【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

861話 魔法の絨毯の上でお菓子を堪能

「おいしいな、このビスケット。マリアももらってるか?」

「うんっ! リンちゃんのお菓子はどれもおいしいね!」

 俺、マリア、キサラ、トパーズ、リン、ロロ、ノノン。
 俺たち7人は、魔法の絨毯に乗って西の森の上空を飛んでいる。
 地上からある程度の距離があるので、ゴブリンやクレイジーラビットなどからの襲撃を心配する必要はない。
 安全な移動だ。

 ただ、俺とマリアの2人の魔力では、7人分の重量を浮かせるのは少しだけキツイ。
 そのため、速度はやや控えめだ。
 時速20キロといったところか。
 ロロのアイテムバッグに収納されていたリンお手製のお菓子を味わいつつ、のんびりと移動している。

「お、オレも食べていいのかよ? 犯罪奴隷なのに……」

「構わん。奴隷といっても、使い潰すつもりはないからな。リンもいいよな?」

「は、はいぃ。たくさん作ってきたので、遠慮せずに召し上がってくださいねぇ」

 俺の言葉を受け、リンがキサラやトパーズにもお菓子を手渡していく。
 キサラは恐る恐る受け取り、トパーズはとても嬉しそうだ。

「ふふっ。形はいびつですが、味は一級品ですね。カジノに置いてあったお菓子にも引けを取りません」

 トパーズがリンのお手製クッキーを絶賛している。
 確かに、見た目は不格好だが、とても美味しい。

「あ、ありがとうございますぅ。料理を作るのは好きなのでぇ……」

「…………(もぐもぐ)」

「リン先輩は本当にすごいです! 私もがんばらないと……!!」

 ロロは黙々と食べ、ノノンは決意を新たにしている。
 リンは照れくさそうにしている。

「リンはいいお嫁さんになれそうだな」

「ふええええええ!?」

「あー、わかるかもっ! リンちゃんならいいお嫁さんになれると思う!」

「ひゃあああ……」

 俺の呟きにマリアが同意した。
 リンは顔を真っ赤にして可愛い悲鳴を上げている。
 リンが可愛すぎて辛い。
 幼女は射程圏外のはずだが、それでもリンのことが愛おしくて仕方がないのだ。
 これは親心なのだろうか?

「なぁ、キサラ。リンが可愛すぎるんだが、どうしたらいいと思う? 今すぐに結婚を申し込んでも大丈夫かな?」

「……し、知らねぇよ。このロリコン野郎が」

 キサラに呆れた目を向けられた。
 ロリコンって何だよ?
 別に俺は幼女を性的な目で見ているわけではないぞ。
 ただ単にリンが好きなだけだ。

 それに、リンはまだ幼いだけで、あと数年もすれば立派な淑女になるはずだ。
 彼女の成長が非常に楽しみである。

「と、ところでぇ……。ジャムもありますけどぉ……。よかったらこちらも試食してみてください」

「おお、ありがとう」

「わぁい、ありがと!」

 リンがロロのアイテムバッグから容器を取り出した。
 中には真っ赤なリンゴのジャムが入っているようだ。

「いただきます」

 ジャムをビスケットに乗せ、口に運ぶ。
 ――うむ、うまい。
 程よい甘さが口に広がっていく。

「これも絶品だな。どこで買ったんだ?」

「い、いえ。これはわたしが手作りしたものなので、売っているものではありません」

「なにっ?」

 にわかには信じがたい。
 クッキーやビスケットに加えて、ジャムまで手作りだと?
 これほど見事なものを、幼女が作ったというのか?

「詳しく……説明してくれ。今、俺は冷静さを欠こうとしている」

「そ、そんなに凄いことではないんですぅ……。ただ、ご主人さまに喜んでほしくて、いろいろがんばってきただけなんですよぉ」

「ふむ……」

「ニムさまが管理されていたリンゴの木で採れたものは、とってもおいしいんです。誰が加工しても、おいしいジャムになりますよぉ」

「なるほど……。だがそれでも、リンの頑張りは褒められるべきことだと思う」

 確かに、ニムの家庭菜園で作った野菜や果物は絶品ばかりだ。
 それは、俺もよく知っている。
 しかし、その食材を使って、ここまでのクオリティのものを作り出すことができるとは。
 俺は改めて、リンのポテンシャルの高さを実感した。

「偉いぞ、リン」

「ふぇへへぇ……」

 俺が彼女の頭を撫でると、リンは気持ち良さそうな表情を浮かべて微笑んだ。
 ――おっ!
 ”これ”は……朗報だな。
 後でしっかりと確認しておこう。

「……」

「ん? どうした? キサラ」

 キサラが無言で俺を見つめていた。

「な、なんでもないぜっ! 別に撫で撫でが羨ましくなんて思ってねぇからなっ!」

「ふむ」

 キサラは少しツンデレの気質がある。
 今ここで頭を撫でてやれば、キサラの忠義度は上がるだろう。
 だが、あまりにも安売りしすぎるのもな。
 適度に出し惜しみしておこう。

 彼女とはまた今度スキンシップをするか。
 俺がそんなことを考えている時だった。

 ピュウッ!
 ちょっとした突風が吹いた。
 魔法の絨毯がこれぐらいで墜落することはない。
 だが――

「ひゃぁっ!?」

「…………ッ!」

「やぁんっ!!」

 幼女三人組のスカートが捲れ上がった。

「むっ!!」

 彼女たちは咄嵯にスカートを押さえたが、俺の目にはバッチリ見えていた。
 視力強化のスキルは伊達じゃない。

「むほほ……」

「はぁ……。こんなロリコンが男爵なんて、世も末ですね……」

 トパーズのため息交じりの言葉が聞こえてきた。
 失礼な奴め。

「あぅぅ……」

「騎士様のエッチぃぃ……」

「…………(こくり)」

 リン、ノノン、ロロは顔を真っ赤にして、恥ずかしがっている。
 そんな恥じらいの様子ですら、俺は愛おしいと感じてしまうのだった。

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