【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1027話 魔法封じの芳香【エレナside】
Cランクパーティ『三日月の舞』は、『三位一体』の魔法によりヨゼフを圧倒した。
だが、劣勢になった彼は魔道具『魔法封じの芳香』を発動する。
その効力は――
「ふっ。分からねぇか? だが、すぐに分かる。この俺が証明してくれる。【剛拳流・動かざること山の如し】!!!」
ヨゼフが再び闘気を開放する。
「同じ手が何度も通用すると思ってんの?」
「思っちゃいねえさ。ただ、今のてめえらがこの技を破るのは難しいと思うぜ?」
「言ってなさい。――みんな! もう一度行くわよ! 『三位一体』!!」
「りょうかいー」
「分かったっす!」
エレナ、ルリイ、テナが魔力を開放する。
そして詠唱を進めようとするが――
「なっ……どうして!? 魔力が上手く練れない!」
「なんで? なんでなのー?」
「ま、まさか!?」
エレナとルリイは混乱し、テナは驚きの声を上げる。
彼女たちの意識が、周囲に漂う香りに向けられた。
「気づいたみてぇだな? この魔道具の効果によぉ!」
「くっ……! あなた! 私たちに一体何をしたの!?」
「俺のとっておきの古代魔道具、『魔法封じの芳香』だ。この香りを嗅いだ奴は、しばらくの間魔法が使えなくなるのさ」
「そんな……!?」
「ま、厳密に言えば一切使えないわけじゃなくて、出力が大幅に落ちるだけだがな。ほらほら、頑張って詠唱してみな? 3人揃ってたっぷりと時間を掛けて詠唱すれば、俺にまたダメージを与えられるかもしれねぇぜ?」
「くっ……。言われずとも!!」
エレナたちは必死になって魔法を使おうとする。
だが、いつもの中級魔法は全く成功する気配がなかった。
3人揃って詠唱しても、発動するのは初級レベルの簡単な魔法だけになりそうである。
「隙ありだぜ、嬢ちゃん」
「ぐごっ!?」
「エレナちゃん!?」
「エレナっち!!」
ヨゼフの鉄拳がエレナの腹に突き刺さる。
彼女はそのまま倒れ込み、苦しそうに悶えた。
「お前らもだ!!」
「あぁっ!!」
「うぎゃあっ!!」
ヨゼフの攻撃が次々と炸裂する。
Cランクパーティ『三日月の舞』――彼女たちの戦闘能力は魔法関係に大きく依存していた。
こうした搦め手を仕掛けられると厳しい。
為す術もなく倒れ込んだ『三日月の舞』の3人を見下ろしつつ、ヨゼフは勝ち誇ったように笑みを浮かべる。
「ハハッ! ざまぁねえな! 所詮、てめぇらはその程度なのさ! 魔法の才能に恵まれたぐらいで調子に乗りやがって! 身の程を思い知れ、小娘ども!!」
「くうっ……!」
「ははは! 薄汚えガキ1人をさらおうとしただけなのに、思わぬ拾い物をしたな。年頃の魔法使い3人か。販売ルートは限られそうだが、高値で売れそうだぜ。――おい、お前ら! さっさとこいつらを縛っちまえ! アジトに運ぶぞ!!」
「へい!」
「了解ですぜ!」
チンピラたちがエレナたちを縛り上げる。
その光景を満足そうに見つめると、ヨゼフはニヤリと笑って周囲を見渡した。
「おっと、いけねぇ。忘れるところだったぜ。――おい、お前もこっちに来な」
「ひぃっ!?」
少女は恐怖に怯えていた。
自分を助けてくれたカッコいいお姉さん3人組は、怖い男たちに負けてしまった。
このままでは自分も捕まってしまう。
これからどうなるか分からないが、とにかく恐ろしい未来が待っていることだけは間違いなかった。
「安心しろ。別に取って食おうっていうんじゃねぇんだ。俺の言う通りにしてくれりゃ、悪いようにはならない」
「う、嘘です……」
少女が首を振りつつ、一歩下がる。
ヨゼフの言うことを素直に聞くことなどできるはずもなかった。
「チッ。逃げるつもりか? 面倒臭せえな。お前を助けようとした奴を見捨てて、自分だけ助かるつもりかよ。オラ! こっちにこい!!」
「ひっ!? い、いやぁっ!!」
少女は泣きながら走り出す。
当然、それを大人しく見ているだけのチンピラではないのだが――
「痛えっ!? くそ、このアマ! 噛みやがった!!」
「ぐっ……! こっちもだ!!」
「ちくしょう! ふざけやがって!!」
エレナ、ルリイ、テナがそれぞれチンピラたちに噛みついたのだ。
噛まれたチンピラは怒り狂い、彼女たちを殴りつける。
「このクソ女どもが! 大人しくしてろ!!」
「ぐぅっ!」
「あうっ!」
「ぐっ!」
殴られ、蹴られるエレナたち。
それでも、決してチンピラたちの怒りが収まることはない。
「ヨゼフの兄貴、あのガキはどうします? 追いますか?」
「……いや、放っておけ。どうせ売れたとしても、はした金にしかならん。それよりも、楽しみができた」
「楽しみ……ですかい?」
「ああ。この生意気な嬢ちゃん3人をどう調教するかだ。俺たち『ダダダ団』に逆らうことがどんな意味を持つのか、骨の髄まで教え込んでやる」
ヨゼフが舌なめずりする。
彼の顔には嗜虐的な表情がありありと浮かんでいて、エレナたちは思わずゾクリと身を震わせたのだった。
だが、劣勢になった彼は魔道具『魔法封じの芳香』を発動する。
その効力は――
「ふっ。分からねぇか? だが、すぐに分かる。この俺が証明してくれる。【剛拳流・動かざること山の如し】!!!」
ヨゼフが再び闘気を開放する。
「同じ手が何度も通用すると思ってんの?」
「思っちゃいねえさ。ただ、今のてめえらがこの技を破るのは難しいと思うぜ?」
「言ってなさい。――みんな! もう一度行くわよ! 『三位一体』!!」
「りょうかいー」
「分かったっす!」
エレナ、ルリイ、テナが魔力を開放する。
そして詠唱を進めようとするが――
「なっ……どうして!? 魔力が上手く練れない!」
「なんで? なんでなのー?」
「ま、まさか!?」
エレナとルリイは混乱し、テナは驚きの声を上げる。
彼女たちの意識が、周囲に漂う香りに向けられた。
「気づいたみてぇだな? この魔道具の効果によぉ!」
「くっ……! あなた! 私たちに一体何をしたの!?」
「俺のとっておきの古代魔道具、『魔法封じの芳香』だ。この香りを嗅いだ奴は、しばらくの間魔法が使えなくなるのさ」
「そんな……!?」
「ま、厳密に言えば一切使えないわけじゃなくて、出力が大幅に落ちるだけだがな。ほらほら、頑張って詠唱してみな? 3人揃ってたっぷりと時間を掛けて詠唱すれば、俺にまたダメージを与えられるかもしれねぇぜ?」
「くっ……。言われずとも!!」
エレナたちは必死になって魔法を使おうとする。
だが、いつもの中級魔法は全く成功する気配がなかった。
3人揃って詠唱しても、発動するのは初級レベルの簡単な魔法だけになりそうである。
「隙ありだぜ、嬢ちゃん」
「ぐごっ!?」
「エレナちゃん!?」
「エレナっち!!」
ヨゼフの鉄拳がエレナの腹に突き刺さる。
彼女はそのまま倒れ込み、苦しそうに悶えた。
「お前らもだ!!」
「あぁっ!!」
「うぎゃあっ!!」
ヨゼフの攻撃が次々と炸裂する。
Cランクパーティ『三日月の舞』――彼女たちの戦闘能力は魔法関係に大きく依存していた。
こうした搦め手を仕掛けられると厳しい。
為す術もなく倒れ込んだ『三日月の舞』の3人を見下ろしつつ、ヨゼフは勝ち誇ったように笑みを浮かべる。
「ハハッ! ざまぁねえな! 所詮、てめぇらはその程度なのさ! 魔法の才能に恵まれたぐらいで調子に乗りやがって! 身の程を思い知れ、小娘ども!!」
「くうっ……!」
「ははは! 薄汚えガキ1人をさらおうとしただけなのに、思わぬ拾い物をしたな。年頃の魔法使い3人か。販売ルートは限られそうだが、高値で売れそうだぜ。――おい、お前ら! さっさとこいつらを縛っちまえ! アジトに運ぶぞ!!」
「へい!」
「了解ですぜ!」
チンピラたちがエレナたちを縛り上げる。
その光景を満足そうに見つめると、ヨゼフはニヤリと笑って周囲を見渡した。
「おっと、いけねぇ。忘れるところだったぜ。――おい、お前もこっちに来な」
「ひぃっ!?」
少女は恐怖に怯えていた。
自分を助けてくれたカッコいいお姉さん3人組は、怖い男たちに負けてしまった。
このままでは自分も捕まってしまう。
これからどうなるか分からないが、とにかく恐ろしい未来が待っていることだけは間違いなかった。
「安心しろ。別に取って食おうっていうんじゃねぇんだ。俺の言う通りにしてくれりゃ、悪いようにはならない」
「う、嘘です……」
少女が首を振りつつ、一歩下がる。
ヨゼフの言うことを素直に聞くことなどできるはずもなかった。
「チッ。逃げるつもりか? 面倒臭せえな。お前を助けようとした奴を見捨てて、自分だけ助かるつもりかよ。オラ! こっちにこい!!」
「ひっ!? い、いやぁっ!!」
少女は泣きながら走り出す。
当然、それを大人しく見ているだけのチンピラではないのだが――
「痛えっ!? くそ、このアマ! 噛みやがった!!」
「ぐっ……! こっちもだ!!」
「ちくしょう! ふざけやがって!!」
エレナ、ルリイ、テナがそれぞれチンピラたちに噛みついたのだ。
噛まれたチンピラは怒り狂い、彼女たちを殴りつける。
「このクソ女どもが! 大人しくしてろ!!」
「ぐぅっ!」
「あうっ!」
「ぐっ!」
殴られ、蹴られるエレナたち。
それでも、決してチンピラたちの怒りが収まることはない。
「ヨゼフの兄貴、あのガキはどうします? 追いますか?」
「……いや、放っておけ。どうせ売れたとしても、はした金にしかならん。それよりも、楽しみができた」
「楽しみ……ですかい?」
「ああ。この生意気な嬢ちゃん3人をどう調教するかだ。俺たち『ダダダ団』に逆らうことがどんな意味を持つのか、骨の髄まで教え込んでやる」
ヨゼフが舌なめずりする。
彼の顔には嗜虐的な表情がありありと浮かんでいて、エレナたちは思わずゾクリと身を震わせたのだった。
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