【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1048話 まだ狩り残した闇がある
俺はダダダ団の幹部ヨゼフを撃破した。
テルティウム(モニカ)やクァルトゥス(ニム)によって配下のチンピラたちも撃破済みだ。
これで、ダダダ団は半壊したと言っていいだろう。
「お、終わったの?」
「ああ。見ての通りだ」
エレナの声に、俺はそう答える。
すると彼女は安堵した様子を見せ、仲間たちは歓声を上げた。
「す、すごかったー……。『魔法封じの芳香』を使われている中で、あんな大魔法を使えるなんてー……」
「オレっちなんか、時間を掛けて詠唱すれば何とか『ストーンショット』を発動できるかってところっす! こんなに凄い人がいたなんて……! もしかしてA――いや、Sランク冒険者の人っすか?」
ルリイとテナが興奮気味に話す。
他の面々も同じ気持ちのようで、俺に対してキラキラした視線を送ってくる。
(Sランクとは、大きく評価されたもんだな……)
実際の俺は、まだBランク冒険者なんだよな。
まぁ、男爵位を授かっているし、平均的なBランク冒険者の中では社会的に評価されている方だとは思うが。
言わばB+ランクといったところかもしれない。
チートスキル『ステータス操作』もあるし、実力自体はAランクに到達していると言ってもいいだろう。
後は実績や経験を積めば、Aランクに昇格するのも時間の問題だ。
ヤマト連邦の件を無事に片付ければ、ほぼ間違いなくAランクに昇格するはずだ。
これはサザリアナ王国からの直接依頼なので冒険者ギルドはあまり関係ないのだが、国家依頼を完遂した事実は間接的にでも大きな評価を得ることになるからな。
(さて、俺の正体をどう説明したものか……)
俺は無言のまま、テルティウム(モニカ)とクァルトゥス(ニム)の方を見る。
彼女たちは静かに首を横に振っていた。
(やっぱり、正体を明かすのはマズイよな……)
この局面で俺の正体が『タカシ=ハイブリッジ男爵』だと明かせば、いろいろと捗る。
加護の条件を満たしやすくなるし、ハイブリッジ領に優秀な人材を招いてさらなる発展も狙えるようになる。
だが、ヤマト連邦の件が控えている今、それは悪手だ。
俺は『タカシ=ハイブリッジ男爵』ではなく、『ナイトメア・ナイト』としてここにいる。
ならば、それを貫き通すべきだろう。
「我の素性を詮索するな。深淵に首を突っ込むと、闇に呑まれることになる。破滅したいと言うのであれば、止めはしないがな」
俺は威圧を込めて言う。
すると、全員が震え上がっていた。
「あぅー……怖い……」
「こ、これは逆らっちゃダメなタイプっすね……」
「ひぃ……殺さないでぇ……」
ルリイ、テナ、魔導工房の少女が怯えたように呟く。
「わ、分かったっす! 絶対に詮索はしないっす!」
「わ、わたしもー……」
「うむ。それで良い」
俺は鷹揚に肯く。
これで良し。
「か、カッコいい……。って、ダメダメ! 私にはタカシ様という心に決めた人がいるんだから……!!」
エレナだけは何だか違うことを考えているようだ。
しかし、俺はあえて無視しておく。
「では、さらばだ。……と言いたいところだが、その前に1つ命令がある」
「え? な、何よ?」
「コイツらを縛り上げて、衛兵に引き渡せ。そして、冒険者ギルドにも報告しておけ。『魔法封じの芳香』の効力も切れ始めているし、それぐらいはできるだろう?」
「ま、任せておいてちょうだい! でも、あなたはどうするの? まさか、このまま帰る気じゃないでしょうね!?」
「安心しろ。まだ狩り残した闇がある」
俺は視線を下に向ける。
ダダダ団の頭領、『ダン・ド・リオン』をまだ撃破していないのだ。
しかし、奴がいるであろう場所の検討は付いている。
俺がヨゼフと戦い始めた頃から、地下にいる気配が怪しげに動いていたことに気付いていたからだ。
「……さて、そろそろ決着を付けるとしよう」
俺はボソリと呟き、階段へと向かう。
「タカ――じゃなくて、『ナイトメア・ナイト』。私たちは……」
「『テルティウム』と『クァルトゥス』は、地上に残党が残っていないかを確かめておけ」
「分かった」
「承知」
2人は素直に指示に従ってくれる。
役になり切っている今、命令口調なのは許してくれ。
後で埋め合わせするから……。
俺はそんなことを考えつつ、アジトの地下へと続く階段を見つける。
そして、そのまま1人で階段を下りて行ったのだった。
テルティウム(モニカ)やクァルトゥス(ニム)によって配下のチンピラたちも撃破済みだ。
これで、ダダダ団は半壊したと言っていいだろう。
「お、終わったの?」
「ああ。見ての通りだ」
エレナの声に、俺はそう答える。
すると彼女は安堵した様子を見せ、仲間たちは歓声を上げた。
「す、すごかったー……。『魔法封じの芳香』を使われている中で、あんな大魔法を使えるなんてー……」
「オレっちなんか、時間を掛けて詠唱すれば何とか『ストーンショット』を発動できるかってところっす! こんなに凄い人がいたなんて……! もしかしてA――いや、Sランク冒険者の人っすか?」
ルリイとテナが興奮気味に話す。
他の面々も同じ気持ちのようで、俺に対してキラキラした視線を送ってくる。
(Sランクとは、大きく評価されたもんだな……)
実際の俺は、まだBランク冒険者なんだよな。
まぁ、男爵位を授かっているし、平均的なBランク冒険者の中では社会的に評価されている方だとは思うが。
言わばB+ランクといったところかもしれない。
チートスキル『ステータス操作』もあるし、実力自体はAランクに到達していると言ってもいいだろう。
後は実績や経験を積めば、Aランクに昇格するのも時間の問題だ。
ヤマト連邦の件を無事に片付ければ、ほぼ間違いなくAランクに昇格するはずだ。
これはサザリアナ王国からの直接依頼なので冒険者ギルドはあまり関係ないのだが、国家依頼を完遂した事実は間接的にでも大きな評価を得ることになるからな。
(さて、俺の正体をどう説明したものか……)
俺は無言のまま、テルティウム(モニカ)とクァルトゥス(ニム)の方を見る。
彼女たちは静かに首を横に振っていた。
(やっぱり、正体を明かすのはマズイよな……)
この局面で俺の正体が『タカシ=ハイブリッジ男爵』だと明かせば、いろいろと捗る。
加護の条件を満たしやすくなるし、ハイブリッジ領に優秀な人材を招いてさらなる発展も狙えるようになる。
だが、ヤマト連邦の件が控えている今、それは悪手だ。
俺は『タカシ=ハイブリッジ男爵』ではなく、『ナイトメア・ナイト』としてここにいる。
ならば、それを貫き通すべきだろう。
「我の素性を詮索するな。深淵に首を突っ込むと、闇に呑まれることになる。破滅したいと言うのであれば、止めはしないがな」
俺は威圧を込めて言う。
すると、全員が震え上がっていた。
「あぅー……怖い……」
「こ、これは逆らっちゃダメなタイプっすね……」
「ひぃ……殺さないでぇ……」
ルリイ、テナ、魔導工房の少女が怯えたように呟く。
「わ、分かったっす! 絶対に詮索はしないっす!」
「わ、わたしもー……」
「うむ。それで良い」
俺は鷹揚に肯く。
これで良し。
「か、カッコいい……。って、ダメダメ! 私にはタカシ様という心に決めた人がいるんだから……!!」
エレナだけは何だか違うことを考えているようだ。
しかし、俺はあえて無視しておく。
「では、さらばだ。……と言いたいところだが、その前に1つ命令がある」
「え? な、何よ?」
「コイツらを縛り上げて、衛兵に引き渡せ。そして、冒険者ギルドにも報告しておけ。『魔法封じの芳香』の効力も切れ始めているし、それぐらいはできるだろう?」
「ま、任せておいてちょうだい! でも、あなたはどうするの? まさか、このまま帰る気じゃないでしょうね!?」
「安心しろ。まだ狩り残した闇がある」
俺は視線を下に向ける。
ダダダ団の頭領、『ダン・ド・リオン』をまだ撃破していないのだ。
しかし、奴がいるであろう場所の検討は付いている。
俺がヨゼフと戦い始めた頃から、地下にいる気配が怪しげに動いていたことに気付いていたからだ。
「……さて、そろそろ決着を付けるとしよう」
俺はボソリと呟き、階段へと向かう。
「タカ――じゃなくて、『ナイトメア・ナイト』。私たちは……」
「『テルティウム』と『クァルトゥス』は、地上に残党が残っていないかを確かめておけ」
「分かった」
「承知」
2人は素直に指示に従ってくれる。
役になり切っている今、命令口調なのは許してくれ。
後で埋め合わせするから……。
俺はそんなことを考えつつ、アジトの地下へと続く階段を見つける。
そして、そのまま1人で階段を下りて行ったのだった。
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