【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

821話 何か申し開きはある?

「さぁ、レティシアちゃん! タカシちゃんの服を脱がせるよっ!」

「承知しました!」

「ま、待て! やめろぉ!!」

 俺は簡易ベッドに仰向けに拘束されたまま、抵抗を試みる。
 だが、『魔封じの枷』により思ったように力が入らない。
 それでも一般人相手なら抵抗もできただろうが、今回の相手はイリーナとレティシアだ。
 さすがに分が悪い。

「そりゃぁっ! タカシちゃんのシャツはもらったぁ! ――って、すごっ……」

 イリーナが俺の上半身を剥き出しにした途端、感嘆の声を上げる。
 俺がこの世界に転移してきて2年以上が経過した。
 日々の冒険者活動、そしてスキルの補正もあるのか、俺の体はかなり引き締まっている。
 いわゆる細マッチョというやつだ。
 王都騎士団にも、俺ほどの肉体美を持つ者はなかなかいないだろう。

「見惚れている場合ですか、イリーナ大隊長!」

「え? あっ、ごめんごめん」

「私の方も、ズボンを脱がせそうです! これでハイブリッジ男爵はパンツ一丁になりますよ!!」

「くそっ! やめろぉ!!」

 俺は言葉で抵抗する。
 だが、そんなことでレティシアが手を止めるわけもない。

 スポーン!
 彼女の手により、俺のズボンが脱がされてしまった。
 そして――

「「…………」」

 二人の視線が俺の股間に集中する。
 なんだ?
 やたらと見られている気がする。

 確かに今の俺の股間は、モッコリしていることだろう。
 二人の下着姿を見たからだ。
 俺のアソコのサイズは、スキルの補正もあるのか常人よりも少しだけ大きい。

 だが、所詮は少し大きいだけだ。
 ここまで注目をされるほどでもないはずだが……。

「ねぇ、レティシアちゃん」

「はい、イリーナ大隊長。これは完全にクロですね」

「だよねぇ」

 二人は何やら納得した様子だ。
 一体何が起きているんだ?

「タカシちゃん? 君が今穿いている赤いパンツだけどさぁ……」

「うん?」

「手配書に映ったレッド仮面の赤いパンツと同じデザインに見えるんだけど……。何か申し開きはある?」

(し、しまったあああぁっ!!!)

 俺としたことが、オパンツ戦隊・レッド仮面に扮したときと同じパンツを穿いていたのだった。
 これは動かぬ物証だ。
 マズいぞ!

 俺の猥褻物陳列罪が確定すれば、ハイブリッジ男爵家に汚名を着せてしまうことになる。
 それだけは避けなければ!
 この状況から、二人を黙らせる手段は何かないのか――。

「こ、これは誤解だ! オパンツ戦隊・レッド仮面とやらと同じ赤いブーメランパンツを穿いているのは、たまたまなんだ!!」

「ええっと。語るに落ちている気がするんだけど……。タカシちゃんって、こういう方面では実はポンコツなの?」

「実は、私も少し前からそう思っていました。良く言えば『嘘をつけない』性格なんですよね」

「うぐぅ……」

 俺は何も言い返せなかった。
 その通りだからだ。
 戦闘能力や魔法技能は、ステータス操作のチートにより順調に成長を続けている。
 仲間や部下の満足度の把握は、加護付与スキルの副次的な恩恵で何とかなる。
 さらに、現代日本の知識チートのようなものもある。
 だが、こうして拘束された状態の尋問において、隙を見せない受け答えができるような精神力は持ち合わせていないのだ。

「まあいいよ。とりあえず、これは証拠品として押収ね」

「そ、それは困る!」

「なんでよ。これくらいで目くじら立てなくてもいいじゃん。ただのパンツでしょ?」

「だって、それを脱がされたら――ああっ!?」

 俺の言葉の途中だったが、イリーナが俺のパンツに手をかける。
 そして、そのまま一気にずり下ろした。

「ほーん。これがタカシちゃんの……」

「おっきぃ……」

 イリーナとレティシアが、俺の股間をまじまじと見つめている。
 二人の視線を感じるたびに、俺の息子がビクンッ! と反応してしまう。

「やめろおおぉぉぉっ!!!!」

 俺は絶叫するが、もちろんそれで止まるはずがない。

「自供のようなものは引き出せたし、証拠品も押収したし……。取り調べは終わりでいいかな?」

「いいと思います。後は、誰に報告するかだけですね。ムロン宰相か、あるいはネルエラ陛下に直接報告いたしましょうか?」

「うーん、そうだねぇ……」

 イリーナとレティシアが何やら相談をしている。
 このままではマズい!
 俺の成り上がり人生が終わってしまう!!

「ま、待ってくれ! 頼む、待ってください!」

「ええ~? でも、もう終わったことだしさぁ」

「そこをなんとか! お願いします!!」

「「……」」

 俺が必死に懇願すると、二人が顔を見合わせた。
 そして――

「仕方ないか。そこまで言うなら、一つ条件を出すよ」

「じょ、条件ですと!?」

「うん。最初に言っていたように、タカシちゃんにはこれから寸止め地獄を味わってもらう。せっかくお膳立てしたのに、タカシちゃんが早々に自供するからつまんないと思っていたんだよ」

「そ、そんな……!?」

「そこで、今から1時間以内にタカシちゃんが達しなかったら無罪放免にしてあげる。ただし、もし無様にも達しちゃったら――わかるよね?」

「くっ……。わかりました」

 この状況では、同意するしかない。

「はい、決まりね。じゃあ、せいぜいアタシたちを楽しませてね? タカシちゃん」

「あの高名なハイブリッジ男爵が、私たちに逆らえない状態に……。ふふふ、楽しくなってきました」

 イリーナとレティシアが怪しい目つきで俺を見る。
 二人の獲物を見るような視線に、俺の背筋は凍ったのだった。

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