【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

879話 大頭領の手腕

「そっちの人は、まだ何か企んでいるんじゃないですか? こっちの脳筋みたいな人より、そっちの腹黒そうな人の方が危険だと思います!」

 ケフィがそう主張する。
 脳筋キサラと腹黒トパーズか。
 言い得て妙だな。
 ケフィはなかなかに人を見る目がある。
 確かに、長期的な危険度としてはトパーズの方が上かもしれない。

「あなた、一体何者なんですか?」

「私の名はトパーズ。男爵様に忠誠を誓い、こちらのリンドウの街の酒場で働くことになりました」

「嘘です! あなたみたいな腹黒女が、酒場なんかで大人しく働くわけがありません!」

 ケフィは頑ななようだ。
 まぁ、彼女の意見ももっともだ。
 俺もトパーズの本性は掴みきれていない。
 だが、忠義度は結構高いし、裏切る危険性は低いように思える。
 というかむしろ、俺に対する忠義度だけならケフィよりもトパーズの方が上だし。

 微妙なところだよな。
 ケフィは、根がいかにもマジメそうな少女だ。
 この採掘場で働きだして半年近くになる。
 ブギー頭領たちとも上手くやっており、この職場に対する愛着は強そうだ。

 一方のトパーズは、元盗賊でいかにも腹黒そうな女性である。
 この採掘場においては新人だ。
 俺に対して高い忠義度を持っているのは『加護付与』スキルにより把握している。
 ただし、採掘場という職場に対しての愛着はまだゼロに等しいだろう。
 ケフィから見れば、トパーズは信用ならない人物に見えるに違いない。

「ふむ。では、これならどうだ?」

「なっ!?」

「ひゃんっ!?」

 キサラとトパーズが声を上げる。
 俺は左手でキサラを、右手でトパーズを抱きしめたのだ。

 二人とも素晴らしい体つきをしている。
 キサラは、スレンダーで引き締まった体型。
 一方、トパーズは胸も尻も大きい。
 どちらも魅力的な体だ。

「ど、どういうつもりだよ?」

「ちょ、ちょっと男爵様!?」

 キサラとトパーズの声が重なる。
 俺は二人の問いに答えず、ケフィと視線を合わせる。

「見ての通り、キサラとトパーズは俺の女だ。つい先ほど、落としたんだ。今や俺の言うことには絶対服従だし、逆らうことはない。そして、俺の肝いりであるこのリンドウの発展を阻害するようなこともしない。タカシ=ハイブリッジ男爵の名の元に誓おうではないか」

「…………」

 俺の言葉を聞いたケフィは、呆然とした表情を浮かべている。
 だが、かろうじて口を開いた。

「だ、大頭領の前では大人しくても、後で反乱を起こすかもしれません……。私はそれが心配なんです」

「ふむ……」

 領主である俺に対して、ここまで頑なに意見してくるとは。
 ケフィはなかなかに意志が強い。
 元Eランク冒険者だし、そんなに自分に自信を持っているタイプには見えなかったが……。
 どうやら相当にこのリンドウの街を気に入っているようだ。

「この二人は大丈夫だ。今、証拠を見せよう」

「証拠って……?」

「いいから見ていろよ」

 俺はそう言って、右手をキサラのズボンの中に、左手をトパーズのスカートの中に入れる。

「おわっ! な、何をするんだよ!?」

「ひゃう! こんなところで……!」

 二人が抗議の声を上げるが――

「動くな。その場で直立不動だ」

「は、はい」

「承知しました……」

 俺が命令すると、二人は動きを止める。
 指示された通り、直立不動の姿勢だ。
 俺は存分に、二人の股間をまさぐる。

「すごい……。こんな無法者を本当に手懐けていらっしゃるなんて……」

 ケフィが感心したように呟く。
 彼女は、目の前で行われている光景が信じられないようだった。

「これだけじゃないぞ。ケフィ、ちょっとこっちに来てみろ」

「は、はい!」

 ケフィは俺たちのすぐ近くにまで来た。

「ほら、屈んでみてくれ。トパーズのスカートの中を覗いてみるんだ。面白いものが見えるはずだぜ?」

「え? は、はい」

 ケフィが言われるがままに、その場にしゃがみこむ。
 トパーズは恥ずかしそうにしているが、俺の言いつけを破ることはなくそのまま直立不動を維持している。

「こ、これは……!」

「な? 分かっただろう? トパーズは俺の言うことは何でも聞くのさ。もちろん、キサラも同じだ」

「……納得いたしました。私はどうやら、大頭領の手腕を侮ってしまっていたようです。それでこそ、私が尽くすべき主です」

 ケフィが立ち上がり、そんなことを言う。
 俺が彼女に見せたのは、ノーパンで俺に従うトパーズの姿だ。
 トパーズが俺の言うことを何でも聞くという事実を、耳で聞かせるより見せたわけだな。
 百聞は一見にしかずというやつだ。

「ハッハ! よく分からねぇが、これで一件落着というわけか!」

「リンドウの街に有能な人手が増えたわけですね。これでますます採掘作業も捗りそうです」

「おう。いろいろと任せたぞ。また今度、様子を見に来るようにするから」

 俺たちがそんな会話をしている間に、会食の準備が整ったようだ。
 俺、マリア、リン、ロロ、ノノン、キサラ、トパーズ。
 ブギー頭領、ジョー副頭領、ケフィ統括。
 主任採掘師コンビ、リンドウ治安維持隊隊長のヤックルなどなど……。

 キサラとトパーズを、改めて紹介する。
 そして、みんなで美味い料理を食べて、交流を深めていく。

 さて。
 ヤマト連邦へ出発するまでに、他の用事も片付けていかないとな。
 俺は美味い料理を食べながら、そんなことを考え始めるのだった。

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