【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
969話 『ハイブリッジ男爵が襲撃された』
僕様ちゃんが深夜の森を堪能していたら、急に声が掛けられました。
どうやら8人の女性がいるみたいです。
深夜で視界が悪いですが、赤髪の女性が火魔法で灯りをつけたのである程度は普通に見えます。
「いったい何の用です? 深夜の森を歩くなんて、年頃の娘さんがやることじゃないですよ?」
僕様ちゃんはそう問いかけます。
すると彼女たちのうちの一人が答えてくれました。
「それはこちらのセリフです。どうしてこんな時間に森の中にいるのですか?」
毅然とした態度ですね。
服装や雰囲気は、おしとやかな貴族っぽい感じなのに……。
でも、確かに彼女の言う通りかもしれません。
もっとも、それはお互い様のはずです。
「僕様ちゃんは祖国に帰る途中です。リンドウでの用事を済ませたから、朝を待たず早めに出発したのですよ」
僕様ちゃんは正直に答えました。
もちろん、嘘偽りのない事実です。
――いえ、厳密に言えば少しだけ偽りがあるですか。
タカシ=ハイブリッジの提案により、温泉旅館とやらで少しだけゆっくりしたですから。
本当はこんな深夜ではなくて、昼過ぎには出発する予定だったです。
「へぇ~。あなたは冒険者さんなんだねっ!」
元気な女の子が声を上げました。
おそらく10歳くらいの女の子でしょうか?
落ち着いた雰囲気と共に、どこか子どもっぽさも感じます。
まぁ、そういう僕様ちゃんも見た目通りの年齢ではないですが。
それにしても、背中あたりに何かが生えているような……。
あれは翼?
いえ、そんなことよりも返答しないといけないですね。
「正確には違いますが、似たようなものですかね」
「そっかぁ~」
女の子はニコニコしています。
無邪気で可愛い子ですね。
(そういえば、この子たちはいったい何者なんです?)
身なりはそこそこ整っていますし、言葉遣いにも気品や余裕を感じます。
怪しいと言えば怪しいですが、大きな脅威にはなりそうにありません。
僕様ちゃんが若干警戒を解きかけようとしたそのとき、青髪の女性が話しかけてきました。
「聞き逃がせないことを申されましたわね。あなた、冒険者ではないとおっしゃいました?」
とても上品な口調ですが、彼女からは隠しきれない警戒のようなものが感じられますね。
でも、大丈夫です。
僕様ちゃんは聖女。
世のため人のために活動してきました。
僕様ちゃんに敵意を持っているとすれば、それは盗賊とか悪徳領主くらいなものでしょう。
少なくとも、このような女性たちに襲われる心配は不要です。
まぁ、僕様ちゃんならたかが8人の一般人など、一瞬で制圧できるでしょうけどね。
タカシ=ハイブリッジたちとプロクトス同盟を結んだ頃から、なんだかとっても体の調子が良いですし。
今までの2割増しぐらいで動けそうです。
とはいえ、あまり無用な争いをする意味もありません。
ここは穏便に済ませましょう。
「ええ、そうですよ」
「……なるほど」
彼女は少し間を置いてから続けます。
「では、あなたは何者ですか? ただの旅人というわけでもないのでしょう?」
「僕様ちゃんは聖女なのですよ」
「「――ッ!!」」
その瞬間、空気が変わりました。
8人の女性が一斉に臨戦態勢に入ったようです。
(ふむ……)
なかなかやりますね。この反応速度と集中力……。
もしかすると全員Cランク以上の実力者かもしれないです。
一般人というのは取り消しましょう。
(しかしなぜ……?)
不思議です。
聖女である僕様ちゃんが、女性たちに恨まれるなんてあり得ないことのはずなのに。
「……念の為、聞いておくでござる。貴殿の名は、何と申す?」
「僕様ちゃんの名はリッカです。気軽に『聖女様』とか『リッカ様』と呼ぶことを許すですよ」
リンドウ温泉旅館では散々な目に遭いました。
しかし、僕様ちゃんは本来は高い役職と身分を持つのです。
それをひけらかすつもりはありませんが、無辜の民を救っていく上で役職や身分は役立つことも多いです。
その威光を維持していくために、一般人から舐められることは避けた方がいいです。
「そう、あなたが……」
そう言って、赤毛の女性が小さく呟きます。
数人が剣を抜き、残りも魔法などで戦闘態勢を整えていきます。
「うん? 何をしているです? そんな物騒なものを構えたら危ないですよ?」
僕様ちゃんは親切心から警告します。
しかし、8人の女性たちは警戒を解きません。
「リンドウから報告があったのよ。『ハイブリッジ男爵が襲撃された』って」
「あー……」
そう言えば、タカシ=ハイブリッジはこのあたりの領主だと言っていたです。
ならば当然、領都ラーグに住んでいる者にも報告はされるのでしょう。
リンドウとラーグは離れているので、それなりのタイムラグはあったようですが。
「あなたが襲撃者でしょう? 聖女リッカ!」
「否定はしないです。そして、ようやく理解したです。あなたたちは彼のパーティメンバーですか。確か『ミリオンズ』とかいう……」
諜報部隊の人から情報は得ていたです。
構成員は11人。
リンドウにいた3人を除けば、ちょうどこの場にいる8人ですね。
「タカシ=ハイブリッジを心配して、ここまで来たですか? だとしたら無駄足でしたね」
僕は肩を竦めます。
すると赤毛の女性が一歩前に出て言いました。
「どういう意味よ!」
「彼はとっても弱かったです。僕様ちゃんの前に、手も足も出ずに敗北しましたからね」
嘘です。
想定以上に強くて、かなりびっくりしました。
でも、聖女としての威厳を維持するためにはこれぐらいハッタリを効かせておかないといけないです。
――さてさて。
このハッタリで、彼女たち8人は大人しく引き下がってくれるでしょうかね?
どうやら8人の女性がいるみたいです。
深夜で視界が悪いですが、赤髪の女性が火魔法で灯りをつけたのである程度は普通に見えます。
「いったい何の用です? 深夜の森を歩くなんて、年頃の娘さんがやることじゃないですよ?」
僕様ちゃんはそう問いかけます。
すると彼女たちのうちの一人が答えてくれました。
「それはこちらのセリフです。どうしてこんな時間に森の中にいるのですか?」
毅然とした態度ですね。
服装や雰囲気は、おしとやかな貴族っぽい感じなのに……。
でも、確かに彼女の言う通りかもしれません。
もっとも、それはお互い様のはずです。
「僕様ちゃんは祖国に帰る途中です。リンドウでの用事を済ませたから、朝を待たず早めに出発したのですよ」
僕様ちゃんは正直に答えました。
もちろん、嘘偽りのない事実です。
――いえ、厳密に言えば少しだけ偽りがあるですか。
タカシ=ハイブリッジの提案により、温泉旅館とやらで少しだけゆっくりしたですから。
本当はこんな深夜ではなくて、昼過ぎには出発する予定だったです。
「へぇ~。あなたは冒険者さんなんだねっ!」
元気な女の子が声を上げました。
おそらく10歳くらいの女の子でしょうか?
落ち着いた雰囲気と共に、どこか子どもっぽさも感じます。
まぁ、そういう僕様ちゃんも見た目通りの年齢ではないですが。
それにしても、背中あたりに何かが生えているような……。
あれは翼?
いえ、そんなことよりも返答しないといけないですね。
「正確には違いますが、似たようなものですかね」
「そっかぁ~」
女の子はニコニコしています。
無邪気で可愛い子ですね。
(そういえば、この子たちはいったい何者なんです?)
身なりはそこそこ整っていますし、言葉遣いにも気品や余裕を感じます。
怪しいと言えば怪しいですが、大きな脅威にはなりそうにありません。
僕様ちゃんが若干警戒を解きかけようとしたそのとき、青髪の女性が話しかけてきました。
「聞き逃がせないことを申されましたわね。あなた、冒険者ではないとおっしゃいました?」
とても上品な口調ですが、彼女からは隠しきれない警戒のようなものが感じられますね。
でも、大丈夫です。
僕様ちゃんは聖女。
世のため人のために活動してきました。
僕様ちゃんに敵意を持っているとすれば、それは盗賊とか悪徳領主くらいなものでしょう。
少なくとも、このような女性たちに襲われる心配は不要です。
まぁ、僕様ちゃんならたかが8人の一般人など、一瞬で制圧できるでしょうけどね。
タカシ=ハイブリッジたちとプロクトス同盟を結んだ頃から、なんだかとっても体の調子が良いですし。
今までの2割増しぐらいで動けそうです。
とはいえ、あまり無用な争いをする意味もありません。
ここは穏便に済ませましょう。
「ええ、そうですよ」
「……なるほど」
彼女は少し間を置いてから続けます。
「では、あなたは何者ですか? ただの旅人というわけでもないのでしょう?」
「僕様ちゃんは聖女なのですよ」
「「――ッ!!」」
その瞬間、空気が変わりました。
8人の女性が一斉に臨戦態勢に入ったようです。
(ふむ……)
なかなかやりますね。この反応速度と集中力……。
もしかすると全員Cランク以上の実力者かもしれないです。
一般人というのは取り消しましょう。
(しかしなぜ……?)
不思議です。
聖女である僕様ちゃんが、女性たちに恨まれるなんてあり得ないことのはずなのに。
「……念の為、聞いておくでござる。貴殿の名は、何と申す?」
「僕様ちゃんの名はリッカです。気軽に『聖女様』とか『リッカ様』と呼ぶことを許すですよ」
リンドウ温泉旅館では散々な目に遭いました。
しかし、僕様ちゃんは本来は高い役職と身分を持つのです。
それをひけらかすつもりはありませんが、無辜の民を救っていく上で役職や身分は役立つことも多いです。
その威光を維持していくために、一般人から舐められることは避けた方がいいです。
「そう、あなたが……」
そう言って、赤毛の女性が小さく呟きます。
数人が剣を抜き、残りも魔法などで戦闘態勢を整えていきます。
「うん? 何をしているです? そんな物騒なものを構えたら危ないですよ?」
僕様ちゃんは親切心から警告します。
しかし、8人の女性たちは警戒を解きません。
「リンドウから報告があったのよ。『ハイブリッジ男爵が襲撃された』って」
「あー……」
そう言えば、タカシ=ハイブリッジはこのあたりの領主だと言っていたです。
ならば当然、領都ラーグに住んでいる者にも報告はされるのでしょう。
リンドウとラーグは離れているので、それなりのタイムラグはあったようですが。
「あなたが襲撃者でしょう? 聖女リッカ!」
「否定はしないです。そして、ようやく理解したです。あなたたちは彼のパーティメンバーですか。確か『ミリオンズ』とかいう……」
諜報部隊の人から情報は得ていたです。
構成員は11人。
リンドウにいた3人を除けば、ちょうどこの場にいる8人ですね。
「タカシ=ハイブリッジを心配して、ここまで来たですか? だとしたら無駄足でしたね」
僕は肩を竦めます。
すると赤毛の女性が一歩前に出て言いました。
「どういう意味よ!」
「彼はとっても弱かったです。僕様ちゃんの前に、手も足も出ずに敗北しましたからね」
嘘です。
想定以上に強くて、かなりびっくりしました。
でも、聖女としての威厳を維持するためにはこれぐらいハッタリを効かせておかないといけないです。
――さてさて。
このハッタリで、彼女たち8人は大人しく引き下がってくれるでしょうかね?
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