【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1047話 ヨゼフ散る
ヨゼフが発動した『魔法封じの芳香』。
その効果は確かだ。
ヨゼフは俺との戦いを優位に進められることを確信したようだったが、それは間違いだ。
彼は3つの勘違いをしている。
1つは、俺が魔法以外の戦闘手段を持っていないと思っていること。
実際には闘気や剣術を用いた戦闘が可能だ。
魔法を封じられたからといって、すぐさま無力化されるわけではない。
2つ目に、俺の魔法の出力が控えめだと思っていること。
確かに、先ほどまでの俺は影魔法『影棺』に3人のチンピラを収納しており、一時的に魔法の出力が下がっていた。
だが、そいつらを解放した今となっては出力が戻っている。
そして――
「さて……。次が最後だ。お前が手に入れているその魔道具は、確かに強力な代物だ。それは認めよう」
「当然だ! これは古代魔道具の中でも上級のやつなんだぜ! 魔石を大量に消耗するから、簡単には使えねぇが……。テメェを葬れるのなら、安いもんさ!」
「残念だが、その程度で俺が負けることはない。お前は根本的なことを忘れている」
「……何だ?」
「お前も本当は知っていたんだろう? その魔道具の効力は『魔法を封じること』ではない。『魔法を阻害すること』だと」
「……!!」
ヨゼフの目が驚愕に見開かれる。
図星か。
まぁそうだよな。
魔法の全てを完全に無効化する魔道具なんか、さすがに強すぎる。
それさえあれば、水魔法の名門であるラスターレイン伯爵家は大幅に弱体するし、特殊な雷魔法を使うネルエラ陛下も弱くなる。
そんなものは現実には存在しない。
存在するのは、相手の魔法を阻害する魔道具だ。
身体能力で例えれば、相手の両腕と両足にそれぞれ数十キロの重りを付けるようなイメージだろうか?
一般人以下はそれで動けなくなる。
よって、一般的には『相手の動きを封じる』と言っても過言ではない。
ただ、それなりに鍛えている人であれば、多少は動くことができる。
そしてトップアスリートであれば、ある程度は普通に動くことすら可能だろう。
「ふん、それが分かったところでどうにも――」
「――【影矢】」
ズブッ……。
ヨゼフの言葉は途中で遮られる。
俺が放った影の槍が、彼の胸元に突き刺さったのだ。
「ぐふ……ッ!?」
ヨゼフが膝を付く。
致命傷ではないが、それなりのダメージは与えたはずだ。
「な、何故だ!? 『魔法封じの芳香』の効果は出ているはずなのに!?」
「ああ。確かに厄介な魔道具だ。俺の本来の力の1割も出せていない」
「なら!」
「だが、残念だったな。俺がお前を葬るのに、1割の魔力も必要ない。――【影法師】」
「なっ!?」
ヨゼフの足元から、大量の黒い手が生えてくる。
まるで影そのものが、彼の手足に絡みついているようだ。
「ば、馬鹿な! こんなことが……!!」
「さぁ、終わりだ」
「く、くそぉっ! 待て! 助けてくれぇ!! お、俺はもう改心した!! 二度と悪事をしねぇから!!」
ヨゼフが必死に助けを求める。
だが、俺は容赦しない。
「信用できんな。お前はか弱き少女たちを悲しませてきた。それを許すわけにはいかない」
「そ、そこを何とか!! 頼む! 何でもする! 金も女も、欲しいものは全てくれてやる! そもそもダダダ団が勢力を拡大し始めたのは、リオンさんが頭領になってからなんだ! それまではそこそこ真っ当に働いていて、俺だって――」
「言い訳を聞くつもりはない。お前はここで消えろ。せめてもの餞別に、俺の奥義で葬ってやる」
「ひ、ひいいいいっ!! ご、【剛拳流・動かざること山の如し】!!!」
ヨゼフが決死の覚悟で、なけなしの闘気を纏う。
どうやら最後の足掻きをする気のようだ。
俺は構わず、影魔法の詠唱を始める。
「深淵に潜みし闇よ……。我が魂に呼応し、大いなる力を顕現せよ……! 来たれ! 暗黒の凶刃……!!」
「ぐおおおっ!!」
「【漆黒の刃・嚇断刀】!!!」
ズシャァッ……!
ヨゼフの全身が斬り裂かれる。
そして彼は地面に倒れ伏す。
「が……は……っ!」
「完・全・粉・砕」
俺はポーズを決めながら、ヨゼフの最期を見届ける。
彼の体はボロ雑巾のように切り刻まれており、とても無事では済まない有様だ。
治療すれば死にはしないだろうが、サーニャちゃんや『三日月の舞』に危害を加えることは不可能である。
これで、幹部ヨゼフは撃破した。
次にすべきは……とりあえず、エレナたちの安否を再確認することかな。
その効果は確かだ。
ヨゼフは俺との戦いを優位に進められることを確信したようだったが、それは間違いだ。
彼は3つの勘違いをしている。
1つは、俺が魔法以外の戦闘手段を持っていないと思っていること。
実際には闘気や剣術を用いた戦闘が可能だ。
魔法を封じられたからといって、すぐさま無力化されるわけではない。
2つ目に、俺の魔法の出力が控えめだと思っていること。
確かに、先ほどまでの俺は影魔法『影棺』に3人のチンピラを収納しており、一時的に魔法の出力が下がっていた。
だが、そいつらを解放した今となっては出力が戻っている。
そして――
「さて……。次が最後だ。お前が手に入れているその魔道具は、確かに強力な代物だ。それは認めよう」
「当然だ! これは古代魔道具の中でも上級のやつなんだぜ! 魔石を大量に消耗するから、簡単には使えねぇが……。テメェを葬れるのなら、安いもんさ!」
「残念だが、その程度で俺が負けることはない。お前は根本的なことを忘れている」
「……何だ?」
「お前も本当は知っていたんだろう? その魔道具の効力は『魔法を封じること』ではない。『魔法を阻害すること』だと」
「……!!」
ヨゼフの目が驚愕に見開かれる。
図星か。
まぁそうだよな。
魔法の全てを完全に無効化する魔道具なんか、さすがに強すぎる。
それさえあれば、水魔法の名門であるラスターレイン伯爵家は大幅に弱体するし、特殊な雷魔法を使うネルエラ陛下も弱くなる。
そんなものは現実には存在しない。
存在するのは、相手の魔法を阻害する魔道具だ。
身体能力で例えれば、相手の両腕と両足にそれぞれ数十キロの重りを付けるようなイメージだろうか?
一般人以下はそれで動けなくなる。
よって、一般的には『相手の動きを封じる』と言っても過言ではない。
ただ、それなりに鍛えている人であれば、多少は動くことができる。
そしてトップアスリートであれば、ある程度は普通に動くことすら可能だろう。
「ふん、それが分かったところでどうにも――」
「――【影矢】」
ズブッ……。
ヨゼフの言葉は途中で遮られる。
俺が放った影の槍が、彼の胸元に突き刺さったのだ。
「ぐふ……ッ!?」
ヨゼフが膝を付く。
致命傷ではないが、それなりのダメージは与えたはずだ。
「な、何故だ!? 『魔法封じの芳香』の効果は出ているはずなのに!?」
「ああ。確かに厄介な魔道具だ。俺の本来の力の1割も出せていない」
「なら!」
「だが、残念だったな。俺がお前を葬るのに、1割の魔力も必要ない。――【影法師】」
「なっ!?」
ヨゼフの足元から、大量の黒い手が生えてくる。
まるで影そのものが、彼の手足に絡みついているようだ。
「ば、馬鹿な! こんなことが……!!」
「さぁ、終わりだ」
「く、くそぉっ! 待て! 助けてくれぇ!! お、俺はもう改心した!! 二度と悪事をしねぇから!!」
ヨゼフが必死に助けを求める。
だが、俺は容赦しない。
「信用できんな。お前はか弱き少女たちを悲しませてきた。それを許すわけにはいかない」
「そ、そこを何とか!! 頼む! 何でもする! 金も女も、欲しいものは全てくれてやる! そもそもダダダ団が勢力を拡大し始めたのは、リオンさんが頭領になってからなんだ! それまではそこそこ真っ当に働いていて、俺だって――」
「言い訳を聞くつもりはない。お前はここで消えろ。せめてもの餞別に、俺の奥義で葬ってやる」
「ひ、ひいいいいっ!! ご、【剛拳流・動かざること山の如し】!!!」
ヨゼフが決死の覚悟で、なけなしの闘気を纏う。
どうやら最後の足掻きをする気のようだ。
俺は構わず、影魔法の詠唱を始める。
「深淵に潜みし闇よ……。我が魂に呼応し、大いなる力を顕現せよ……! 来たれ! 暗黒の凶刃……!!」
「ぐおおおっ!!」
「【漆黒の刃・嚇断刀】!!!」
ズシャァッ……!
ヨゼフの全身が斬り裂かれる。
そして彼は地面に倒れ伏す。
「が……は……っ!」
「完・全・粉・砕」
俺はポーズを決めながら、ヨゼフの最期を見届ける。
彼の体はボロ雑巾のように切り刻まれており、とても無事では済まない有様だ。
治療すれば死にはしないだろうが、サーニャちゃんや『三日月の舞』に危害を加えることは不可能である。
これで、幹部ヨゼフは撃破した。
次にすべきは……とりあえず、エレナたちの安否を再確認することかな。
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