【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1084話 ダダダの残党!?
「へぇ……。最上階の部屋を借りていたんですね」
「そうよ! 私たちはCランク冒険者のパーティなんだから、それに相応しい部屋に泊まるのは当たり前でしょう!?」
「ははは……。そうですね」
エレナが胸を張って答える。
確かにその通りかもしれないが、余計な出費を抑えるのも冒険者にとっては大事なことだと思うのだが……。
まぁ、それを口にするのは野暮というものだろう。
俺は苦笑しながら、彼女の後ろをついていく。
「ところで、テナさんは大丈夫なんでしょうか? 体調を崩されているとのことですが……」
「大丈夫じゃないから、部屋で静養しているんでしょ……。まぁ、テナは私が認めた実力確かな魔法使いだから、きっとすぐに立ち直ってくれるわよ……」
「……」
エレナの声が徐々に小さくなっていく。
やはり、内心では不安を感じているようだ。
「エレナさんは優しいですね……」
「はぁ!? なにを言っているのかしら!?」
「いえ、別に……」
俺は微笑ましい気持ちでエレナを見る。
彼女だって、ダダダ団の被害を受けた一人だろうに……。
エレナは、幹部ヨゼフから乱暴をされかけていた。
ルリイは、木馬に跨がらされていた。
テナは、砂利の上で正座をさせられていた。
それぞれが怖く痛い思いをしただろう。
被害の大小を順位付けをするべきではない。
しかし強いて言えば、やはり直接的に乱暴されかけていたエレナの精神的ダメージが大きくても不思議ではない。
そんな中、エレナはリーダーとして仲間たちのために心を砕いている。
彼女を見ていると、応援したいという感情が湧き上がってくるのだ。
「……変なこと考えているんじゃないでしょうね?」
「いえいえ、そんなことは……」
エレナがジト目になって尋ねてくる。
……鋭い人だ。
俺は誤魔化すように笑う。
「この差し入れで喜んでくれたらいいのですが……。テナさんは、ナスは好きでしょうか?」
「ナス……? どうして野菜を……? こういうのって、普通は甘いものとかじゃない?」
「いえ、これはこれで美味しいですよ。ほのかな甘味もあります」
「……まぁいいわ。テナなら、どんなものでも喜ぶと思うから」
「そうですか……。では、早く渡しましょう」
俺は、エレナと一緒にテナのいる部屋のドアをノックした。
……。
…………。
反応がない。
「テナ? 寝てるの?」
エレナが声を掛ける。
だが、それでも返事はなかった。
「おかしいわね……。もう、起きているはずなのに……」
エレナは首を傾げる。
もしかすると、まだ眠っているのだろうか?
だが、今はもう昼前だ。
いくらなんでもこんな時間まで眠るとは思えない。
『はぁ……はぁ……。うぅ……痛いっす……』
……ん?
室内から荒い息遣いのようなものが聞こえてきたような気がした。
「エレナさん……。どうやら、何かあったようですよ」
俺は声を落として囁いた。
どうにも嫌な予感がしたからだ。
「えっ? なに? どういうこと?」
「分かりません……。とりあえず、開けますね?」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」
俺はドアノブに手を掛ける。
すると、エレナが慌てて俺の腕を掴んだ。
「どうしました?」
「どうしましたって……。本当に中に入るつもり!?」
「ええ、もちろんです」
「でも、返事がなかったじゃない! テナが寝ているところに、あんたが入るのは……」
「そんなことを言っている場合ではありません! あの荒い息遣い……! 尋常ではない様子です!!」
「うっ……!」
俺の言葉を聞いて、エレナが口籠る。
もしかすると、エレナも同じように感じ取っていたのかもしれない。
「テナさんは、もしかしたら体調を崩しているのかもしれません。それで苦しんでいるのだとしたら、助けるのは当然のことじゃありませんか!?」
「そ、それはそうだけど……」
「エレナさんは、テナさんが心配じゃないのですか!?」
「そ、そういうわけじゃないけど……。でも、やっぱり……」
「……」
俺はエレナの手を振り払う。
そして、勢いよく扉を開いた。
「テナさん! いますか!? 俺たちが来ましたよ! ――なっ……! こ、これは……!?」
室内に入った俺は、思わず絶句した。
予想外の光景を目にしたからだ。
「はぁ……。はぁ……。痛いのがクセになるっすぅ……。――って、えぇっ!? た、タケシっちさん!?」
そこには、床の上で正座しているテナがいた。
ただ、なぜか裸で手足を拘束された状態で……。
さらに首輪を嵌められており、そこから伸びた鎖をベッドの足へと繋がれていた。
あれでは、逃げることもできない。
(一体なにがあったんだ……?)
まさに異様である。
しかも、その格好はまるで奴隷のような姿だ。
「大変だ! いったい誰がこんなことを!? まさかダダダの残党が!? エレナさん! すぐに衛兵を呼びにいきましょう!!」
「えっ? あ、うん! 分かったわ!!」
俺とエレナは踵を返すと、急いで部屋を出ていこうとした。
だが……。
「ちょ、ちょっと待つっすぅうう!!!」
テナが素早く動き、必死に俺たちの体を掴んで止めた。
……あれ?
手足は拘束されていたはずじゃ?
「そうよ! 私たちはCランク冒険者のパーティなんだから、それに相応しい部屋に泊まるのは当たり前でしょう!?」
「ははは……。そうですね」
エレナが胸を張って答える。
確かにその通りかもしれないが、余計な出費を抑えるのも冒険者にとっては大事なことだと思うのだが……。
まぁ、それを口にするのは野暮というものだろう。
俺は苦笑しながら、彼女の後ろをついていく。
「ところで、テナさんは大丈夫なんでしょうか? 体調を崩されているとのことですが……」
「大丈夫じゃないから、部屋で静養しているんでしょ……。まぁ、テナは私が認めた実力確かな魔法使いだから、きっとすぐに立ち直ってくれるわよ……」
「……」
エレナの声が徐々に小さくなっていく。
やはり、内心では不安を感じているようだ。
「エレナさんは優しいですね……」
「はぁ!? なにを言っているのかしら!?」
「いえ、別に……」
俺は微笑ましい気持ちでエレナを見る。
彼女だって、ダダダ団の被害を受けた一人だろうに……。
エレナは、幹部ヨゼフから乱暴をされかけていた。
ルリイは、木馬に跨がらされていた。
テナは、砂利の上で正座をさせられていた。
それぞれが怖く痛い思いをしただろう。
被害の大小を順位付けをするべきではない。
しかし強いて言えば、やはり直接的に乱暴されかけていたエレナの精神的ダメージが大きくても不思議ではない。
そんな中、エレナはリーダーとして仲間たちのために心を砕いている。
彼女を見ていると、応援したいという感情が湧き上がってくるのだ。
「……変なこと考えているんじゃないでしょうね?」
「いえいえ、そんなことは……」
エレナがジト目になって尋ねてくる。
……鋭い人だ。
俺は誤魔化すように笑う。
「この差し入れで喜んでくれたらいいのですが……。テナさんは、ナスは好きでしょうか?」
「ナス……? どうして野菜を……? こういうのって、普通は甘いものとかじゃない?」
「いえ、これはこれで美味しいですよ。ほのかな甘味もあります」
「……まぁいいわ。テナなら、どんなものでも喜ぶと思うから」
「そうですか……。では、早く渡しましょう」
俺は、エレナと一緒にテナのいる部屋のドアをノックした。
……。
…………。
反応がない。
「テナ? 寝てるの?」
エレナが声を掛ける。
だが、それでも返事はなかった。
「おかしいわね……。もう、起きているはずなのに……」
エレナは首を傾げる。
もしかすると、まだ眠っているのだろうか?
だが、今はもう昼前だ。
いくらなんでもこんな時間まで眠るとは思えない。
『はぁ……はぁ……。うぅ……痛いっす……』
……ん?
室内から荒い息遣いのようなものが聞こえてきたような気がした。
「エレナさん……。どうやら、何かあったようですよ」
俺は声を落として囁いた。
どうにも嫌な予感がしたからだ。
「えっ? なに? どういうこと?」
「分かりません……。とりあえず、開けますね?」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」
俺はドアノブに手を掛ける。
すると、エレナが慌てて俺の腕を掴んだ。
「どうしました?」
「どうしましたって……。本当に中に入るつもり!?」
「ええ、もちろんです」
「でも、返事がなかったじゃない! テナが寝ているところに、あんたが入るのは……」
「そんなことを言っている場合ではありません! あの荒い息遣い……! 尋常ではない様子です!!」
「うっ……!」
俺の言葉を聞いて、エレナが口籠る。
もしかすると、エレナも同じように感じ取っていたのかもしれない。
「テナさんは、もしかしたら体調を崩しているのかもしれません。それで苦しんでいるのだとしたら、助けるのは当然のことじゃありませんか!?」
「そ、それはそうだけど……」
「エレナさんは、テナさんが心配じゃないのですか!?」
「そ、そういうわけじゃないけど……。でも、やっぱり……」
「……」
俺はエレナの手を振り払う。
そして、勢いよく扉を開いた。
「テナさん! いますか!? 俺たちが来ましたよ! ――なっ……! こ、これは……!?」
室内に入った俺は、思わず絶句した。
予想外の光景を目にしたからだ。
「はぁ……。はぁ……。痛いのがクセになるっすぅ……。――って、えぇっ!? た、タケシっちさん!?」
そこには、床の上で正座しているテナがいた。
ただ、なぜか裸で手足を拘束された状態で……。
さらに首輪を嵌められており、そこから伸びた鎖をベッドの足へと繋がれていた。
あれでは、逃げることもできない。
(一体なにがあったんだ……?)
まさに異様である。
しかも、その格好はまるで奴隷のような姿だ。
「大変だ! いったい誰がこんなことを!? まさかダダダの残党が!? エレナさん! すぐに衛兵を呼びにいきましょう!!」
「えっ? あ、うん! 分かったわ!!」
俺とエレナは踵を返すと、急いで部屋を出ていこうとした。
だが……。
「ちょ、ちょっと待つっすぅうう!!!」
テナが素早く動き、必死に俺たちの体を掴んで止めた。
……あれ?
手足は拘束されていたはずじゃ?
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