【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
886話 大規模な魔物狩り
聖樹の件から数日が経過した。
俺の悪評は残念ながら広まってしまったが、同時に畏敬の念も広がっているらしい。
忠義度としては、プラマイゼロか、むしろ少しだけプラスになったぐらいだろうか。
まぁ、この件は忘れてしまうことにしよう。
聖樹や外壁の件は、ハイブリッジ男爵領防衛大臣のニムに引き継いだ。
彼女に任せておけば、いい感じに管理してくれるだろう。
「俺の本領は”こっち”だ。久しぶりに冒険者らしい活動ができる」
俺は今、西の森の手前にまでやって来ていた。
目の前には、たくさんの冒険者たちがいる。
今日は、西の森で大規模な魔物狩りを決行するのだ。
冒険者の活動は多岐にわたる。
魔物狩り、隊商の護衛、薬草の採取、未知のダンジョンの探索、盗賊退治などだ。
その中で最も一般的な活動は、魔物狩りである。
ここ最近の俺は、領主としての仕事に注力しており、冒険者らしい冒険者活動はあまり行なってこなかった。
本来の俺の得意分野で、迷走気味の俺の評価を挽回させてもらおう。
「ハイブリッジ男爵、今日はよろしく頼むわよ」
「ああ、任せておけ。お前たち雪月花には、特に期待しているからな」
俺は月にそう声を掛ける。
彼女の両隣には、雪と花もいる。
実力確かなCランクパーティとして、今回の大規模な魔物狩りでも活躍してくれるだろう。
「あは~。ここが今回の狩り場なんだね~」
間延びした口調で話す女性は、花――ではない。
雰囲気は似ているのだが、声質が違う。
こっちの方が若干高いのだ。
いわゆる萌え声とでも言うのだろうか。
しかし一方で、年齢は花よりも彼女の方が上である。
彼女はBランク冒険者、フレンダ=ハートフィールド。
ラスターレイン伯爵領で会ったことがある。
アヴァロン迷宮の攻略に向けた選別試験で俺たちミリオンズと対峙し、アイリスの五光一閃で早々に退場してもらったのだったか。
「相変わらず可愛いな……」
俺は思わずそう呟く。
雪月花もミリオンズのみんなも可愛いし、魅力的だ。
しかし、このフレンダの可愛らしさは方向性が違う。
なんというか、アニメや漫画の世界から飛び出してきたかのような雰囲気なのだ。
「ん? どうかしましたかい? タカシの旦那」
「何かありましたら、何なりと俺に言ってください。我が神よ!」
トミーとアランが俺に近寄ってきて、そんなことを言ってくる。
実力確かな彼らも、今回の狩りにもちろん参加する。
「ああ、いや……。あそこにいる女性が可愛いと思ってな……」
俺は視線を二人から外して、フレンダの方へ向ける。
すると、トミーが言った。
「”魅了”のフレンダですか。確かに見た目は良いですけどねぇ……」
「我が神がお気に召されたのであれば、俺が彼女と交渉して参りましょう! いくぞ、トミー!」
「おいおい、ちょっと待てって……」
俺は慌てて制止する。
だが、彼らは既にフレンダの元へと向かっていた。
なんだか、俺が彼らをけしかけてナンパさせたみたいにならないか?
「ヘイ! そこのイカした彼女ォ!!」
「俺たちといっしょに、イカすパーティを組まないかい?」
トミーとアランがフレンダに話しかけると、彼女は振り返った。
「あは~。それってフレンダちゃんに言っているの~?」
「もちろんさァ!! キミ以外に誰がいるんだい!?」
「偉大な御方がキミを気に入っているのでねェ! 俺たちが声を掛けに来たのさァ!」
ナンパ下手くそか?
こんな言葉で女性がなびくとは思えない。
まぁ、俺が言えたことではないが。
俺はナンパ経験なんてないし。
「あは~。まだ”魅了”もしていないのに、こんなにアプローチされるなんてね~。どうしよっかな~」
意外にも、フレンダは検討してくれているようだ。
これはワンチャンあるか?
配下の者にナンパさせて、成果だけを横取りする領主……。
ダメすぎる気もするが、細かいことを気にするのは後でいい。
「さァさァ! もったいぶるなよ!」
「早く向こうに――ん?」
急かすトミーとアランのそれぞれの肩に、背後から何者かの手が置かれた。
「フレンダ姉さんに何か用かしら?」
「聞くまでもありません。ゲスな男どもは、即刻立ち去りなさい」
それは二人の女冒険者だった。
二人共、トミーとアランをゴミを見るような目つきで睨んでいた。
トミーは苦笑いを浮かべて言う。
「お、おう……お前らはフレンダのパーティメンバーだったか? まだ組んでいたんだな……」
トミーはフレンダたちと多少の面識があるようだ。
まぁ、彼はラスターレイン伯爵領での一件があった時点で、Cランク冒険者だったしな。
冒険者同士の繋がりもそれなりに持っているのだろう。
「何をビビってんだよ、トミー。ちょうどいいじゃねぇか。フレンダとやらにこの二人も加えて、まとめて我が神に献上しようぜ」
アランはニヤリと笑ってそう言った。
あいつは、こういうイキリチンピラみたいな言動が良くも悪くも似合う。
昇格間近とはいえ、まだDランクだろうに。
CランクのトミーやBランクのフレンダに物怖じしていない。
しかしそれにしても、”献上”なんて言葉遣いはマズイ気もするが。
「オラ、こっちに来いよ!」
「お、おい! そいつらに手を出すと――」
強硬手段に出ようとするアランをトミーが止めようとした瞬間、彼らの頭上に拳が振り下ろされた。
ゴンッという音を立てて、二人が怯む。
「ぐっ!? いてぇ……!」
「…………」
拳の主は、二人の女冒険者だ。
Cランクくらいか?
悪くない腕をしている。
Bランクのフレンダとパーティを組んでいるだけはあるな。
トミーはかろうじて闘気で防御したようだが、アランはモロにくらっていた。
「フレンダ姉さんに手を出してんじゃねえわよ、クソ野郎。死にたいの?」
「あなたたちのようなゲスは、フレンダ姉さんの視界に入れることすら許されません。消えてください」
二人はフレンダを守るかのような位置に立ち、トミーとアランを威圧しているのだった。
俺の悪評は残念ながら広まってしまったが、同時に畏敬の念も広がっているらしい。
忠義度としては、プラマイゼロか、むしろ少しだけプラスになったぐらいだろうか。
まぁ、この件は忘れてしまうことにしよう。
聖樹や外壁の件は、ハイブリッジ男爵領防衛大臣のニムに引き継いだ。
彼女に任せておけば、いい感じに管理してくれるだろう。
「俺の本領は”こっち”だ。久しぶりに冒険者らしい活動ができる」
俺は今、西の森の手前にまでやって来ていた。
目の前には、たくさんの冒険者たちがいる。
今日は、西の森で大規模な魔物狩りを決行するのだ。
冒険者の活動は多岐にわたる。
魔物狩り、隊商の護衛、薬草の採取、未知のダンジョンの探索、盗賊退治などだ。
その中で最も一般的な活動は、魔物狩りである。
ここ最近の俺は、領主としての仕事に注力しており、冒険者らしい冒険者活動はあまり行なってこなかった。
本来の俺の得意分野で、迷走気味の俺の評価を挽回させてもらおう。
「ハイブリッジ男爵、今日はよろしく頼むわよ」
「ああ、任せておけ。お前たち雪月花には、特に期待しているからな」
俺は月にそう声を掛ける。
彼女の両隣には、雪と花もいる。
実力確かなCランクパーティとして、今回の大規模な魔物狩りでも活躍してくれるだろう。
「あは~。ここが今回の狩り場なんだね~」
間延びした口調で話す女性は、花――ではない。
雰囲気は似ているのだが、声質が違う。
こっちの方が若干高いのだ。
いわゆる萌え声とでも言うのだろうか。
しかし一方で、年齢は花よりも彼女の方が上である。
彼女はBランク冒険者、フレンダ=ハートフィールド。
ラスターレイン伯爵領で会ったことがある。
アヴァロン迷宮の攻略に向けた選別試験で俺たちミリオンズと対峙し、アイリスの五光一閃で早々に退場してもらったのだったか。
「相変わらず可愛いな……」
俺は思わずそう呟く。
雪月花もミリオンズのみんなも可愛いし、魅力的だ。
しかし、このフレンダの可愛らしさは方向性が違う。
なんというか、アニメや漫画の世界から飛び出してきたかのような雰囲気なのだ。
「ん? どうかしましたかい? タカシの旦那」
「何かありましたら、何なりと俺に言ってください。我が神よ!」
トミーとアランが俺に近寄ってきて、そんなことを言ってくる。
実力確かな彼らも、今回の狩りにもちろん参加する。
「ああ、いや……。あそこにいる女性が可愛いと思ってな……」
俺は視線を二人から外して、フレンダの方へ向ける。
すると、トミーが言った。
「”魅了”のフレンダですか。確かに見た目は良いですけどねぇ……」
「我が神がお気に召されたのであれば、俺が彼女と交渉して参りましょう! いくぞ、トミー!」
「おいおい、ちょっと待てって……」
俺は慌てて制止する。
だが、彼らは既にフレンダの元へと向かっていた。
なんだか、俺が彼らをけしかけてナンパさせたみたいにならないか?
「ヘイ! そこのイカした彼女ォ!!」
「俺たちといっしょに、イカすパーティを組まないかい?」
トミーとアランがフレンダに話しかけると、彼女は振り返った。
「あは~。それってフレンダちゃんに言っているの~?」
「もちろんさァ!! キミ以外に誰がいるんだい!?」
「偉大な御方がキミを気に入っているのでねェ! 俺たちが声を掛けに来たのさァ!」
ナンパ下手くそか?
こんな言葉で女性がなびくとは思えない。
まぁ、俺が言えたことではないが。
俺はナンパ経験なんてないし。
「あは~。まだ”魅了”もしていないのに、こんなにアプローチされるなんてね~。どうしよっかな~」
意外にも、フレンダは検討してくれているようだ。
これはワンチャンあるか?
配下の者にナンパさせて、成果だけを横取りする領主……。
ダメすぎる気もするが、細かいことを気にするのは後でいい。
「さァさァ! もったいぶるなよ!」
「早く向こうに――ん?」
急かすトミーとアランのそれぞれの肩に、背後から何者かの手が置かれた。
「フレンダ姉さんに何か用かしら?」
「聞くまでもありません。ゲスな男どもは、即刻立ち去りなさい」
それは二人の女冒険者だった。
二人共、トミーとアランをゴミを見るような目つきで睨んでいた。
トミーは苦笑いを浮かべて言う。
「お、おう……お前らはフレンダのパーティメンバーだったか? まだ組んでいたんだな……」
トミーはフレンダたちと多少の面識があるようだ。
まぁ、彼はラスターレイン伯爵領での一件があった時点で、Cランク冒険者だったしな。
冒険者同士の繋がりもそれなりに持っているのだろう。
「何をビビってんだよ、トミー。ちょうどいいじゃねぇか。フレンダとやらにこの二人も加えて、まとめて我が神に献上しようぜ」
アランはニヤリと笑ってそう言った。
あいつは、こういうイキリチンピラみたいな言動が良くも悪くも似合う。
昇格間近とはいえ、まだDランクだろうに。
CランクのトミーやBランクのフレンダに物怖じしていない。
しかしそれにしても、”献上”なんて言葉遣いはマズイ気もするが。
「オラ、こっちに来いよ!」
「お、おい! そいつらに手を出すと――」
強硬手段に出ようとするアランをトミーが止めようとした瞬間、彼らの頭上に拳が振り下ろされた。
ゴンッという音を立てて、二人が怯む。
「ぐっ!? いてぇ……!」
「…………」
拳の主は、二人の女冒険者だ。
Cランクくらいか?
悪くない腕をしている。
Bランクのフレンダとパーティを組んでいるだけはあるな。
トミーはかろうじて闘気で防御したようだが、アランはモロにくらっていた。
「フレンダ姉さんに手を出してんじゃねえわよ、クソ野郎。死にたいの?」
「あなたたちのようなゲスは、フレンダ姉さんの視界に入れることすら許されません。消えてください」
二人はフレンダを守るかのような位置に立ち、トミーとアランを威圧しているのだった。
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