【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
829話 加護付与に伴う懸念事項
俺はミティと共に隊長室を出た。
少しだけ歩き、騎士団の訓練場に到着した。
「ふむ。なかなかに壮絶な光景だな……」
10人を超える騎士たちが倒れている。
何も、不法者に襲撃されたわけではない。
彼らは、隊長室の異変に気付いて駆けつけてくれた騎士たちなのだ。
それは当然の判断であり、本来は褒められこそすれ非難される謂れは全くない。
だが、今回は特別な事情があった。
隊長室では、俺、イリーナ、レティシアが直前まで尋問プレイを行っており、それぞれ全裸となっていた。
彼らは、ミティにより投げ飛ばされた全裸のレティシアをキャッチすべく殺到していたのだが、それに伴い暴動が起きるリスクが少しあった。
そこでイリーナが時魔法を使って自分の時間を加速させ、騎士たちを峰打ちで気絶させたのである。
「やはり大隊長というだけあって、かなりやるようですね。私も力勝負なら自信がありますが、何でもありの実戦では勝てないかもしれません」
「まぁ、彼女は味方だし勝てなくても問題ないさ。それに、俺やミティならさらに成長していずれは彼女を凌駕することも可能だろう」
なにせ、俺たちには『ステータス操作』のチートがあるからな。
レベルアップやミッション達成により貰えるスキルポイントを消費することで、新たなスキルを得たり既存スキルを強化することができる。
いずれは『誓約の五騎士』にして王都騎士団の大隊長でもあるイリーナですら、倒せるようになるはずだ。
(ミティにはまだ言っていないが、イリーナとレティシアに加護を付与できたのは結構大きいな……)
彼女たちは俺の直接の配下ではない。
つまり、今後のハイブリッジ男爵領の発展に直接的に貢献してくれるわけではない。
だが、王都騎士団の大隊長や中隊長といった要職にある実力者を味方につけることができたのだ。
これは今後、大きな意味を持つことになるはずである。
(少しだけ気になるのは、イリーナを強化したことだ。元々、彼女は俺と同格か、少し上ぐらいの実力を持つと見立てていた。今回の加護の強化により、現時点では完全に俺よりも上になったんだよな……)
ミティやアイリスなど、愛する妻を強化することには何の問題もない。
俺の子どもを生んでくれているし、今後あらゆる意味で命運を共にする仲間であり家族でもあるからだ。
レインや雪月花あたりも、まぁ問題ないだろう。
それぞれハーレムメンバーの一員だし、将来的には妻となったり俺の子どもを生んでくれる可能性もある。
キリヤやセバスも、概ね問題ない。
俺の配下としてなかなかの忠誠を誓ってくれているし、本人たちの性格的にも反旗を翻したりするようなタイプじゃない。
それに、それぞれかなりの強者ではあるが、チートの恩恵を最大限に受けている俺やミリオンズのメンバーに比べるとさすがに劣る。
いざとなれば制圧も可能だ。
リン、ロロ、トリスタ、ノノンあたりの非戦闘員たちについては、なおさらそうだ。
(戦闘能力の高い実力者をさらに強化することには、一定のリスクもある。万が一、俺と敵対したときに厄介になる点だ)
加護付与の条件を満たしているという時点で、俺に対する忠義度は一定以上あるということでもある。
その時点では、敵対する可能性はゼロに等しいだろう。
しかし、将来的にはどうか?
俺以上に優先すべきものがある者であれば、俺に害をなす可能性は否定しきれない。
(今回のイリーナで……4人目の強者といったところか)
ハガ王国国王のバルダイン。
サザリアナ王国第三王女にして、俺との婚約が内定しているベアトリクス。
サザリアナ王国騎士爵にして、俺の盟友でもあるシュタイン。
そして、サザリアナ王国名誉伯爵にして、王都騎士団大隊長を務める『誓約の五騎士』のイリーナだ。
4人とも確かな実力を持ち、社会的な身分も高い。
実質的な味方として強化できたのは大きい。
しかし同時に、社会的な身分が高いがゆえの危うさもある。
例えば、ミッションで『ハガ王国を侵略しハイブリッジ男爵領とせよ』なんてものがあったらどうだろうか。
俺はそれに従いかねない。
いや、むしろ積極的に従おうとするだろう。
ミッションなどという不可思議なシステムを操る超常の存在に逆らうわけにはいかないし、世界滅亡の危機を回避するためにはミッションに従うべきだという考えもあるからだ。
その場合、俺が率いるハイブリッジ男爵家と、バルダインが率いるハガ王国は敵対することになる。
ハガ王国はサザリアナ王国と比べると小国だが、それでも戦力は整っている。
王子のバルザック、六武衆、六天衆などは強敵だ。
しかし、チートによって強化されたハイブリッジ男爵家ならば倒すことも可能だろう。
ただ、そのリーダーとして加護で強化されたバルダインが立ち塞がればどうか?
苦戦は免れないはずだ。
もちろん、そんな事態に陥ることはほぼ有り得ないとは思う。
だが、完全にあり得ないと言い切れるほどの楽観視はできない。
同じようなことは、ベアトリクス、シュタイン、イリーナに関しても言える。
いや、むしろこちらの方が危険度は高いかもしれない。
例えばミッションで『サザリアナ王国王家に反旗を翻し、王位を簒奪せよ』というものがあったらどうだろうか。
俺は仕方なくそれに従うことになる。
だが、第三王女のベアトリクス、騎士爵のシュタイン、騎士団大隊長にして『誓約の五騎士』のイリーナがそれを黙って見ているわけもない。
通常の加護レベルになれば、彼女たちが俺に味方してくれる可能性もあるだろう。
だが、加護(小)に留まる内はさすがに国家に対する忠義が勝ってしまう気もする。
となれば、ハイブリッジ男爵家との敵対は必至だ。
加護を抜きにしても、ネルエラ陛下本人やイリーナ以外の『誓約の五騎士』もかなり強い。
そこへ加護によって強化されたベアトリクスたちまでもが加われば、ハイブリッジ男爵家にとってかなり厳しい戦いになる。
(ま、考え過ぎか……。起きていないことをあれこれ心配しても仕方ない。むしろ、『もっといろんな人を強化しておけば良かった』と思う可能性の方が高いだろうし)
例えば、隣国のウェンティア王国が戦争を仕掛けてきたり、中央大陸の聖ミリアリア統一教会が宗教戦争を仕掛けてきたり、あるいはサザリアナ王国内で突発的なモンスターの大氾濫が起きたりとか……。
王位簒奪なんてミッションが出されることの懸念よりも、こちらの方がよほど発生確率が高いように思える。
細かいことは気にせず、加護の付与をガンガン狙っていく方針で問題ないだろう。
「さて。まずはこいつらを治療してやるとするか」
小隊長クラスの者たちの中には、意識を取り戻し始めている者もいる。
しかし大多数はまだ気絶したままだ。
俺の治療魔法で治療してやろう。
これでまた、多少の忠義度が稼げるはずだ。
俺はそんなことを考えつつ、倒れている騎士たちの中央あたりに向けて歩みを進めていったのだった。
少しだけ歩き、騎士団の訓練場に到着した。
「ふむ。なかなかに壮絶な光景だな……」
10人を超える騎士たちが倒れている。
何も、不法者に襲撃されたわけではない。
彼らは、隊長室の異変に気付いて駆けつけてくれた騎士たちなのだ。
それは当然の判断であり、本来は褒められこそすれ非難される謂れは全くない。
だが、今回は特別な事情があった。
隊長室では、俺、イリーナ、レティシアが直前まで尋問プレイを行っており、それぞれ全裸となっていた。
彼らは、ミティにより投げ飛ばされた全裸のレティシアをキャッチすべく殺到していたのだが、それに伴い暴動が起きるリスクが少しあった。
そこでイリーナが時魔法を使って自分の時間を加速させ、騎士たちを峰打ちで気絶させたのである。
「やはり大隊長というだけあって、かなりやるようですね。私も力勝負なら自信がありますが、何でもありの実戦では勝てないかもしれません」
「まぁ、彼女は味方だし勝てなくても問題ないさ。それに、俺やミティならさらに成長していずれは彼女を凌駕することも可能だろう」
なにせ、俺たちには『ステータス操作』のチートがあるからな。
レベルアップやミッション達成により貰えるスキルポイントを消費することで、新たなスキルを得たり既存スキルを強化することができる。
いずれは『誓約の五騎士』にして王都騎士団の大隊長でもあるイリーナですら、倒せるようになるはずだ。
(ミティにはまだ言っていないが、イリーナとレティシアに加護を付与できたのは結構大きいな……)
彼女たちは俺の直接の配下ではない。
つまり、今後のハイブリッジ男爵領の発展に直接的に貢献してくれるわけではない。
だが、王都騎士団の大隊長や中隊長といった要職にある実力者を味方につけることができたのだ。
これは今後、大きな意味を持つことになるはずである。
(少しだけ気になるのは、イリーナを強化したことだ。元々、彼女は俺と同格か、少し上ぐらいの実力を持つと見立てていた。今回の加護の強化により、現時点では完全に俺よりも上になったんだよな……)
ミティやアイリスなど、愛する妻を強化することには何の問題もない。
俺の子どもを生んでくれているし、今後あらゆる意味で命運を共にする仲間であり家族でもあるからだ。
レインや雪月花あたりも、まぁ問題ないだろう。
それぞれハーレムメンバーの一員だし、将来的には妻となったり俺の子どもを生んでくれる可能性もある。
キリヤやセバスも、概ね問題ない。
俺の配下としてなかなかの忠誠を誓ってくれているし、本人たちの性格的にも反旗を翻したりするようなタイプじゃない。
それに、それぞれかなりの強者ではあるが、チートの恩恵を最大限に受けている俺やミリオンズのメンバーに比べるとさすがに劣る。
いざとなれば制圧も可能だ。
リン、ロロ、トリスタ、ノノンあたりの非戦闘員たちについては、なおさらそうだ。
(戦闘能力の高い実力者をさらに強化することには、一定のリスクもある。万が一、俺と敵対したときに厄介になる点だ)
加護付与の条件を満たしているという時点で、俺に対する忠義度は一定以上あるということでもある。
その時点では、敵対する可能性はゼロに等しいだろう。
しかし、将来的にはどうか?
俺以上に優先すべきものがある者であれば、俺に害をなす可能性は否定しきれない。
(今回のイリーナで……4人目の強者といったところか)
ハガ王国国王のバルダイン。
サザリアナ王国第三王女にして、俺との婚約が内定しているベアトリクス。
サザリアナ王国騎士爵にして、俺の盟友でもあるシュタイン。
そして、サザリアナ王国名誉伯爵にして、王都騎士団大隊長を務める『誓約の五騎士』のイリーナだ。
4人とも確かな実力を持ち、社会的な身分も高い。
実質的な味方として強化できたのは大きい。
しかし同時に、社会的な身分が高いがゆえの危うさもある。
例えば、ミッションで『ハガ王国を侵略しハイブリッジ男爵領とせよ』なんてものがあったらどうだろうか。
俺はそれに従いかねない。
いや、むしろ積極的に従おうとするだろう。
ミッションなどという不可思議なシステムを操る超常の存在に逆らうわけにはいかないし、世界滅亡の危機を回避するためにはミッションに従うべきだという考えもあるからだ。
その場合、俺が率いるハイブリッジ男爵家と、バルダインが率いるハガ王国は敵対することになる。
ハガ王国はサザリアナ王国と比べると小国だが、それでも戦力は整っている。
王子のバルザック、六武衆、六天衆などは強敵だ。
しかし、チートによって強化されたハイブリッジ男爵家ならば倒すことも可能だろう。
ただ、そのリーダーとして加護で強化されたバルダインが立ち塞がればどうか?
苦戦は免れないはずだ。
もちろん、そんな事態に陥ることはほぼ有り得ないとは思う。
だが、完全にあり得ないと言い切れるほどの楽観視はできない。
同じようなことは、ベアトリクス、シュタイン、イリーナに関しても言える。
いや、むしろこちらの方が危険度は高いかもしれない。
例えばミッションで『サザリアナ王国王家に反旗を翻し、王位を簒奪せよ』というものがあったらどうだろうか。
俺は仕方なくそれに従うことになる。
だが、第三王女のベアトリクス、騎士爵のシュタイン、騎士団大隊長にして『誓約の五騎士』のイリーナがそれを黙って見ているわけもない。
通常の加護レベルになれば、彼女たちが俺に味方してくれる可能性もあるだろう。
だが、加護(小)に留まる内はさすがに国家に対する忠義が勝ってしまう気もする。
となれば、ハイブリッジ男爵家との敵対は必至だ。
加護を抜きにしても、ネルエラ陛下本人やイリーナ以外の『誓約の五騎士』もかなり強い。
そこへ加護によって強化されたベアトリクスたちまでもが加われば、ハイブリッジ男爵家にとってかなり厳しい戦いになる。
(ま、考え過ぎか……。起きていないことをあれこれ心配しても仕方ない。むしろ、『もっといろんな人を強化しておけば良かった』と思う可能性の方が高いだろうし)
例えば、隣国のウェンティア王国が戦争を仕掛けてきたり、中央大陸の聖ミリアリア統一教会が宗教戦争を仕掛けてきたり、あるいはサザリアナ王国内で突発的なモンスターの大氾濫が起きたりとか……。
王位簒奪なんてミッションが出されることの懸念よりも、こちらの方がよほど発生確率が高いように思える。
細かいことは気にせず、加護の付与をガンガン狙っていく方針で問題ないだろう。
「さて。まずはこいつらを治療してやるとするか」
小隊長クラスの者たちの中には、意識を取り戻し始めている者もいる。
しかし大多数はまだ気絶したままだ。
俺の治療魔法で治療してやろう。
これでまた、多少の忠義度が稼げるはずだ。
俺はそんなことを考えつつ、倒れている騎士たちの中央あたりに向けて歩みを進めていったのだった。
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