だが、なぜだろう……。どこか不自然な気がする……。ああ、そうか)
違和感の正体。
最初から気づいていたのだが、会話の流れで言い出すタイミングを逃していた。
俺はテナに尋ねる。
「ところでテナさん……。その……、どうして自由に動けるのですか?」
「え……?」
「無理やり正座をさせられていたのでは……?」
これがずっと引っかかっていたのだ。
ダダダ団の残党により、全裸に剥かれた上で手足を縛られ、床に正座させられていた。
その後、テナが自力で外すことは不可能だろう。
なのに今、彼女は自由に動いている。
「確かに……妙ね?」
「あー……。テナちゃん、まさかー……」
エレナが首を傾げ、ルリイが何かを察したような表情を浮かべる。
テナが涙目で叫んだ。
「そ、その通りっす! オレっちは……一人で励んでたんっす!!」
「「……は?」」
「あー……」
俺とエレナから疑問の声が漏れ、ルリイは納得したような声を漏らす。
テナが続ける。
「朝起きてから……その……、体の火照りが収まらなくて……。それで、仕方なく自分を慰めてただけっすよ! 急に帰ってこられたから……困ったっす!!」
「な、なんだってーー!?」
俺は驚愕した。
だが同時に、彼女が衛兵を呼びたがらなかった理由を理解する。
つまり、テナは襲われたのではなく一人でアレをしていただけなのだ。
「てっきり、ダダダ団の残党のせいかと思いましたが……、違ったんですね」
「そんなわけがないっす。ダダダ団は昨晩で壊滅したっす。それに、もし残党がいたとしても、宿の最上階まで簡単には侵入できないっす」
テナの説明を聞いて、俺はホッとする。
これなら、落ち着いて当初の目的を達成できる。
俺は懐のナスに手を伸ばしたのだった。
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