【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1017話 『三日月の舞』の雑談
タカシが『猫のゆりかご亭』でゆっくりしている頃――。
エレナ、ルリイ、テナの3人からなる『三日月の舞』は、ダダダ団の拠点へ向かっていた。
「確か、こっちの方角よね」
「ふふふー。そのはずだよー。依頼者に教えてもらったからねー」
「いろんな情報をもらったっすけど、なかなかに正確なものばかりだったっす! 今回もきっとうまくいくっすよ!」
3人は自信満々といった様子で歩いて行く。
Cランクの彼女達にとってみれば、ダダダ団の構成員を倒すことは造作もないことだと思っているようだ。
実際、ダダダ団のチンピラたちはDランク下位程度の実力しかない。
もっと強ければ冒険者なり騎士なりになればいいのだが、彼らはそういった道を選ばなかった。
実力不足で、ただ単に金が欲しいだけのゴロツキなのだ。
「でもー。エレナちゃん、急にやる気になったよねー?」
「そうかしら? 私は元々やる気だったけど。報酬も良かったし」
彼女たちは、冒険者ギルドを経由しない形で極秘の依頼を受けている。
内容は『ダダダ団による特定住民の誘拐疑惑を調査し、揉め事を極力避けつつ、可能であればその者を救出すること』だ。
報酬額は破格の金貨数十枚である。
依頼者の素性が判然としないのは気掛かりではあるが、調査対象はマフィアのダダダ団である。
少なくとも後ろめたい類の依頼理由ではないだろう。
マフィアを潰すことは地域の治安を守ることに繋がる。
エレナたちに断る理由はなかった。
「やる気ではあったっすけど、あくまで調査がメインだったっすよね? こうして敵地に乗り込むなんて聞いていなかったっすよ」
「あー、それは……」
「それは?」
「なんとなくよ、なんとなく。深い理由はないわ」
「ええっ!? そんな適当な感じっすか!?」
「そうよ。深く考えても仕方がないでしょう?」
「いやいや……。そこは考えるべきところだと思うっすよ……」
テナは呆れ顔で言う。
彼女は、リーダーであるはずのエレナが突拍子もない行動を取ったことに驚いていた。
「ふふふー。テナちゃん、騙されたダメだよー」
「え? どういうことっすか?」
「エレナちゃんの顔をよく見てみなよー。少しだけ、顔が赤いでしょ?」
ルリイの指摘を受け、テナがエレナに視線を向ける。
「……? 本当だ。言われて見ればそうかもしれないっす」
「あれはねー、照れてるんだよー」
「えっ!? エレナっちが? 照れる要素があったっすかね?」
「またハイブリッジ男爵のことでも考えてるんじゃないかなー? エレナちゃん、どうなのー?」
ルリイが探るような目でエレナを見る。
2人からの視線を受けて、エレナが少しばかりたじろぐ。
「はぁ……。まったく、あなたたちには隠し事ができないみたいね……」
エレナは観念したように呟く。
「そうよ。私はあの御方――タカシ様のことを考えているのよ」
「やっぱりねー。でも、どうしてこのタイミングでハイブリッジ男爵のことをー? せっかくラーグに寄ったときにも、照れて結局は会わないまま出発したのにー……」
「それは……」
「それは?」
「……なぜかしらね? 自分でも分からないわ。でも、何だか不意に思いが強まったのよ。不思議なこともあるものね」
エレナがそう答える。
彼女は正義感が強い。
だが、依頼人の意向を無視してまで強攻策を取るようなタイプではない。
それなのに、今回の依頼には積極的な姿勢を見せている。
そうなったのは、つい先ほどの『猫のゆりかご亭』の一見を目の当たりにしたあとだ。
「ふふふー。たぶんだけど、タケシさんのせいじゃないかなー?」
「タケシ? あのDランクの二流冒険者がどうかしたの?」
ルリイの言葉を受け、エレナが首を傾げる。
Dランク冒険者は、冒険者の中でも下位に位置する。
上からS、A、B、C、D、Eの6段階ある階級のうち、2番目に低い位置にあるのだ。
とはいえ、Sランクは世界的に見ても少数であり、Aランクも大陸的に見てそれほど多くない。
Bランクでようやく『たまに見かける』ぐらいのレベルとなる。
しかしそんなBも、特定の街に注目した場合に常駐しているかどうかは怪しいものだ。
多くの一般的な街について言えば、実質的にC、D、Eの3段階しか存在しないと言ってもいい。
Dランクだからと言って、二流と断じるエレナの評価は少しばかり厳しいようにも思えるが――
エレナ、ルリイ、テナの3人からなる『三日月の舞』は、ダダダ団の拠点へ向かっていた。
「確か、こっちの方角よね」
「ふふふー。そのはずだよー。依頼者に教えてもらったからねー」
「いろんな情報をもらったっすけど、なかなかに正確なものばかりだったっす! 今回もきっとうまくいくっすよ!」
3人は自信満々といった様子で歩いて行く。
Cランクの彼女達にとってみれば、ダダダ団の構成員を倒すことは造作もないことだと思っているようだ。
実際、ダダダ団のチンピラたちはDランク下位程度の実力しかない。
もっと強ければ冒険者なり騎士なりになればいいのだが、彼らはそういった道を選ばなかった。
実力不足で、ただ単に金が欲しいだけのゴロツキなのだ。
「でもー。エレナちゃん、急にやる気になったよねー?」
「そうかしら? 私は元々やる気だったけど。報酬も良かったし」
彼女たちは、冒険者ギルドを経由しない形で極秘の依頼を受けている。
内容は『ダダダ団による特定住民の誘拐疑惑を調査し、揉め事を極力避けつつ、可能であればその者を救出すること』だ。
報酬額は破格の金貨数十枚である。
依頼者の素性が判然としないのは気掛かりではあるが、調査対象はマフィアのダダダ団である。
少なくとも後ろめたい類の依頼理由ではないだろう。
マフィアを潰すことは地域の治安を守ることに繋がる。
エレナたちに断る理由はなかった。
「やる気ではあったっすけど、あくまで調査がメインだったっすよね? こうして敵地に乗り込むなんて聞いていなかったっすよ」
「あー、それは……」
「それは?」
「なんとなくよ、なんとなく。深い理由はないわ」
「ええっ!? そんな適当な感じっすか!?」
「そうよ。深く考えても仕方がないでしょう?」
「いやいや……。そこは考えるべきところだと思うっすよ……」
テナは呆れ顔で言う。
彼女は、リーダーであるはずのエレナが突拍子もない行動を取ったことに驚いていた。
「ふふふー。テナちゃん、騙されたダメだよー」
「え? どういうことっすか?」
「エレナちゃんの顔をよく見てみなよー。少しだけ、顔が赤いでしょ?」
ルリイの指摘を受け、テナがエレナに視線を向ける。
「……? 本当だ。言われて見ればそうかもしれないっす」
「あれはねー、照れてるんだよー」
「えっ!? エレナっちが? 照れる要素があったっすかね?」
「またハイブリッジ男爵のことでも考えてるんじゃないかなー? エレナちゃん、どうなのー?」
ルリイが探るような目でエレナを見る。
2人からの視線を受けて、エレナが少しばかりたじろぐ。
「はぁ……。まったく、あなたたちには隠し事ができないみたいね……」
エレナは観念したように呟く。
「そうよ。私はあの御方――タカシ様のことを考えているのよ」
「やっぱりねー。でも、どうしてこのタイミングでハイブリッジ男爵のことをー? せっかくラーグに寄ったときにも、照れて結局は会わないまま出発したのにー……」
「それは……」
「それは?」
「……なぜかしらね? 自分でも分からないわ。でも、何だか不意に思いが強まったのよ。不思議なこともあるものね」
エレナがそう答える。
彼女は正義感が強い。
だが、依頼人の意向を無視してまで強攻策を取るようなタイプではない。
それなのに、今回の依頼には積極的な姿勢を見せている。
そうなったのは、つい先ほどの『猫のゆりかご亭』の一見を目の当たりにしたあとだ。
「ふふふー。たぶんだけど、タケシさんのせいじゃないかなー?」
「タケシ? あのDランクの二流冒険者がどうかしたの?」
ルリイの言葉を受け、エレナが首を傾げる。
Dランク冒険者は、冒険者の中でも下位に位置する。
上からS、A、B、C、D、Eの6段階ある階級のうち、2番目に低い位置にあるのだ。
とはいえ、Sランクは世界的に見ても少数であり、Aランクも大陸的に見てそれほど多くない。
Bランクでようやく『たまに見かける』ぐらいのレベルとなる。
しかしそんなBも、特定の街に注目した場合に常駐しているかどうかは怪しいものだ。
多くの一般的な街について言えば、実質的にC、D、Eの3段階しか存在しないと言ってもいい。
Dランクだからと言って、二流と断じるエレナの評価は少しばかり厳しいようにも思えるが――
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