【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1052話 アーティファクト・チャンピオン
俺はリオンを無力化することに決めた。
闇のレーザーにより彼の太ももを撃ち抜いたはずなのだが、なぜか彼の傷は塞がってしまっている。
「それが研究の副産物か。人魚の血……と言ったか?」
「そうだとも! 人魚の血は、不思議な効果がある! あいにく、そのまま飲んですぐに不老不死の効果を得られるわけではなかったがな」
「ほう……」
「天才たる私が調合を工夫すれば、この通り! 多少の傷など、簡単に治ってしまう!! 効果時間は摂取量によるが、私があらかじめ飲んでいた量なら数時間はもつぞ!!」
リオンは両手を広げ、自身の成果をアピールした。
人魚の血。
ファンタジー世界ではお馴染みの存在だ。
一部の伝承では、飲むだけで不老不死になれると言われている。
だが、この世界ではさすがにそこまで都合の良いものではないらしい。
研究者が調合を工夫して、やっと『リジェネレーション』に類似した効果を得られる程度か。
思ったよりもしょぼい。
それぐらいの芸当なら、俺は自前のMPでできるぞ。
「人魚の血なんてものをよく入手できたな」
「ヤマト連邦からの漂流物を収集している時に、たまたま傷ついた人魚を保護したのさ。そこの水槽で飼っていた。いつの間にか逃げ出してしまったのだが」
「それは迂闊だったな」
「問題ない。人魚の血は十分に確保してある。本体がいなくても血さえあれば、いくらでも研究できるのだよ!!」
リオンはそう言うと懐に手を入れ、何かを取り出す。
あれは注射器か?
中には赤黒い液体が入っている。
(あれが人魚の血か……。リオンの口ぶりからすると、他にもストックがあるようだな)
俺はそんなことを考える。
注射器に入った血を持ち運ぶとはまさにマッドサイエンティスト。
研究者らしいと言えばらしいが、少しばかり悪趣味だ。
「さぁ、さらなる成果を見せようか! クッハッハァ!!」
ズプッ……。
リオンは自らの腕に注射器を突き刺す。
すると、彼の身体に変化が現れた。
「これは!?」
リオンの身体が徐々に若返っていく。
おそらく20代前半といったところだろうか。
肌には張りがあり、顔も引き締まっている。
最も違いがあるのは、四肢にある筋肉だ。
ゾルフ砦にいた武闘家たちと比べても遜色のない筋肉をしている。
「どうだ! これが不老不死の研究成果! わずかな時間だが、私は全盛期の力を取り戻すことができる!!」
リオンは叫ぶ。
「なるほど……。その若さこそが、お前が作り出した不老不死の成果ということか」
「その通りだ! 私はこれでも、元Bランク冒険者! その全盛期の力を取り戻した上、今は驚異的な自己治癒力をも持っている!!」
「Bランク冒険者か……」
意外に強かったんだな。
Bランクと言えば、俺、モニカ、ニムあたりと同じだ。
加齢で衰えた感じだろうか?
この世界には魔力や闘気が存在する分、地球よりも加齢による衰えは緩やかだと思っていたが……。
「さらに! 古都オルフェスで出回っている各種魔道具! ダダダ団で確保した古代魔道具! それらを私なりにアレンジして組み合わせた最高傑作……! いくぞ! 変身だ!!」
リオンが叫ぶ。
直後、彼の周囲に光が生まれた。
(何をする気だ……?)
俺は眉をひそめる。
リオンの周囲には光の粒子が集まり始めている。
そしてその光が形を成し始めた時、俺は思わず目を見開いた。
「なっ……!」
「クッハッハ! 驚いたかね? これが私の最高傑作――『アーティファクト・チャンピオン』形態だよ!!」
リオンがニヤリと笑う。
彼の全身に魔道具が装着されていた。
首飾り、腕輪、指輪、アンクルレット、イヤリング……。
そして頭にも……。
「それが……、お前の最高傑作だと?」
「そうさ。最高の力を引き出せるように、魔道具同士の組み合わせを熟考してある。装着者である私は、人魚の血により全盛期の力を取り戻した上、凄まじい自己治癒力までをも持っている」
「……」
「驚いて声も出ないか? それも当然だろう。今の私はAランク――いや、Sランクに近い実力を持っている! もはや私を倒せる者は、この国に存在しない!! さあ、かかってくるといい。貴様を倒し、私は不老不死の研究を続ける! そして、『ラウンド・ワン』の座を手に入れるのだ!!」
リオンが高らかに宣言した。
それを受けて、俺は――
闇のレーザーにより彼の太ももを撃ち抜いたはずなのだが、なぜか彼の傷は塞がってしまっている。
「それが研究の副産物か。人魚の血……と言ったか?」
「そうだとも! 人魚の血は、不思議な効果がある! あいにく、そのまま飲んですぐに不老不死の効果を得られるわけではなかったがな」
「ほう……」
「天才たる私が調合を工夫すれば、この通り! 多少の傷など、簡単に治ってしまう!! 効果時間は摂取量によるが、私があらかじめ飲んでいた量なら数時間はもつぞ!!」
リオンは両手を広げ、自身の成果をアピールした。
人魚の血。
ファンタジー世界ではお馴染みの存在だ。
一部の伝承では、飲むだけで不老不死になれると言われている。
だが、この世界ではさすがにそこまで都合の良いものではないらしい。
研究者が調合を工夫して、やっと『リジェネレーション』に類似した効果を得られる程度か。
思ったよりもしょぼい。
それぐらいの芸当なら、俺は自前のMPでできるぞ。
「人魚の血なんてものをよく入手できたな」
「ヤマト連邦からの漂流物を収集している時に、たまたま傷ついた人魚を保護したのさ。そこの水槽で飼っていた。いつの間にか逃げ出してしまったのだが」
「それは迂闊だったな」
「問題ない。人魚の血は十分に確保してある。本体がいなくても血さえあれば、いくらでも研究できるのだよ!!」
リオンはそう言うと懐に手を入れ、何かを取り出す。
あれは注射器か?
中には赤黒い液体が入っている。
(あれが人魚の血か……。リオンの口ぶりからすると、他にもストックがあるようだな)
俺はそんなことを考える。
注射器に入った血を持ち運ぶとはまさにマッドサイエンティスト。
研究者らしいと言えばらしいが、少しばかり悪趣味だ。
「さぁ、さらなる成果を見せようか! クッハッハァ!!」
ズプッ……。
リオンは自らの腕に注射器を突き刺す。
すると、彼の身体に変化が現れた。
「これは!?」
リオンの身体が徐々に若返っていく。
おそらく20代前半といったところだろうか。
肌には張りがあり、顔も引き締まっている。
最も違いがあるのは、四肢にある筋肉だ。
ゾルフ砦にいた武闘家たちと比べても遜色のない筋肉をしている。
「どうだ! これが不老不死の研究成果! わずかな時間だが、私は全盛期の力を取り戻すことができる!!」
リオンは叫ぶ。
「なるほど……。その若さこそが、お前が作り出した不老不死の成果ということか」
「その通りだ! 私はこれでも、元Bランク冒険者! その全盛期の力を取り戻した上、今は驚異的な自己治癒力をも持っている!!」
「Bランク冒険者か……」
意外に強かったんだな。
Bランクと言えば、俺、モニカ、ニムあたりと同じだ。
加齢で衰えた感じだろうか?
この世界には魔力や闘気が存在する分、地球よりも加齢による衰えは緩やかだと思っていたが……。
「さらに! 古都オルフェスで出回っている各種魔道具! ダダダ団で確保した古代魔道具! それらを私なりにアレンジして組み合わせた最高傑作……! いくぞ! 変身だ!!」
リオンが叫ぶ。
直後、彼の周囲に光が生まれた。
(何をする気だ……?)
俺は眉をひそめる。
リオンの周囲には光の粒子が集まり始めている。
そしてその光が形を成し始めた時、俺は思わず目を見開いた。
「なっ……!」
「クッハッハ! 驚いたかね? これが私の最高傑作――『アーティファクト・チャンピオン』形態だよ!!」
リオンがニヤリと笑う。
彼の全身に魔道具が装着されていた。
首飾り、腕輪、指輪、アンクルレット、イヤリング……。
そして頭にも……。
「それが……、お前の最高傑作だと?」
「そうさ。最高の力を引き出せるように、魔道具同士の組み合わせを熟考してある。装着者である私は、人魚の血により全盛期の力を取り戻した上、凄まじい自己治癒力までをも持っている」
「……」
「驚いて声も出ないか? それも当然だろう。今の私はAランク――いや、Sランクに近い実力を持っている! もはや私を倒せる者は、この国に存在しない!! さあ、かかってくるといい。貴様を倒し、私は不老不死の研究を続ける! そして、『ラウンド・ワン』の座を手に入れるのだ!!」
リオンが高らかに宣言した。
それを受けて、俺は――
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