【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1071話 聖魔法+重力魔法
英霊ベテルギウスは無事に元の世界に帰っていった。
だが、彼が最初に召喚された際、余計な者たちがこの世界に紛れ込んでしまっていたようだ。
「我が紅剣アヴァロンのサビとなるがいい――だってよ」
「ひひっ……! 身の程知らずだねぇ」
「ぎへへ……! 俺たちの強さがわからねぇようだな」
3人の男たちが不快な声で笑う。
彼らは英霊のなりそこない。
いわば、亡霊のような存在だ。
「この世界で悪事を働くつもりなら、見逃すことはできない」
俺は紅剣アヴァロンを構えながら言った。
英霊のなりそこないと言っても、こいつらは十分に強そうだ。
野放しにすれば、一般民衆に多大な被害が出るだろう。
「なんだぁ? 正義の味方ごっこかぁ?」
「英雄の真似事でもする気かよ?」
「くくっ……! さっきの英霊サマと戦って消耗してんだろぉ? おとなしく殺されてくれや! ――ピャアッ!!」
男の一人が指先から光線を放つ。
俺はそれを難なくかわした。
「チッ! ちょこまかと動きやがるな」
「おい、落ち着けよ。次は俺の弓矢で貫いてやるぜ」
「待て待て。ここは俺の毒魔法でジワジワと追い込んで楽しみたい」
「……」
俺は黙って男たちを観察する。
3人はそれぞれ、光魔法、弓矢、毒魔法を使うらしい。
どうやら、生前はそれなりに名の知れた人物だったようだ。
ただ、所詮は英霊のなりそこないか。
どれも中途半端で大したことはなさそうだ。
「お喋りな奴らだな」
「ああん? なんか文句あるのか?」
「俺らを侮辱すると痛い目に遭うぜ」
「そうそう。お前みたいな雑魚は、すぐに死ぬことになる」
俺の言葉に、3人はイラついた様子を見せる。
「そうか。じゃあ、さっさとお前らの本気を見せてもらいたいのだが?」
「舐めやがって……。後悔させてやる!!」
「もう手加減はなしだ!!」
「死ね!!」
男どもが一斉に襲ってきた。
――が、その動きが急に止まる。
「なっ!? なんだ!?」
「体が……重い!! 下に落ちねぇようにするだけで精一杯だ!!」
「下は海水だぞ……! この霊体に海水はマズイ!!」
突然の事態に戸惑う男ども。
英霊や亡霊が受けている制約はよく知らなかったのだが、ベテルギウス戦で多少の推測はできていた。
やはり、海水に触れるのはマズイらしい。
ベテルギウスも水中の俺に追撃してこなかったしな。
このまま、奴らを瞬殺してやろう。
「――お前たちはすでに、死神に魅入られた。魅入られた者は、最期の足跡を残すことはない」
俺はゆっくりと詠唱を始める。
この状況下で特に有効そうな魔法だ。
「な、何をするつもりだ!?」
「まさか、俺たちを浄化しようっていうんじゃないだろうな!」
「ふざけんな!! 英霊サマと戦った直後だろ!? そんな余裕、あるはずが……」
亡霊たちが狼狽する。
確かに龍神ベテルギウスとの戦闘は激しいものだった。
しかし、格下を葬る余裕ぐらいはある。
まぁ、結構ギリギリだが……。
「――聖書にこうある。『汝の魂がすでに――この世にない証だ』!」
俺は詠唱を唱えつつ、紅剣アヴァロンを振り下ろす。
「【セレスティアル・グラビテーション】!!」
「「「ぐあああああっ!!!」」」
聖なる重力波が男どもを襲う。
海水を苦手とする彼らは、強化された重力に従って下に落ちるわけにはいかない。
それと同時に、亡霊である彼らは聖属性の攻撃を喰らうのもマズかった。
つまり、この状況下においては、この通り『聖と重力の複合魔法』が最も効果的だったというわけだ。
「ば、馬鹿な……。俺たちが……天に召されるだと……」
「ありえない……。ありえねえよ……。俺たちは永遠の牢獄に囚われて……」
「ああ……。妻と娘が見える……。俺も今からそこへ……」
亡霊どもは何とも言えない表情を浮かべて消滅していった。
英霊やそのなりそこないである彼らには、何かしらのデメリットでも付されていたのだろうか?
戦闘狂の龍神ベテルギウスは、純粋に戦いを楽しんでいるようだったが……。
ま、無事に成仏したっぽいし、ここはビシッと決めゼリフを言わせてもらおう。
「お前たちへの判決は――死刑だ」
俺はニヤリと笑って告げた。
まぁ、元から死んでいた連中なので、別に俺が殺したわけじゃないが……。
「――むっ!?」
俺は不意にバランスを崩す。
度重なる闘気やMPの消費により、貧血に似た症状が起きているのだ。
「くっ……」
俺は必死に意識を保つ。
ここで倒れたら、また面倒なことになってしまう。
というか、普通に死ぬ確率が高い。
なにせ、ここは陸からそれなりに離れた海上だからな。
人魚メルティーネのキスの恩恵も、どの程度まで効力が続くか不透明だ。
早く陸地に戻って、休まねば。
「その前に……リオンの回収を……。……あそこか……」
俺はふわふわ漂うリオンを発見する。
ベテルギウスとの戦闘後に放置してしまっていたが、まだ息がある。
とりあえずは一安心だ。
「……ん。うぐ……っ!!」
少しだけ気が抜けてしまったせいか、頭がくらっとくる。
リオンに治療魔法をかけてやりたいところだが、今は時間が惜しい。
とりあえず陸地へ……。
妻が待つ陸地へ……。
陸地へ……。
「あ……」
そこで、俺の視界がブラックアウトする。
そして――俺はそのまま気を失ったのだった。
だが、彼が最初に召喚された際、余計な者たちがこの世界に紛れ込んでしまっていたようだ。
「我が紅剣アヴァロンのサビとなるがいい――だってよ」
「ひひっ……! 身の程知らずだねぇ」
「ぎへへ……! 俺たちの強さがわからねぇようだな」
3人の男たちが不快な声で笑う。
彼らは英霊のなりそこない。
いわば、亡霊のような存在だ。
「この世界で悪事を働くつもりなら、見逃すことはできない」
俺は紅剣アヴァロンを構えながら言った。
英霊のなりそこないと言っても、こいつらは十分に強そうだ。
野放しにすれば、一般民衆に多大な被害が出るだろう。
「なんだぁ? 正義の味方ごっこかぁ?」
「英雄の真似事でもする気かよ?」
「くくっ……! さっきの英霊サマと戦って消耗してんだろぉ? おとなしく殺されてくれや! ――ピャアッ!!」
男の一人が指先から光線を放つ。
俺はそれを難なくかわした。
「チッ! ちょこまかと動きやがるな」
「おい、落ち着けよ。次は俺の弓矢で貫いてやるぜ」
「待て待て。ここは俺の毒魔法でジワジワと追い込んで楽しみたい」
「……」
俺は黙って男たちを観察する。
3人はそれぞれ、光魔法、弓矢、毒魔法を使うらしい。
どうやら、生前はそれなりに名の知れた人物だったようだ。
ただ、所詮は英霊のなりそこないか。
どれも中途半端で大したことはなさそうだ。
「お喋りな奴らだな」
「ああん? なんか文句あるのか?」
「俺らを侮辱すると痛い目に遭うぜ」
「そうそう。お前みたいな雑魚は、すぐに死ぬことになる」
俺の言葉に、3人はイラついた様子を見せる。
「そうか。じゃあ、さっさとお前らの本気を見せてもらいたいのだが?」
「舐めやがって……。後悔させてやる!!」
「もう手加減はなしだ!!」
「死ね!!」
男どもが一斉に襲ってきた。
――が、その動きが急に止まる。
「なっ!? なんだ!?」
「体が……重い!! 下に落ちねぇようにするだけで精一杯だ!!」
「下は海水だぞ……! この霊体に海水はマズイ!!」
突然の事態に戸惑う男ども。
英霊や亡霊が受けている制約はよく知らなかったのだが、ベテルギウス戦で多少の推測はできていた。
やはり、海水に触れるのはマズイらしい。
ベテルギウスも水中の俺に追撃してこなかったしな。
このまま、奴らを瞬殺してやろう。
「――お前たちはすでに、死神に魅入られた。魅入られた者は、最期の足跡を残すことはない」
俺はゆっくりと詠唱を始める。
この状況下で特に有効そうな魔法だ。
「な、何をするつもりだ!?」
「まさか、俺たちを浄化しようっていうんじゃないだろうな!」
「ふざけんな!! 英霊サマと戦った直後だろ!? そんな余裕、あるはずが……」
亡霊たちが狼狽する。
確かに龍神ベテルギウスとの戦闘は激しいものだった。
しかし、格下を葬る余裕ぐらいはある。
まぁ、結構ギリギリだが……。
「――聖書にこうある。『汝の魂がすでに――この世にない証だ』!」
俺は詠唱を唱えつつ、紅剣アヴァロンを振り下ろす。
「【セレスティアル・グラビテーション】!!」
「「「ぐあああああっ!!!」」」
聖なる重力波が男どもを襲う。
海水を苦手とする彼らは、強化された重力に従って下に落ちるわけにはいかない。
それと同時に、亡霊である彼らは聖属性の攻撃を喰らうのもマズかった。
つまり、この状況下においては、この通り『聖と重力の複合魔法』が最も効果的だったというわけだ。
「ば、馬鹿な……。俺たちが……天に召されるだと……」
「ありえない……。ありえねえよ……。俺たちは永遠の牢獄に囚われて……」
「ああ……。妻と娘が見える……。俺も今からそこへ……」
亡霊どもは何とも言えない表情を浮かべて消滅していった。
英霊やそのなりそこないである彼らには、何かしらのデメリットでも付されていたのだろうか?
戦闘狂の龍神ベテルギウスは、純粋に戦いを楽しんでいるようだったが……。
ま、無事に成仏したっぽいし、ここはビシッと決めゼリフを言わせてもらおう。
「お前たちへの判決は――死刑だ」
俺はニヤリと笑って告げた。
まぁ、元から死んでいた連中なので、別に俺が殺したわけじゃないが……。
「――むっ!?」
俺は不意にバランスを崩す。
度重なる闘気やMPの消費により、貧血に似た症状が起きているのだ。
「くっ……」
俺は必死に意識を保つ。
ここで倒れたら、また面倒なことになってしまう。
というか、普通に死ぬ確率が高い。
なにせ、ここは陸からそれなりに離れた海上だからな。
人魚メルティーネのキスの恩恵も、どの程度まで効力が続くか不透明だ。
早く陸地に戻って、休まねば。
「その前に……リオンの回収を……。……あそこか……」
俺はふわふわ漂うリオンを発見する。
ベテルギウスとの戦闘後に放置してしまっていたが、まだ息がある。
とりあえずは一安心だ。
「……ん。うぐ……っ!!」
少しだけ気が抜けてしまったせいか、頭がくらっとくる。
リオンに治療魔法をかけてやりたいところだが、今は時間が惜しい。
とりあえず陸地へ……。
妻が待つ陸地へ……。
陸地へ……。
「あ……」
そこで、俺の視界がブラックアウトする。
そして――俺はそのまま気を失ったのだった。
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