【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
905話 アニメの記憶
フレンダの記憶復元を試みた日から数日後――
俺は『北の練習場』にやって来ていた。
「どうしたんだ、フレンダ? こんなところに呼び出して……」
ラーグの街には、街を囲むように外壁が作られている。
出入り口は、東門、西門、南門、西門の4つだ。
東門から出ると、街の住民が所有している畑地帯が広がっている。
地脈を走る魔素の関係で一箇所にまとまって畑を作ることはできない。
そのため、それぞれの畑は少しずつ離れており、個別に魔物避けの柵が設けられている。
ニムの実家の畑もここにある。
今は、ニムの母マム、父パームス、兄サムによって管理されている。
そしてその畑地帯を真っ直ぐ進んでいくと、いくつかの村を経由してゾルフ砦へと至る。
魔物の強さはボチボチ程度だ。
それぞれの村である程度の補給や休息はできるので、極端に危険度が高いわけではない。
西門は、ご存知の通り西の森へ向かう際に通ることになる。
ラーグとリンドウを結ぶ道の安全性を確率するべく、冒険者たちが頑張っている最中だ。
魔物を一通り狩り終えたら、最低限の護衛だけで行き来できるようになるだろう。
西の森の木々を適度に伐採して街道を整備すれば、いずれはさらに利便性も増す。
南門は、通常は閉じられている。
南へしばらく進むと大きな山脈があり、たまにそこから危険な魔物が下りてくるからだ。
考え方の一つとして、日常的に冒険者が見回りをして狩るという方法もある。
だが、優先度は低い。
南門さえ閉じきっていれば、魔物は人族を見つけられず山脈に帰っていくことも多い。
わざわざ刺激する必要はないだろう。
いずれは南方面への山脈越えに挑戦することもあるかもしれない。
だが、それは今じゃない。
今はブギー頭領の監督の元、西方面への山脈越えを検討しているところだからな。
それに、ミリオンズはヤマト連邦の件も抱えているし。
あれこれ手を出しすぎるのは良くない。
そして北門。
こちらは、王都方面へ向かう際に使用される門だ。
東西南北の中で、最も交通量が多い。
そのため魔物も優先的に討伐されており、北門から出てすぐの『北の草原』にはファイティングドッグぐらいしか出現しない。
初級冒険者向けの狩り場となっている。
俺も駆け出し冒険者の頃にはお世話になったものだ。
俺やニムの土魔法で整備した『北の練習場』もここにある。
かつてハイブリッジ杯を開催したのもここだな。
定期的に整備しており、その度に少しずつ拡大しゴージャスになっている。
いくつかの区画があって、俺とフレンダはその内の1つを使用している感じだ。
別の区画では、初級冒険者らしき者たちが利用しているのが見える。
「あは~。フレンダちゃんの記憶を取り戻すために協力してよ~」
フレンダが間延びした声でそう言う。
彼女の口調や一人称も安定しないよな。
シリアスな局面では、間延びした口調がなくなり、一人称が『私』になることが多いようだが。
元は地球人な疑惑があるし、ひょっとするとキャラを作っているのかもしれない。
いわゆる厨二病か?
「もちろん協力するとも。確か、あれからいくつかの記憶が戻ったのだったか?」
「うん。と言っても、家族とか日常の記憶じゃないんだけどね。戻ったのは、アニメの記憶だけだよ」
「ああ、それは聞いた。それで、どこまで思い出せたんだ?」
「えっと……タカシちゃんって、『狩人×狩人』とか『赤ずきん茶々丸』って知ってる?」
「もちろん知っているとも。俺もよく見ていたよ。まぁ、俺はアニメよりもマンガの方が好きだったけどな」
アニメ、マンガ、ラノベ。
非オタの一般人からすれば、似たようなものかもしれない。
実際、この3つのどれかが好きな人は、他の2つもある程度好きなことが多いだろう。
しかしそれでも、多少の傾向はある。
俺は特にマンガが好きだった。
ま、このあたりは個人の趣味嗜好なので、深くは突っ込まないが……。
「フレンダちゃんは、その二つのアニメが好きだった気がするんだよねぇ」
「へぇ」
「でもね、かなりあやふやな記憶なんだ。タカシちゃんも知っているなら、それがどんなものだったのか教えてほしいかなって……」
「うむ。いいぞ」
俺は快く了承する。
アニメにはあまり詳しくないが、有名な『狩人×狩人』や『赤ずきん茶々丸』ぐらいは知っている。
マンガが原作だしな。
「偉大な『狩人』がいて、主人公はその息子で――」
俺はそれらの作品の内容をフレンダと共有していく。
そして、二つ目の作品の説明を終えたときだった。
「う……?」
フレンダが頭を押さえたのだ。
「また頭痛か? 今日はこれぐらいにしておくか……」
失った記憶を急に思い出そうとすると、負荷が大きいとサリエが言っていた。
無理は禁物だ。
「ううん、まだ大丈夫。それよりも、また別のアニメを思い出したんだけど……。タカシちゃん、知ってるかな?」
「どんなアニメなんだ?」
「ええっとね。青色のタヌキ型ロボットが活躍する物語なんだけど……」
「銅鑼えもんじゃないか!」
思わず叫んでしまった。
国民的アニメの一つだろう!
ここを基点に、記憶復元をさらに一歩進めたいところだが……。
俺は『北の練習場』にやって来ていた。
「どうしたんだ、フレンダ? こんなところに呼び出して……」
ラーグの街には、街を囲むように外壁が作られている。
出入り口は、東門、西門、南門、西門の4つだ。
東門から出ると、街の住民が所有している畑地帯が広がっている。
地脈を走る魔素の関係で一箇所にまとまって畑を作ることはできない。
そのため、それぞれの畑は少しずつ離れており、個別に魔物避けの柵が設けられている。
ニムの実家の畑もここにある。
今は、ニムの母マム、父パームス、兄サムによって管理されている。
そしてその畑地帯を真っ直ぐ進んでいくと、いくつかの村を経由してゾルフ砦へと至る。
魔物の強さはボチボチ程度だ。
それぞれの村である程度の補給や休息はできるので、極端に危険度が高いわけではない。
西門は、ご存知の通り西の森へ向かう際に通ることになる。
ラーグとリンドウを結ぶ道の安全性を確率するべく、冒険者たちが頑張っている最中だ。
魔物を一通り狩り終えたら、最低限の護衛だけで行き来できるようになるだろう。
西の森の木々を適度に伐採して街道を整備すれば、いずれはさらに利便性も増す。
南門は、通常は閉じられている。
南へしばらく進むと大きな山脈があり、たまにそこから危険な魔物が下りてくるからだ。
考え方の一つとして、日常的に冒険者が見回りをして狩るという方法もある。
だが、優先度は低い。
南門さえ閉じきっていれば、魔物は人族を見つけられず山脈に帰っていくことも多い。
わざわざ刺激する必要はないだろう。
いずれは南方面への山脈越えに挑戦することもあるかもしれない。
だが、それは今じゃない。
今はブギー頭領の監督の元、西方面への山脈越えを検討しているところだからな。
それに、ミリオンズはヤマト連邦の件も抱えているし。
あれこれ手を出しすぎるのは良くない。
そして北門。
こちらは、王都方面へ向かう際に使用される門だ。
東西南北の中で、最も交通量が多い。
そのため魔物も優先的に討伐されており、北門から出てすぐの『北の草原』にはファイティングドッグぐらいしか出現しない。
初級冒険者向けの狩り場となっている。
俺も駆け出し冒険者の頃にはお世話になったものだ。
俺やニムの土魔法で整備した『北の練習場』もここにある。
かつてハイブリッジ杯を開催したのもここだな。
定期的に整備しており、その度に少しずつ拡大しゴージャスになっている。
いくつかの区画があって、俺とフレンダはその内の1つを使用している感じだ。
別の区画では、初級冒険者らしき者たちが利用しているのが見える。
「あは~。フレンダちゃんの記憶を取り戻すために協力してよ~」
フレンダが間延びした声でそう言う。
彼女の口調や一人称も安定しないよな。
シリアスな局面では、間延びした口調がなくなり、一人称が『私』になることが多いようだが。
元は地球人な疑惑があるし、ひょっとするとキャラを作っているのかもしれない。
いわゆる厨二病か?
「もちろん協力するとも。確か、あれからいくつかの記憶が戻ったのだったか?」
「うん。と言っても、家族とか日常の記憶じゃないんだけどね。戻ったのは、アニメの記憶だけだよ」
「ああ、それは聞いた。それで、どこまで思い出せたんだ?」
「えっと……タカシちゃんって、『狩人×狩人』とか『赤ずきん茶々丸』って知ってる?」
「もちろん知っているとも。俺もよく見ていたよ。まぁ、俺はアニメよりもマンガの方が好きだったけどな」
アニメ、マンガ、ラノベ。
非オタの一般人からすれば、似たようなものかもしれない。
実際、この3つのどれかが好きな人は、他の2つもある程度好きなことが多いだろう。
しかしそれでも、多少の傾向はある。
俺は特にマンガが好きだった。
ま、このあたりは個人の趣味嗜好なので、深くは突っ込まないが……。
「フレンダちゃんは、その二つのアニメが好きだった気がするんだよねぇ」
「へぇ」
「でもね、かなりあやふやな記憶なんだ。タカシちゃんも知っているなら、それがどんなものだったのか教えてほしいかなって……」
「うむ。いいぞ」
俺は快く了承する。
アニメにはあまり詳しくないが、有名な『狩人×狩人』や『赤ずきん茶々丸』ぐらいは知っている。
マンガが原作だしな。
「偉大な『狩人』がいて、主人公はその息子で――」
俺はそれらの作品の内容をフレンダと共有していく。
そして、二つ目の作品の説明を終えたときだった。
「う……?」
フレンダが頭を押さえたのだ。
「また頭痛か? 今日はこれぐらいにしておくか……」
失った記憶を急に思い出そうとすると、負荷が大きいとサリエが言っていた。
無理は禁物だ。
「ううん、まだ大丈夫。それよりも、また別のアニメを思い出したんだけど……。タカシちゃん、知ってるかな?」
「どんなアニメなんだ?」
「ええっとね。青色のタヌキ型ロボットが活躍する物語なんだけど……」
「銅鑼えもんじゃないか!」
思わず叫んでしまった。
国民的アニメの一つだろう!
ここを基点に、記憶復元をさらに一歩進めたいところだが……。
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