【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
975話 メラメラ波
僕様ちゃんはミリオンズ下っ端と戦っているです。
赤髪の女――ユナとかいう奴は、ドラゴンの力を身に纏っていやがります。
ドラゴンの力を十全に引き出している彼女と、神の力とはいえあくまで一端を借りているに過ぎない僕様ちゃんでは、こちらの分が悪いです。
僕様ちゃんは奥の手を出すために集中したいところですが、メイド剣士がそれを許してくれません。
「――はぁっ!」
「ちっ! 見かけによらず力も強いですね……」
このメイド剣士の力量は程々といったところです。
しかし、後方で魔力を練り上げている赤髪女や、その他の6人の動向も警戒する必要があります。
おかげで集中できません。
「ほらほらぁ! お館様をバカにした割には、大したことないですね!!」
「くっ……! 調子に乗るんじゃねーよです!」
「ふふっ。集中力が乱れていますよ? そんな調子で私に勝てるんですか?」
「ぐぬぬ……!」
挑発に乗ってしまいそうです。
しかしここで冷静さを失ってしまっては負けが確定してしまうです。
ここは落ち着く必要があります。
そうです。
僕様ちゃんの目をもってすれば、こんなメイド剣士なんて相手じゃないです!
「――そこですっ!」
ヒュンッ!
僕様ちゃんはメイド剣士の一瞬のスキを突き、彼女の剣を弾き飛ばしました。
「しまった……!?」
武器を失ったメイド剣士は慌てて距離を取ります。
ですが、このチャンスを逃す僕様ちゃんじゃありません。
即座に魔法を発動します。
「――【神の雷槌】!!」
バチィイイッ!!
激しい閃光とともに稲妻が迸り――彼女を飲み込みました。
「……ふぅ」
これで一人撃破です。
あっけないものですね。
やはりザコ。
僕様ちゃんの敵じゃなかったです。
「ま、残りの7人を蹴散らしたら治療魔法ぐらいは掛けてやるです」
僕様ちゃんはそう言い捨て、次なる標的へと視線を移しました。
その瞬間――
「へぇ? ずいぶんとお優しいのですね。さすがは聖女様です」
背後からメイド剣士の声がしました。
僕様ちゃんは慌てて振り向きます。
「なっ!? なんで無事なのです!?」
僕様ちゃんが放った『神の雷槌』は確かに命中したはずです。
直撃した瞬間こそ見えなかったですが、避けられるタイミングではありませんでした。
それなのにどうして彼女は無傷なんですか!?
「ふふ。さて、どうしてでしょうかね?」
メイド剣士はニヤリと笑います。
その態度から察するに、何か仕掛けがあるのでしょう。
「くっ……。まぁいいです! お前の剣術は見切ったです! 悪くはないですが、一流というほどでもねーです! 次は確実に仕留めてみせるです!」
「次? 何を言っているのですか?」
「何って……?」
首を傾げる僕様ちゃんに、メイド剣士は言いました。
「私の役目は時間稼ぎ……。すでにユナ様の準備は整いましたよ?」
次の瞬間――
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!!
凄まじい轟音と共に大地が揺れ始めました。
それは次第に激しさを増していき、立っていられないほどの振動になります。
「こ、これは一体なんです!?」
狼狽する僕様ちゃんとは対照的に、メイド剣士は冷静です。
彼女は軽快な動きで赤髪女の近くまで下がり、説明します。
「見ての通り、ユナ様の大魔法ですよ。それもかなり大規模のものでしょうが……。それがどうかしたのですか?」
確かに彼女の言う通り、これはただ事ではありません。
自然災害というには不自然ですし、何より規模が大きすぎるです。
まさか、あの赤髪女が単独で発動しているとでもいうのでしょうか?
「ふ、ふん! です! 大魔法、恐れるに足らず! 魔力の波動で分かります。これは火属性……この位置関係で僕様ちゃんに向かって撃てば、森林火災は免れないでしょう! つまり――」
「なるほど。あなたはこう言いたいわけですね? この位置関係で撃てるわけがない、と」
「その通りです! 僕様ちゃんを戦闘不能にするには、確かに大魔法が必要ですが……。属性の選択を間違えた時点で失敗なのです!」
そう断言してやります。
ですが――
「ふふん。御託はいいわ。それよりも――受ける準備をしなさいな」
赤髪女は余裕たっぷりに笑っています。
まるで失敗することなど微塵も考えていない様子です。
(くそっ……!)
ここまで自信満々だと、不安になってきます。
もしかすると本当に――
(いえ、そんなはずないです!)
僕様ちゃんは首を振ります。
いくら制御力が高くとも、あの火力をこの位置関係でぶっ放せば森林火災は確実……。
タカシ=ハイブリッジのパーティメンバーである彼女たちが、そんな自然破壊をするはずないです。
「いくわよっ! メ~ラ~メ~ラ~――」
赤髪女が最後の詠唱を始めました。
魔力がさらに膨れ上がっていくです。
「ほ、本気です? バカな……撃てるはずが……」
僕様ちゃんは動揺しつつも、赤髪女を注視します。
とんでもない火力になりそうですが、きっと大丈夫です。
僕様ちゃんの目と身体能力なら、躱すことも可能なはず。
最悪でも聖気で防御することさえできれば――
「【ワープ】」
「え?」
一瞬だったです。
瞬きの間に、視界から赤髪女が消えたです。
かと思えば、僕様ちゃんの後方下辺りから強大な気配を感じました。
「い、いつの間に――!?」
驚愕する僕様ちゃん。
そして――
「波ーー!!!」
ドガァアアアンッ!!
轟音が響き渡ると同時に、膨大な熱量が襲い掛かってきたのでした。
赤髪の女――ユナとかいう奴は、ドラゴンの力を身に纏っていやがります。
ドラゴンの力を十全に引き出している彼女と、神の力とはいえあくまで一端を借りているに過ぎない僕様ちゃんでは、こちらの分が悪いです。
僕様ちゃんは奥の手を出すために集中したいところですが、メイド剣士がそれを許してくれません。
「――はぁっ!」
「ちっ! 見かけによらず力も強いですね……」
このメイド剣士の力量は程々といったところです。
しかし、後方で魔力を練り上げている赤髪女や、その他の6人の動向も警戒する必要があります。
おかげで集中できません。
「ほらほらぁ! お館様をバカにした割には、大したことないですね!!」
「くっ……! 調子に乗るんじゃねーよです!」
「ふふっ。集中力が乱れていますよ? そんな調子で私に勝てるんですか?」
「ぐぬぬ……!」
挑発に乗ってしまいそうです。
しかしここで冷静さを失ってしまっては負けが確定してしまうです。
ここは落ち着く必要があります。
そうです。
僕様ちゃんの目をもってすれば、こんなメイド剣士なんて相手じゃないです!
「――そこですっ!」
ヒュンッ!
僕様ちゃんはメイド剣士の一瞬のスキを突き、彼女の剣を弾き飛ばしました。
「しまった……!?」
武器を失ったメイド剣士は慌てて距離を取ります。
ですが、このチャンスを逃す僕様ちゃんじゃありません。
即座に魔法を発動します。
「――【神の雷槌】!!」
バチィイイッ!!
激しい閃光とともに稲妻が迸り――彼女を飲み込みました。
「……ふぅ」
これで一人撃破です。
あっけないものですね。
やはりザコ。
僕様ちゃんの敵じゃなかったです。
「ま、残りの7人を蹴散らしたら治療魔法ぐらいは掛けてやるです」
僕様ちゃんはそう言い捨て、次なる標的へと視線を移しました。
その瞬間――
「へぇ? ずいぶんとお優しいのですね。さすがは聖女様です」
背後からメイド剣士の声がしました。
僕様ちゃんは慌てて振り向きます。
「なっ!? なんで無事なのです!?」
僕様ちゃんが放った『神の雷槌』は確かに命中したはずです。
直撃した瞬間こそ見えなかったですが、避けられるタイミングではありませんでした。
それなのにどうして彼女は無傷なんですか!?
「ふふ。さて、どうしてでしょうかね?」
メイド剣士はニヤリと笑います。
その態度から察するに、何か仕掛けがあるのでしょう。
「くっ……。まぁいいです! お前の剣術は見切ったです! 悪くはないですが、一流というほどでもねーです! 次は確実に仕留めてみせるです!」
「次? 何を言っているのですか?」
「何って……?」
首を傾げる僕様ちゃんに、メイド剣士は言いました。
「私の役目は時間稼ぎ……。すでにユナ様の準備は整いましたよ?」
次の瞬間――
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!!
凄まじい轟音と共に大地が揺れ始めました。
それは次第に激しさを増していき、立っていられないほどの振動になります。
「こ、これは一体なんです!?」
狼狽する僕様ちゃんとは対照的に、メイド剣士は冷静です。
彼女は軽快な動きで赤髪女の近くまで下がり、説明します。
「見ての通り、ユナ様の大魔法ですよ。それもかなり大規模のものでしょうが……。それがどうかしたのですか?」
確かに彼女の言う通り、これはただ事ではありません。
自然災害というには不自然ですし、何より規模が大きすぎるです。
まさか、あの赤髪女が単独で発動しているとでもいうのでしょうか?
「ふ、ふん! です! 大魔法、恐れるに足らず! 魔力の波動で分かります。これは火属性……この位置関係で僕様ちゃんに向かって撃てば、森林火災は免れないでしょう! つまり――」
「なるほど。あなたはこう言いたいわけですね? この位置関係で撃てるわけがない、と」
「その通りです! 僕様ちゃんを戦闘不能にするには、確かに大魔法が必要ですが……。属性の選択を間違えた時点で失敗なのです!」
そう断言してやります。
ですが――
「ふふん。御託はいいわ。それよりも――受ける準備をしなさいな」
赤髪女は余裕たっぷりに笑っています。
まるで失敗することなど微塵も考えていない様子です。
(くそっ……!)
ここまで自信満々だと、不安になってきます。
もしかすると本当に――
(いえ、そんなはずないです!)
僕様ちゃんは首を振ります。
いくら制御力が高くとも、あの火力をこの位置関係でぶっ放せば森林火災は確実……。
タカシ=ハイブリッジのパーティメンバーである彼女たちが、そんな自然破壊をするはずないです。
「いくわよっ! メ~ラ~メ~ラ~――」
赤髪女が最後の詠唱を始めました。
魔力がさらに膨れ上がっていくです。
「ほ、本気です? バカな……撃てるはずが……」
僕様ちゃんは動揺しつつも、赤髪女を注視します。
とんでもない火力になりそうですが、きっと大丈夫です。
僕様ちゃんの目と身体能力なら、躱すことも可能なはず。
最悪でも聖気で防御することさえできれば――
「【ワープ】」
「え?」
一瞬だったです。
瞬きの間に、視界から赤髪女が消えたです。
かと思えば、僕様ちゃんの後方下辺りから強大な気配を感じました。
「い、いつの間に――!?」
驚愕する僕様ちゃん。
そして――
「波ーー!!!」
ドガァアアアンッ!!
轟音が響き渡ると同時に、膨大な熱量が襲い掛かってきたのでした。
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