【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

909話 パパの本気

「も、申し訳ありませんでした……」

 レインが謝罪する。
 俺とユナが立っていた狭い足場に彼女が短距離転移してきたせいで、俺たちは像の上から派手に転落することになったのだ。
 謝ること自体は、不自然でもなんでもない。
 だが、これは――

「ふふん。レイン、そこまで気にすることないのよ?」

「ああ、そうだとも。そんなところで座っていたら、足が痛むだろう? 早く立ち上がってこっちに戻ってこい」

 ユナと俺はそう声を掛ける。
 レインは湯船から上がり、なんと土下座で謝罪しているのだ。
 もちろん、風呂に入っている最中だったので、全裸のままである。

 全裸土下座。
 高飛車な女騎士などに強要すればさぞかし興奮しそうだ。
 だが、健気な古参メイド少女レインにさせて興奮するほど俺は外道ではない。

「いえ、しかし……。お館様に万が一のことがありましたら……。それに、第五夫人のユナ様まで……」

「私のことはどうでもいいから。それに、どちらかと言えば、タカシのバカが軽々しく了承したのがいけないんだから」

「ああ。まったくだな」

 レインは短距離転移する前にちゃんと確認していた。
 迂闊に許可を出したのは俺だ。
 俺も誠意を見せて謝罪すべきか?
 レインのように全裸土下座で?
 いやいや、誰得だよ。

「いいではありませんか。私たちは家族なのですから」

「お互いの失敗を支え合うのが家族というものですわ」

「……分かりました。それでは、改めてご一緒させていただきます」

「うん。それがいい」

 サリエやリーゼロッテの言葉を受け、レインはようやく立ち上がる。
 そして、みんなと共に湯船に浸かり始めた。

「はぁ~……いい気持ちですね」

「そうだねぇ」

「極楽でござる」

 ニムやマリア、蓮華が露天風呂でくつろいでいる。
 ニムがモコナをお腹に乗せていた。
 モニカとニムは義理の姉妹だ。
 つまり……ニムから見て、モコナは姪になる。

 そしてもちろん、モニカもニムも俺の妻だ。
 ニムから見てモコナは、腹違いの娘とも言えるだろう。
 いろいろと複雑だが、良好な家族関係を築けているのは幸いだ。

 そう言えば、そろそろ次の子どもができてもおかしくない気がするのだが。
 妻や愛人を含め、やることはやっているし。
 回数としては、愛人より妻との方が多い。
 そして、ミティ、アイリス、モニカとは産後の負担軽減のため、回数を控えめにしている。
 単純に考えて、ニム、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテあたりが妊娠する可能性が高い。

 ヤマト連邦の件があるので妊娠したら戦力が減るわけだが……。
 加護(小)組を含めれば戦力は十分だし、極端に心配する必要はないだろう。
 ヤマト連邦は大丁場になりそうだが、それ以降にもっと大きな局面がないとも限らない。
 心配しすぎると、子どもをつくるタイミングを逸してしまう。

「あ……タカシ、こんなところで大きくしてる」

「すまんな。ずっと見ていたから……」

「知ってる」

 アイリスが俺のモノを指差した。
 俺が考え事をしつつも、みんなの裸体を鑑賞していたのだ。
 愛する妻たちの魅力的な姿。
 男なら当然の反応である。
 察知能力の高いアイリスには、俺の視線はバレバレだったようだが……。

「あうー?」

「あっ! アイリーン! そんな汚いものを触っちゃダメだよ!!」

「汚いとはなんだ」

 赤ん坊のアイリーンが、無邪気に手を伸ばして俺のモノを握ってきた。
 アイリスが慌てて止めようとする。
 いや、それにしたって、『汚い』はないだろ。
 俺の聖剣エクスカリバーは神聖なモノだ。

「アイリーン、これは汚くなんかないんだぞ? アイリスママだって、二人きりのときは握ったり舐めたり――」

「そ、それは言わなくていいからっ!」

「いやいや、こういうのは正しい教育が必要なんだ。箱入り娘として育てて、悪い男に捕まったりしたらどうする」

「ううぅ……。でも、ボクの祖国じゃ……。これがこの国の常識なの……?」

 アイリスは中央大陸の出身だ。
 その中でも、比較的貞操観念に厳しい国で育ったと聞いている。
 それが娘への教育にも表れているわけか。
 まぁ俺には8人もの妻がいるわけだし、教育方針はそれぞれの妻に任せてもいいのだが――

「せっかくだ。パパの本気を見せてやろう。……ふんっ!!」

 俺は下腹部に力を込めた。
 俺の分身が元気よく立ち上がる。

「きゃ~っ!」

「あわわわわ!?」

 アイリーンが目を輝かせ、アイリスは顔を真っ赤にして焦り出す。
 そして――

「こ、子どもに自分の膨らませたモノを握らせるパパはいないでしょっ! バカっ!!」

「ぐはぁっ!」

 俺はアイリスから強烈なパンチを食らった。
 さすがにやり過ぎたか。
 冷静に考えると、血の繋がった自分の子どもにさせることではないな。

「アホ! バカ! スケベ! 変態! 鬼畜! 魔王! 悪魔!! ……えっと……あとは……」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。言い過ぎじゃないか? 俺はただ、アイリーンの教育のためにだな……」

「う、うるさいっ! バカッ!!」

「ぷげらっ!!」

 もう一度強烈な右ストレートが炸裂する。
 アイリスの慎ましくも美しい胸部が視界に入る。
 これは素晴らしい。

「……が……ま……」

 俺は最後にそう呟き、湯船に倒れ込んだのだった。

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