【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
908話 家族水入らずの混浴
アビーに案内され、俺たちは山岳部の温泉にやって来た。
ここはリンドウの街から少し離れたところにある。
大自然の中の秘湯といった感じだが、入浴環境は整えられつつある。
「ふむ……。脱衣所が立派になったな」
「ありがとうございます。ハイブリッジさまのお言葉を参考にさせていただきました」
「それは良かった。では、さっそく利用させてもらおう。気をつけて帰るんだぞ?」
「はい。では、失礼いたします」
アビーがリンドウの方へと戻っていく。
ここ最近の狩りで、魔物の数はずいぶんと減った。
リンドウ周辺は普段から狩りをしているし、独り歩きをしても特に問題はない。
「ふふふ……。タカシ様と温泉に入るのは久しぶりですね!」
「ああ、そうだな。ミティには寂しい思いをさせてしまっているか?」
「いえ。屋敷のお風呂は一緒に入っていますし、寂しくはありませんけど……。それでも、温泉は格別です。ねぇ? ミカ」
「きゃっきゃっ」
ミティとミカが母子共に喜んでいる。
ミカもずいぶんと成長してきたなぁ。
こうして家族で温泉に入るのは、いい思い出になりそうだ。
「ボクはちょっと落ち着かないかも。家族だけとはいえ、屋外の温泉は……」
「あうー?」
恥ずかしげな声を上げるアイリスに対し、娘のアイリーンが首を傾げる。
「今さらじゃないか? ガロル村やルクアージュでも入ったのに……」
「ガロル村のときだって恥ずかしかったよ! ルクアージュは男女で分かれていたから、まぁ……」
「それもそうか」
リンドウからここまでの道は整備されつつある。
脱衣場も立派になった。
あとは湯船だな。
当然だが、男女に分ける必要がある。
あとは、可能ならば領主特権でハイブリッジ男爵家専用の区画を作ることができれば理想的だ。
家族と入るときに俺だけ別風呂なのは寂しいか。
「さぁ、入ろう!」
「あうあう」
モニカと娘モコナはもう待ちきれない様子だ。
あっという間に服を脱ぎ捨てて、脱衣場から出ていった。
その速さ。
まさに迅雷のごとし。
「わ、わたしも行きます! ――って、ええ? なんですかこれ?」
追いかけるように出ていったニムが驚きの声を上げる。
俺も少し遅れて脱衣場を出る。
そこにあったのは、とても大きい大砲の像だった。
湯船の中央付近に堂々と鎮座している。
「おっ! これは……」
「知っているんですか? タカシさん」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか! 完成度たけーな!! オイ!!」
俺は思わず叫んでしまう。
これは素晴らしい出来栄えだ。
まさか、こんなところで実物を見れるとは思わなかったぜ。
「タカシお兄ちゃん……それ何なの?」
「ん? ああ、俺の知っている最も偉大な大砲さ。そう言えば、雑談混じりにアビーに話したことがあったかな」
「ふ~ん」
マリアが興味なさそうに相槌を打つ。
まぁ、女性はあんまりこういうのに興味ないか。
「えっと……。本当にそのような名前なのですか?」
「どうして疑うんだ? サリエ」
「だって……凄く長い名前ですし……。あと、アームストロングって二回言ってませんでした?」
「いや、これはそういう名前で合ってるのさ」
「本当でしょうか……」
サリエはまだ納得していないようだ。
俺の妻の中で、最も常識人なのが彼女と言ってもいい。
雰囲気では誤魔化せないか。
「あら? どうかしましたの?」
「リーゼさん! あの、タカシさんがこの像を変な名前で呼ぶんです!!」
遅れてやって来たリーゼロッテに、サリエが詰め寄る。
「変な名前、ですか?」
「そうなんですよ! この像のことを――」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか! 完成度たけーな!! オイ!!」
「…………」
「あ、失礼しましたわ。つい興奮して……。タカシさんから聞いたことのある姿そのものでしたので……」
「そ、そうなんですか……」
サリエはそれで引き下がってくれた。
助かったよ。
リーゼロッテがいてくれて良かった。
「ふふん。これはちょうどいい足場があるわね」
「おい、ユナ?」
「まさに絶景! ほら、タカシ。こっち来て見てみて!」
「いや、だからな?」
「ほらほら!」
「はいはい」
俺はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲に上る。
偉大なる像を足場にして申し訳ないが、単なるレプリカだしこれぐらいは許してくれ。
「ふむ……。確かに絶景だな」
「でしょう?」
「ただ、普通の人がこれを見たら、感動よりも先に恐怖を感じるんじゃないか?」
「そんなことないと思うけどねぇ」
ユナは首を傾げている。
赤狼族である彼女の感性は独特だ。
高いところが好きで、しかも露出狂の気もあるからな。
「お、お館様!」
「レイン?」
「私もそっちに行ってみたいです! 行ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、もちろんだとも」
「ありがとうございます!」
可愛いメイドのレイン。
彼女からの頼みを、俺が断るわけがない。
「ちょっ!? タカシ! レインちゃん! この上に3人は狭すぎ――」
「【ワープ】」
ユナが声を上げている間に、レインが空間魔法を発動させる。
そして、俺やユナと同じくネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の上にやって来た。
「おおっ! これは素晴らしい景色です! ――って」
「ば、バランスが……」
「だから言ったでしょ! 狭いって!!」
俺たち3人は、不安定な足場の上で体勢を崩す。
そのまま全員揃って落下してしまった。
ドボーンッ! という大きな水音が響く。
「見ちゃダメだよ、アイリーン。バカなパパの姿はね」
「あうー?」
「ミカ、あなたはタカシ様の娘であると同時に、私の娘でもあります。お父さんの力になれるよう、頑張って強くなるのですよ」
「きゃっきゃっ!」
ミティとアイリスの真逆の育児方針を耳にしながら、俺はゆっくりと湯に浮くのだった。
ここはリンドウの街から少し離れたところにある。
大自然の中の秘湯といった感じだが、入浴環境は整えられつつある。
「ふむ……。脱衣所が立派になったな」
「ありがとうございます。ハイブリッジさまのお言葉を参考にさせていただきました」
「それは良かった。では、さっそく利用させてもらおう。気をつけて帰るんだぞ?」
「はい。では、失礼いたします」
アビーがリンドウの方へと戻っていく。
ここ最近の狩りで、魔物の数はずいぶんと減った。
リンドウ周辺は普段から狩りをしているし、独り歩きをしても特に問題はない。
「ふふふ……。タカシ様と温泉に入るのは久しぶりですね!」
「ああ、そうだな。ミティには寂しい思いをさせてしまっているか?」
「いえ。屋敷のお風呂は一緒に入っていますし、寂しくはありませんけど……。それでも、温泉は格別です。ねぇ? ミカ」
「きゃっきゃっ」
ミティとミカが母子共に喜んでいる。
ミカもずいぶんと成長してきたなぁ。
こうして家族で温泉に入るのは、いい思い出になりそうだ。
「ボクはちょっと落ち着かないかも。家族だけとはいえ、屋外の温泉は……」
「あうー?」
恥ずかしげな声を上げるアイリスに対し、娘のアイリーンが首を傾げる。
「今さらじゃないか? ガロル村やルクアージュでも入ったのに……」
「ガロル村のときだって恥ずかしかったよ! ルクアージュは男女で分かれていたから、まぁ……」
「それもそうか」
リンドウからここまでの道は整備されつつある。
脱衣場も立派になった。
あとは湯船だな。
当然だが、男女に分ける必要がある。
あとは、可能ならば領主特権でハイブリッジ男爵家専用の区画を作ることができれば理想的だ。
家族と入るときに俺だけ別風呂なのは寂しいか。
「さぁ、入ろう!」
「あうあう」
モニカと娘モコナはもう待ちきれない様子だ。
あっという間に服を脱ぎ捨てて、脱衣場から出ていった。
その速さ。
まさに迅雷のごとし。
「わ、わたしも行きます! ――って、ええ? なんですかこれ?」
追いかけるように出ていったニムが驚きの声を上げる。
俺も少し遅れて脱衣場を出る。
そこにあったのは、とても大きい大砲の像だった。
湯船の中央付近に堂々と鎮座している。
「おっ! これは……」
「知っているんですか? タカシさん」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか! 完成度たけーな!! オイ!!」
俺は思わず叫んでしまう。
これは素晴らしい出来栄えだ。
まさか、こんなところで実物を見れるとは思わなかったぜ。
「タカシお兄ちゃん……それ何なの?」
「ん? ああ、俺の知っている最も偉大な大砲さ。そう言えば、雑談混じりにアビーに話したことがあったかな」
「ふ~ん」
マリアが興味なさそうに相槌を打つ。
まぁ、女性はあんまりこういうのに興味ないか。
「えっと……。本当にそのような名前なのですか?」
「どうして疑うんだ? サリエ」
「だって……凄く長い名前ですし……。あと、アームストロングって二回言ってませんでした?」
「いや、これはそういう名前で合ってるのさ」
「本当でしょうか……」
サリエはまだ納得していないようだ。
俺の妻の中で、最も常識人なのが彼女と言ってもいい。
雰囲気では誤魔化せないか。
「あら? どうかしましたの?」
「リーゼさん! あの、タカシさんがこの像を変な名前で呼ぶんです!!」
遅れてやって来たリーゼロッテに、サリエが詰め寄る。
「変な名前、ですか?」
「そうなんですよ! この像のことを――」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか! 完成度たけーな!! オイ!!」
「…………」
「あ、失礼しましたわ。つい興奮して……。タカシさんから聞いたことのある姿そのものでしたので……」
「そ、そうなんですか……」
サリエはそれで引き下がってくれた。
助かったよ。
リーゼロッテがいてくれて良かった。
「ふふん。これはちょうどいい足場があるわね」
「おい、ユナ?」
「まさに絶景! ほら、タカシ。こっち来て見てみて!」
「いや、だからな?」
「ほらほら!」
「はいはい」
俺はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲に上る。
偉大なる像を足場にして申し訳ないが、単なるレプリカだしこれぐらいは許してくれ。
「ふむ……。確かに絶景だな」
「でしょう?」
「ただ、普通の人がこれを見たら、感動よりも先に恐怖を感じるんじゃないか?」
「そんなことないと思うけどねぇ」
ユナは首を傾げている。
赤狼族である彼女の感性は独特だ。
高いところが好きで、しかも露出狂の気もあるからな。
「お、お館様!」
「レイン?」
「私もそっちに行ってみたいです! 行ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、もちろんだとも」
「ありがとうございます!」
可愛いメイドのレイン。
彼女からの頼みを、俺が断るわけがない。
「ちょっ!? タカシ! レインちゃん! この上に3人は狭すぎ――」
「【ワープ】」
ユナが声を上げている間に、レインが空間魔法を発動させる。
そして、俺やユナと同じくネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の上にやって来た。
「おおっ! これは素晴らしい景色です! ――って」
「ば、バランスが……」
「だから言ったでしょ! 狭いって!!」
俺たち3人は、不安定な足場の上で体勢を崩す。
そのまま全員揃って落下してしまった。
ドボーンッ! という大きな水音が響く。
「見ちゃダメだよ、アイリーン。バカなパパの姿はね」
「あうー?」
「ミカ、あなたはタカシ様の娘であると同時に、私の娘でもあります。お父さんの力になれるよう、頑張って強くなるのですよ」
「きゃっきゃっ!」
ミティとアイリスの真逆の育児方針を耳にしながら、俺はゆっくりと湯に浮くのだった。
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