【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

853話 ナオンへの特別な指導

 俺、ナオン、ナオミの3人は、ハイブリッジ男爵家の屋敷に帰ってきた。
 ちなみに、治安維持隊の一般隊員たち5名は、引き続き北の練習場で鍛錬をしている。
 今回の”特別メニュー”をこなすのは、隊長のナオンだけである。
 そして――

「か、閣下……」

「どうした? ナオン」

「こ、これはぁ、本当に鍛錬なのですか? んっ!」

「もちろんだとも。体のリンパを刺激することにより、魔力や闘気の流れが良くなるのだ」

 彼女の胸をもみながら、俺はそう説明する。
 まぁ適当だが。

「そ、そうなんですね。ひゃうん!」

 ナオンがビクンッと体を震わせる。

「それにしても、ナオン。ずいぶんと可愛らしい声を出すんだな。さすがはナオミちゃんの姉だ」

「な、何を言って……、あっ! そこはダメぇ!!」

「ふむ。ここが弱いのか。どれどれ……」

「あんっ!! ダ、ダメですってばぁ……」

 ナオン厳しく真面目な女性だ。
 どこか子どもっぽさが抜けないナオミとはタイプが異なると思っていたが……。
 こうして見ると、やはり姉妹である。
 似ているところも多い。

「姉様が……。こんな……」

「ち、違うんだナオミ。これは鍛錬であって、別に気持ちよくなってるわけでは……」

 憧れていた姉が乱れる姿を見て驚きの声を漏らすナオミ。
 ナオンは必死に取り繕い、姉としての威厳を保とうとしている。

「2人とも、少し勘違いしているぞ」

「「え?」」

「これは確かに鍛錬だ。しかし、何も厳しく辛い物事だけが鍛錬ではない。気持ちよくなる鍛錬だってあるんだよ」

 俺は厳格な口調で言う。
 ナオンとナオミに教えてあげなくてはならない。
 厳しいことだけしかやらないのが、本当の鍛錬ではないということを。

「さて、次はここだな。ほら、その手をどけるんだ」

「し、しかしここは……」

「いったいどうしたというのだ。これは強くなるために必要なことだぞ。生娘でもあるまいし、恥ずかしがることなどないではないか」

「そ、それは……。…………です」

 ナオンが消え入りそうな声で呟く。
 よく聞こえなかった。

「え、なんだって?」

「わ、私は生娘ですよ! 経験なんてありませんよぉーっ!!」

「なんだって!? それは本当か!」

 俺は思わず大声で叫ぶ。

「ひっ!」

 ナオンが怯えた表情で俺を見つめる。
 しまった。
 驚かせてしまったか。

「すまない。大きな声を出して悪かった。ただ、これから指導していくにあたって、確認しておかなくてはならなかったんだ」

「確認ですか?」

「そうだ。ナオンは処女なのか?」

「しょ、処女ですけど……。それが何か?」

「ふむ。そうか。ナオミちゃんはどうだ?」

 俺はナオミに話を振る。

「へ? あ、アタシはその……」

「ナオミに経験があるわけがないでしょう。確認するまでもありません。閣下の目はまだ曇られて――」

「ひ、一人です。ハイブリッジ様だけですが……」

 ナオンの言葉を遮るように、ナオミが答える。
 ナオンは大きく目を見開いた。

「な、なんだとっ! ナオミ、貴様いつの間に閣下と……」

「あの……えっと……王都にいた時に……」

「な、なんということだ……。妹に出遅れてしまうとは……」

 ナオンが悲壮な表情を浮かべる。
 だが、しばらくして表情を切り替えた。

「ふ、ふんっ! 閣下も人が悪いですな」

「ん?」

「閣下には魅力的な奥方がたくさんいるではありませんか。それなのに、ナオミのような子どもを誑かすとは……。こやつは本気にしますよ?」

 ナオンが俺とナオミにやや侮蔑が混じった視線を向ける。
 これは少し良くない話の流れだな。
 俺がお遊びで配下に手を出したと思われているようだ。
 訂正せねばなるまい。

「本気にしてもらっても結構だ。ナオミちゃんさえよければ、将来的に俺の子を生んでほしいと思っている」

「えへへ……。ハイブリッジ様ぁ……」

 ナオミが俺に甘えるような声を出しながら抱きついてくる。
 幸せいっぱいといった様子だ。

「うぐっ!」

 ナオンが胸を押さえて苦しげにうめく。

「ナオミ、お前はそれでいいのか!? きっと騙されて……」

「え? でも……すごく優しくしてくれるから……」

「そ、そんなバカな! ナオミ、目を覚ませ! 閣下には既に8人もの奥方がいるのだぞ!! どうせお前の優先度は一番低く――」

「姉様は黙っててください!」

「なっ……」

 ナオミが珍しく強い口調で言う。

「アタシ、ハイブリッジ様に憧れていたんです。とっても強くて、盗賊にさらわれたアタシを助けてくれて……。だから……、好きになってもいいじゃないですか」

「ナオミ……。そうだったのか……。そこまで……」

 ナオンがようやく理解したというような顔になる。

「わかっただろう。ナオン。ナオミちゃんは、すでに俺の女なのだ。それを無理に引き離す必要もあるまい」

「しかし……」

「それに、だ。俺たちハイブリッジ男爵家は、まだまだ発展する。農業、工業、観光業……。金はどんどん入ってくるだろう。南部と西部には未開拓地域が広がっているし、領地も広げられる可能性がある」

 ハイブリッジ男爵領は、サザリアナ王国の中で南西部に位置する。
 そこからさらに南や西には山脈があり、その先に何があるかはまだ不明だ。
 いずれは選抜隊で山越えを目指すつもりである。
 その後、自動車や列車のような魔道具、あるいはトンネルや転移魔法陣の設置に成功すれば、一般人も自由に行き来することが可能となるかもしれない。
 俺が手当たり次第の女性に手を出して子どもを生んでもらったとして、将来的に金や分配領土に困ることはないはずだ。

「まあ、そういうことだ。決してナオミちゃんに不自由はさせない」

「…………わかりました。姉として、ナオミと閣下の関係は黙認しましょう」

 ナオンが渋々と言った感じで引き下がったのだった。

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