【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
899話 フレンダと合流
「ふぅ……。ここまで来れば大丈夫か?」
「はい。フレンダ姉さんの奥の手も、ここまでは届かないはずです」
俺の問いに、フレンダの取り巻きが答える。
「それにしても……。彼女の奥の手とやらは、それほどの大技なのか?」
「えぇ。少なくとも、私には真似できません」
「フレンダ姉さんは天才なんです。素性はよく知らないのですが……」
「そこを詳しく」
俺の言葉を受け、取り巻き二人がフレンダとの過去を話し始める。
それは少し意外な内容だった。
冒険者としては、フレンダの方が経験年数が下だったらしい。
数年前、彼女たち二人は森で倒れていたフレンダを介抱した。
記憶喪失になっていたフレンダだが、戦闘能力が高いことが発覚。
その後、彼女はトントン拍子にランクを上げる。
元々年齢的にはフレンダの方が上だったこともあり、彼女がパーティリーダーを務めるようになったとか。
「記憶喪失で森に行き倒れ? 数年前って、具体的にはいつだ?」
「ええっと……。確か、4~5年ほど前だったと思います」
「ふむ……」
俺がこの世界に転移してきたのは、1001年の4月1日だ。
今は1003年の11月。
フレンダの記憶喪失事件は、俺がこの世界に来る前の話か。
結構長いこと記憶が失われているんだな。
彼女も『家族と会いたい』と言っていたし、俺に手伝えることがあればいいんだが。
とりあえず、街に帰ったらサリエやアイリスと共に治療魔法を試してみよう。
モニカの母ナーティアやニムの父パームスの記憶喪失を治療したこともあるしな。
まぁ、100パーセント成功するわけではないのだが……。
俺がそんなことを考えているときだった。
ピカッ!
ズシン!!
強烈な光が視界を奪ったと思った瞬間、俺の体がズシリと重くなった。
「なんだ!?」
俺は突然の出来事に混乱する。
周囲を見ると、取り巻き二人は冷静だった。
「これがフレンダ姉さんの奥の手です」
「フレンダ姉さん流に言えば、『必殺技』ですね」
「必殺技だとっ!」
思わぬ言葉の登場に、俺は胸が踊った。
剣と魔法が活躍するファンタジーなこの世界。
攻撃する際に技名や魔法名を叫ぶ文化もある。
だが、必殺技という単語が人から出たことは初めてな気がする。
必ず殺す技――『必殺技』。
それはとても、男心をくすぐる言葉だ。
「はい。その効力は――おっと、いけません。パーティ外には秘密なのでした」
「そうだね。これは私たちだけの機密事項だよ」
「おいっ!!」
俺の突っ込みを無視し、二人は光源の方を見ている。
貴族である俺に歯向かうとは、いい度胸じゃねぇか。
身分差を利用すれば、お前たちを手籠にすることも可能なんだぞ。
いやまぁ、それをやるといろんな人からの忠義度が下がりそうだからやらんけど。
やらないけどぉ。
「そろそろ終わったみたいですね」
「戻りましょうか」
取り巻き二人がそう言う。
確かに、光は収まっているし、重くなった自分の体も元通りになっている。
「うむ」
俺は無視されたという精神的なダメージを引きずりながら、二人に付いていく。
すると、そこには驚くべき光景が広がっていた。
「な、なんじゃこりゃあああっ!!!!」
思わず叫んでしまった。
周囲の木々が薙ぎ倒され、地面が陥没している。
「はい。フレンダ姉さんの必殺技が発動しましたね」
「あれが直撃したらと思うとゾッとしません」
「はぁ……マジかよ……」
とんでもない威力だ。
凄まじい自然破壊っぷりである。
まぁ、魔物討伐の方が優先度が高いので、別に構わないのだが……。
「あは~。タカシちゃん、どう? 驚いた?」
大破壊された自然の中から、フレンダが現れる。
ブラックタイガーと激しい戦闘を繰り広げたため、全身傷だらけだ。
それに、彼女がブチ切れる原因となった左腕も折れたままである。
だが、見たところ俺が撤退したときから新しい傷は増えていない。
どうやら、必殺技を発動したあとは一方的な展開だったようだ。
「ああ。凄い威力だな」
俺は素直に感想を述べる。
「でしょ~。フレンダちゃんのとっておきだからね~」
「だが、よくもこれほどの威力の攻撃ができるな。MPは大丈夫なのか?」
「えっと、実は~」
彼女はそこまで言うと、俺に向かって倒れ込んできた。
「お、おい!」
慌てて受け止める。
「あは~……。実は限界なんだよね~……」
「よく頑張ってくれたな。フレンダのおかげで、この森での狩りも捗っていく。ありがとう」
今は、西の森の魔物の掃討作戦を決行中である。
雪月花、トミー、アラン、その他の冒険者たちも頑張ってくれているはずだ。
このブラックタイガーが俺やフレンダ以外の冒険者に遭遇していたら、マズかったかもしれない。
「んふふ~。もっと褒めていいよ~」
「よしよし。いい子だな」
俺は彼女の頭を撫でた。
「えへへ~」
彼女は嬉しそうにしている。
この様子なら大きな問題はなさそうだな。
あとは――
「左腕を治療してやろう。――【リカバリー】」
パァアアッ!
淡い光が彼女を覆う。
そして、次の瞬間には、綺麗さっぱりと腕が治っていた。
「わー! 凄いね! タカシちゃん、ここまでの治療魔法が使えたんだ?」
「まぁな」
「これならまたすぐに冒険者に復帰できるよ~。ありがと! ダーリン」
「ははは……」
ダーリンは勘弁してくれ……。
俺は苦笑いする。
こうして俺はフレンダと合流し、取り巻き二人と共に森を歩き始めた。
そろそろ集合時間だ。
雪月花、トミー、アラン、その他の冒険者と合流して、今日の狩りを終えるとするか。
「はい。フレンダ姉さんの奥の手も、ここまでは届かないはずです」
俺の問いに、フレンダの取り巻きが答える。
「それにしても……。彼女の奥の手とやらは、それほどの大技なのか?」
「えぇ。少なくとも、私には真似できません」
「フレンダ姉さんは天才なんです。素性はよく知らないのですが……」
「そこを詳しく」
俺の言葉を受け、取り巻き二人がフレンダとの過去を話し始める。
それは少し意外な内容だった。
冒険者としては、フレンダの方が経験年数が下だったらしい。
数年前、彼女たち二人は森で倒れていたフレンダを介抱した。
記憶喪失になっていたフレンダだが、戦闘能力が高いことが発覚。
その後、彼女はトントン拍子にランクを上げる。
元々年齢的にはフレンダの方が上だったこともあり、彼女がパーティリーダーを務めるようになったとか。
「記憶喪失で森に行き倒れ? 数年前って、具体的にはいつだ?」
「ええっと……。確か、4~5年ほど前だったと思います」
「ふむ……」
俺がこの世界に転移してきたのは、1001年の4月1日だ。
今は1003年の11月。
フレンダの記憶喪失事件は、俺がこの世界に来る前の話か。
結構長いこと記憶が失われているんだな。
彼女も『家族と会いたい』と言っていたし、俺に手伝えることがあればいいんだが。
とりあえず、街に帰ったらサリエやアイリスと共に治療魔法を試してみよう。
モニカの母ナーティアやニムの父パームスの記憶喪失を治療したこともあるしな。
まぁ、100パーセント成功するわけではないのだが……。
俺がそんなことを考えているときだった。
ピカッ!
ズシン!!
強烈な光が視界を奪ったと思った瞬間、俺の体がズシリと重くなった。
「なんだ!?」
俺は突然の出来事に混乱する。
周囲を見ると、取り巻き二人は冷静だった。
「これがフレンダ姉さんの奥の手です」
「フレンダ姉さん流に言えば、『必殺技』ですね」
「必殺技だとっ!」
思わぬ言葉の登場に、俺は胸が踊った。
剣と魔法が活躍するファンタジーなこの世界。
攻撃する際に技名や魔法名を叫ぶ文化もある。
だが、必殺技という単語が人から出たことは初めてな気がする。
必ず殺す技――『必殺技』。
それはとても、男心をくすぐる言葉だ。
「はい。その効力は――おっと、いけません。パーティ外には秘密なのでした」
「そうだね。これは私たちだけの機密事項だよ」
「おいっ!!」
俺の突っ込みを無視し、二人は光源の方を見ている。
貴族である俺に歯向かうとは、いい度胸じゃねぇか。
身分差を利用すれば、お前たちを手籠にすることも可能なんだぞ。
いやまぁ、それをやるといろんな人からの忠義度が下がりそうだからやらんけど。
やらないけどぉ。
「そろそろ終わったみたいですね」
「戻りましょうか」
取り巻き二人がそう言う。
確かに、光は収まっているし、重くなった自分の体も元通りになっている。
「うむ」
俺は無視されたという精神的なダメージを引きずりながら、二人に付いていく。
すると、そこには驚くべき光景が広がっていた。
「な、なんじゃこりゃあああっ!!!!」
思わず叫んでしまった。
周囲の木々が薙ぎ倒され、地面が陥没している。
「はい。フレンダ姉さんの必殺技が発動しましたね」
「あれが直撃したらと思うとゾッとしません」
「はぁ……マジかよ……」
とんでもない威力だ。
凄まじい自然破壊っぷりである。
まぁ、魔物討伐の方が優先度が高いので、別に構わないのだが……。
「あは~。タカシちゃん、どう? 驚いた?」
大破壊された自然の中から、フレンダが現れる。
ブラックタイガーと激しい戦闘を繰り広げたため、全身傷だらけだ。
それに、彼女がブチ切れる原因となった左腕も折れたままである。
だが、見たところ俺が撤退したときから新しい傷は増えていない。
どうやら、必殺技を発動したあとは一方的な展開だったようだ。
「ああ。凄い威力だな」
俺は素直に感想を述べる。
「でしょ~。フレンダちゃんのとっておきだからね~」
「だが、よくもこれほどの威力の攻撃ができるな。MPは大丈夫なのか?」
「えっと、実は~」
彼女はそこまで言うと、俺に向かって倒れ込んできた。
「お、おい!」
慌てて受け止める。
「あは~……。実は限界なんだよね~……」
「よく頑張ってくれたな。フレンダのおかげで、この森での狩りも捗っていく。ありがとう」
今は、西の森の魔物の掃討作戦を決行中である。
雪月花、トミー、アラン、その他の冒険者たちも頑張ってくれているはずだ。
このブラックタイガーが俺やフレンダ以外の冒険者に遭遇していたら、マズかったかもしれない。
「んふふ~。もっと褒めていいよ~」
「よしよし。いい子だな」
俺は彼女の頭を撫でた。
「えへへ~」
彼女は嬉しそうにしている。
この様子なら大きな問題はなさそうだな。
あとは――
「左腕を治療してやろう。――【リカバリー】」
パァアアッ!
淡い光が彼女を覆う。
そして、次の瞬間には、綺麗さっぱりと腕が治っていた。
「わー! 凄いね! タカシちゃん、ここまでの治療魔法が使えたんだ?」
「まぁな」
「これならまたすぐに冒険者に復帰できるよ~。ありがと! ダーリン」
「ははは……」
ダーリンは勘弁してくれ……。
俺は苦笑いする。
こうして俺はフレンダと合流し、取り巻き二人と共に森を歩き始めた。
そろそろ集合時間だ。
雪月花、トミー、アラン、その他の冒険者と合流して、今日の狩りを終えるとするか。
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