【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1021話 胸元

 サーニャちゃんの献身的な看病を受け、俺はハッスル状態となった。
 欲望のままに襲いかかろうとするが、モニカとニムによって制止されてしまった。

「……はい。すみませんでした」

 俺がシュンとして謝ると、2人はため息をつく。
 そして、真剣な表情になった。

「まったく……。何があったの? 急に大声で叫んだと思ったら、今度は暴れ出すなんて」

「だってさ。ほら、さっちゃんさんの……あれが……」

 モニカの問い詰めに対して、俺はそう答える。
 先ほど俺とサーニャちゃんは、おデコとおデコをくっつけて体温を測った。
 それは、とても男心をくすぐるものだった。

「でも、今さらそれだけで兄さんがあそこまで興奮しますか? 少し違和感がありますけど……」

「そ、それは……」

「にゃ?」

 ニムの言葉を受け、俺は言葉に詰まる。
 だが、当のサーニャちゃんはキョトンとしていた。

「にゃぁがどうかしましたにゃ?」

 彼女が首を傾げる。
 本当に可愛い。

 ――俺にはたくさんの仲睦まじい女性がいる。
 妻のミティ、アイリス、モニカ、ニム、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ。
 ミリオンズの蓮華とレイン。
 配下や御用達冒険者のナオン、ナオミ、キサラ、アビー、トパーズ、雪月花、フレンダ。
 その他、イリーナやレティシアなど……。
 それぞれ素晴らしい女性たちだ。

 しかし、サーニャちゃんも負けず劣らず魅力的である。
 何よりも、この膨らみかけの――

「にゃ? お客様、どこを見ているのですにゃ?」

「えっ!? い、いえ……。どこも見てませんよ?」

「そうですかにゃ? にゃぁの胸元あたりを見ていた気がするのですにゃ」

「胸……?」

 サーニャちゃんの言葉を受け、モニカが思案顔になる。
 そして、何かに気付いたようだ。

「あのね、さっちゃん」

「はいですにゃ」

「もっと身だしなみに気をつけた方がいいよ。ほら、胸元がゆるゆるのシャツを着てるから、中が見えちゃってるの」

「にゃっ!?」

 モニカに指摘され、サーニャちゃんは自分の姿を確認する。
 そして、顔を真っ赤にした。

「し、しまったですにゃ! お客様の前で失礼しましたにゃ! これは久しぶりに着る服で、ついうっかりしていましたにゃ!!」

「ついでにもう一つ言うけど……。さっちゃん、ブラジャー付けてないでしょ?」

「えっ?」

 サーニャちゃんが目を丸くする。

「えっと、その……。ブラジャーというのは一体なんでしょうかにゃ?」

「えっ?」

 今度はモニカが驚く番だった。

「さっちゃん、もしかして知らないの?」

「はいですにゃ。にゃぁは生まれてからずっとこんな感じの服を着ていますにゃ。もちろん、成長に応じて大きな服に買い替えてはいますけどにゃ」

「えっと、つまり……。今まで下着とか付けずに、そのまま服を着ていたということ?」

「下着……? にゃ、にゃんでそんな話を!? ここには男のお客様もいますにゃぁ……」

 サーニャちゃんが俺の方をチラっと見る。
 性的に無知なゆえに羞恥心が薄いのかとも思ったが……。
 そうでもないようだ。
 このあたりは普通の感性をしている。
 そりゃ、男の前で下着の話なんかしたくないよな。

「ごめんね。でも、たっちゃんは悪い人じゃないから大丈夫。少し……ううん、かなりエッチだけど」

「おい」

 モニカから飛び出した唐突な風評被害に抗議する。
 だが、華麗にスルーされてしまった。
 モニカはそのまま言葉を続ける。

「これはさっちゃんにとって大切な話なの。ちょっと真面目に聞いてくれるかな」

「にゃ、にゃぁ……」

「改めて聞くね。さっちゃん、下着は付けていないの?」

「そ、それは……もちろん穿いてますにゃ」

 サーニャちゃんが顔を赤らめつつ答える。
 うーん、これはいい。
 膨らみかけの美少女が恥じらう姿は素晴らしいな。

 これが、俺が主導するセクハラだったなら、罪悪感を覚えてしまって素直に楽しめないところだが……。
 今回の主導者はモニカだ。
 俺はただの傍観者であり、特に罪悪感もない。
 素直に堪能することができる。
 それも、モニカにはサーニャちゃんを辱める意図などなく、純粋に年長の女性として彼女を心配しているってところもいい。

「穿いてる……っていうのは、パンティのことだよね?」

「パンティ……? いえ、にゃぁが穿いているのはパンツですにゃ……」

「服の下に身に付けているのはそれだけ?」

「? もちろんそうですにゃ」

「……」

「どうしたんですかにゃ? 急に黙り込んで」

「さっちゃん。今すぐ下着を買いに行こう」

「にゃっ!?」

 モニカの突然の提案。
 それに対して、サーニャちゃんが驚きの声を上げたのだった。

「急にどうしたのですにゃ? にゃぁにはお客様を見守る必要があるのですにゃ」

「うーん、確かにそうかもしれないけど……。でも、このままだと大変なことになるよ」

「大変になることとは、どういうことですかにゃ?」

「それは……」

「俺が説明しよう」

 このままでは埒が明かない。
 そう思った俺は、サーニャちゃんとモニカの会話に割って入ったのだった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品