【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
869話 キサラの水魔法?
「いい湯だなー」
とても風情がある。
まだ開発中のため、湯船の深さがまちまちだったり、周囲に柵がなかったりするが、それもまた良し。
「あっ! 騎士様! あそこに何かいます!」
ノノンが指差す先には、小さな生き物がいた。
それは、水面――いや湯面から顔だけ出している。
カメレオンのような外見で、頭頂部に王冠のようなものを付けていた。
「あれは……キングカメレオだな」
「キングカメレオ?」
「ああ。魔物の一種だ。害は無いから、気にしない方がいいぞ」
「そうなんですね」
ノノンは素直に納得したようだ。
一口に魔物と言っても、その危険度や脅威度は様々だ。
いずれ正式にこの施設を一般開放する際には、こういうレベルの魔物すら入り込まないよう間引きや対策をしておく必要はある。
だが、とりあえず今は無視でいいだろう。
俺はそう思ったのだが――
「ご、ご主人さまぁ。本当に大丈夫なんですよね?」
「大丈夫だって。可愛いもんだろう? ほら、こっちに来た」
俺は両手で水を掬い、それをキングカメレオにかけてやった。
すると、キングカメレオは気持ちよさそうにする。
やはり無害な存在らしい。
「ふふっ。可愛いね!」
「…………(こくっ)」
マリアとロロも気に入ったようで、水をかけてやっている。
だが、何事にも例外というものはある。
トパーズは、顔を真っ青にして震えている。
「どうした? 体調でも悪いのか?」
「わ、私はその……爬虫類系の生物が苦手なのです……」
「なんだ、そんなことか」
俺はトパーズを抱き寄せた。
そして、優しく頭を撫でてやる。
「大丈夫だから。何も怖いことはない」
「は、はい」
俺は安心させるように言う。
「いい子だ」
「男爵様ぁ……」
すると、彼女は目をトロンとさせながら、俺にしがみついてきた。
ちょっと甘えん坊モードになっているらしい。
「おい、トパーズ。お前、何をしているんだ!?」
キサラが血相を変えて詰め寄ってきた。
「え? いや、これはですね……。別に男爵様に甘えようとか、そういうつもりではなく……」
「じゃあ、どういうつもりだ!」
「それは……その……。あれは一応魔物ですし、男爵様に守っていただこうかと――」
「あんな低級の魔物が危険なわけないだろうが! ほら、オレが追い払ってやるよ! しっしっ!!」
キサラがキングカメレオを追い払う仕草をする。
しかし、当のキングカメレオはキサラに興味が無いらしく、プカプカ浮いているだけだった。
「むきぃっ!! このトカゲ野郎! こっち見ろ!」
「キサラ。その辺にしておけ。無理に追い払う必要はないぞ」
俺はそう声を掛ける。
だが、頭に血が上ったキサラは止まらない。
「くらえぇっ! 【ウォータースラッシュ】!!」
「ちょっ――」
俺が止める間もなく、キサラの水魔法が発動する。
――いや、違う。
これはあれだ。
水面を腕で叩いただけだ。
小学生男児がプールの授業中にふざけてやるような行為である。
しかし、その威力は段違いだ。
彼女は武闘派の『黒狼団』に所属していたくらいだし、戦闘能力や腕力に優れているからだ。
「わぷっ!?」
当然、大きな波が発生し、俺たちを襲う。
ノノンも巻き込んでしまった。
俺は咄嵯の判断で彼女を庇い、お湯の中に倒れ込む。
「ぶはぁっ! な、何が起きたのでしょうか?」
「キサラの乱心です。これはお灸をすえる必要がありますね」
俺は立ち上がる。
キサラは強い。
だが、ブギー頭領の下に付くのを嫌がったり、こうして些細なことで暴走したりと、問題点も多い。
それらがどうにかなれば、このリンドウの街で重要な役目を任せることも可能なのだが……。
ここが俺の調教力――じゃなくて説得力の見せどころだ。
「キサラ……。今の行動は良くないな。もし仮に、ノノンたちが溺れていたらどうするつもりだ?」
「うっ……。で、でもよ! キングカメレオもちゃんと追っ払えただろ?」
キサラの言う通り、キングカメレオはどこかに行ったようだ。
だが、そんなことは大して重要ではない。
「危険度の低い魔物を追い払うために、小さな子どもたちを危険に晒してもいいというのか?」
「そ、それは……」
「お前は強い。だが、今のままでは宝の持ち腐れだ。盗賊としては好き勝手に暴れるだけでそれなりにやってこれたのだろうが、ハイブリッジ男爵家として動いてもらうには、もっと成長してもらわないと困るんだよ」
「あうぅ……」
キサラは項垂れている。
言い過ぎたかもしれないが、これも彼女のためだ。
俺は心を鬼にする。
「俺だって、お前を罵倒したいわけじゃない。だが、このままではいずれ仲間や領民の命にも関わる。そのことは肝に命じておいてくれ」
「……ちっ。反省してまーす」
キサラは形だけの謝罪の言葉を口にする。
だが、これで終わりではない。
まだやるべきことがある。
そもそも言い聞かせるだけで改善されるなら、こんなに苦労はしないのだ。
「――【ロック・デ・ロック】!!」
「おわぁっ!? な、何をするんだ! タカシ親分!!」
俺は魔法を使って、小さなゴーレムを生み出しキサラの四肢を拘束する。
これはニムが開発した土魔法だ。
教えてもらって、俺も使えるようになっている。
「お仕置きの時間だよ。キサラ」
俺は彼女の背後に回り込み、耳元でそう囁いたのだった。
とても風情がある。
まだ開発中のため、湯船の深さがまちまちだったり、周囲に柵がなかったりするが、それもまた良し。
「あっ! 騎士様! あそこに何かいます!」
ノノンが指差す先には、小さな生き物がいた。
それは、水面――いや湯面から顔だけ出している。
カメレオンのような外見で、頭頂部に王冠のようなものを付けていた。
「あれは……キングカメレオだな」
「キングカメレオ?」
「ああ。魔物の一種だ。害は無いから、気にしない方がいいぞ」
「そうなんですね」
ノノンは素直に納得したようだ。
一口に魔物と言っても、その危険度や脅威度は様々だ。
いずれ正式にこの施設を一般開放する際には、こういうレベルの魔物すら入り込まないよう間引きや対策をしておく必要はある。
だが、とりあえず今は無視でいいだろう。
俺はそう思ったのだが――
「ご、ご主人さまぁ。本当に大丈夫なんですよね?」
「大丈夫だって。可愛いもんだろう? ほら、こっちに来た」
俺は両手で水を掬い、それをキングカメレオにかけてやった。
すると、キングカメレオは気持ちよさそうにする。
やはり無害な存在らしい。
「ふふっ。可愛いね!」
「…………(こくっ)」
マリアとロロも気に入ったようで、水をかけてやっている。
だが、何事にも例外というものはある。
トパーズは、顔を真っ青にして震えている。
「どうした? 体調でも悪いのか?」
「わ、私はその……爬虫類系の生物が苦手なのです……」
「なんだ、そんなことか」
俺はトパーズを抱き寄せた。
そして、優しく頭を撫でてやる。
「大丈夫だから。何も怖いことはない」
「は、はい」
俺は安心させるように言う。
「いい子だ」
「男爵様ぁ……」
すると、彼女は目をトロンとさせながら、俺にしがみついてきた。
ちょっと甘えん坊モードになっているらしい。
「おい、トパーズ。お前、何をしているんだ!?」
キサラが血相を変えて詰め寄ってきた。
「え? いや、これはですね……。別に男爵様に甘えようとか、そういうつもりではなく……」
「じゃあ、どういうつもりだ!」
「それは……その……。あれは一応魔物ですし、男爵様に守っていただこうかと――」
「あんな低級の魔物が危険なわけないだろうが! ほら、オレが追い払ってやるよ! しっしっ!!」
キサラがキングカメレオを追い払う仕草をする。
しかし、当のキングカメレオはキサラに興味が無いらしく、プカプカ浮いているだけだった。
「むきぃっ!! このトカゲ野郎! こっち見ろ!」
「キサラ。その辺にしておけ。無理に追い払う必要はないぞ」
俺はそう声を掛ける。
だが、頭に血が上ったキサラは止まらない。
「くらえぇっ! 【ウォータースラッシュ】!!」
「ちょっ――」
俺が止める間もなく、キサラの水魔法が発動する。
――いや、違う。
これはあれだ。
水面を腕で叩いただけだ。
小学生男児がプールの授業中にふざけてやるような行為である。
しかし、その威力は段違いだ。
彼女は武闘派の『黒狼団』に所属していたくらいだし、戦闘能力や腕力に優れているからだ。
「わぷっ!?」
当然、大きな波が発生し、俺たちを襲う。
ノノンも巻き込んでしまった。
俺は咄嵯の判断で彼女を庇い、お湯の中に倒れ込む。
「ぶはぁっ! な、何が起きたのでしょうか?」
「キサラの乱心です。これはお灸をすえる必要がありますね」
俺は立ち上がる。
キサラは強い。
だが、ブギー頭領の下に付くのを嫌がったり、こうして些細なことで暴走したりと、問題点も多い。
それらがどうにかなれば、このリンドウの街で重要な役目を任せることも可能なのだが……。
ここが俺の調教力――じゃなくて説得力の見せどころだ。
「キサラ……。今の行動は良くないな。もし仮に、ノノンたちが溺れていたらどうするつもりだ?」
「うっ……。で、でもよ! キングカメレオもちゃんと追っ払えただろ?」
キサラの言う通り、キングカメレオはどこかに行ったようだ。
だが、そんなことは大して重要ではない。
「危険度の低い魔物を追い払うために、小さな子どもたちを危険に晒してもいいというのか?」
「そ、それは……」
「お前は強い。だが、今のままでは宝の持ち腐れだ。盗賊としては好き勝手に暴れるだけでそれなりにやってこれたのだろうが、ハイブリッジ男爵家として動いてもらうには、もっと成長してもらわないと困るんだよ」
「あうぅ……」
キサラは項垂れている。
言い過ぎたかもしれないが、これも彼女のためだ。
俺は心を鬼にする。
「俺だって、お前を罵倒したいわけじゃない。だが、このままではいずれ仲間や領民の命にも関わる。そのことは肝に命じておいてくれ」
「……ちっ。反省してまーす」
キサラは形だけの謝罪の言葉を口にする。
だが、これで終わりではない。
まだやるべきことがある。
そもそも言い聞かせるだけで改善されるなら、こんなに苦労はしないのだ。
「――【ロック・デ・ロック】!!」
「おわぁっ!? な、何をするんだ! タカシ親分!!」
俺は魔法を使って、小さなゴーレムを生み出しキサラの四肢を拘束する。
これはニムが開発した土魔法だ。
教えてもらって、俺も使えるようになっている。
「お仕置きの時間だよ。キサラ」
俺は彼女の背後に回り込み、耳元でそう囁いたのだった。
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