【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
927話 古代遺跡の探索
「ほう。中はこんな風になっているのか」
俺は目の前に広がる通路を見て感心したようにつぶやく。
俺、ミティ、アイリスの3人はアダマンタイトの巨石のあった場所から地下へ続く階段を下った。
途中にあった分岐をいくつか進んでいくと、そこには石造りの地下道が広がっていたのだ。
ちなみにジェイネフェリア、ブギー頭領、ジョー副頭領は撤収してリンドウの街に戻った。
何が起きるか分からない古代遺跡。
普通であれば護衛として彼らも連れていった方がいいかもしれない。
だが、彼らの戦闘能力は俺たち3人に比べて一回り以上落ちる。
いない方が逆に探索も捗るだろうという判断だ。
「結構広いねー。いつ頃作られた遺跡なんだろ?」
アイリスが興味深げにキョロキョロしながら歩く。
「さあな。少なくとも数百年単位にはなりそうだ」
「だよねー」
そんなことを話しているうちに、前方に大きな扉が見えてきた。
おそらく、あの先に何かあるのだろう。
「開けます」
ミティがそう言って、重厚な扉に手をかける。
そして、ゆっくりと押し開いた。
「えっと、ここって……」
「ああ、何かの儀式の間だろうな」
「だね」
俺たちの目に飛び込んできたのは、巨大な部屋――ホール状の空間だ。
床一面に描かれた魔法陣が淡い光を放っている。
そして部屋の中央にある祭壇のような台の上には、水晶球のようなものが置かれていた。
「なんでしょう、これ……」
ミティが不思議そうな顔をする。
「さて……」
俺は首を傾げる。
見た限り、特に魔力を感じるわけではない。
ただの置物に思えるが……。
「触らないほうがいいかな」
アイリスが遠慮がちに言う。
「そうだな。罠とかありそうだし」
俺は同意した。
「では、このままにしておきましょうか」
ミティがそう言いながら、水晶球に背を向ける。
俺たちは、部屋をぐるりと一周し、地面に描かれた魔法陣を確認したり、壁に彫られたレリーフや装飾を調べたりしていた。
「床に描かれた魔法陣……。よく見ると中央から放射状に7つに広がっているな。……これは火の紋章か? 魔法陣にはあまり詳しくないが……」
「こちらは風の紋章のようです。以前読んだ本で似たようなものを見たことがあります」
「こっちは光の紋章みたいだねー」
ミティとアイリスがそれぞれ意見を述べる。
どうやらこの部屋に刻まれている魔法陣は全て属性を表す紋章であるようだ。
「火、水、風、雷、土、光、影の7種類だな。そして、これらが意味するものは……」
俺は紋章の刻まれた壁を見ながら考える。
「意味するものは?」
ミティがゴクリと喉を鳴らす。
「残念ながら何も思いつかないな」
俺は肩をすくめた。
「う~ん、そっかぁ」
アイリスが落胆する。
「ま、考えても仕方がない。とりあえず、一度上に戻ろうぜ」
俺は2人に提案する。
俺は様々な魔法に通じている。
しかしそれは、チートの恩恵を多大に受けつつ、我流で身につけたものばかりだ。
体系的な知識が必要な魔法陣の類はさっぱりである。
こういったことに詳しそうなのは……。
ハイブリッジ家の関係者の中では、ジェイネフェリアやトリスタあたりか?
ジェイネフェリアを帰したのは失敗だったかもしれない。
(今から呼び戻すか? いや……)
この部屋の研究を本格的に始めたところで、俺たちミリオンズにはヤマト連邦に向かう先約があるのだ。
急いで調べる必要はない。
それにそもそも、ジェイネフェリアやトリスタであっても分かるとは限らない。
むしろ、分からない確率の方が高いだろう。
武闘派ばかりのハイブリッジ家の中では比較的魔法陣に詳しそうというだけで、彼らも決して専門家ではないのだから。
ジェイネフェリアは魔導技師だ。
魔道具に刻み込む類の魔法陣には詳しいだろう。
しかし、彼は学問研究者ではなく、あくまで技術者である。
トリスタは雑多にいろいろな本を読んでいる。
その知識範囲は広い。
だが、実際に行動に移して身についた知識は少ない。
あくまで本で読んだだけの広く浅い知識なのだ。
例外があるとすれば、ハイブリッジ家に登用されたあとに関わってきた内政関係の知識ぐらいだろう。
この部屋の魔法陣を見て、すぐに理解できるとは思えない。
「さぁ、とりあえずこの部屋を出よう。――むっ!?」
俺が部屋の外に出ようと歩き始めたそのとき、床の魔法陣が光りだした。
全体が起動したわけではない。
あくまで、俺の真下――魔法陣の一部が淡く光っているだけだ。
「なんだ?」
俺は自分の足元を見る。
「……ここはちょうど火の紋章の上か」
「えっと……、何か起こるんですかね?」
ミティが不安げにつぶやく。
「分からん。だが、そうだな……。ミティ、ちょっとそこの風の紋章の上に乗ってくれないか?」
「はい」
ミティが風の紋章の上に移動する。
すると、彼女の真下の魔法陣がほんのりと光始めた。
「私の光より、タカシ様の光の方が強いようですね」
ミティが言う。
「そうだな。ということは、この魔法陣は各属性の魔法を極めた者がいれば起動するのかもなぁ」
俺の火魔法スキルはレベル5だ。
一方のミティの風魔法スキルはレベル4である。
一般的には十分に強力なのだが、レベル4ではこの魔法陣の起動においては不足なのかもしれない。
俺はそのように考察するのだった。
俺は目の前に広がる通路を見て感心したようにつぶやく。
俺、ミティ、アイリスの3人はアダマンタイトの巨石のあった場所から地下へ続く階段を下った。
途中にあった分岐をいくつか進んでいくと、そこには石造りの地下道が広がっていたのだ。
ちなみにジェイネフェリア、ブギー頭領、ジョー副頭領は撤収してリンドウの街に戻った。
何が起きるか分からない古代遺跡。
普通であれば護衛として彼らも連れていった方がいいかもしれない。
だが、彼らの戦闘能力は俺たち3人に比べて一回り以上落ちる。
いない方が逆に探索も捗るだろうという判断だ。
「結構広いねー。いつ頃作られた遺跡なんだろ?」
アイリスが興味深げにキョロキョロしながら歩く。
「さあな。少なくとも数百年単位にはなりそうだ」
「だよねー」
そんなことを話しているうちに、前方に大きな扉が見えてきた。
おそらく、あの先に何かあるのだろう。
「開けます」
ミティがそう言って、重厚な扉に手をかける。
そして、ゆっくりと押し開いた。
「えっと、ここって……」
「ああ、何かの儀式の間だろうな」
「だね」
俺たちの目に飛び込んできたのは、巨大な部屋――ホール状の空間だ。
床一面に描かれた魔法陣が淡い光を放っている。
そして部屋の中央にある祭壇のような台の上には、水晶球のようなものが置かれていた。
「なんでしょう、これ……」
ミティが不思議そうな顔をする。
「さて……」
俺は首を傾げる。
見た限り、特に魔力を感じるわけではない。
ただの置物に思えるが……。
「触らないほうがいいかな」
アイリスが遠慮がちに言う。
「そうだな。罠とかありそうだし」
俺は同意した。
「では、このままにしておきましょうか」
ミティがそう言いながら、水晶球に背を向ける。
俺たちは、部屋をぐるりと一周し、地面に描かれた魔法陣を確認したり、壁に彫られたレリーフや装飾を調べたりしていた。
「床に描かれた魔法陣……。よく見ると中央から放射状に7つに広がっているな。……これは火の紋章か? 魔法陣にはあまり詳しくないが……」
「こちらは風の紋章のようです。以前読んだ本で似たようなものを見たことがあります」
「こっちは光の紋章みたいだねー」
ミティとアイリスがそれぞれ意見を述べる。
どうやらこの部屋に刻まれている魔法陣は全て属性を表す紋章であるようだ。
「火、水、風、雷、土、光、影の7種類だな。そして、これらが意味するものは……」
俺は紋章の刻まれた壁を見ながら考える。
「意味するものは?」
ミティがゴクリと喉を鳴らす。
「残念ながら何も思いつかないな」
俺は肩をすくめた。
「う~ん、そっかぁ」
アイリスが落胆する。
「ま、考えても仕方がない。とりあえず、一度上に戻ろうぜ」
俺は2人に提案する。
俺は様々な魔法に通じている。
しかしそれは、チートの恩恵を多大に受けつつ、我流で身につけたものばかりだ。
体系的な知識が必要な魔法陣の類はさっぱりである。
こういったことに詳しそうなのは……。
ハイブリッジ家の関係者の中では、ジェイネフェリアやトリスタあたりか?
ジェイネフェリアを帰したのは失敗だったかもしれない。
(今から呼び戻すか? いや……)
この部屋の研究を本格的に始めたところで、俺たちミリオンズにはヤマト連邦に向かう先約があるのだ。
急いで調べる必要はない。
それにそもそも、ジェイネフェリアやトリスタであっても分かるとは限らない。
むしろ、分からない確率の方が高いだろう。
武闘派ばかりのハイブリッジ家の中では比較的魔法陣に詳しそうというだけで、彼らも決して専門家ではないのだから。
ジェイネフェリアは魔導技師だ。
魔道具に刻み込む類の魔法陣には詳しいだろう。
しかし、彼は学問研究者ではなく、あくまで技術者である。
トリスタは雑多にいろいろな本を読んでいる。
その知識範囲は広い。
だが、実際に行動に移して身についた知識は少ない。
あくまで本で読んだだけの広く浅い知識なのだ。
例外があるとすれば、ハイブリッジ家に登用されたあとに関わってきた内政関係の知識ぐらいだろう。
この部屋の魔法陣を見て、すぐに理解できるとは思えない。
「さぁ、とりあえずこの部屋を出よう。――むっ!?」
俺が部屋の外に出ようと歩き始めたそのとき、床の魔法陣が光りだした。
全体が起動したわけではない。
あくまで、俺の真下――魔法陣の一部が淡く光っているだけだ。
「なんだ?」
俺は自分の足元を見る。
「……ここはちょうど火の紋章の上か」
「えっと……、何か起こるんですかね?」
ミティが不安げにつぶやく。
「分からん。だが、そうだな……。ミティ、ちょっとそこの風の紋章の上に乗ってくれないか?」
「はい」
ミティが風の紋章の上に移動する。
すると、彼女の真下の魔法陣がほんのりと光始めた。
「私の光より、タカシ様の光の方が強いようですね」
ミティが言う。
「そうだな。ということは、この魔法陣は各属性の魔法を極めた者がいれば起動するのかもなぁ」
俺の火魔法スキルはレベル5だ。
一方のミティの風魔法スキルはレベル4である。
一般的には十分に強力なのだが、レベル4ではこの魔法陣の起動においては不足なのかもしれない。
俺はそのように考察するのだった。
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