【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
972話 まずは一人目?
聖女リッカこと僕様ちゃんは、ミリオンズの下っ端どもと戦っているです。
本来は戦う理由などないですが、僕様ちゃんがタカシ=ハイブリッジを襲ったことに対して怒っているようです。
こちらとしても、下っ端に舐められるわけにはいかないので強い言葉でハッタリをかましました。
しかし、彼女たちは怯むどころか闘志を燃やして戦いを仕掛けてきたのです。
「ふん……。僕様ちゃんが『神霊纏装・アーティルドラ』を使った今、お前たちなんて相手にもならないですよ!」
僕様ちゃんは、再び強い言葉で相手を威圧します。
少し油断していたので、ここまでの戦いでは良いようにやられました。
和服剣士に斬りつけられ、兎獣人に雷魔法を至近距離で放たれ、犬獣人に土魔法で拘束され、子どもに重力魔法で潰され、青髪の女性に水魔法を浴びせられたのです。
僕様ちゃんは動体視力や耐久性に自信があったですが、こうも連続で畳み掛けられるとさすがにヤバかったです。
でも、もう大丈夫。
いくら相手が8人とはいえ、今の僕様ちゃんなら負ける気がしません。
僕様ちゃんの纏装術は、神の力の一端をこの身に宿すことができるです。
全ての能力が一回り以上強化された僕様ちゃんに死角なしです!
「へぇ? 言うじゃない! じゃあ見せてもらおうかしら? その『神霊纏装』とやらの力をね!」
赤髪の女性が挑発的な笑みを浮かべます。
彼女は、この集団の中でも強気で僕様ちゃんに接してきます。
「言われなくても、すぐに見せてあげるです! ――はぁっ!」
僕様ちゃんは地面を蹴って突進します。
狙うはもちろん――赤髪の女です!
「速いわね!?」
赤髪の女は短剣を抜き放ちます。
僕様ちゃんの突撃を受け止めようというつもりのようです。
(そんなナマクラ短剣なんかで受け止められると思うなです!)
そのまま赤髪の女を押し切ります。
そして、すれ違いざまに一閃――
ザシュッ!
斬った手応えありです。
「まずは一人目……!」
僕様ちゃんはそう呟きます。
彼女たちも、これで少しは戦意喪失するかと思ったですが――
「……なかなかやるじゃない?」
意外にも平気そうな声が返ってきました。
見れば、赤髪の女は左手で脇腹を押さえていました。
かすり傷というには深いですが、僕様ちゃんが想定していたよりはずっと浅い怪我です。
「無理するなです。それなりに痛いはず……。お前は強気なだけで、他の奴らより明らかに弱いです。すぐに降参するなら、僕様ちゃんに治療魔法を使ってやらねーこともないです」
僕様ちゃんはそう声を掛けます。
舐められないよう最初に強い言葉でハッタリをかましたのは僕様ちゃんの方ですが、率直に言って彼女たちの戦闘能力は想定以上です。
唯一の救いは、いかにも強そうな雰囲気を出していたこの赤髪の女が意外に弱かったことです。
いや、一般的には十分な剣さばきだと思うですが、さすがに聖女たる僕様ちゃんのレイピアさばきには及ばないです。
このあたりで手打ちにするのもアリでしょう。
……いや、正直に言えば手打ちにしたいです。
「あら、優しいのね? でも遠慮しておくわ」
そう言って笑う赤髪の女からは余裕を感じます。
本当に強がりなのか、それとも何か策があるのか……。
警戒していると、赤髪の後方に立っていた大人しそうな貴族女が魔法を発動しました。
「――【ヒール】」
治療魔法です。
呪文としては初級のものですが、込められている魔力はかなりのものでした。
赤髪の女の傷がみるみる内に回復していきます。
「……治療魔法使いまでいるですか」
厄介ですね。
あの女もかなりの手練れのようです。
「そっちが治療魔法有りで戦うつもりなら、こっちもそのつもりで戦う必要が出てくるです。次はもっと深い傷を負うことになるですよ? それでもいいのですか?」
僕は再度忠告します。
治療魔法使いの存在は、基本的にはパーティの生存率を高めることになるです。
ただし、今回のように『明確な殺意はないが適度に痛めつけて無力化したい』という場合には、逆効果となる可能性があります。
現に、治療魔法使いがいなければ、先ほどの傷だけで戦闘が終わっていたかもしれません。
ですが、下手に治療魔法使いがいるため、もっと深い傷を負うまで戦闘が続くことになってしまうです。
もちろん彼女たちを殺すつもりなどないですが、戦闘に100パーセントというものはないのです。
(もう少し怯えてくれた方がやりやすいんですけどね)
そんなことを考えつつ、僕様ちゃんは剣を構え直します。
対する赤髪の女は、短剣を鞘に収めてしまいました。
「……ほう? 意外に物わかりがいいじゃねーですか?」
拍子抜けです。
どうやらようやく負けを認めてくれるようですね。
(やれやれ……。手間を掛けさせやがる奴らです)
内心で安堵のため息を漏らしていると――
「勘違いしないでちょうだい。別に私は降参したつもりはないわよ」
赤髪の女が言いました。
「……はい?」
いや、何を言ってるです?
どう見ても降参してるじゃないですか。
メイン武器の短剣を鞘に収めたのですから。
「私の本業は、剣士じゃないってことよ」
言いながら、彼女は魔力を高めていきます。
「ここからは私――いえ、私たちの本気を見せてあげるわ」
「なっ!? いったい何を――」
そこまで言いかけたところで――
ゴオオオオォ……!
上空に巨大な影が出現しました。
「あれは……何です……?」
見上げるとそこには、数メートルを超える巨大な生物らしきものが浮かんでいたのでした。
本来は戦う理由などないですが、僕様ちゃんがタカシ=ハイブリッジを襲ったことに対して怒っているようです。
こちらとしても、下っ端に舐められるわけにはいかないので強い言葉でハッタリをかましました。
しかし、彼女たちは怯むどころか闘志を燃やして戦いを仕掛けてきたのです。
「ふん……。僕様ちゃんが『神霊纏装・アーティルドラ』を使った今、お前たちなんて相手にもならないですよ!」
僕様ちゃんは、再び強い言葉で相手を威圧します。
少し油断していたので、ここまでの戦いでは良いようにやられました。
和服剣士に斬りつけられ、兎獣人に雷魔法を至近距離で放たれ、犬獣人に土魔法で拘束され、子どもに重力魔法で潰され、青髪の女性に水魔法を浴びせられたのです。
僕様ちゃんは動体視力や耐久性に自信があったですが、こうも連続で畳み掛けられるとさすがにヤバかったです。
でも、もう大丈夫。
いくら相手が8人とはいえ、今の僕様ちゃんなら負ける気がしません。
僕様ちゃんの纏装術は、神の力の一端をこの身に宿すことができるです。
全ての能力が一回り以上強化された僕様ちゃんに死角なしです!
「へぇ? 言うじゃない! じゃあ見せてもらおうかしら? その『神霊纏装』とやらの力をね!」
赤髪の女性が挑発的な笑みを浮かべます。
彼女は、この集団の中でも強気で僕様ちゃんに接してきます。
「言われなくても、すぐに見せてあげるです! ――はぁっ!」
僕様ちゃんは地面を蹴って突進します。
狙うはもちろん――赤髪の女です!
「速いわね!?」
赤髪の女は短剣を抜き放ちます。
僕様ちゃんの突撃を受け止めようというつもりのようです。
(そんなナマクラ短剣なんかで受け止められると思うなです!)
そのまま赤髪の女を押し切ります。
そして、すれ違いざまに一閃――
ザシュッ!
斬った手応えありです。
「まずは一人目……!」
僕様ちゃんはそう呟きます。
彼女たちも、これで少しは戦意喪失するかと思ったですが――
「……なかなかやるじゃない?」
意外にも平気そうな声が返ってきました。
見れば、赤髪の女は左手で脇腹を押さえていました。
かすり傷というには深いですが、僕様ちゃんが想定していたよりはずっと浅い怪我です。
「無理するなです。それなりに痛いはず……。お前は強気なだけで、他の奴らより明らかに弱いです。すぐに降参するなら、僕様ちゃんに治療魔法を使ってやらねーこともないです」
僕様ちゃんはそう声を掛けます。
舐められないよう最初に強い言葉でハッタリをかましたのは僕様ちゃんの方ですが、率直に言って彼女たちの戦闘能力は想定以上です。
唯一の救いは、いかにも強そうな雰囲気を出していたこの赤髪の女が意外に弱かったことです。
いや、一般的には十分な剣さばきだと思うですが、さすがに聖女たる僕様ちゃんのレイピアさばきには及ばないです。
このあたりで手打ちにするのもアリでしょう。
……いや、正直に言えば手打ちにしたいです。
「あら、優しいのね? でも遠慮しておくわ」
そう言って笑う赤髪の女からは余裕を感じます。
本当に強がりなのか、それとも何か策があるのか……。
警戒していると、赤髪の後方に立っていた大人しそうな貴族女が魔法を発動しました。
「――【ヒール】」
治療魔法です。
呪文としては初級のものですが、込められている魔力はかなりのものでした。
赤髪の女の傷がみるみる内に回復していきます。
「……治療魔法使いまでいるですか」
厄介ですね。
あの女もかなりの手練れのようです。
「そっちが治療魔法有りで戦うつもりなら、こっちもそのつもりで戦う必要が出てくるです。次はもっと深い傷を負うことになるですよ? それでもいいのですか?」
僕は再度忠告します。
治療魔法使いの存在は、基本的にはパーティの生存率を高めることになるです。
ただし、今回のように『明確な殺意はないが適度に痛めつけて無力化したい』という場合には、逆効果となる可能性があります。
現に、治療魔法使いがいなければ、先ほどの傷だけで戦闘が終わっていたかもしれません。
ですが、下手に治療魔法使いがいるため、もっと深い傷を負うまで戦闘が続くことになってしまうです。
もちろん彼女たちを殺すつもりなどないですが、戦闘に100パーセントというものはないのです。
(もう少し怯えてくれた方がやりやすいんですけどね)
そんなことを考えつつ、僕様ちゃんは剣を構え直します。
対する赤髪の女は、短剣を鞘に収めてしまいました。
「……ほう? 意外に物わかりがいいじゃねーですか?」
拍子抜けです。
どうやらようやく負けを認めてくれるようですね。
(やれやれ……。手間を掛けさせやがる奴らです)
内心で安堵のため息を漏らしていると――
「勘違いしないでちょうだい。別に私は降参したつもりはないわよ」
赤髪の女が言いました。
「……はい?」
いや、何を言ってるです?
どう見ても降参してるじゃないですか。
メイン武器の短剣を鞘に収めたのですから。
「私の本業は、剣士じゃないってことよ」
言いながら、彼女は魔力を高めていきます。
「ここからは私――いえ、私たちの本気を見せてあげるわ」
「なっ!? いったい何を――」
そこまで言いかけたところで――
ゴオオオオォ……!
上空に巨大な影が出現しました。
「あれは……何です……?」
見上げるとそこには、数メートルを超える巨大な生物らしきものが浮かんでいたのでした。
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