【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1022話 正しい知識

 モニカとサーニャちゃんの会話に、俺は割って入った。
 ここは男の俺から、彼女に正しい知識を与えることにしよう。

「いいですか? さっちゃんさん、よく聞いてください」

「はいですにゃ」

「いい子ですね。まず最初に言っておきたいことがあります。俺は紳士なので、決して変なことをするつもりはありません」

「はい。お客様はエッチですけど、悪い人ではありませんにゃ。むしろ、にゃぁの恩人ですにゃ。にゃぁは分かっていますにゃ」

 いい反応だ。
 やはり、ダダダ団に立ち向かって正解だった。
 目立たないために、大人しくボコボコにされるしかなかったのは不本意だったが……。
 代わりにサーニャちゃんの心象がバツグンに良くなったので、割は合っている。

「ありがとうございます。では、本題に入りますね。実は……女性というのは、成長するにしたがって胸も大きくなっていくものなんですよ」

「そんなこと知っていますにゃ」

 サーニャちゃんが不思議そうな顔で首を傾げる。
 さすがに、ちょっと基礎的なことから入りすぎたか。
 彼女は性的知識に乏しい様子だったが、具体的にどのラインから分かっていないのかは不透明なので仕方がないのだが……。

 この点では、聖女リッカも似たようなものだったな。
 彼女は元気にしているだろうか……。
 少し懐かしい。

「そうですか。では、何のために胸が大きくなるか分かりますか?」

「えっ? それは……」

 サーニャちゃんが困ったような表情をする。
 しばらく考え込んだ後、恐る恐るといった様子で口を開く。

「それは……おっぱいを赤ちゃんにあげるためですかにゃ?」

「その要素もありますが、厳密には違います」

「違うのですかにゃ? どう考えてもそうだと思うのですにゃ」

 サーニャちゃんは納得していないようだ。
 確かに、女性の胸が大きくなる理由の一つは、母乳を子どもに上げることに関係している。
 胸の周りに脂肪を付けることによって、乳腺を守っているのだ。
 しかし、それだけではない。

「さっちゃんさん」

「はいですにゃ」

「あなたは、赤ちゃんを出産したことがありますか?」

「にゃっ!? そ、それは……。にゃ、にゃんでそんなことを聞くのですにゃ!?」

 サーニャちゃんの顔が真っ赤に染まる。
 恥ずかしがっているのだろう。

「答えてください」

「……にゃいですにゃ」

「ならおかしいじゃないですか。まだ赤ちゃんもいないのに、おっぱいを上げるために膨らむ必要はありません」

「にゃにゃ……!? た、確かに……。……でも、前もって準備しているだけとも考えられますにゃ」

 サーニャちゃんが反論してくる。
 こういった考えがすぐに思い浮かぶあたり、性的に無知ではあっても、自頭自体が悪いわけではないことが分かる。

「では、どうやったら赤ちゃんができるか知っていますか?」

「えっと……。愛し合った夫婦がいっしょのベッドで寝たらできる……のですにゃ」

 可愛らしい答えだ。
 しかし、彼女の年齢を考えると少し微妙かもしれない。
 まぁ、リッカよりはマシか……?
 彼女なんて、下手をすると俺の母親ぐらいの年齢のくせに、コウノトリがどうとか言っていたからな。
 いや、聖女という役職を考えるとそれで正しくはあるのかもしれないが。

「……」

「ど、どうしてそこで黙ってしまうのですにゃ? 間違っていないはずですにゃ」

「ええ、合っていますよ。しかし、それだけじゃ不十分です」

「そ、それ以外に何をすればいいのでしょうにゃ?」

「それはですね……。このマグナムを、ああしてこうするんですよ!」

 俺はサーニャちゃんの手を取り、自分の股間へと導く。
 ズボン越しに、サーニャちゃんの小さな手を感じた。

「にゃっ! にゃにゃにゃっ!?」

「どうです? 俺のモノの感触は?」

「すごく……大きいですにゃ……」

 彼女が顔を赤らめつつそう言う。
 俺のサイズはやや大きいぐらいのはずだが、彼女からすれば大きいようだ。

「そうです。これは、さっちゃんさんの胸元を見てこうなったのですよ。ブラジャーをしていなかったせいです」

「えっ!?」

「分かりますか? 胸というのは、異性へのアピール箇所でもあるのです。それを無防備に見せつけられると、男は誘惑されていると認識します」

「に、にゃぁはそんなつもりは……」

「本人にそのつもりはなくとも、男というのは単純な生き物ですから。そこに胸チラがあれば、無意識に視線を向けてしまう。そして、勝手に誘惑されたものと半ば本能的に思い込み、その女性への劣情を抑えられなくなってしまうのですよ」

「れ、劣情……ですにゃ」

 サーニャちゃんが顔を赤らめつつ、ごくりと唾を飲む。
 少し踏み込みすぎたか?
 しかし、これは必要なことだ。
 彼女の両親が遠くの地へ旅立ってしまっている現状、彼女に性教育を行える者はいない。
 だからといって放置しておけば、良からぬ男性客やダダダ団によっていいようにされてしまうだろう。
 ならば、多少踏み込みすぎになろうとも、俺が彼女に正しい知識を教えておくのだ。

 そうだ。
 これは断じてセクハラではない。
 この調子で、彼女を正しく導いてあげることにしよう。

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