【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
946話 伝承
タカシは、リッカに大人の階段への第一歩を踏み出させようとしていた。
外見年齢は10歳前後だが、実年齢はその遥かに上。
特に問題はあるまい。
彼はそう考え、念入りに下準備を進めていった。
リッカの受け入れ態勢が順調に整っていく。
だが、いざ本番という直前で中断することになった。
「アイリス、この紋章に見覚えはあるか?」
タカシの視線の先には、リッカの下腹部あたりに輝く光の紋様があった。
一見するとタトゥーのようにも見えなくはないが、明らかに人工的なものではないことは分かる。
それは神々しさすら感じるほどに美しく輝いていたのだ。
彼の質問に対し、アイリスは答えた。
「まさか……それは『聖紋』じゃ!? 一体どうして……?」
「『聖紋』?  何だそれは? まさかとは思うが、良くない紋章とかではないよな?」
タカシがそう言うと、アイリスは首を横に振る。
「そんなわけない。むしろ、聖紋とはボクたちにとって神聖で大切なものだよ」
そう言って、説明を始めるアイリス。
それによると、聖紋というのは聖女にのみ現れる特殊な紋様だということだ。
通常の人間には現れず、また通常であれば生涯消えることのないものだという。
聖女のみが発現させることができ、また聖女自身も自由に消すことができないらしい。
「どうしてそんな神聖なものが、このタイミングで?」
「……おそらくだけど、タカシがしたことと関係があると思う」
「俺が?」
確かに、彼はリッカに対してとある行為をしていた。
大人の階段を上ってもらうために、念入りに下準備をしていたのだ。
(しかし、あれはどちらかと言えば邪悪に近いものだと思っていたのだが……。俺は下心満載で行動していたわけだし)
タカシはそのように考える。
だが、ふとあることに気がつく。
「そうか! そういうことだったのか!!」
「何か分かったの?」
「――生命の誕生は、神秘に満ちている」
タカシの言葉にキョトンとするアイリス。
そんな彼女に説明する彼。
「つまりだ! 本来、生殖行為というものは人間にとっては自然な行為だと言えるだろう? 人間という存在と切っても切れない関係だ。エッチな行為を悪とする思想は一部で根強いものがあるが、生物として見れば別に悪いことをしているわけではない」
現代日本でも、そういう風潮はあった。
しかしよく考えれば、それもおかしな話だ。
子孫繁栄のための営みである行為を否定するなんてナンセンス極まりないではないか。
彼はそのように考え直したのだ。
「……」
黙って聞いているアイリス。
そんな彼女に、タカシはさらに続けた。
「神様は、俺とリッカの行為を祝福してくれたんだ! これはもう、さらに進んでいくしかない!!」
「いや、それは違うんじゃないかな……」
「何が違うというのだ! 聖紋の発現に俺が関係していると言ったのは、アイリスじゃないか!!」
呆れ顔のアイリスに、食い気味に詰め寄るタカシ。
そんな彼に、アイリスは言った。
「聖紋が発現するのは、『誓いの儀式』を行った聖女様だけなんだ。それも、ただ行えばいいだけじゃない」
「ふむ?」
「通常の『誓いの儀式』は、男の人が女の人に誓いの言葉を述べるだけなんだ。恋仲の関係なら、プロポーズになる。主君と家臣の関係なら、強い忠義の心を示す。それは重要なことではあるけれど、精神的な意味での誓いでしかない。魔法や紋章が絡んでくる要素はないんだよ」
「しかし、現にリッカには聖紋が現れている。それに、先ほどから何やら様子が変だぞ?」
「……実はね。聖ミリアリア統一教には、言い伝えがあるんだよ」
「ほう?」
興味深そうに相槌を打つタカシ。
そんな彼の前で、アイリスはゆっくりと口を開いた。
「――精悍なる勇者と貞淑なる聖女。真なる約束を結んだ男女の元に聖紋が現れる時、世界に大いなる困難が訪れる。しかしそれを打ち破りし時、世界は慈愛の光に包まれるであろう――」
「なるほど……それが伝承か……」
「うん……」
アイリスは静かに頷いた。
その顔はどこか不安げだった。
(ふむ……)
タカシは思う。
果たして自分は世界を救うことができるのだろうかと。
(まぁ……なんとかなるだろ! いろんなチートや、ミッションによるご丁寧な指示もあるし……)
そんな楽観的とも思えることを考えながら、彼は言った。
「とりあえず今は、目の前の問題を片付けるとしよう」
タカシはそう言って、未だ放心状態のままのリッカの方を向く。
先ほどからずっと無言のリッカ。
彼女は下腹部に手を当てたままモジモジしていた。
「は、はうぅ……。おかしいです。絶対にあり得ないです。こんな奴が、僕様ちゃんの運命の相手だなんて……」
「おいリッカ、大丈夫か? 顔が赤いぞ?」
「……はっ!?」
タカシの声に反応して顔を上げるリッカ。
そんな彼女に、タカシは問いかける。
「さぁ、続きをするぞ」
「……えっ? つ、続きです?」
「そうだ。俺とお前は、どうやら神様に祝福されているみたいだからな。善は急げとも言う。やることをやってしまおう」
そう言いながら、タカシは再び舌舐めずりをしたのだった。
外見年齢は10歳前後だが、実年齢はその遥かに上。
特に問題はあるまい。
彼はそう考え、念入りに下準備を進めていった。
リッカの受け入れ態勢が順調に整っていく。
だが、いざ本番という直前で中断することになった。
「アイリス、この紋章に見覚えはあるか?」
タカシの視線の先には、リッカの下腹部あたりに輝く光の紋様があった。
一見するとタトゥーのようにも見えなくはないが、明らかに人工的なものではないことは分かる。
それは神々しさすら感じるほどに美しく輝いていたのだ。
彼の質問に対し、アイリスは答えた。
「まさか……それは『聖紋』じゃ!? 一体どうして……?」
「『聖紋』?  何だそれは? まさかとは思うが、良くない紋章とかではないよな?」
タカシがそう言うと、アイリスは首を横に振る。
「そんなわけない。むしろ、聖紋とはボクたちにとって神聖で大切なものだよ」
そう言って、説明を始めるアイリス。
それによると、聖紋というのは聖女にのみ現れる特殊な紋様だということだ。
通常の人間には現れず、また通常であれば生涯消えることのないものだという。
聖女のみが発現させることができ、また聖女自身も自由に消すことができないらしい。
「どうしてそんな神聖なものが、このタイミングで?」
「……おそらくだけど、タカシがしたことと関係があると思う」
「俺が?」
確かに、彼はリッカに対してとある行為をしていた。
大人の階段を上ってもらうために、念入りに下準備をしていたのだ。
(しかし、あれはどちらかと言えば邪悪に近いものだと思っていたのだが……。俺は下心満載で行動していたわけだし)
タカシはそのように考える。
だが、ふとあることに気がつく。
「そうか! そういうことだったのか!!」
「何か分かったの?」
「――生命の誕生は、神秘に満ちている」
タカシの言葉にキョトンとするアイリス。
そんな彼女に説明する彼。
「つまりだ! 本来、生殖行為というものは人間にとっては自然な行為だと言えるだろう? 人間という存在と切っても切れない関係だ。エッチな行為を悪とする思想は一部で根強いものがあるが、生物として見れば別に悪いことをしているわけではない」
現代日本でも、そういう風潮はあった。
しかしよく考えれば、それもおかしな話だ。
子孫繁栄のための営みである行為を否定するなんてナンセンス極まりないではないか。
彼はそのように考え直したのだ。
「……」
黙って聞いているアイリス。
そんな彼女に、タカシはさらに続けた。
「神様は、俺とリッカの行為を祝福してくれたんだ! これはもう、さらに進んでいくしかない!!」
「いや、それは違うんじゃないかな……」
「何が違うというのだ! 聖紋の発現に俺が関係していると言ったのは、アイリスじゃないか!!」
呆れ顔のアイリスに、食い気味に詰め寄るタカシ。
そんな彼に、アイリスは言った。
「聖紋が発現するのは、『誓いの儀式』を行った聖女様だけなんだ。それも、ただ行えばいいだけじゃない」
「ふむ?」
「通常の『誓いの儀式』は、男の人が女の人に誓いの言葉を述べるだけなんだ。恋仲の関係なら、プロポーズになる。主君と家臣の関係なら、強い忠義の心を示す。それは重要なことではあるけれど、精神的な意味での誓いでしかない。魔法や紋章が絡んでくる要素はないんだよ」
「しかし、現にリッカには聖紋が現れている。それに、先ほどから何やら様子が変だぞ?」
「……実はね。聖ミリアリア統一教には、言い伝えがあるんだよ」
「ほう?」
興味深そうに相槌を打つタカシ。
そんな彼の前で、アイリスはゆっくりと口を開いた。
「――精悍なる勇者と貞淑なる聖女。真なる約束を結んだ男女の元に聖紋が現れる時、世界に大いなる困難が訪れる。しかしそれを打ち破りし時、世界は慈愛の光に包まれるであろう――」
「なるほど……それが伝承か……」
「うん……」
アイリスは静かに頷いた。
その顔はどこか不安げだった。
(ふむ……)
タカシは思う。
果たして自分は世界を救うことができるのだろうかと。
(まぁ……なんとかなるだろ! いろんなチートや、ミッションによるご丁寧な指示もあるし……)
そんな楽観的とも思えることを考えながら、彼は言った。
「とりあえず今は、目の前の問題を片付けるとしよう」
タカシはそう言って、未だ放心状態のままのリッカの方を向く。
先ほどからずっと無言のリッカ。
彼女は下腹部に手を当てたままモジモジしていた。
「は、はうぅ……。おかしいです。絶対にあり得ないです。こんな奴が、僕様ちゃんの運命の相手だなんて……」
「おいリッカ、大丈夫か? 顔が赤いぞ?」
「……はっ!?」
タカシの声に反応して顔を上げるリッカ。
そんな彼女に、タカシは問いかける。
「さぁ、続きをするぞ」
「……えっ? つ、続きです?」
「そうだ。俺とお前は、どうやら神様に祝福されているみたいだからな。善は急げとも言う。やることをやってしまおう」
そう言いながら、タカシは再び舌舐めずりをしたのだった。
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