【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
887話 ”魅了”のフレンダ
西の森で、冒険者たちを集めて大規模な魔物狩りを決行することになった。
今は、森の手前で待機中だ。
参加者が揃ったら代表の俺が挨拶をして、森の中に入っていく予定である。
そんな中、俺はフレンダという可愛い女性冒険者を見掛けた。
俺の言葉を拡大解釈したトミーとアランが彼女にナンパを仕掛けたのだが、別の女性冒険者たちに殴られてしまったところだ。
「な、何しやがる!?」
「くっ……! この俺の頭に、よくも……」
トミーとアランが怒声を上げて立ち上がるが、女冒険者たちは冷たい視線を向けたままだ。
「あんた、トミオだったかしら? そこそこマジメだと思っていたけれど、どうやら私の勘違いみたいね。まさか、フレンダ姉さんに手を出そうとするなんて……」
「俺はトミーだ! 取り巻きのクソ女に名前を間違えられる覚えはねぇぞ!!」
トミーとフレンダは顔見知りのようだった。
それならば当然、フレンダの取り巻きとも知り合い同士というわけか。
名前はうろ覚えのようなので、特に親しい間柄というわけでもなさそうだが。
「うるさい、死ね!」
「ぷごぉっ!?」
トミーの顔に女の右ストレートが決まる。
彼はそのまま後ろに吹っ飛ぶ。
「トミー! くそっ、テメェら! 下手に出てればいい気になりやがって……!」
「黙りなさい!」
「ぶべらっ!?」
今度はもう片方の女性から、アランの顔面に左フックが入る。
アランは地面に倒れ込んだ。
これで、トミーもアランもやられてしまったことになる。
加護(微)の恩恵を受けている彼らが負けるとは……。
この女性二人の実力はなかなか悪くない。
――いや、違うな。
彼女たちの実力は悪くないが、それ以外の要因もある。
トミーやアランが全力を出していなかったことだ。
俺は女好きだ。
滅多なことでは女性を傷つけない。
かつて敵対していた千や、盗賊団の一員であったキサラやトパーズであってもそれは同様だ。
そして、そのスタンスは配下の者たちにも伝播している。
ナンパを冷たくあしらわれた程度では、トミーやアランが女性に乱暴することはない。
二人の紳士な態度に感心した俺は、助け舟を出すことにした。
「おい、お前ら。そこまでにしておけ」
「「え?」」
俺の声を聞いた女冒険者が、驚いた表情でこちらを見た。
一方、殴られて地面を転がっていたトミーとアランは、倒れ込んだまま視線をこちらに向けている。
その視線の先は俺――ではない。
二人の女冒険者のスカートの中だ。
(二人共……ずいぶんと女好きになったなぁ……)
そう言えば、彼らに浮いた話を聞いたことがない。
冒険者として実力確かな彼らなら、家庭を持つことも可能なはずだが、
まぁ、ハイブリッジ男爵家に関係する女性に対して、俺が片っ端から手を出しているというのも大きいだろうが。
「トミーとアランは、我がハイブリッジ男爵家が重用している有望な冒険者だ。彼らに文句があるのであれば、俺が聞いてやろう。ほら、言いたいことがあるなら言ってみろ」
「ひ……。いえ、その……」
「す、すみませんでした……」
俺の言葉を聞いて、二人の女冒険者は慌てて頭を下げてきた。
かなり怯えている様子だ。
しまったな……。
ここまで脅すつもりはなかったんだが。
「あは~。フレンダちゃんのお友だちを虐めないでほしいんだけど~」
二人の女冒険者を庇うように、フレンダが割って入ってきた。
彼女は”魅了”の二つ名を持つBランク冒険者だ。
ラスターレイン伯爵領の一件では、たくさんの男冒険者に指示を出してミリオンズに攻撃を仕掛けさせた張本人でもある。
この様子だと、普段はこの三人でパーティを組んでいるのだろう。
「お前はフレンダだったな? 虐めるも何も、先に手を出してきたのはお前の仲間だったろうが」
「それはそうだけど~。先に絡んできたのはそっちでしょ~。この辺で、許してあげてほしいな~」
……ふむ。
まぁ、元よりトミーとアランの早とちりから起きた諍いだ。
どちらかと言えば、こちらが頭を下げるべき事案のようにも思える。
だが、彼らはあくまで俺のために行動してくれたのだ。
彼らの非を簡単に認めて謝罪してしまっては、彼らに申し訳ない。
これが配下同士の諍いであれば、公平で公正な審判を下すところだ。
しかし、トミーとアランは俺の配下であり、フレンダたちはそうではない。
申し訳ないが、多少のえこひいきはある。
ここは、少し強気に出てみよう。
「簡単に許すことはできんな。繰り返すが、トミーとアランはハイブリッジ男爵家にとって貴重な人材だ。それを一方的に殴るなど、許されることじゃない」
「む~」
俺の言葉を聞いて、フレンダは困ったような表情を浮かべる。
抜群の容姿を持つ彼女には、そういった表情もよく似合う。
「じゃ、これで許してよ~。……ちゅっ」
フレンダが、俺の頬にキスをした。
「……」
予想外の出来事に、俺は固まってしまう。
すると、フレンダは悪戯っぽい笑みを見せた。
「あは~。これでタカシちゃんもフレンダちゃんの虜になっちゃうね~」
「……ほう」
俺も舐められたものだな。
ただのキス、それも頬への口づけ程度で俺が心を揺るがすとでも思ったのか。
確かに彼女のことは気に入っている。
魅力的だし、俺のハーレムメンバーの一人になってくれれば嬉しいとも思っている。
だが、だからと言って、こんなことで心を動かされたりはしないぞ!
俺は責任感に溢れた誇り高き貴族家の当主なのだ!!
「……分かった、許そう」
あれぇ?
思いとは裏腹に、口が勝手に動いてしまった。
「あは~。フレンダちゃんの”魅了”に掛かれば、こんなものだよね~。タカシちゃん、ついでにお小遣いでもくれないかな~? 金貨100枚ぐらいでいいよ~」
フレンダがそんなことを言ってくる。
調子に乗っているなぁ。
俺は金銭的に余裕があるが、だからと言って配下でもない一冒険者にホイホイと金を渡すわけにはいかない。
「……分かった。渡そう――いや! ダメだダメだ! 金が欲しければ、今回の狩りで頑張ることだ!」
危ねぇ。
また口が勝手に動くところだった。
鋼の意思で、なんとか修正する。
「あは~。やっぱり面白い男だね~。わざわざ来た甲斐があったよ~」
「む? それはどういう――」
「じゃ、二人共いくよ~。タカシちゃんの言う通り、狩りをがんばろうね~」
俺の言葉を無視し、フレンダたちは去って行った。
……一体なんだったんだろう?
やはりBランク冒険者だけあり、底が知れないな。
少し気味が悪いが、上手く扱えばハイブリッジ男爵領にとって有益な働きも見せてくれるだろう。
さて。
こんな会話をしている間にも、狩りの参加者たちがこの場に集結しつつある。
そろそろ代表者として挨拶をして、狩りを開始してもらうことにするか。
今は、森の手前で待機中だ。
参加者が揃ったら代表の俺が挨拶をして、森の中に入っていく予定である。
そんな中、俺はフレンダという可愛い女性冒険者を見掛けた。
俺の言葉を拡大解釈したトミーとアランが彼女にナンパを仕掛けたのだが、別の女性冒険者たちに殴られてしまったところだ。
「な、何しやがる!?」
「くっ……! この俺の頭に、よくも……」
トミーとアランが怒声を上げて立ち上がるが、女冒険者たちは冷たい視線を向けたままだ。
「あんた、トミオだったかしら? そこそこマジメだと思っていたけれど、どうやら私の勘違いみたいね。まさか、フレンダ姉さんに手を出そうとするなんて……」
「俺はトミーだ! 取り巻きのクソ女に名前を間違えられる覚えはねぇぞ!!」
トミーとフレンダは顔見知りのようだった。
それならば当然、フレンダの取り巻きとも知り合い同士というわけか。
名前はうろ覚えのようなので、特に親しい間柄というわけでもなさそうだが。
「うるさい、死ね!」
「ぷごぉっ!?」
トミーの顔に女の右ストレートが決まる。
彼はそのまま後ろに吹っ飛ぶ。
「トミー! くそっ、テメェら! 下手に出てればいい気になりやがって……!」
「黙りなさい!」
「ぶべらっ!?」
今度はもう片方の女性から、アランの顔面に左フックが入る。
アランは地面に倒れ込んだ。
これで、トミーもアランもやられてしまったことになる。
加護(微)の恩恵を受けている彼らが負けるとは……。
この女性二人の実力はなかなか悪くない。
――いや、違うな。
彼女たちの実力は悪くないが、それ以外の要因もある。
トミーやアランが全力を出していなかったことだ。
俺は女好きだ。
滅多なことでは女性を傷つけない。
かつて敵対していた千や、盗賊団の一員であったキサラやトパーズであってもそれは同様だ。
そして、そのスタンスは配下の者たちにも伝播している。
ナンパを冷たくあしらわれた程度では、トミーやアランが女性に乱暴することはない。
二人の紳士な態度に感心した俺は、助け舟を出すことにした。
「おい、お前ら。そこまでにしておけ」
「「え?」」
俺の声を聞いた女冒険者が、驚いた表情でこちらを見た。
一方、殴られて地面を転がっていたトミーとアランは、倒れ込んだまま視線をこちらに向けている。
その視線の先は俺――ではない。
二人の女冒険者のスカートの中だ。
(二人共……ずいぶんと女好きになったなぁ……)
そう言えば、彼らに浮いた話を聞いたことがない。
冒険者として実力確かな彼らなら、家庭を持つことも可能なはずだが、
まぁ、ハイブリッジ男爵家に関係する女性に対して、俺が片っ端から手を出しているというのも大きいだろうが。
「トミーとアランは、我がハイブリッジ男爵家が重用している有望な冒険者だ。彼らに文句があるのであれば、俺が聞いてやろう。ほら、言いたいことがあるなら言ってみろ」
「ひ……。いえ、その……」
「す、すみませんでした……」
俺の言葉を聞いて、二人の女冒険者は慌てて頭を下げてきた。
かなり怯えている様子だ。
しまったな……。
ここまで脅すつもりはなかったんだが。
「あは~。フレンダちゃんのお友だちを虐めないでほしいんだけど~」
二人の女冒険者を庇うように、フレンダが割って入ってきた。
彼女は”魅了”の二つ名を持つBランク冒険者だ。
ラスターレイン伯爵領の一件では、たくさんの男冒険者に指示を出してミリオンズに攻撃を仕掛けさせた張本人でもある。
この様子だと、普段はこの三人でパーティを組んでいるのだろう。
「お前はフレンダだったな? 虐めるも何も、先に手を出してきたのはお前の仲間だったろうが」
「それはそうだけど~。先に絡んできたのはそっちでしょ~。この辺で、許してあげてほしいな~」
……ふむ。
まぁ、元よりトミーとアランの早とちりから起きた諍いだ。
どちらかと言えば、こちらが頭を下げるべき事案のようにも思える。
だが、彼らはあくまで俺のために行動してくれたのだ。
彼らの非を簡単に認めて謝罪してしまっては、彼らに申し訳ない。
これが配下同士の諍いであれば、公平で公正な審判を下すところだ。
しかし、トミーとアランは俺の配下であり、フレンダたちはそうではない。
申し訳ないが、多少のえこひいきはある。
ここは、少し強気に出てみよう。
「簡単に許すことはできんな。繰り返すが、トミーとアランはハイブリッジ男爵家にとって貴重な人材だ。それを一方的に殴るなど、許されることじゃない」
「む~」
俺の言葉を聞いて、フレンダは困ったような表情を浮かべる。
抜群の容姿を持つ彼女には、そういった表情もよく似合う。
「じゃ、これで許してよ~。……ちゅっ」
フレンダが、俺の頬にキスをした。
「……」
予想外の出来事に、俺は固まってしまう。
すると、フレンダは悪戯っぽい笑みを見せた。
「あは~。これでタカシちゃんもフレンダちゃんの虜になっちゃうね~」
「……ほう」
俺も舐められたものだな。
ただのキス、それも頬への口づけ程度で俺が心を揺るがすとでも思ったのか。
確かに彼女のことは気に入っている。
魅力的だし、俺のハーレムメンバーの一人になってくれれば嬉しいとも思っている。
だが、だからと言って、こんなことで心を動かされたりはしないぞ!
俺は責任感に溢れた誇り高き貴族家の当主なのだ!!
「……分かった、許そう」
あれぇ?
思いとは裏腹に、口が勝手に動いてしまった。
「あは~。フレンダちゃんの”魅了”に掛かれば、こんなものだよね~。タカシちゃん、ついでにお小遣いでもくれないかな~? 金貨100枚ぐらいでいいよ~」
フレンダがそんなことを言ってくる。
調子に乗っているなぁ。
俺は金銭的に余裕があるが、だからと言って配下でもない一冒険者にホイホイと金を渡すわけにはいかない。
「……分かった。渡そう――いや! ダメだダメだ! 金が欲しければ、今回の狩りで頑張ることだ!」
危ねぇ。
また口が勝手に動くところだった。
鋼の意思で、なんとか修正する。
「あは~。やっぱり面白い男だね~。わざわざ来た甲斐があったよ~」
「む? それはどういう――」
「じゃ、二人共いくよ~。タカシちゃんの言う通り、狩りをがんばろうね~」
俺の言葉を無視し、フレンダたちは去って行った。
……一体なんだったんだろう?
やはりBランク冒険者だけあり、底が知れないな。
少し気味が悪いが、上手く扱えばハイブリッジ男爵領にとって有益な働きも見せてくれるだろう。
さて。
こんな会話をしている間にも、狩りの参加者たちがこの場に集結しつつある。
そろそろ代表者として挨拶をして、狩りを開始してもらうことにするか。
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