【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
944話 誓いの儀式
温泉にて、ミティがリッカを羽交い締めにしている。
タカシはそんなリッカの無防備な体から、タオルを取り去った。
聖女の呪いにより成長が止まっているリッカ。
しかし、女好きタカシにとってそんなことは関係ないようだ。
彼が次にとった行動は、リッカの足元に跪くことであった。
リッカはそれを見て、感心するように言う。
「……へぇ、なかなか殊勝な心がけを持っているですね」
彼女はミネア聖国の出身だ。
世界各国はそれぞれ独自の文化や宗教観を持っているのだが、男女の関係においてはとりわけミネア聖国が独自の風習を持っている。
そんな世界でも有数の宗教国家で育った彼女から見て、タカシの行動は殊勝だと感じられた。
「当然だ。俺は妻を悲しませるつもりはないからな」
「……そうですか」
短く答えたのち、黙り込むリッカ。
妻になると答えたわけでもないのに、タカシの中ではどんどん話が進んでいるように感じられた。
聖女リッカ。
その立場や戦闘能力、そして呪いにより成長が止まった体などの事情により、異性から本格的なアプローチを受けたことはない。
ましてや、羽交い締めされた上で全裸に剥かれた状態で跪かれた経験など、あろうはずがなかった。
(ふっ……面白いやつですよ)
心の中でそう呟きながら、リッカは自分の足元で膝をついている男を見下ろした。
「いいだろうです。タカシ=ハイブリッジ……。お前に、『誓いの儀式』を執り行う許可を与えるです」
「おおっ! 感謝するぞ、リッカ!」
タカシは喜んだ。
どこかで『誓いの儀式』という語句を聞いたことがある気もするが、彼はよく覚えていなかった。
場の雰囲気的に、何となく良い方向に話が進んでいるように感じているだけだ。
ミティもそれを感じ取ったのか、リッカの拘束を解いた。
「では早速――」
「ただし! 条件があるです」
「ん? 何だ?」
「聖女の僕様ちゃんに対する『誓いの儀式』は、市井のものとは違う本来の意味があるです」
「ふむ?」
「もし、この儀式で僕様ちゃんに認められなければ、大人しく身を引くことです。いいですか? それができないのであれば、聖ミリアリア統一教会を侮辱した罪で君を潰すです!」
「なるほど……分かった。約束しよう」
力強く頷くタカシ。
彼は話を半分も理解していなかったが、とりあえず同意しておくことにした。
全裸の美少女を前にして、襲いかからないよう我慢することだけで必死なのだ。
そんな彼に対し、リッカが言った。
「ならば、始めるです……」
リッカが目を閉じる。
そして、右手を軽く前に出し、手の甲をタカシに向けた。
そこには、彼女の目と同じような星型の文様が刻まれていた。
「我、汝に問う。我が声に応えよ……」
彼女が呪文を唱えると、右手が淡く光り始めた。
「古より続く盟約に従い、今こそ誓約の証を立てよう……」
リッカの呪文に呼応するかのように、彼女の右手に刻まれた紋様が輝きを増す。
「聖なる光に導かれ、ここに顕現せよ……」
リッカが詠唱を終える。
次の瞬間、彼女の手から放たれた光がタカシの体を包み込んだ。
「うおっ!?」
驚きの声を上げるタカシ。
その体に、何か熱いものが流れ込んでくるような感覚を覚えた。
それは、彼の全身を駆け巡っていく。
彼は高揚感と共に、次の行動の行動を考える。
これは『誓いの儀式』らしい。
細かい作法などは分からないが、とりあえず何かをしなければならない。
そう直感したのだ。
タカシは跪いた状態から、ゆっくりと視線を上げる。
そこには、全裸で右手を前に突き出している聖女の姿があった。
聖女の白い素肌と美しい曲線を描くシルエットが、淡い光によって照らされている。
(なんと幻想的な光景だろうか……)
彼はそんな感想を抱く。
ミティやアイリスも、その光景に目を奪われているようだ。
(俺の目の前には、全裸の美少女がいる。こうなれば、やることは一つしかない!)
そう決意すると、タカシはリッカの”とある箇所”に口を寄せた。
そして――
――チュッ。
タカシは躊躇なく口づけをした。
「よし!」
手応えを感じた彼だったが――すぐに異変に気づくことになる。
「な、何をするですか!? そんなとこ舐めんなです!!」
閉じていた目を見開き、顔を真っ赤にして叫ぶリッカ。
そんなリッカに対して、タカシは言った。
「どうした? 顔が真っ赤だぞ?」
「ふざっけるなです!! さっさと離れるです!!」
リッカが怒鳴り散らす。
だが、タカシはそれを気にする様子もなく、さらに続ける。
「そんなに怒らなくてもいいじゃないか? それとも、もしかして照れているのか?」
「怒っているです! 君を買いかぶった僕様ちゃんがバカだったです! 聖なる『誓いの儀式』を侮辱するなんて……君は最低の男です!!」
憤慨するリッカ。
それもそのはず。
聖ミリアリア統一教の『誓いの儀式』は、女性の手の甲に男性が口づけをするというものだ。
それは、生涯をかけて守ることを誓うという意味が込められているのである。
一般教徒同士であればプロポーズの意味合いも持っており、その範囲においてはサザリアナ王国にもその文化は広まっていた。
タカシは半分忘れているが、シュタイン騎士爵領の領都リバーでも、彼やシュタインがそれぞれの愛する妻たちに改めて愛をささやく際に同様の行為をしていた。
しかし、本来の意味における『誓いの儀式』を聖職者の女性に対して行う場合は、プロポーズ以上の厳格な意味合いを持つ。
ましてや、聖職者の中の聖職者である聖女リッカに対して行うのであれば、これ以上ないというほどの厳格な意味合いを持つ行為であった。
それをあろうことか、タカシはリッカの手の甲にキスをせず、とある大事なところにキスをしたのである。
リッカは激怒していた。
怒り心頭であった。
「なぜ……なぜこんなことをしたです!!」
リッカは怒りのままに、目の前の変態に向かって問いかけるのだった。
タカシはそんなリッカの無防備な体から、タオルを取り去った。
聖女の呪いにより成長が止まっているリッカ。
しかし、女好きタカシにとってそんなことは関係ないようだ。
彼が次にとった行動は、リッカの足元に跪くことであった。
リッカはそれを見て、感心するように言う。
「……へぇ、なかなか殊勝な心がけを持っているですね」
彼女はミネア聖国の出身だ。
世界各国はそれぞれ独自の文化や宗教観を持っているのだが、男女の関係においてはとりわけミネア聖国が独自の風習を持っている。
そんな世界でも有数の宗教国家で育った彼女から見て、タカシの行動は殊勝だと感じられた。
「当然だ。俺は妻を悲しませるつもりはないからな」
「……そうですか」
短く答えたのち、黙り込むリッカ。
妻になると答えたわけでもないのに、タカシの中ではどんどん話が進んでいるように感じられた。
聖女リッカ。
その立場や戦闘能力、そして呪いにより成長が止まった体などの事情により、異性から本格的なアプローチを受けたことはない。
ましてや、羽交い締めされた上で全裸に剥かれた状態で跪かれた経験など、あろうはずがなかった。
(ふっ……面白いやつですよ)
心の中でそう呟きながら、リッカは自分の足元で膝をついている男を見下ろした。
「いいだろうです。タカシ=ハイブリッジ……。お前に、『誓いの儀式』を執り行う許可を与えるです」
「おおっ! 感謝するぞ、リッカ!」
タカシは喜んだ。
どこかで『誓いの儀式』という語句を聞いたことがある気もするが、彼はよく覚えていなかった。
場の雰囲気的に、何となく良い方向に話が進んでいるように感じているだけだ。
ミティもそれを感じ取ったのか、リッカの拘束を解いた。
「では早速――」
「ただし! 条件があるです」
「ん? 何だ?」
「聖女の僕様ちゃんに対する『誓いの儀式』は、市井のものとは違う本来の意味があるです」
「ふむ?」
「もし、この儀式で僕様ちゃんに認められなければ、大人しく身を引くことです。いいですか? それができないのであれば、聖ミリアリア統一教会を侮辱した罪で君を潰すです!」
「なるほど……分かった。約束しよう」
力強く頷くタカシ。
彼は話を半分も理解していなかったが、とりあえず同意しておくことにした。
全裸の美少女を前にして、襲いかからないよう我慢することだけで必死なのだ。
そんな彼に対し、リッカが言った。
「ならば、始めるです……」
リッカが目を閉じる。
そして、右手を軽く前に出し、手の甲をタカシに向けた。
そこには、彼女の目と同じような星型の文様が刻まれていた。
「我、汝に問う。我が声に応えよ……」
彼女が呪文を唱えると、右手が淡く光り始めた。
「古より続く盟約に従い、今こそ誓約の証を立てよう……」
リッカの呪文に呼応するかのように、彼女の右手に刻まれた紋様が輝きを増す。
「聖なる光に導かれ、ここに顕現せよ……」
リッカが詠唱を終える。
次の瞬間、彼女の手から放たれた光がタカシの体を包み込んだ。
「うおっ!?」
驚きの声を上げるタカシ。
その体に、何か熱いものが流れ込んでくるような感覚を覚えた。
それは、彼の全身を駆け巡っていく。
彼は高揚感と共に、次の行動の行動を考える。
これは『誓いの儀式』らしい。
細かい作法などは分からないが、とりあえず何かをしなければならない。
そう直感したのだ。
タカシは跪いた状態から、ゆっくりと視線を上げる。
そこには、全裸で右手を前に突き出している聖女の姿があった。
聖女の白い素肌と美しい曲線を描くシルエットが、淡い光によって照らされている。
(なんと幻想的な光景だろうか……)
彼はそんな感想を抱く。
ミティやアイリスも、その光景に目を奪われているようだ。
(俺の目の前には、全裸の美少女がいる。こうなれば、やることは一つしかない!)
そう決意すると、タカシはリッカの”とある箇所”に口を寄せた。
そして――
――チュッ。
タカシは躊躇なく口づけをした。
「よし!」
手応えを感じた彼だったが――すぐに異変に気づくことになる。
「な、何をするですか!? そんなとこ舐めんなです!!」
閉じていた目を見開き、顔を真っ赤にして叫ぶリッカ。
そんなリッカに対して、タカシは言った。
「どうした? 顔が真っ赤だぞ?」
「ふざっけるなです!! さっさと離れるです!!」
リッカが怒鳴り散らす。
だが、タカシはそれを気にする様子もなく、さらに続ける。
「そんなに怒らなくてもいいじゃないか? それとも、もしかして照れているのか?」
「怒っているです! 君を買いかぶった僕様ちゃんがバカだったです! 聖なる『誓いの儀式』を侮辱するなんて……君は最低の男です!!」
憤慨するリッカ。
それもそのはず。
聖ミリアリア統一教の『誓いの儀式』は、女性の手の甲に男性が口づけをするというものだ。
それは、生涯をかけて守ることを誓うという意味が込められているのである。
一般教徒同士であればプロポーズの意味合いも持っており、その範囲においてはサザリアナ王国にもその文化は広まっていた。
タカシは半分忘れているが、シュタイン騎士爵領の領都リバーでも、彼やシュタインがそれぞれの愛する妻たちに改めて愛をささやく際に同様の行為をしていた。
しかし、本来の意味における『誓いの儀式』を聖職者の女性に対して行う場合は、プロポーズ以上の厳格な意味合いを持つ。
ましてや、聖職者の中の聖職者である聖女リッカに対して行うのであれば、これ以上ないというほどの厳格な意味合いを持つ行為であった。
それをあろうことか、タカシはリッカの手の甲にキスをせず、とある大事なところにキスをしたのである。
リッカは激怒していた。
怒り心頭であった。
「なぜ……なぜこんなことをしたです!!」
リッカは怒りのままに、目の前の変態に向かって問いかけるのだった。
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